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DAZN観戦 2022年J2リーグ第37節(順延) ロアッソ熊本vsいわてグルージャ盛岡

2022-09-22 16:34:01 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の熊本の記事はこちら(30節・栃木戦、2-0)
※前回の岩手の記事はこちら(33節・新潟戦、0-2)

<前節からの変更>

熊本=センターフォワードの高橋が3試合ぶりにスタメン復帰し、伊東と入れ替え。この1人のみで、前節CFを務めた竹本がトップ下となり、平川が左ウイングに回ってのスタート。

岩手=宮市の出場停止も絡み、4人変更。まずその宮市の居た右ウイングバックには蓮川が入る。そして逆サイドの左WBも中村太亮→中野に代える。前線はシャドーのオタボー→奥山・FWのクリスティアーノ→キムジョンミンと2人を入れ替え。普段からターンオーバーしている割には、この3連戦は(日程が空いたとはいえ)3戦ともスタメンの選手が6人と過半数を占めた。

スタメン

昇格組同士の戦い・第2ラウンド。
日程が押し迫る状況で迎えた事で、両者の間にはとてつもない差が生まれる事となり。
岩手のホームゲームだった前回は13節・5月頭に行われ、その際の勝ち点差は3でありましたが、今回は既に25もの大差が付いており。
まさかの昇格1年目での昇格を匂わせる位置に着けている熊本とは対照的に、残留に向けた戦いに四苦八苦する岩手と、全く対照的な立場。
しかし当然の事ながら、どちらも勝ち点3が欲しいという理想は変わらず。
誤算は台風襲来のため、2日順延して連休明けに行わざるを得なかったという興行面でしょうか。

前年同時に昇格した事もあり、お互い対戦経験が豊富となっている近年。
そのため岩手・秋田豊監督の試合前インタビューも、それ故の自信を窺わせるものとなりました。

しかしいざ蓋を開けてみると、熊本の最終ラインからのビルドアップに対し、岩手は5-4-1のブロックを低めに敷くというリトリートを重視した立ち回り。
前回観た新潟戦とは対照的に、相手のボールポゼッションを壊しにいく姿勢は全く見られない立ち上がりとなりました。
まあ新潟戦では、相手のクオリティの高さに振り回される時間が長かったので、それ故の方針転換かも知れませんが。

難なく敵陣にボールを運べる熊本。
左センターバックのイヨハ理ヘンリーも常時攻撃に絡むという感じで、岩手ディフェンスをゴール前に釘付けにしていき。
そして迎えた前半11分、左サイドのスローインからのパスワークで中央→右へと移し、杉山が右サイドで1対1となる状況に。
そして入れられた低いクロスはマイナス方向へ切り返してからのゴールに向かう軌道となり、これを岩手ディフェンスラインの裏に抜け出した竹本が合わせに行った末にスルー。
このフェイントにGK野澤大志ブランドンは触れるのが精一杯で、ボールはそのままゴールに吸い込まれました。
リプレイでは明らかに竹本の飛び出しがオフサイドっぽかったのもあり、副審へ猛抗議する岩手サイドでしたが判定は覆らず。
しかしゴール前を固める意識が強かったため、杉山と分の悪い1対1(対峙したのは中野)となった末に、中央でクロスを弾くのに意識がいっていた分竹本の裏抜けに対応できずとあっては完全に同情する訳にはいかず。
リトリートのリスクが表れた格好となり、早々にリードを許してしまいました。

ファイティングポーズを取り直す岩手、直後のキックオフで好機に繋げ(奥山が左奥からクロスもブロックされる)、何とか意識を持ち直します。
しかし今度はアクシデントに見舞われる事となり。
17分、エリア内左へとスルーパスを送った戸根でしたが、FWのキムジョンミンは反応できずに繋がらず。
すると守備に入れないキムジョンミン、どうやら足を痛めてしまったらしく、倒れ込む事態となります。
早々にピッチを去る事となり、クリスティアーノが代わって投入され。

相手が対応に追われている間に、リードを広げたい熊本。
その後岩手は同点を目指さんとプレッシングを強めにいきましたが、それを交わした末にゴールを脅かし。
22分には平川のドリブルで持ち運んだのち左から上村のクロス、これをニアサイドで跳び込んだ竹本がヘディングシュートを放つもGK野澤がセーブ。
24分にもイヨハの縦パスを受けた平川がドリブル、エリア内中央からシュートを放つもブロックに阻まれるという具合に、際どい凌ぎを強いられる岩手。

飲水タイム(25分)ののち、ようやく岩手が反撃体制に移り。
1トップがクリスティアーノとなった事で、彼の高さを活かす攻撃、つまりロングボールを当てるという手法がアクセントとなり。
立ち上がりから狙っていた裏へのスルーパスは悉く繋がっていませんでしたが、一本軸が加わった事で、その他の攻撃も有効になったという感じのこの時間帯。
目立ったのはドリブルで、蓮川や和田の運びを経て好機を作っていき押し込みます。

そして終盤を迎えると、41分にはCKからキッカー奥山の中央へクロスにGK佐藤が跳び出すもこぼれ、そのボールを蓮川シュート(ブロック)→クリスティアーノシュート(枠外)と連撃。
43分にはカウンターを鋭く発動させ、モレラトのスルーパスを受けた奥山がエリア内左へ切り込み、斜めからシュートを放つも左ポストを叩き惜しくもゴールならず。
アディショナルタイムには蓮川のグラウンダーのクロスにファーサイドでクリスティアーノが走り込む(合わず)など、際どいシーンを量産していき。
着実にムードを高め、希望を繋いで前半を終えました。

後半を迎え、GK野澤がひたすらクリスティアーノ狙いのロングフィードを徹底する岩手。
前半から何度か見せていたシーンを一層前面に押し出すその姿は、急遽の出番となったクリスティアーノのスタミナをやや温存していたきらいがあったでしょうか。
しかし逆にそれ以外の手法が減った事で、再び熊本の攻撃が牙を向き始めます。

頻繁にポジションチェンジし、前節同様にトップ下のように振る舞う平川を捕まえられずに苦戦する岩手ディフェンス。
後半4分、平川経由で左へと展開したのちイヨハからクロス、クリアボールを中央で拾った平川がエリア内を突いてシュート。
切り返しでディフェンスを翻弄した末のシュートでしたが、ゴール上へ僅かに外れモノに出来ず。
これまで鹿児島でも松本でも、フィットせず今一つな実績に終始していた平川でしたが、今夏に完全移籍したこの熊本の地で躍動。
大木武監督が操る特異なフォーメーション・戦術が蘇らせたその姿は、「朱に交われば赤くなる」かのようでありました。

熊本の冴え渡るパスワークに対し、泥臭く立ち向かうしかない状況の岩手。
前半立ち上がりとは打って変わって積極的な姿勢をとり、時には甲斐が熊本最終ラインにまで詰めにいくシーンも見られる程でした。(28分)
最終ラインから一列前に出されたパスに対し、ボランチが果敢に潰しにいくという、これまでの「人に喰いつく」という特性は変わらず。
しかしこの日はきちんとボール奪取するシーンも何度か見られ、熊本に前を向かせずというディフェンスは一定の割合で出来ていたようでした。
やはり、食いついてチェックしに行くのならば奪いきるつもりでいかなければ、弱点を露呈するのみに終わるという事でもあり。

試合の方は、熊本の攻撃の流れを遮断しつつ、得意手でゴールに迫るという岩手。
しかし押し込みを見せるもののゴールは奪えず、21分にはスローインをエリア内右で受けたクリスティアーノから、モレラトとの助っ人コンビで巧く繋いでシュート体勢に持っていき。
しかしクリスティアーノが空振りして逃してしまったという具合に、最後の局面でのクオリティが露わになる展開も強いられます。
劣勢となった熊本は、19分にカウンターから決定機を迎え、スルーパスの連続を経てエリア内左で受けた高橋がシュート。
しかしループ気味に放たれたボールは枠を捉えられずと、こちらも試合を楽にする追加点は奪えません。

飲水タイム(22分)のタイミングで両ベンチが動き、岩手はモレラト・小松→ブレンネル・中村充孝。
熊本は竹本→坂本へと交代します。(平川がトップ下に固定)

岩手はさらに、29分にディフェンスに入った中野が足を痛めて(攣った?)動けなくなり、30分にビスマルクと交代。
タレントを多く揃え、同点を目指す体勢を保ちます。
2人(クリスティアーノ・ブレンネル)による広範囲のポストワークを利用して押し込み、得意のセットプレーからそれを果たさんとする岩手。
その際のポジション取りで時間を使ってしまう場面も目立ちましたが、実りかけたのが37分の左サイドからのフリーキック。
キッカー中村充のクロスを中央でクリスティアーノが合わせ、放たれたヘディングシュートがゴールネットに突き刺さり。
しかしオフサイドを取られてしまい、同点ゴールは幻となりました。
色々過程はあったものの、結局はこのオフサイドを巡って明暗が分かれた、という言葉に集約されてしまいそうなゴール前での結果を描く事となり。

すると直後の38分、熊本が杉山のパスカットから敵陣で攻撃開始、エリア内中央での平川のシュートがブロックされて右CKに持ち込み。
キッカー河原のクロスはGK野澤の飛び出しでこぼれるも、左サイドで拾って繋いだのち三島のクロスが上がり、大外で菅田がヘディングシュート。
GK野澤が足でセーブし、跳ね返りを河原がシュートしますが岩手・和田がブロック、しかしさらに掻き出されたボールを上村が追撃。
これもGK野澤が足でセーブし、混戦となるも何とかこれ以上撃たせず、GKが連続して足で防ぐというまさに紙一重で凌いだ岩手。
好機の作られ方に落胆が伺えたものの、本丸は堕ちずという事は示しました。

意地は見せた岩手ですが、どうしても欲しい結果には辿り着けず終盤戦へ。
その最中の45分、甲斐の振り上げた足が熊本・上村の顔面に入るという蒼白になりそうなシーンが生まれてしまい。(カードは出ず)
ピッチ外で治療を受ける上村を見て、すかさずベンチが動き藤田へと交代した熊本。(その後ATで最後の交代、杉山→粟飯原)

そのためか熊本は(ATの最中に藤田がエリア内を突くも、蓮川に倒されてノーファールという場面もあり)ATはややいきり立つという感じになり、反則でFKを与えてしまう場面が膨らみます。
岩手はそれを利用する形で追い付きたい所でしたが、何とか凌いだ熊本がウノゼロで逃げ切り。
ダブル達成で、昇格クラブの明暗を完全に示す格好となりました。


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