ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第42節 FC琉球vs大分トリニータ

2022-10-28 18:28:44 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の琉球の記事はこちら(40節・金沢戦、2-1)
※前回の大分の記事はこちら(41節・山形戦、0-3)

<前節からの変更>

琉球=1人変更し、清武が25節以来のスタメン出場。前節左サイドバックの福村に代わって左サイドハーフに入り、左SHだった大本が左SBへとシフト。J2最後?の試合となる可能性が高いこの日だが、特にベンチメンバーにサプライズは無い。

大分=4人を入れ替え。右センターバックが小出→上夷(28節以来の出場)・左ウイングバックが増山→松本(22節以来のスタメン)・右シャドーが町田(前節負傷交代)→野村・1トップが金崎→サムエル。久々なメンバーが名を連ねたのは、渡邉・藤本といったベンチも同様である。

スタメン

前節で降格圏が決定してしまい、ホーム最終戦に臨む事となった琉球。
既に降格を免れる方法は自力ではどうしようも無く、残されたJ2の試合をどう使うか、といった最終節。

厳しいのはバックボーンも同様のようで、この日の観衆は3349人。
ちなみにホーム開幕戦(2節・千葉戦)では2234人と、節目の試合にしてこの数字というのは、J2で4年間を過ごしたクラブにしては非常に物足りないものであり。
ステップアップしたいという所でウィルス禍に苛まれ、特に沖縄はその対策の拙さでやり玉にあがる事が多かった土地事情もあり、増員のチャンスが無かったという要素も甚大だったでしょう。
今季は不振だったとはいえ、成績面ではまずまずの3年間だっただけに、果たしてサッカーが根付く土壌はどれだけ備わっていたか。
チームカラーであるポゼッションスタイルも投げうってしまっただけに、将来の見通しはどんなものでしょうか。

サッカーに視点を戻すと、この日は清武がスタメン復帰を果たした琉球。
それでもサッカーの内容に大きな変化は無く、立ち上がりからデュエル面で勝り反則を貰い、得た遠目からのフリーキックで放り込むというスタイルを貫きます。
大分はそんな相手を警戒してか、3-1-6(3-1-5-1)のような形を取る普段のビルドアップを抑え。
3CB+ドイスボランチの基本形からあまり可変せず、後方の人数を確保しての繋ぎになっていました。
前節の完敗もあり、失点を防ぐ意識を強めたというのもあるでしょう。

しかし後ろを意識した(と思われる)その甲斐も無く、前半11分に情けない姿から失点。
右サイドから李栄直(リヨンジ)が裏へロングパスを送り、ケルヴィンを走らせるも大分・ペレイラが前に出て対応に入り。
好機にはならずと思われたその刹那、クリアしようとしたペレイラが転倒してしまい、キックミスでこぼれたボールを確保したケルヴィンがカットインからクロス。
そしてファーサイドで放たれた清武のヘディングシュートがゴールに突き刺さり、あっけなくといった表現が相応しい琉球の先制点となりました。
確かにペレイラは後ろからケルヴィンのチャージを意識しなければならない形にはなりましたが、雨天のコンディションもありスリップを疑われる形で、というのが印象悪く。

アクシデント性高い失点の仕方となってしまった大分。
直後のキックオフからの攻撃、右サイドからのスルーパスに走り込んだサムエルがエリア内右からシュートを放ち、GKダニー・カルバハルがセーブという好機に繋げた事で何とかファイティングポーズを保ち。
16分には再び右から上夷がサムエルへ斜めの縦パスを入れ、カットに入られるもスペースにこぼれた所を野村が拾うというラッキーな好機に。
しかしエリア内を突いて放たれたこの野村のシュートもGKカルバハルのセーブに遭い、電撃的に追い付く事は出来ませんでした。

WBを最前線に位置取らせるようなビルドアップから攻めようとする大分。
例を挙げれば下田が左サイドに開いたり、梅崎が降りて受けたりという可変から、松本が高い位置で攻撃に絡むという立ち回りで崩さんとします。
しかし琉球の守備意識は高く、サイド奥まで運ばんとするとディフェンスに遭ったり、それをかわさんとしてゴールラインを割ったりでクロスは上げられず。
逆に19分、松本が手前からクロスを上げると、風にも乗ってファーサイド奥を突いたボールに野村が足で合わせる(GKカルバハルも釣られるが角度が足りず枠外)という惜しい好機が生まれ。

ボール支配率でかなりの差が生まれた(大分の70%越え)状態で飲水タイムが挟まれ。
しかし第2クォーターの28分、GKからの繋ぎを敢行する大分に対し果敢にプレッシングを掛ける琉球。
GK吉田にケルヴィンが行ったのをスイッチとして野田・武沢・池田が次々とボールホルダーに襲い掛かった末に、出された縦パスを李がカットして見事に嵌めきり。
ここから逆にボールを繋ぎ攻める琉球、清武がエリア内へ縦パスを入れようとしたものの主審(榎本一慶氏)に当たって跳ね返るという不運で途切れましたが、大分のペースを乱す事には成功します。

リードもペースも奪いつつあった琉球、40分に武沢が足を痛めて交代してしまう(人見を投入)アクシデントに苛まれましたが、一丸となってサッカーを貫き。
45分には中盤からのFKでの放り込みから、中川創の落としを拾ってから尚も繋ぎ、エリア内へロビングを入れ続ける波状攻撃。
その末に池田の右からのクロスを収めた野田がシュート(枠外)とフィニッシュで締めるという、時間を進めていくと共にあわよくば追加点を、といった立ち回り。
大分は前半も終盤を迎え、いつものように下田が最終ラインに降りる4-1-5でのビルドアップの形へと移したものの、効果は芳しくなく。
アディショナルタイムに、コーナーキックから放たれたペレイラのヘディングシュート(ゴール左へ外れ)が惜しかったというぐらいで、無得点のまま前半を終える事となりました。

迎えた後半も、琉球が一貫したサッカーで大分サイドを脅かしにかかります。
キックオフからの攻撃で、李のロングパスが左サイドの野田に収まった事で好機に繋げ、大本のクロスをファーサイドで上原牧人が合わせボレーシュート。(枠外)
後半4分にはゴールキック→野田フリック→ケルヴィンボールキープというシンプルな流れから、リターンを受けた野田が単騎突撃を掛けるも、大分・野村に後ろから倒されて止められ。(反則無し)
判定に納得出来ない野田が、その後執拗に主審に異議を唱えた結果警告を受ける等、一度ベクトルが前に向かえば止められる者は居ないといったこの日の琉球。

一方の大分は、鳴りを潜めていた弓場が一列上がり、お馴染みの3-1-6の形を取る攻撃を解禁します。
後半から取り入れる辺りに、ともあればプレーオフを見据えた戦いが垣間見えましたが、それでも琉球の粘りの前に流動化するには至らない攻撃。

逆に13分には清武のドリブルを止めるものの、こぼれ球の処理をミスして野田に拾われ琉球が好機を作り。
ケルヴィンからエリア内右へスルーパスが送られ、人見のクロスこそブロックするも、こぼれ球に走り込んだ加藤がシュート。
ペレイラがブロックして凌いだ大分、ポゼッションとは裏腹に攻撃機会ではさしたる差が無いといった展開を強いられます。
暗雲漂う状況に、14分に先に動く大分ベンチ。(松本・梅崎→藤本・金崎)

サムエル・金崎の2トップとした3-3-2-2(3-1-4-2)の布陣と、全体的に前掛かりになる大分。
16分にその圧力を持って攻め上がり、クリアを敵陣でペレイラが跳ね返してさらに波状攻撃、右サイドへ展開して金崎が奥で股抜きカットインからのクロス。
ブロックに阻まれるも拾った野村が繋ぎ、エリア内中央からサムエルが突撃を掛けるも、琉球・中川創に阻まれこぼれた所をGKカルバハルに抑えられ実らず。
しかしこの際に李が、倒れたサムエルに巻き込まれる形となって足を痛めてしまいます。
その後ピッチ外からプレーに戻ったものの、20分に再度倒れ込み続行不可能に。
再びアクシデントでカードを切る事となりました。(岡﨑と交代、同時に野田→サダム・スレイに交代)

直後の23分に決定機を迎える大分、琉球のクリアボールを下田がダイレクトで縦パスし、サムエルのフリックで弓場が抜け出すという速攻気味の攻撃。
そして左からのグラウンダーのクロスに金崎がスライディングで跳び込み、合わずに流れるも逆サイド奥へ走り込んだ井上の折り返し。
これをサムエルがボレーシュートで合わせたものの、ジャストミートせずボールは右へと逸れてしまいます。
素早い運びからの右往左往の攻めに琉球ディフェンスも振られただけに、モノに出来ず終わったのは結果的に痛かった。

その後25分に再度2枚替え(サムエル・野村→呉屋・渡邉)を敢行した大分ですが、意気消沈ぶりは隠せず。
26分には自陣深めでサダムにボールを奪われ、そこからCK攻勢に持ち込まれ。
29分にはカウンターに持ち込まれ、裏を取ったケルヴィンをペレイラが後ろから倒す形で反則で止めざるを得なくなるという具合に、この日の後方の集中力は琉球とは比べ物にならず。
この際に同時に足を攣らせてしまったケルヴィン、三度のアクシデントによる交代を強いられた琉球(富所に交代・同時に清武→田中へ交代)でしたが、その後も高い集中力を維持します。

この交代で池田をトップ下とした4-2-3-1気味となったでしょうか、その後はサダムが1トップで前線の橋頭堡となり。(富所はボランチ)
守備意識を保ちつつ、尚も前へのベクトルを高めていく琉球。
35分にはその前の判定(ゴール前での好機で池田の反則に対し?)による異議で加藤が警告を受けるも、直後にその加藤の反則気味のボール奪取で好機、人見のポストプレイを経てサダムがシュート(枠外)とあくまでも追加点を狙いにいき。

何とか流れを変えたい大分、38分にはミドルパスのセカンドボールを繋ぎ、左サイド奥からエリア内を突く攻撃。
藤本の切り込みがこぼされた所を、三竿が拾ってシュートしますが琉球・中川創のブロックに阻まれるという具合に、やっとたどり着いた決定機も琉球ディフェンスの壁に跳ね返されます。

琉球は尚も40分にサダムが左からのカットインを経てシュートを放つ(ブロック)など、攻めの姿勢は依然として健在であり。
大分にとっては、守勢に追いやる事を念頭に置いていただけに想定外といった所で、苦戦の最大要因となり。
しかし45分、橋頭堡であったサダムが、スルーパスに走り込まんとした所で足を痛めてしまう事態が発生し。
またもやアクシデントに苛まれ、しかも交代枠はもう無い琉球。
以降を10人で戦う事となり、嫌でも守勢に追い込まれる事となりました。
それに伴い、ペレイラがベンチの指示を仰いでパワープレイのために前線に上がる大分。

人見が最前線にシフトし、4-4-1の姿勢で逃げ切りを図る琉球。
それに対し、大分はパワープレイの姿勢そのままに、ひたすらロングボールを入れる攻撃へと傾倒。
最後の戦いといった感じで、ようやく攻撃権を独占するに至った大分ですが、望んだ形では無かったうえに時間は決定的に足りず。

それでも得たCKでは、GK吉田もターゲットに加わって同点を狙いにいき。
最後の最後の右CKから、キッカー下田はニアに低いボールを入れると、混戦でこぼれた末に中央に転がった所を三竿がシュート。
加藤がブロックしたボールをさらに金崎が追撃しますが、これも岡崎のブロックに阻まれる等、琉球のギリギリの守備を最後まで破る事は出来ませんでした。
結局1-0のまま、琉球がホームの前で意地の勝利に辿り着いたという試合に。
なお試合後にはGKコーチの南風原一士氏まで警告を受ける等、最後まで前掛かりな意識故の副産物が付いて回ったでしょうか。

3・4・5位のクラブが、揃って連敗でリーグ戦を締める事となった珍妙な結果に終わった上位陣。
プレーオフまでのインターバルは僅か1週間であり、6位のクラブ(山形)勢いを持って挑んで来るなか、勝ち上がる事が出来るかどうか。
特に5位の大分は不安を残す(これまでプレーオフで5位のクラブが勝ち抜けた事は皆無)事となりましたが、まずは同じ九州勢・熊本との対決を制するのに集中したい所でしょう。

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