ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2019年J2リーグ第31節 東京ヴェルディvsレノファ山口FC

2019-09-11 17:17:34 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回のヴェルディの記事はこちら(23節・愛媛戦)
※前回の山口の記事はこちら(28節・甲府戦)

ラグビーW杯開催によるFC東京の「アウェイ8連戦」が話題ですが、同じく味の素スタジアムをホームとするヴェルディもその影響を被る訳で。
ヴェルディには味の素フィールド西が丘(以下味フィ西)というセカンドホームがありますが、これもJ3・FC東京U-23、JFL・東京武蔵野シティFC等が使い果ては女子サッカー・なでしこリーグでも使用されるという忙しさなので常時使う訳にはいかず。
その味フィ西で開催となったこの日の試合。(ちなみに台風の影響でキックオフ時間が早まる事態に)

永井秀樹氏が新しく監督に就任したヴェルディ。
26節・京都戦での同じポゼッションスタイルのサッカー同士の対決で0-4の大敗、その直後に起こったキャプテン・渡辺のマリノスへの移籍。
「ひょっとして崩壊の序章では……」とも思えた永井政権ですが、9戦で4勝2敗3分と一定の成績を残しています。

永井色が濃く出ているのが選手起用、特にディフェンスラインはじめ後方の編成です。
前監督(ギャリー・ジョン・ホワイト氏)の末期、つまり3バックの時期ではセンターバックに李・若狭・平、ウイングバックに永田・小池というレギュラーで大体固まっておりました。
それが、4バックにシフトしたのもありますが現在DFはCBに近藤・内田、サイドバックに奈良輪と新加入のクレビーニョという編成。
前者のメンバーは永井氏就任と同時にレギュラー落ちしたり、京都戦を境に見限られたりして、小池だけが前線でレギュラーに残っている現状。(奈良輪はホワイト氏の4バック時ではレギュラーでしたね)
ボランチだった井上も、過去3試合はベンチメンバーに落ちており、そしてこの日はウイングでのスタメンと流動的に。
そしてボランチには井上と同じユースからの生え抜き・山本を抜擢しています。

それに合わせるかのように夏の移籍による選手編成も入れ替え激しく。
前述の渡辺の他、FWの林が移籍し(町田にレンタル)助っ人FWネマニャ・コイッチが退団。
新たに入団したのが新井に、カンスイル、クレビーニョそしてジャイルトン・パライバという助っ人軍団。
前々年J2でプレー(群馬)していたFWカンスイルは中々フィット出来ずにいる現状ですが、クレビーニョは29節・水戸戦からスタメン起用され定着。
そしてこの日、パライバが右ウイングの位置でスタメン出場してきました。

試合序盤は山口がやや押し気味。
前半8分、高井が左サイドをドリブルしエリア左脇で吉濱にバックパス、吉濱がエリア内にロビングを上げて山下がヘディングシュート。(枠外)
その後もコーナーキックを連続で取るなど攻勢をかけますが、その2本目に落とし穴が。
キッカー吉濱のクロスがクリアされた後、奈良輪が縦パスでカウンター。
森田がスルーパスを通すと、抜け出したパライバが一気にGKと一対一になり、エリア手前からシュートを放ちあっという間のゴール。
これまでのポゼッションスタイルとは一線を成した速い攻めで先制したヴェルディ。

その後再び山口は攻め、コーナーキック2本にフリーキックとチャンスを掴みます。
14分のフリーキック、右ハーフレーンからキッカー三幸がクロス、中央で菊池がヘディングで合わせますがゴール上に外れます。

山口が押し気味ながら好機を生かせずにいると、次の1点もヴェルディに。
19分にクレビーニョとパライバがパス交換しながら前進、クレビーニョは山口・高井のスライディングを受け潰されますが、こぼれ球をパライバが拾ってドリブル。
山口・楠本をあっさりかわし、右サイド奥まで入りグラウンダーでクロスを入れると、中で井上が足で合わせてゴールに蹴り入れました。

圧倒的なスピードを披露しヴェルディにリードを齎したパライバ。
一方それに翻弄されていたのが山口で、2点ビハインドとなってからは、スタート時の4-3-3のフォーメーションが流動的に。
山下がFWの位置に張ったり、高井と田中パウロ淳一がウイング同士でポジションを入れ替わったりと、その意図は伝わるものの苦境を打開する有効な手段とは成り得ず。

前節(岡山戦)から、再びパウロ・工藤の補強組をレギュラーに取り入れた山口・霜田正浩監督。
それは今季前半に4バックで戦った時期とさほど変わらないシステム・メンバーなのですが、その時期の戦績は芳しくなく、16節・水戸戦から3バックのシステムに移行し勝ち点を稼ぎました。
しかし夏の移籍で高木・瀬川といった主力がチームを離れ、このシステムを維持する事が難しくなり、28節・甲府戦から元の4-3-3のフォーメーションを採っているという今季の歩み。

選手を当てはめる段階で苦労している印象で、ストロングヘッダーでセンターフォワードに最適と思われた山下がウイングやMFで出場を重ねているのが象徴的。
またこの日は高井が5試合ぶりにスタメン復帰(26節・水戸戦で負傷)しましたが、離脱中にフォーメーションが変わっていたという事態になってしまいました。(3バック時は主にシャドーで出場)

前半38分にクロスの跳ね返しを三幸がヘディングで縦へ送り、吉満が2タッチでエリア内へスルーパス、そこに工藤が走り込みます。
しかし工藤のシュートはGK上福元が足で阻み、決定機をモノにできなかった山口。

前半を2-0で終えると、後半頭に双方選手交代。
ヴェルディは前半頭部を打った場面があった森田に代えて小池を入れ、ウイングの井上を中盤にシフトします。
山口は吉濱に代えて池上、こちらは同ポジション。

しかし開始早々、試合を動かしたのはまたしても規格外の助っ人でした。
前半終わり際から井上とサイド交換をしていたパライバ、左ウイングでも躍動します。
山口・菊池のミスからボールを拾うと左サイドを一気にドリブル、菊池のマークも気にせず、カットインからエリア内に進入。
たまらず菊池は手を使って止めるものの、パライバは倒れ審判の笛が鳴りPKという事態に。(菊池には警告)
これを蹴るのはCFのレアンドロ、最初のグラウンダーのシュートこそGK吉満にキャッチされますが、これが吉満が蹴る前に動いたという判定でやり直し。(吉満に警告)
再度のシュートはキッチリと右へ決め、ヴェルディが追加点。

パライバが躍動する事で、CF・レアンドロも腰を据えてポストプレイでボールを裁く事が出来るようになった印象。
積極的に降りてきてボールをはたくその姿は司令塔のようでした。
後半9分、左サイドの井上のパスからやってきたボールが梶川→山本→レアンドロへと渡り、レアンドロはトラップ→ロングキックという流れで右サイド奥へボールを送ります。
これを抑えた小池が切り返してバックパス、クレビーニョがシュート(ブロックに阻まれる)というチャンスを演出しました。

その直後の10分、ヴェルディに4点目。
決めたのはまたもパライバで、フリーキックからの二次攻撃で梶川→山本→パライバと渡り、エリア内左から巧みにグラウンダーでコントロールシュートを放ったパライバ。
右ゴールポストの内側に当たってゴールインという絶妙なシュートでした。

一気に敗色濃厚に追い込まれた山口。
その後3バックにシフト(ウイングバックは右に石田・左にパウロ)し一矢報いようとします。
4点差もついたためか、ヴェルディ側もそれほどリトリートに徹する訳でも無く、何度か決定機は作れました。

後半18分に右サイドの石田が中央へ向けてロングパス、これを宮代(工藤と交代で出場)がエリア内中央で受け、ヴェルディDF・近藤のブロックをかわしてシュート。
しかしGK上福元に阻まれ、22分のコーナーキックからの山下のヘディングシュートもキャッチされるなど、当たりまくりだったこの日の上福元。

30分には三幸のロングパスを右サイド奥で石田が拾い、ここから波状攻撃。
暫く続いたパス回しから石田がエリア内右へスルーパス、前が走り込んでクロスを上げ、GK上福元がパンチングで出すも尚も三幸が拾ってパウロがクロス。
池上がフリック気味に流した所を岸田が合わせますがこれもGK上福元が防ぎ、上空に上がったボールは岸田と上福元が競り合い、ゴール前にこぼれたもののかき出され、その後山口も繋いで山下がシュートしますがゴールは奪えず。
43分にはコーナーキックの二次攻撃、三幸ヘディング→楠本ダイレクトで右へはたく→前と繋ぎ、前のクロスに菊池が足で合わせるもGK上福元がこれもセーブ。
最後まで上福元という牙城を崩せず、山口は攻め込みながらも無得点で試合を終える事となりました。

一方のヴェルディも攻められっぱなしではなく、レアンドロのパスワークを中心に、山口ゴールに迫る事が何度かありました。
アディショナルタイム、奈良輪がボール奪取し左サイドをドリブルしてから中へパス、レアンドロが右へとはたきサイドチェンジ。
受けたパライバがエリア内右からクロスを上げると、上がっていた奈良輪がボレーシュートを放ちますが枠外に。
その後に小池の縦パスからレアンドロがポストプレイ、受けた井上が敵陣に進入しパライバ→新井と繋がり、エリア内左から新井がシュートを放つもバーをかすめる惜しい結果に。

少し前まではポゼッションスタイルへの拘りが強く、例によって中々シュートまで持っていけない試合が目立ったヴェルディ。
しかしこの日はパライバの活躍もあり、決定機まで持っていく攻撃を最後まで見せる事が出来ていました。
果たして今後このスタイルは継続できるのかに注目が集まりそうです。

コメント
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