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DAZN観戦 2019年J2リーグ第28節 ヴァンフォーレ甲府vsレノファ山口FC

2019-08-22 15:50:46 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の甲府の記事はこちら(24節・岡山戦)
※前回の山口の記事はこちら(21節・町田戦)

水曜(8月14日)に行われた天皇杯3回戦で、J1首位・FC東京に勝利という見事なアップセットを達成した甲府。
ターンオーバー具合では甲府の方が「全とっかえ」に近いメンバーだったので、金星といって差し支えないでしょう。(FC東京は林・高萩・渡辺がスタメン、永井・橋本が途中出場)

一方リーグ戦では、昇格争いの先頭集団から一歩置いていかれたという位置で、必死に食らいついている状況。その先頭集団も柏が独走態勢に入りかけているのですが
夏の補強でも特に大きな動きが無かっただけに、今後はサブメンバーの働きがチームを活性化し浮上させるための絶対条件だと思います。

そんな中、大ベテラン・山本が最近になって出場数を増やしているのが目をひきます。
千葉(当時は市原)でプロ生活をスタートさせましたが、2003年に移籍してきてからは甲府一筋で今季が17年目、ディフェンスリーダーとして長い間活躍してきました。
今季は故障だったのか4節以降はベンチ外が続き、スタメン復帰したのが19節・琉球戦で、その後もレギュラー復帰とまではいっていない模様。
25節・水戸戦では劇的な同点ゴールを挙げており、ベテランの意地でチームに活力を与える事で、J1昇格に繋げたい甲府。

この日のこの試合、いつものように甲府は堅守速攻のスタイルで挑みます。
そのキーマンである前線3人(1トップ2シャドー)も、前節同様ピーター・ウタカの1トップに、ドゥドゥと曽根田の2シャドーを起用。
能力的にはこの3人が最適に違いないのでしょうが、その分彼らの個人技あるいはコンビネーション頼みな攻めになりがちな欠点もあるでしょう。

その期待とは裏腹に、序盤は山口が試合の主導権を握ります。
これまでの3バックでの戦いから、この日は一転して4-3-3のフォーメーションによるポゼッション重視のサッカーを魅せます。
3バックの一角である菊池の出場停止に則しての措置ととれますが、とりわけ急造という訳でも無く、守備重視の甲府に対してしっかりとパスを繋いでいきます。

3トップといえど、佐々木はパスを受けに色々な位置に顔を出し、CFの宮代は積極的に降りてきてポストプレイを担当するなどで中盤を厚くする役割を担っていました。
ヘッダーの山下が左ウイングに位置するなど、所見では不思議に思えるフォーメーションも、パスをしっかりと回す姿にその違和感も無くなり。
ちなみに後方も、リーグ序盤の4バックの際にはサイドバックを担当していた前がこの日はセンターバックを務めていたりしましたが……

ともかく、攻撃サッカーを理想とする霜田正浩監督の牙が再び剥かれたというようなこの日の前半戦。
1タッチパスの連続で繋ぐサッカーに甲府守備陣も苦戦しがちで、カウンター攻撃も中々繰り出せず。
前半17分にようやく山口コーナーキックの攻撃を切ってのカウンター、曽根田が中央突破から左に展開し、ボールを受けたドゥドゥがカットインして遠目からミドルシュート。
シュートは枠外で、俗に言う「シュートで終わる」攻撃を達成できましたが、枠外という結果がこの日最後まで甲府を苦しめる事となります。

その後は甲府も攻撃ペースを掴みますが、決定機は中々作れず。
山口CB・楠本の奮闘もあり、ウタカはシュートチャンスを貰えず、時間を浪費していきます。
ようやく35分、佐藤和弘の左サイドへのフィードをドゥドゥが受け、ドリブルで進んでからエリア内のウタカへパス。
ウタカは切り返してからシュート体勢に入りますが、最初のトラップが乱れた影響かミートできず、こぼれ球を内田が走り込んでシュートするもブロックに防がれます。
最大のチャンスは45分、内田のロングパスをドゥドゥがトラップしてエリア内へ進入、そこから反転シュートを放ったもののGK吉満がセーブ。
一方の山口は高いボール保持率で押し込むものの、シュートまでいけない場面が目立ち、結局前半は0-0で折り返します。

今年も猛威を振るった夏の移籍、山口は中心選手だった高木がガンバに移籍したのが最大の痛手で、これにより2年連続でガンバに主力を引き抜かれるという惨事に。(前年は小野瀬)
その反撃としてか、ガンバから高の獲得に成功しますが、育成型レンタルという形なのでその場凌ぎなのが辛い所です。
そして山口は現状この形での補強策が多い。(永石・廣末・佐々木・川井)

その他、ウイングバックでレギュラーに定着していた瀬川が栃木に移籍。
陣容を保たんと、J1クラブから石田(磐田)・宮代(川崎)をレンタルでの獲得に成功しレギュラーで起用していますが、果たして翌オフに完全移籍に移行させる事は可能なのか。
先程述べた3バック→4バックへの変更は、こうした移籍の背景に合わせての事なのかもしれません。

後半が開始し、早速突破口を開いたのは山口の新戦力コンビでした。
敵陣左サイドで宮代が甲府・小柳のクリアを防ぎボールキープ、味方の上がりを待ってからパス回し。
その後ボールを持った石田はクロスでは無くエリア内左のスペースに位置取った山下へパス、ボールを受けた山下が斜めから豪快にシュートを放つと、GK河田が一歩も動けずゴール右へ突き刺さるゴールを挙げて先制します。

その直後(後半2分)にも石田縦パス→宮代ポストプレイ→佐藤健太郎右へ展開→川井グラウンダーでエリア内へ→佐々木走り込むという流れるような山口の攻撃が展開され、ここはエデル・リマが止めるものの、佐々木が倒されて一歩間違えれば反則PKという際どい守備でした。
山口の追加点は時間の問題かと思われましたが、この後は先制された甲府が攻勢に出ます。

後半6分、佐藤和から左に展開されたボールを受けたドゥドゥが、エリア手前でカットインから低いクロス。
中央でウタカがトラップしてシュートするもブロックに阻まれます。
14分には小椋が右サイド奥へロングパス、ウタカが収めてからクロスを上げ、内田の落としをドゥドゥが拾ってエリア内左からシュートするも枠外に。
何時ごろからか、システムを4-4-2気味にシフトして山本がボランチに上がり、SBは右が湯澤・左が内田となっていた効果が出たでしょうか。

一方攻められっぱなしの山口、反撃は23分でパス回しから佐々木が中央でボールキープして攻撃開始。
高の縦パスは一旦跳ね返されますが、佐々木が拾ってからもう一度高が縦パスを送り、収めた宮代がシュートを放ちます。(枠外)
このプレーと同時に飲水タイムで名実ともに一息ついた山口、その後は川井と石田の位置が入れ替わっていました。
理由は不明ですが、ドゥドゥが左サイド中心で攻めていたので、それに対抗するためだったのでしょうか。

しかしドゥドゥはその後何処でも攻撃に絡んだため、山口側は止める事が出来ず。
29分は左サイドを内田・佐藤和のワンツーで突破し、中央にドゥドゥを置いた上でクロス。これを収めたドゥドゥが横パス、受けたウタカがバックパスすると、エリア外から小椋がミドルシュートを放ちますがブロック、そのこぼれ球を曽根田が打ちますがゴール右に外れるという結果に。
33分には自陣でダイレクトで小椋→山本→小椋→ドゥドゥと繋がり、中央のウタカに渡したドゥドゥは右からスプリントしてウタカを追い越す動き。
ボールを持ったウタカはドリブルした後そのドゥドゥにスルーパスを送りますが、あろう事かドゥドゥは楠本とぶつかって反則を取られて攻撃終了。(ドゥドゥはオブストラクションを主張していましたね)

その後34分に甲府は最初の選手交代、山本に代えてFW佐藤洸一を投入、ドゥドゥを左サイドハーフの位置に回す事で佐藤洸・ウタカとの共存を図ります。
しかし結果的にその後ドゥドゥは効果的に攻撃に絡む事が出来ず、チャンスゾーンまで走る距離が長くなった事で山口ディフェンスに対処され、その度にチャージして反則してしまう有様に。
そんなイライラが募ったのか、44分にはボールとは無関係の所で山口選手に腕を上げたとされ警告を受け、次節出場停止になってしまいました。

アディショナルタイムに突入、ひたすらボールをクリアするだけになった山口に対し猛攻を仕掛ける甲府ですが、内田が放った2本のシュートは枠外と最後まで枠外だらけの結果になりました。
そして凌ぎきった山口はウノゼロの勝利。

停滞感が見受けられた甲府の攻撃ですが、これはドゥドゥが前年所属していた福岡でも感じられたものです。(前年の主な福岡のメンバーは森本・石津・松田・ユインス・レオミネイロ辺りか)
前線にタレントを集めたものの、相手の対策が進むにつれて点を取れる気配が薄れてきているという印象でした。
福岡の場合は次第にベテラン・城後頼みの布陣になっていき、最終的に昇格を逃してしまった前年。

ともかく、次節でドゥドゥの出場停止による代役の起用で、攻撃の違いを見せる事は出来るでしょうか。


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