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DAZN観戦 2019年J2リーグ第32節 ジェフユナイテッド千葉vs水戸ホーリーホック

2019-09-17 18:20:49 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の千葉の記事はこちら(27節・愛媛戦)
※前回の水戸の記事はこちら(23節・琉球戦)

リアルタイムでyahooの速報を見ていると、千葉は前半でシュート14本というスタッツを残していたようで。(その時DAZNでは甲府vs柏を観ていた)
相手の水戸のシュートは3本であり、前半は完全に千葉ペースの試合かと思い込んで後に映像を観ると、その幻影は見事に崩れ去る事になりました。

6戦勝ち無し(しかも5敗1分)という状況で、開催が危ぶまれたフクダ電子アリーナで行われたこの試合。
あまりの低迷ぶりにJ3降格もチラついているその現状に、前節・新潟戦での敗戦を受けて監督の江尻篤彦氏も、「敗因はメンタルの問題」といったコメントを残したそうで。
そんな反省を踏まえ、この日は前半にゴールへの気迫を込め、とにかくシュートを浴びせるというプランとなったのでしょう。

それでも戦術的には、クレーベの1トップでの4-2-3-1という形が、守備面でまあまあ功を奏したのではないかと。
中盤の人数を多くした事によってか、水戸サイドは主にセンターバック・宮(夏の移籍で神戸からレンタルで獲得)のロングパスでの組み立てで中盤を省略するシーンが目立ちました。
それでもクレーベFWでは前からのプレスが掛からず、簡単にそのロングパスを出させてはピンチを招く事が多々ありましたが……

水戸は前半9分、宮のロングパスで右サイドバックの岸田が裏を取ると、千葉左SB・下平が引っ掛けて反則。
その直接フリーキック、右ハーフレーンから何でもできる良い位置でしたが、水戸が選んだのはトリックプレー。
白井が助走を取った所で、志知が助走無しでエリア内に蹴り込み、清水が受けてシュートするもブロックされ得点ならず。

水戸はその後も攻め込みますが、ゴール前一歩手前のシーンでは上記のシーンに象徴されるように、難しいプレーを選択しがちなのが目立ちました。
スルーあり、ワンツーあり、一方を囮にしてのスルーパスありと多彩にフィニッシュまで持っていこうとしました。
しかしこの絡め手が逆に空回りする結果になり、シュートまで持っていけない事が多々。
恐らくは「気持ちの問題」と監督に諭された千葉、最後の所で打たれなければ良いというシンプルな守備を敷いていたのが噛み合ったのだと思います。

一方千葉の攻撃、こちらもシンプルでした。
サイドで人数を掛けてのパス重視の攻撃と、中央のクレーベを狙ったロングパスからの攻撃。
特にサイドでは、トップ下に位置した工藤が左右両方に顔を出す分枚数をかけて厚い攻撃を繰り広げる事となり、水戸とは対照的に幾度もシュートまで持っていきました。
前半4分、右SB・米倉のクロスが跳ね返されたボールを佐藤勇人が拾って左に展開。
下平・為田・熊谷アンドリューの3人で攻撃を組み立て、最後は下平のスルーパスで抜け出した為田がシュート。(GK松井がセーブ)
20分には為田の左サイドのドリブルから、熊谷→下平→為田→工藤と渡って工藤が手前からクロスを上げ、クレーベがトラップするも左へ流れます。
もう一度左サイドで下平・為田・熊谷がパス交換をしてから熊谷が中央へパスを送り、これをクレーベはポストプレイで落とし、佐藤勇がミドルシュート。(枠外)
27分は熊谷が右に展開した後、米倉→茶島→熊谷と回ったボールを左にサイドチェンジ。
これを受けた下平がクロスを上げ、中でトラップしたクレーベがそのままバイシクルでシュート。(枠外)
着実にシュート数を重ねていく千葉の攻撃。

しかし先制したのは水戸で、前半31分自陣での黒川のロングパスから。
これを福満が裏へ走り込んで受け、エリア内左に進入すると尚もカットインを仕掛け、戻ってきた千葉ディフェンス全体(4人)をエリア内に追い込んだ後悠々とバックパス。
走り込んだ前がシュートを放つと、鮮やかにネットに突き刺さりました。

反撃に出たい千葉は33分、左サイドからの攻撃で熊谷の為田を狙ったパスが阻まれた後、中央でクレーベが拾って落としたボールを工藤がミドルシュート。(枠外)
先程述べたような、とにかく撃っていこうという気概が見受けられたのもこのシーンで、そんな気持ちがゴールに結び付いたのが39分でした。

水戸のクリアを跳ね返したボールを茶島がポストプレイでクレーベに繋ぐと、クレーベは遠目から思い切ってのシュート。
ドライブ回転がかかったボールは、GK松井のジャンプを越えてゴールに吸い込まれる同点弾。
積極的な姿勢が結果に結び付きました。

千葉とは逆に、昇格争いの激戦の渦中におり負けられない水戸。
前半アディショナルタイム、前の縦パスを受けた黒川はエリア内へスルーパスを出し、増嶋・米倉を紙一重で抜いた所にエース小川が受ける絶好機。
しかし小川のシュートはGK佐藤優也がセーブし勝ち越しはならず、前半を1-1で折り返します。

後半開始早々、水戸のチャンス。
ここも小川が倒されながらもポストプレイで繋ぐ紙一重のプレーで、受けた黒川が福満とのワンツーでシュートレンジまで持っていきました。(シュートはゴール左へ外れる)
しかし後半6分には、スローインで岸田がファウルスローを犯してしまう場面も。

水戸が若干押し気味という展開の中、迎えた後半13分。
ルーズボールを工藤が拾い千葉の攻撃、パスを受けた茶島は右サイドをドリブルで持ち上がってから米倉にパス、受けた米倉がクロス。
ファーサイドに走り込むクレーベに対し、水戸CBンドカ・ボニフェイスが止めにいきますが後ろからクレーベを倒してしまう形になり、審判の笛が鳴り反則・PKに。(ンドカにも警告)
スタメン出場が増えてからというもの、退場処分になる事2度と反則癖が抜けないンドカ、この日もやってしまいました。
このPKをクレーベが、GK松井の逆を確実に突くシュートであっさりとゴールし千葉が勝ち越します。

勝ち越された水戸は、17分に黒川→木村へと交代。
この日左サイドハーフとして出ていた黒川ですが、役割はFWの時と同じような、あらゆる場所に動き出してパスを受けるのは変わっていませんでした。
多彩な攻め手を作る役割を果たした反面、それがこの日の水戸の「ゴール前で難しい事をやろうとする」のに一役買ってしまった印象で、千葉には相性が良くなかったと推測します。
そして投入された木村ですが、彼も直後は黒川と同じような役割のプレーをしており、流れはさして変わらず時間が経過します。

水戸の攻勢は後半33分、清水→茂木への交代から。
34分右からのスローインを受けた福満、ゴールライン際で何とか折り返すと木村→前と繋がり、そのまま前がミドルシュートを放つもゴール右に外れます。
35分にはGK松井のフィードを小川が収め、右サイドに展開された後茂木が持ち込んでカットイン。
エリア手前右の位置からシュートを放ちますが、GK佐藤優がキャッチ。
その後(38分)、白井→レレウへと交代し左SHに入り、中央から逆サイドに張り出しがちだった木村がボランチにシフト。
これでポジション的には納まりが良くなり、さらに攻撃に圧を加える水戸。

一方の千葉は防戦一方ですが、そんな水戸の選手交代をベンチは静観し、3枚使い切った後にようやく初めての選手交代。(41分)
それは茶島→ゲリアとの交代で、3バックへとシフトするものであり、実質5バックにして守り切る策でした。(米倉が右CBにシフト)
折しも同時に水戸・ンドカが、クレーベとの接触で肩を激しく痛めてピッチ外に出されるアクシデントが起こっており、以降暫くは10人で戦う事を余儀なくされた水戸。
結果的にクローザーとして効果は抜群となりました。個人的にはクレーベをもう少し早く下げてプレスが出来るFWを出した方が良かった気がしますが

その後ンドカはピッチに戻りますが、肩を庇いながらの痛々しいプレー。
上位争いしているチームの執念を感じさせましたが、それが結果に結び付く事はありませんでした。
45分、右からの岸田のクロスが逆サイドに流れ、レレウが拾った後中央へパス。
これを受けた前がミドルシュートを放ち、GK佐藤優に防がれたのが水戸最後のシュートとなり、そのまま試合終了と相成りました。

長らく勝てなかった千葉が、台風一過で被害激しい地元に勇気を与える勝利、と結果的に良い具合に収まった試合。
それでも中身は水戸の方が上というような内容で、結果以外は順位相応なゲームだったと思います。
それでもまずはJ2残留を決める事が第一である千葉、それに向けての大きな勝利でした。

コメント
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