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DAZN観戦 2022年J1リーグ第31節 サガン鳥栖vs京都サンガFC

2022-10-03 16:01:46 | サッカー視聴記(2022年J1)

<鳥栖スタメン> 4-2-3-1
GK 朴一圭
RSB 長沼 CB 原田 CB 島川 LSB 中野伸哉
DH 福田 DH 手塚
RSH 菊地 CH 西川 LSH 岩崎
FW 宮代
<京都スタメン> 4-1-2-3
GK 上福元
RSB 白井 CB 井上 CB 麻田 LSB 本多
DH 川﨑
IH 福岡 IH 武田
RWG 豊川 CF 山崎 LWG 松田

日程が進むにつれ、阿鼻叫喚の声が次第に大きくなるのが残留争いの常。
前節の福岡の勝利で、危険水域の16位に落ちたのは京都であり、当然何が何でも勝ち点が欲しい状況となりました。

前半戦(17節)終了時では9位とそこそこの位置に居たものの、いざ後半へと切り替わると、ここまで2勝のみ(4分6敗)という体たらく。
勝利した19節・札幌戦(2-1)がケチの付き始めと思われ、前半の札幌GK菅野の一発退場で長時間数的優位を確保した試合でしたが、接戦の末の終盤での勝ち越し点で辛くも勝利という振るわない内容。
そこから苦難の始まりで、得点源だったピーター・ウタカが以降全くゴール出来なくなり、現在はレギュラー陥落という惨状。
エースの働きがチームの成績の直結したのかは定かでは無いものの、あれだけ攻撃の中心を担っていたウタカも加齢には勝てないと言わんばかりに、夏場故のコンディション低下をモロに受けた格好となったでしょうか。
そしてこの日もウタカはベンチスタートで、彼のみならず前半戦を支えた荻原・アピアタウィア久といった名前も既に無いため、残留に向けた戦いへ転換した感もあり。

相手の鳥栖は、シーズン前の危惧とは裏腹に既に残留間違い無しという位置をキープ、来年度の川井健太監督の続投も発表されるという安泰モード(当然編成面では別でしょうが)に入っているクラブ。
しかしそのモードとは裏腹に、球際の激しさが際立つ絵図となるのは避けられないといった試合。
コンパクトフィールドが織り成すデュエルの連続に、落ち着いた攻撃の組み立てを行うのはほぼ不可能といった状態で、その中でどう試合を動かしていくのか。
守備も、前線からのプレッシングというよりは、二列目にパスが送り込まれた際のボール奪取・そして切り替わりでのゲーゲンプレスといったシーンに目を奪われる事となりました。

攻撃が思うようにいかないのは試合前の段階で周知の通りなので、鳥栖サイドはスローインで変化を加えにかかった立ち上がり。
素直なボールは殆ど無く、ハーフレーンや中央寄りに投げ入れて受けさせるという変化で、京都の寄せの無効化を図りました。
事前に用意していた節が窺えましたが、前半11分にそのスローインを直接京都・松田にカットされての攻守逆転で前線まで運ばれるなど、確実性を失う諸刃の剣でもあったようで。
逆に14分に京都が左サイド奥からのスローインで繋ぎ、松田がカットインでエリア内左を突いてグラウンダーのクロス、川崎が受けるもGK朴に抑えられシュートは撃てずという際どい好機を作り。

中々最終ラインからの組み立てが実らない鳥栖、17分に京都の攻撃を切ったのち自陣深めからショートパスで繋ぎ始めると、これが運命の分かれ目となります。
当然京都はプレッシングで即時奪回を図り、鳥栖は右サイドで素早いパスでかわしつつ前進していきますが中盤に入った所で京都・川崎がボールカット。
トランジションから運んでいき左へ展開、入れられた松田の低いクロスこそクリアされますが中央で豊川が拾い、切り返して左寄りの位置から対角線を突くシュート。
これがゴール右隅を綺麗に射抜き、ポスト内側を叩いてネットを揺らします。
プレッシャー合戦を制し、ウタカ抜きで見事に先制点を挙げた京都。

窮鼠猫を噛むというべきか、下位相手にリードを許してしまった鳥栖。
眼の色を変えて反撃に移り、19分には宮代のフリック気味のポストプレイで西川が抜け出そうとした所を、京都・井上に倒されて反則。
これでエリアからすぐ手前という絶好の位置での直接フリーキックを得ますが、中央やや左寄りから放たれた手塚のシュートは壁を直撃しモノに出来ず。

鳥栖のビルドアップは、試合前の予想フォーメーションで3バック(3-4-2-1)となっていた通りに、中野伸が中央寄りに絞ったうえで原田が右サイドに張り出し気味となる形の最終ライン。
右サイドのスローインも原田が務める等、サイドバックかと疑うシーンも多々見られました。
それでも京都は激しい寄せに加え、リードを奪った事で中央の固めも厚くなり容易に崩せません。
こうなると岩崎の突破力も頼みとしたい局面であり、26分にはその岩崎が左サイド奥からマイナスへカットイン、エリア手前からシュートを放つもGK上福元がキャッチ。

しかし双方のデュエルの激しさにより、生み出されるのは反則と、それによるグダグダ感。
28分に京都コーナーキックからカウンターになりかけた鳥栖ですが、岩崎のドリブルを反則で止めた京都・本多に警告。
その後の30分に、今度は京都がトランジションの隙を突き中盤からドリブルで運ばんとした川﨑が鳥栖・長沼に倒され、反則となったものの警告は出ず。
これによりヒートアップし、選手ならびにピッチサイドの曺貴裁(チョウキジェ)監督から異議が飛び交う事態となってしまいました。

ボールは支配するものの、上記のムードからか中々ペースを掴めない鳥栖。
そうなるとセットプレーから一発決めたい所であり、36分には右CKから長沼がヘディングシュートを放つも枠外に。
38分に今度は左CKから、クロスの跳ね返りを中野伸がミドルシュートに持っていきましたがブロックと、京都ディフェンスの壁に阻まれます。

そうこうしているうちに、41分には鳥栖・中野伸のクリアミスから京都の好機、エリア内中央での松田のポストプレイを経て武田がミドルシュート。(ブロック)
攻めあぐねている間につまらない失点を献上する、という危惧とも戦わなければならなくなりました。

前半アディショナルタイム(2分)で、ずっとボールを握り好機を窺っていた鳥栖でしたが結局フィニッシュには繋げられず、0-1のまま終了。
すると後半立ち上がりの1分に、またもミス(GK朴の蹴り出しが中野伸に当たって跳ね返り)から敵陣深めから京都の攻撃となり、一旦途切れるも白井が右サイドでカットして継続。
豊川のポストプレイを受けた福岡がエリア内右へ進入、シュートを放つもゴール上へ外れと際どいシーンが作られます。

いきなり危惧が現実のものになりかけた鳥栖でしたが、その後は本格的に3-4-2-1へとシフトした布陣からボール支配。
<後半の鳥栖> 3-4-2-1
GK 朴
RCB 原田 CCB 島川 LCB 中野伸
RWB 長沼 DH 福田 DH 手塚 LWB 岩崎
IH 西川 IH 菊地
FW 宮代
最終ラインは、ボランチ1人が降りてのミシャ式を部分的に取り入れる事で、京都のプレッシングに対抗する姿勢を取ります。

対する京都も走り・追うのを止めず。
6分に鳥栖の右サイド深めからの繋ぎを、プレッシングでミスを誘ってCKをゲット。
しかしそれと同時に山崎が足を痛めてしまい、筋肉系トラブルらしく続行不可能となり担架で運ばれる事態となります。
結局10人で行われたそのCKはモノに出来ず、交代準備の間耐え凌ぐ体勢を強いられる京都。
そして9分に武富が投入され、リードを保ったまま数的同数に。

すると鳥栖ベンチも動き、11分に岩崎・菊地→ジエゴ・本田へと2枚替え。
出場時間チームトップのジエゴ(GK朴を除く)の投入で、安定度を増しての打開を図りにきたでしょうか。
岩崎と同ポジションに入ったジエゴにより、反比例するように手前からのクロスが増えていった以降の左サイド。

アクシデントを境に劣勢を強いられていた京都ですが、再びその渦が発生したのが15分。
今度は本多が足を痛めて続行不可能となり、それを期に本多・松田→メンデス・佐藤へと2枚替え、そしてフォーメーションも弄り。
<後半18分からの京都> 3-4-2-1
GK 上福元
RCB 井上 CCB 麻田 LCB メンデス
RWB 白井 DH 川﨑 DH 武田 LWB 佐藤
IH 武富 IH 福岡
FW 豊川
これによりミラーマッチとなり、デュエル合戦に相応しい試合絵図はさらに深まる事に。
なお交代で入った佐藤は鳥栖からのレンタルですが、出場制限を設けていなかった事でベンチ入りしており、保有権を持つクラブに対し牙を剥く事となりました。

ミラーマッチの利点をフルに活かし、マンツーマンに近くなった守備で僅かな希望も与えずという京都ディフェンス。
苦しくなった鳥栖、22分には左サイド奥でスルーパスに走り込んだジエゴ、ヒールでのトラップで京都・白井を抜こうとしましたがミスとなり実らず。
何とか剥がさんとする結果、難しいプレーを選択せざるを得ないというジレンマも生まれてしまい。

京都はさらに25分、豊川が足を攣らせてしまう事態にも苛まれますが、既にアクシデント絡みで2度交代していたためにギリギリまでプレーさせる事を選択。
古巣対決となった佐藤も、後に鳥栖へ戻るためのアピールと割り切っての必死なプレーを見せ、28分にはカウンターからドリブルシュートを放ち。(ブロック)
皆が皆闘争心溢れるサッカーを見せた末に、34分に最後のカードを切った京都。(豊川・川﨑→宮吉・金子)
同時にこの日のウタカの出番は無くなるも、勝利のためには止むを得ず。

そんな京都の向かってくる姿勢をいなし、同点に辿り着きたい鳥栖。
既に23分に手塚→小野へと交代(本田がシャドー→ボランチへシフト)していましたが、36分にこちらも最後のカードを使い。
西川・福田→垣田・藤田へと2枚替え、垣田・宮代の2トップとし3-3-2-2へシフト。(藤田の1アンカー)

マイナーチェンジでミラーマッチをかわす体勢を採りましたが、以降もグラウンダーでの推進は左サイドからのジエゴのクロスがせいぜいであり。
辛うじて有効となり得たのは、最終ラインでパスを繋ぎ、リードを守る体勢でも前へのベクトルが強い京都を前に引き込んだうえで裏へ浮き球を送るという手法。
38分には左サイドへのロングパスをジエゴが胸で落とし、垣田の繋ぎを受けた本田がカットインからシュートを放ちましたが、ゴール左へと外れ。

40分も過ぎ終盤戦となり、京都はマイボールでもコーナーでキープするという姿勢を見せる(42分)など完全に守り切りの体勢へと移ります。
一層中央が固くなった京都に対し、垣田のフィジカルを活かすボールつまりエリア内へ浮き球を送る事しか手立てが無くなりつつあった鳥栖。
44分、その垣田へ例によって左サイド手前からジエゴのクロスが上がり、京都はメンデスとGK上福元が2人で対処にいくも被ってしまい抑えられず。
こぼれ球に対し原田がシュート体勢に入るという決定機を迎えましたが、原田の振った左足はミート出来ず不発に終わってしまい、同点とはなりませんでした。
以降もATに、同じように垣田へのクロスに対しメンデス・上福元が交錯しクリアできずという場面を迎え、拾ったのは同じく原田。
今度はキープを選択し、ディフェンスに遭いこぼれた所を左ハーフレーンから小野がシュート、しかしゴール右へと外れ。
京都の弱点が露呈した2シーンだっただけに、どちらかモノにしたかった所。

そして試合終了の時を迎え、貴重過ぎる勝ち点3を手にしてプレーオフ圏から脱出を果たした京都。
既に理想のサッカーを追い求める余裕の無い、塹壕戦というような内容でしたが、まさに銃弾をかわすべくの塹壕に入り安全を確保したという今節だったでしょうか。

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