ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2019年J2リーグ第31節 柏レイソルvsモンテディオ山形

2019-09-10 17:05:04 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の柏の記事はこちら(24節・栃木戦)
※前回の山形の記事はこちら(29節・栃木戦)

両チームのスタメンを見ると、柏が助っ人4人を一度に並べたのに対し、山形はゼロ。
しかも柏は、MF以前のポジションに4人全てを使っていました。
おまけにFWジュニオール・サントスはこれが来日初スタメンとの事で、首位を快走しているクラブにしては随分と思い切った構成で挑んだものです。

その(あくまでJ2では)強豪に違いない柏ですが、その試合内容は極力シンプル。
縦に速い攻撃が主流で、ポンポンとディフェンスラインからボランチへの、あるいはサイドバックからサイドハーフないしは降りてきたFWへの縦パスを入れてきます。
しかしクリスティアーノや江坂・オルンガ(この日はケニア代表に合流のため欠場)とJ1レベルの選手が前線に揃っていれば、それだけで相手には脅威になり得ます。
良い縦パスが入った後は、スルーパスありワンツーありポストプレイありと、多彩な攻撃法を見せて決定機を作る。
このサッカーで、11連勝(前節・新潟戦でストップ)・13戦無敗(継続中)と無類の強さを誇ってきました。

しかしこの日、先制したのは山形でした。
立ち上がりから何度かコーナーキックを得たように、強者相手でも臆する事無く。
前半9分、右サイドで坂元がスローインを受けた所を柏左SB・古賀に倒され、今度はフリーキックを得ます。
するとキッカー中村駿のクロスが良い軌道を描いてファーサイドに落ち、そこに山岸が頭で合わせてゴールゲット。

先制した山形、その後も柏の攻撃を凌ぎつつ、サイドからの攻撃に活路を見出します。
タレント揃いのイメージな柏ですが、手薄なのが両SB。
左は古賀が固定されていますが、守備面で穴になっているようで、前節では新潟にそこを突かれ続けてチームは苦戦。
そして右ですが、新潟からレンタル移籍してきた川口が故障してこの日はベンチ。(26節から4試合連続スタメン)
小池の海外移籍と併せて一気に不透明なポジションとなり、前節は田中スタメン→後半頭から瀬川が入るという具合に一試合単位でも不安定。
その瀬川のプレーは良かったらしく今節も継続したものの、元々前線の選手だけにやはり緊急的だったのは否めず。

そんな柏の穴を突く山形の攻撃、右サイドでは坂元が、左サイドは山田・山岸が中心となりサイドを崩さんとします。
たまらず柏側は17分に山岸に対し瀬川が、19分には大槻に対し大谷が反則を犯してしまい、後者が得点に結び付く事に。

右サイドからのフリーキック(1点目と近似的な位置)、中村駿のクロスは今度はゴール中央に上がり、合わせたのはDFの熊本。
強烈なヘディングシュートは一旦GK中村航輔が止めたものの、こぼれ球を大槻が蹴り込んでゴール。
20分で2点、しかもいずれもセットプレーと効率良い攻撃を見せた山形。

反面、失点とともに反則も多発してフラストレーションが溜まる展開だった前半の柏。
直後の21分には、山形・柳がマテウス・サヴィオから反則気味にボールを奪いますが笛はならず。
これを見て逆上したのか、直後サントスが柳にバックチャージして反則・警告となった場面はその象徴だったでしょう。

飲水タイム(23分)を挟み柏は怒涛の攻撃を開始しますが、ブレーキになっていたのがFWのサントス。
先程の警告で精神的に不安定になっていたのか、あるいは初スタメンという事で連携面で課題が残っていたのか。
チャンスボールを受けてエリア内へ進入してもシュートを撃てない場面が多々あったり、はたまたシュートを撃とうとしてクリスティアーノと被ってしまったりと、流れに乗れないシーンが目立ちます。

前半39分からは山形は一度もチャンスを作れず、前半終了までひたすら柏が攻撃。
アディショナルタイムにようやくサントスがポストプレイでチャンスに絡み、これを受けたサヴィオが左に展開し、古賀がグラウンダーでクロス。
これにサントスがスライディングで合わせにいきますが僅かに届かず。
このサントスのプレーで、柏は期待をほんのりと持って後半に臨むことが出来ると感じました。

そして後半4分の柏の攻撃、敵陣でサイドチェンジを繰り返し、右サイドから瀬川がクロス。
山形DF・栗山のクリアが古賀に当たってこぼれた所を、クリスティアーノが後ろ向きでヒールで叩き込んでのゴールを挙げて1-2。
技量の高さを見せ付け、試合の行方を判らなくしたクリスティアーノ。

サントスこそ未知数なものの、やはり柏の助っ人は能力十分。
プレースキックも務めるクリスティアーノの他、サヴィオはサントスと同時期に入団した選手ながら、すぐに順応して8試合4得点と活躍。
ヒシャルジソンは警告の多さこそ玉にキズですが(開幕から4試合連続警告で出場停止とかあった)、ボランチの一角として欠かせない存在となっています。
そしてこの日不在だったオルンガ。

そんな首位チーム相手に、逆に助っ人ゼロというスタメンで挑んだ山形。
最も多く出場しているジェフェルソン・バイアーノすら最近はチョイ役で、とにかく組織力を維持する事で上位戦線に君臨しています。

DFに長期離脱から復帰してきた加賀を加え、ベテランの力を借りる事で再びチームを引き締める事に成功。
彼がスタメンになって以降4試合連続で無失点と、見事に結果に表れているのが気持ち良い。

ベテランといえば、ドイスボランチの一角を占める本田。
今季は相方のボランチである中村駿に攻撃のタスクを任せ、自身は低目の位置でスルーパス一本を通す役に徹する……。
そんなイメージを抱いていましたが、この日は強敵・柏が相手という事もあったのか、積極的に攻撃に顔を出していました。
といっても中村駿が大活躍した事もあり、相対的にはあまり変わっていない印象でしたが。
主に右サイドでウイングバック・柳を使うのが役割だったのでしょうが、柏のサヴィオの存在で柳が中々上がれなかった前半、大槻にポストプレイをしてもらう縦パスが主な活躍面だった本田。

しかし後半10分辺りから、やっとというべきか右サイドで柳が躍動し始めます。
中村駿のロングパスを受けた柳、その後坂元に繋いだ場面こそ柏・鎌田に奪われますが、直後の攻めでは本田→大槻ポストプレイ(鎌田がチャージして倒れるも流してその後警告)→本田右へパス→柳がアーリークロスを上げます。(クリアされる)

前半の右サイドの攻めは坂元頼みな感が否めずでしたが、ここに来て攻撃が多彩化。
そして13分、本田→中村駿→山岸→大槻と渡り、大槻は浮き球をエリア内左に入れて山田がヘディングで落とします。
これを受けた中村駿、山岸とのワンツーでゴールに迫ると、柏・瀬川のブロックより早くノーモーション気味にシュート。
ゴール左隅を突いてGK中村航輔も届かず、グラウンダーでネットに突き刺さり山形が3点目。

その直後、加賀が接触で倒れた際手首を痛めるアクシデントもあり、試合の針は柏に振れ始めます。(加賀は最後まで出場も、試合後骨折が判明)
しかし22分、坂元が右サイドでボールを奪いドリブルすると、サヴィオに倒され反則。
このフリーキックを、中村駿が蹴ると見せかけて自身が直接シュート。
グラウンダーのシュートはGK中村航輔のニアサイドを突き、ゴールラインを割ってからセーブされるゴールを見事決めて4点目を奪います。

その後も本田のスルーパスで柳がサイドからシュートを狙うという山形の良いシーンが見られ(28分)、このまま推移するかと思われた試合ですがここから柏が反撃。
直後の柏の攻撃、サヴィオが左サイドからクリスティアーノとワンツーでエリア内に入り、そのままやや角度が付いた位置からシュート。
豪快にゴール右に突き刺さり、柏の反撃の狼煙となる2点目。

そして31分、ヒシャルジソンのボール奪取からサントスがドリブル。
柳が中央まで追ってスライディングで止めるも、こぼれ球がクリスティアーノに。
するとエリア手前から思い切ってミドルシュートを放ったクリスティアーノ、ビューティフルと表現するしかないゴールを決めて3点目。
たちまち再び1点差になります。

その後も押せ押せの展開を見せる柏。
35分には再びヒシャルジソンが左に展開、古賀が1タッチでサヴィオに送り、サヴィオのパスに対しクリスティアーノがヒールパス。
再び心にくいクリスティアーノのヒールでサントスにシュートチャンスがやって来ますが、そのシュートはブロックされます。
39分には右からのコーナーキック、クリスティアーノがファーサイドへクロスを上げ、江坂がゴール右へヘディングシュート。
これはGK櫛引がビッグセーブを見せ同点ならず。

この時間帯で追いつけなかった柏、次第にペースダウン。
逆に45分には山形が決定的なチャンスを迎え、バイアーノ(大槻と交代で出場)の左コーナーでのボールキープから、クリアボールを拾った後本田が左サイドにスルーパス。
抜け出した山田の低いクロスに完全フリーで南(山岸と交代で出場)がボレーで合わせるも、シュートはゴール右に逸れてしまいました。

とどめを刺し損ねた山形、その後のアディショナルタイムで逃げ切り体制に。
柏はサヴィオクロス→クリア→瀬川ダイレクトでシュート→江坂がコースを変えようとするも合わずゴール左に外れる、というチャンスがあったものの得点は奪えず。
そのまま3-4で試合終了、激戦を山形が制しました。

技術では柏が上回りながらも、櫛引・栗山を中心とした守備で逃げ切った印象を残した山形。
スコアこそ乱打戦でしたが、山形の勝ちパターンは守られた試合となりました。

コメント
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