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DAZN観戦 2022年J2リーグ第42節 ブラウブリッツ秋田vsベガルタ仙台

2022-10-30 18:31:54 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の秋田の記事はこちら(41節・岡山戦、2-1)
※前回の仙台の記事はこちら(40節・新潟戦、0-3)

<前節からの変更>

秋田=2人を変更し、前節欠場の稲葉がスタメンに戻り(井上と入れ替えで)ボランチに。もう1人がセンターバックの片割れで池田→小柳。既に退団が決定している江口も連続のスタメンで、チームと共に有終の美を飾らんとする。

仙台=プレーオフ出場の掛かった一戦、前節の3-3-2-2(3-1-4-2)を継続。メンバー変更は1人で、左ウイングバックを内田→キムテヒョンに代えたのみだが、結果的にこれが大きく響いたような内容に。

スタメン

目下4連勝という勢いを手にして、ホーム最終戦を迎えた秋田。
その高揚感に、ドローンを使った演出で温かみを加え、最後の試合も秋田らしさを貫かんとする姿勢を整え。
それに対して仙台は、何が何でも勝たなければならないという位置付けとあり、完全に対照的な立場で相対した両クラブ。

前回観た際は、新潟の圧倒的な完成度に常時劣勢を強いられた仙台。
しかしこの日はボール保持に拘らない秋田が相手とあり、嫌でもボールポゼッションを高めての攻撃を展開する事となり。
そんな逆の立場となった(といっても41節・熊本戦を挟んでいるのですが)影響か、あるいは必勝が求められる故のプレッシャーか、秋田の縦に速い攻撃に晒される事となった立ち上がり。

それを何とか凌ぐと、事前予想の通りボールを握る展開へと転じます。
3バックの右が、本職がサイドバックの蜂須賀という事で、彼を前線に上げての2CBの形を取る最終ライン。
そこからその基本形通りに右サイドからの前進が目立ち、特に蜂須賀の上がりにより真瀬(右WB)の推進力が逆に目立たなくなる程であり。
前半8分のカットインシュート(ブロック)をはじめ、前線のプレーに絡む事で攻撃を分厚くしていきます。

そんな仙台の攻撃を凌ぎつつ、カウンター重視の姿勢で迎え撃つ秋田。
19分にはGK田中の右へのロングフィードから、落としたボールを中村がダイレクトで裏へ送ると、受けた齋藤が仙台・佐藤に反則を受けて右サイド奥からのフリーキックに。
キッカー江口のクロスは跳ね返されるも、拾った茂がエリア内左を突いてシュート。(枠外)
29分にもFK、今度は右サイドかなり距離のある位置で再度江口がクロスを入れると、これがワンバウンドでゴールに向かうボールとなりGK小畑が何とかパンチング。
押され気味の中でも、得意のセットプレーで先制点を狙う姿勢を見せました。

その秋田のサッカーに触発されたか、仙台サイドもこの日はロングスローを多用。
2試合ぶりの出場となったキムテヒョンが、左サイド深めでスローインを得た際には、積極的にエリア内へと投げ入れるシーンを作ります。(ただしCBは上げない)
まさに形振り構わずといった姿勢でしたが、36分にはそのキムテヒョンがファウルスローを取られる等、「慣れない事をする」という風にも映り。
その直前の35分には秋田同様FKの好機、こちらは直接狙うに持ってこいの右ハーフレーンからの位置で、キッカー中島が直接シュート。
壁に当たり跳ね返るも拾ったレアンドロ・デサバトが再度シュート、これもブロックされるもさらに佐藤が跳ね返りを直接シュート(デサバトに当たる)と三連撃。

ボールは支配していた仙台ですが、こうしたセットプレーのシーンが圧倒的に目立つ事となった前半。
その原因は、跳梁する右サイドとは裏腹に左サイドからの崩しが殆ど見られなかった事で、ここでも起用されたキムテヒョンの働きが今一つであり。
本職がCB故に自ら崩しに関与する事が出来ず、それをチーム全体も理解していたようですが、それが右サイド重視という答えが導き出される結果ともなりました。
そのため敵陣でボールを握っても、秋田ディフェンスは殆ど焦りを見せずに対処。
しっかりと4-4のブロックを崩さず、前節見られた「5バックにも6バックにも見える守備を強いられる」程の押し込まれぶりはありませんでした。

この辺が仙台が厳しい立場にいる事を象徴しているようであり。
1点がどうしても必要な状況ですが、仮にカウンターを受け失点してしまえば絶望的となる。
そんな板挟みを強いられた事で、ボール支配は出来ても様子見に近い立ち回りにも映っていた前半戦となったでしょうか。

スコアレスで折り返し、ハーフタイムでの交代は無く迎えた後半戦。
ギアを上げたい仙台は、ようやく鳴りを潜めていた左サイドでの攻撃を解禁します。

といっても前述の通りキムテヒョンに自ら突破の期待は出来ないので、後半5分に佐藤・真瀬・蜂須賀でパス交換し、右から繋ぐ姿勢を見せたのち蜂須賀が左サイドへロングパス。
その落下点にキムテヒョンを走り込ませるという工夫を見せましたが、ここは秋田・中村が読んでパスカット。
以降もこの形を見せる事で秋田ディフェンスの意識を振らんとします。
その一方で7分には秋田が右サイドつまりキムテヒョンの居る側を突く攻撃、中村のスルーパスに走り込んだ加賀を倒してしまう(反則無し)と、危ない防ぎ方をするキムテヒョン。
前への意識を高めたが故に、危機を招くという二面性が付いて回る事となり。

良い流れを作りたい仙台、14分に左サイドのスローインから中央へと運び、秋田DFを剥がして絶好のシュートレンジに入った中島がミドルシュート。
GK田中がセーブし、こぼれ球を中山が詰めにいくもクリアされ実らず。
しかしようやく秋田ゴールを脅かしたこのシーンが、先制点ならびにプレーオフ進出へのロードの幕開けとなったでしょうか。

その機運を高めるべく交代カードを切る伊藤彰監督、17分に蜂須賀・フォギーニョに代え、遠藤とフェリペ・カルドーゾを投入。
これによりフォーメーションも4-4-2へと変更します。

秋田は勝利を狙う姿勢こそ変わらないものの、それを突かれるシーンも目立ち始め。
21分にはゴールキックを跳ね返され仙台に攻撃権が変わると、ベクトルの切り替えが遅れて速攻気味にエリア内を突かれ。
中山のスルーパスを受けた富樫、切り返しからシュートを放ちましたがゴール上へと外れ。
25分には江口のロングスローで好機を掴まんとするも、クリアされて仙台の攻撃となり、カルドーゾが長い距離をドリブルで単騎突撃。
止めにいった秋田ディフェンスを物ともせずに剥がしていくカルドーゾ、左からのカットインを経てエリア内からシュートを放つも、惜しくもサイドネット外側に。
段々と仙台の圧力を受けるだけの展開となっていきます。

28分と普段からは遅れ気味に最初のカードを切る事となった秋田。
しかもその内容は4枚替えで、茂・中村・青木・齋藤→三上・小暮・武・半田。
一気にFW・サイドハーフをそっくり入れ替えたものの、想定の域を出ないものであり、普段2枚ずつ代える所が遅れたためこうなったという感が拭えず。

かくして流れは変わらず、その直後の29分に仙台が決定機を迎えます。
GK小畑のロングフィードのセカンドボールからの攻撃、遠藤のスルーパスで右サイドを突いて走り込んだ真瀬からのクロス。
グラウンダーのボールに秋田ディフェンスのブロックが入るも、かすり続けて中央の中山へ繋がり、放たれたシュートはGK田中が足でセーブ。
左にこぼれた所を富樫が詰めてシュートするも、今度は加賀のブロックに阻まれてゴールはならず。
前半とは打って変わって、際どい凌ぎを強いられる秋田。

反面非常に惜しまれる逃し方をしてしまった仙台、31分にさらに2枚替え。
キムテヒョン・富樫→石原・皆川へと代え。
これによりカルドーゾが左SHに入ったものの、上がりっぱなしで殆どFWという風に映り。
それを遠藤が縦横無尽に動き回って埋める、いわば4-2-1-3にも似たシステムとなります。
そして左サイドに足りなかった推進力も補充され、総動員で勝ち越しを狙いにいく体制に。

石原が左サイドからカットインでの崩しを狙うシーンから始まり、以降多彩な手法を見せていく事で秋田ディフェンスを翻弄しに掛かり。
すっかりハーフコートマッチの様相となり、秋田はボールサイドに居ない側のSHが最終ラインに降りる形での5バックの体勢を取り始めます。
それでもファーサイドを固めるという意思が表れていたためか、破綻せずに無失点のまま試合を進め。
逆に文字通りの攻勢に入ったものの、時間との勝負も強いられる仙台。

40分には左サイドからデサバトのミドルパス、中央で収めたカルドーゾのポストプレイを経て中山がダイレクトでシュート、ブロックされた後も尚も繋ぎ。
中島の右→左へのサイドチェンジを、左サイド奥で遠藤がダイレクトで折り返し、これがゴールを襲う軌道となるもGK田中がセーブ。
42分には押し込んだ状態でアタッキングサードで繋ぎ、中央からの中島のミドルシュートで締めるもこれもGK田中のセーブに阻まれます。

GK田中の好守もあり、どうしてもゴールを割れない仙台。
とうとうアディショナルタイムに突入すると、焦りも目立ち始めます。
自陣で秋田・稲葉がボールキープする所を、中山が後ろから倒してしまい反則・警告。
FKで時間を使われ、さらに秋田の反則ののちの江口の遅延行為(警告)もあり、刻一刻とプレーオフへの門は下がっていき。

そしてとうとうその時は訪れ、スコアレスのまま試合終了を告げる笛は鳴り。
引き分けで勝ち点1を得たもののそれでは足りず、7位に終わる事となった仙台。
同じ東北勢の秋田に道を阻まれ、山形にかわされるといった辺りが、欧州合戦に加わらなかった姿勢が最後の最後に跳ね返って来たという感じで趣深くもあり。

一方5戦無敗でフィニッシュし、順位・勝ち点ともに上げるに至った今季の秋田。
無事に2年目のジンクスを乗り越え、「超秋田一体」のスローガンを文字通り見させて貰いましたが、終了後に吉田謙監督の続投が決定した事で来季もこの路線でシーズンを突っ走る事でしょう。

コメント
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