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DAZN観戦 2022年J2リーグ第39節 ロアッソ熊本vsブラウブリッツ秋田

2022-10-05 16:01:08 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の熊本の記事はこちら(37節・岩手戦、1-0)
※前回の秋田の記事はこちら(36節・ヴェルディ戦、2-0)

<前節からの変更>

熊本=センターフォワードの高橋が出場停止、その代役は土信田。彼以外は不動と、土信田の双肩にかかっているかのような布陣で挑む。

秋田=才藤が出場停止明けでスタメン復帰、高田と入れ替えで右サイドバックに入る。以上1人の入れ替えと、熊本と同様。ベンチには高瀬が6試合ぶりに名を連ねた。

スタメン

前節の勝利(町田戦・2-1)で勝ち点を46まで上げた秋田。
21位の岩手が最大でも45までという状態なので、目出度く残留を確定させ、プレッシャーの薄い状況で挑む事が出来るようになりました。
対する熊本はプレーオフ圏を確定させたい立場(一応自動昇格圏も可能性あるものの非現実的)であり、自力で決めるのに最大で必須なのはあと4の勝ち点。
前回観た際と同様に、同じ東北勢のクラブを一蹴して近付きたいといった試合。

昇格を目指すクラブと、残留を目指した(過去形)クラブ。
サッカーの内容も主体的な攻撃を繰り広げる熊本と、堅守から縦に速い攻めの秋田という両対照なもの。
それがぶつかり合う事でどういう結果が齎されるかというのは興味深い要素ですが、当事者にとっては逆に、序盤から相手のストロングポイントに巻き込まれるのは避けたい一戦でもあります。

立ち上がり、熊本はまず裏狙いで秋田のラインを押し下げようと計り、前半1分にスルーパスを左サイド奥で土信田が受けたのちにパスワークからクロス攻勢。
どんな攻め手も取れるチーム故の立ち回り、といった攻撃でしたが、その効果を生み出す前に自身の後方が乱れてしまい。
3分の秋田はゴールキックのロングフィードからの攻撃、熊本のパスミスもありマイボールにすると、右サイドから才藤がエリア内へ一気に浮き球を送った所に齋藤が走り込み。
先に入り込んだのは熊本・イヨハ理ヘンリーでしたが、あろう事かヘッドでのクリアがミスとなってしまい、右奥に転がったボールを齋藤がグラウンダーでクロス。
そして中央で茂がフリーで受けてそのままゴールに蹴り込み、難なくといった絵図で先制点を挙げました。

いきなり相手の得意手に呑まれてしまった熊本。
その後も空中戦で競り負けたり、敵陣でボール奪取に遭ったりと秋田のペースに巻き込まれて好機を作られる流れとなります。
何とかそれを落ち着かせ、自身がボールを握って主体的な攻撃を繰り広げるという反撃体制に入り。
それでもボール支配率には全くといって良い程無頓着な秋田相手故、リードされているという事実が重くのしかかる試合展開に。

秋田の前線の守備は、熊本のアンカー・河原へのパスコースを切るという2トップの姿勢を基本とするも、最終ラインへ詰めにいく場面もそれなりに作り。
その際にどうするかという立ち回りが見られたのが11分で、黒木→河原へのパスに対し、同じく心臓といえる存在の稲葉が前に出てチェック。
しかし河原の戻しからの菅田の縦パスでそのスペースを突き前線へ運んだ熊本、敵陣で激しくサイドを振ってのパスワークを経て、左から竹本クロス→土信田ヘディングシュート(ゴール左へ外れる)とフィニッシュで終え。
能動的な崩しを見せた熊本でしたが、13分には逆に秋田が、河原へのパスに対して稲葉は食いつかず。
そして同様に戻しからの縦パスが入れられた所を藤山がカットに成功、その後クロスまで繋げるという具合にやり返しを見せました。

こうした熊本のビルドアップと、秋田のプレッシングのやり合いが注目点となったかのようになり。
次第に左サイドハーフの茂が前に出て、3枚で熊本の3バックに対するプレスも見せるようになった秋田。
24分にはその攻防の一幕で、熊本のビルドアップは黒木が茂のプレッシャーを受けた事でパスが乱れ、菅田がディフェンスに遭いこぼされ。
しかし秋田のフォローが無く、こぼれ球を菅田が縦パスで繋げて敵陣に運んだ熊本、左サイドでの細かい繋ぎから中央→右へとサイドを移したのち杉山のクロスが上がり。
これをニアサイドで土信田がフリック気味に合わせましたが、枠を捉えられず。
こぼれ球の運も絡んだ熊本の前進が見られた影響か、以降は秋田を押し込んで全員敵陣で攻める場面が目立つ事となります。

遅めの飲水タイム(28分)が挟まれたのちも、同点にすべく攻勢を掛ける熊本。
34分は右サイドからの三島のアーリークロスが合わずもエリア内左奥へと転がり、拾った坂本から再度上がったクロスで土信田がヘディングシュート。
しかし左ゴールポスト内側に当たり、尚ゴールへ向かわんとしたボールをGK田中が掻き出し、寸での所で防がれます。
期待通りにフィニッシャーを務めた土信田でしたが、運が味方せずに得点を挙げられず。
40分に得た左コーナーキックではサインプレーを選択、キッカー河原はグラウンダーでニアサイド奥寄りの位置へクロスを入れ、走り込んだ三島がフリック気味に中央へと戻す完璧な崩し。
そして杉山のシュートが放たれたものの、ゴールバー直撃とこれも枠に嫌われてしまいます。

熊本の圧力をひたすら受け続けた秋田、次第にブロックも乱れがちになり、終盤は茂が最終ラインに降りての5バックで守るという場面も表れ。
尚も攻め上がる熊本、迎えたアディショナルタイムは秋田・小柳のハンドによるフリーキックから、一転してのセットプレー攻勢となり。
FK→CK3連続という流れで、ショートコーナーやゴールへ向かうクロスという工夫を凝らしたものの、ゴールは奪えなかった熊本。
結局0-1のまま前半終了と相成りました。

守勢を強いられていた秋田、その最中に小柳が味方GK田中と交錯して痛むシーンがあり、その影響かハーフタイムに大ベテラン・加賀と交代。
SBの片側にCBタイプの選手を置くという、守備の堅さをベースとする秋田らしい采配となりました。(加賀は右に入り、才藤が左へ回る)

しかし後半1分、その加賀がフィニッシュに絡む(藤山のロングスローの跳ね返りをダイレクトでシュート・枠外)という、攻撃面での活躍を見せ。
そのベテランの姿に感化されたか、熊本のビルドアップのミスもあり押し込み始める秋田。
4分には右CKから、キッカー茂のクロスがファーサイドに高く上がると、どフリーとなっていた才藤がボレーシュート。(枠外)
前半押し込み続けていた熊本の、守備面での綻びも露わになり始めます。

そして迎えた7分、ここも熊本の最終ラインでのミスから、敵陣深めで攻撃をスタートさせた秋田。
拾った茂が左サイド奥を突いてグラウンダーのクロスを入れると、FWの動きに釣られてフリーになっていた中央で、走り込んだ藤山が合わせ。
ゴールネットを揺らして点差を広げた秋田とは裏腹に、逆に熊本は再びミス絡みという精神的にキツイ失点となってしまいました。

その後熊本は再度ボールポゼッションを根底として攻め上がり。
しかし精神的な影響は隠せず、敵陣でのパスのズレも目立ち好機を作れず、時間を浪費していく流れとなります。
秋田はそんな相手の隙を突くように、17分に敵陣での稲葉のボール奪取から好機、右サイドでのパスワークを経て加賀が手前からクロス。
ニアサイドで齋藤がマイナス方向へ落とした所を中央から青木がボレーシュート、GK佐藤がセーブした跳ね返りを齋藤が詰めにいくもオフサイドで途切れ。
決定的な3点目は奪えずも、たまらず熊本ベンチは直後に三島・平川→田辺・藤田一途へと2枚替え。
竹本を左ウイングバック→トップ下へとシフトさせ、流れを変えに掛かりました。

対する秋田も21分、中村・齋藤→高瀬・吉田伊吹へと2枚替え。(茂が左SH→右SHへシフト)
カードの切り方は総じて流れを変えんとする熊本に対し、堰き止めに掛かる秋田といった印象。
反撃の狼煙を上げるべく攻める熊本、22分にはボールポゼッションを高めて敵陣で展開し。
しかし左サイドでのパスワークから絶好のミドルシュートレンジに出されたボールは、河原が走り込むコースに主審(川俣秀氏)が居たため撃てず。
止む無く逆の右へと展開して攻撃を続け、藤田一のクロスが上がると、ファーサイドで合わせにいったのは土信田。
しかし手前で竹本が頭で合わせにいったのが災いしたか、足を振る事は出来ずただ合わせただけとなってこぼれたボールはGK田中が抑え、どうしても得点が奪えない熊本。

2点ビハインドのまま後半の飲水タイムが(24分に)挟まれ、明ける際に再度熊本はカードを切り。(土信田・竹本→粟飯原・伊東)
リフレッシュ効果で再度押し込むも、それを凌いだ秋田も31分に交代(茂・青木→藤田雄士・武)と、後出し的にカードを切って対処。

そんな秋田の姿勢に意気消沈といった熊本。
いわば圧が緩まったという状態で、そして秋田のフィジカルを活かした押し込みが始まるのは当然の事であり。
35分に右からのスローイン、当然ロングスローと思われましたが藤山は近場に投げ入れ、戻しを受けたのちクロス。
跳ね返りを拾った藤田雄が、エリア内へと切り込みシュート。(GK佐藤セーブ)
その直後には右サイド遠目から加賀が果敢にロングシュートを狙い、これがゴールバー上部に当たっての枠外となる際どいシーンに。

ゴールを脅かされ続けた熊本。
もはや反撃どころでは無いといった状況でしたが、39分に後方から藤田一のスルーパスがエリア内右を突くと、走り込んだ伊東からグラウンダーでクロス。
この長くタッチ数の少ない攻撃に秋田ディフェンスは意表を突かれたか、ノーマークで合わせた粟飯原のシュートは、ジャストミートせずも前に転がった結果ゴールイン。
これまでの姿勢を投げうったかのようなゴールは、方針転換かあるいは諦めがたまたま好結果を生んだのかは不明ですが、ともかく1点を返した熊本。

点差を詰めたものの、その後の40分には秋田がロングパスから好機を作り、右から藤田雄がカットインからシュート。
ブロックされるも、さらに拾った高瀬がシュート(ブロック)と連撃を浴びせ、精神的に優位な立場をアピールします。

その後反撃に転じた熊本でしたが苦しさは隠せず。
45分にCKを得ると、まだATに入っていないという段階ながら、GK佐藤が上がってターゲットに加わるという形振り構わない姿勢を見せます。
その左CKでのクロスを菅田が合わせさらに上空へ上がった所、ヘディングを披露したGK佐藤。
これが右CKを呼ぶと、キッカー河原の中央へのクロスを菅田が合わせ、強烈なヘディングシュートが襲ったもののGK田中のセーブに防がれます。
意外な形でゴールを脅かされた秋田、直後のゴールキックでGK田中が遅延行為で警告を貰うなど、心の整理に時間を費やし。

その後はイヨハが前線に上がってのパワープレイでゴールに迫る熊本。
しかし最後まで2点目に辿り着く事は無く、1-2のまま試合終了の時を迎えました。

これで16節以来の連勝を果たした秋田。
後半押し込まれている時間帯は、サイドハーフが吸収されて5バックかと思わされるシーンが多くなり、時には6バックのようなディフェンスも強いられ。
しかし先にリードを奪ったのが幸いし、走り回りを余儀なくされる展開でも集中力は切れる事は無く。
4バックのうち3人がCBというような布陣が成せる5バックへの可変で、これが来期以降もJ2を維持する基本スタイルとなり得るでしょうか。

コメント
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