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DAZN観戦 2023年J2リーグ第34節 ヴァンフォーレ甲府vs大分トリニータ

2023-09-12 16:01:05 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の甲府の記事はこちら(32節・山口戦、2-3)
※前回の大分の記事はこちら(31節・岡山戦、0-1)

<甲府スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 元いわきのルーカス・マセドがポルトガル・SCプライエンセから完全移籍で加入し、今節から登録。
  • 荒木の負傷が発表され、8/16に発生して全治4~6週間との事。
  • 32節で負傷により交代したジェトゥリオは、以降ベンチ外が続く。

<大分スタメン>

  • 負傷離脱していた梅崎が復帰し、32節(仙台戦、2-3)で途中出場。
  • 30節(藤枝戦、1-0)で負傷により(HTで)交代した中川の詳細が発表されるも、全治は未発表。
  • ユース所属のGK古野が2種登録選手となり、今節から登録。
  • 小酒井(中京大)の来季加入が内定し、同時に特別指定となり今節から登録。

酷暑が蝕んだ……とは言い過ぎでしょうが、6戦未勝利と上位らしくない成績を描いている甲府の現状。
ここ最近スタメンを外れているウタカが示すように、ベテランがパワーをもってチームに貢献するには、それなりのベンチワークが不可欠となり。

そんな工夫を交えながら夏を乗り越えたと思ったら、今季の甲府はここからACLという異次元の戦いが控えており。(9/20に第1節)
当然過密日程の中、海外遠征という初の体験も交わり更なる試行錯誤を強いられる今後。
救いは前年の天皇杯を戦っていた時期のような、残留争いとは無縁な事ぐらいでしょうか。

試合が始まると、その甲府より一段上の位置にいる大分がペースを掴むという順位どおり(とはいっても勝ち点差は3ですが)の内容に。
ボランチが降りて3枚になる最終ラインから、盛んに送られる2トップへのロングボールを軸に主導権を握ります。

ハイプレスが持ち味の今季の甲府ですが、こうした立ち回りを受けるとウタカ・クリスティアーノというスタミナ面に不安を抱える1トップでは、ロングボールを抑制するような熾烈なプレッシングは掛けられず。
最終ラインでパスを回されるとどうしてもクリスティアーノが振られるので、そこを三平が前に出てカバーする事で、アンカーに位置取る大分ボランチの片割れが空いて繋がれてしまい。

「丁の字型」でのビルドアップの神髄を見せて主導権を握った大分、10分過ぎからはそのもう一つの利点を発揮。
つまりは必然的に高目を取るサイドバックを利用する攻め、奥を突いてのクロス攻撃に舵を振り始めます。
迎えた前半14分、野村のスルーパスを受けた高畑のクロスがクリアされて左コーナーキックをゲット。
ショートコーナーでの揺さぶりから、再びスルーパスに走り込んだ高畑のクロスが上がると、ニアサイドに入り込んだ羽田がヘディングで合わせ。
強豪チームらしい、セットプレーを確実にモノにしての先制点を挙げた大分。

リードを奪われた甲府、これで自身からも主体的な攻撃をしなければならなくなり。
その姿は大分と同じ、SBを高い位置に上げたうえでのビルドアップの姿勢。(ただしボランチが降りるかどうかは流動的)
攻撃に関しては、ミラーゲームと言いたくなるような布陣となりました。

そんな状況の中、19分に大分は最終ラインでボールを持つも、その脇で羽田が靴紐を結び直す体勢に入ったため動けず。
にも拘らずショートパスで前進を図った結果、ボールロストしてクリスティアーノが拾い甲府のチャンスを招く結果となります。(長谷川が中央でエリア内を突き、こぼれた所を松本凪がミドルシュート・ブロックに当たり枠外)
若干の隙が見られた大分、それを突かんと以降甲府は高い位置を取る三浦を軸にして攻め上がり。

しかし直ぐに長沢狙いのロングボール攻勢で立て直し。
そこから右サイドをスローインでの漸進戦法でCKに持ち込み(26分)、その攻撃が防がれた所で飲水タイムとなり。

大分は先制してからは、こうして相手にペースを与えない事に努めていた風であり。
甲府はそれにより焦りを増幅させていたでしょうか。
ブレイク明けの最初の好機は29分で、しかもそれが甲府ディフェンスのミスによる失点に。
渡邉がラフにロングボールを裏へと放り込んだ事でそれは発生し、走り込む伊佐に蓋をしたマンシャでしたが、ヘッドでGKへ丁寧に戻さんとしたのが仇となり。
短くなってしまった所を、すかさず伊佐がシュートすると、ボールは無人のゴールへと吸い込まれます。
ホームの甲府にとっては頭を抱えたくなるような得点で、リードを広げた大分。

2点差となり、一層激烈に攻めなければならなくなった甲府。
32分に蓮川が前に出て反則気味にボールを奪い、松田のミドルパスを三平が収めて好機に。
エリア内右角でのクリスティアーノのポストプレイを経て宮崎がシュート(GKテイシェイラキャッチ)と、アタッキングサードでのアイディアが活きる展開に持ち込みます。
大分は直後に安藤が足を痛める(一旦ピッチ外へ→復帰)など、受けに回らざるを得ない状況を強いられ。

しかし焦りが増幅する状況は変わらない甲府。
40分に浮き球を収めた長沢から蓮川が奪うも、尚も両者激しいデュエルとなった結果長沢の反則に。
するとすかさず手を出してしまった長沢により両者ヒートアップ状態となり、たまらず両軍止めに入る事態となります。
これにより両者に警告が付き出される事に。
その直後に巻き返さんと蓮川がドリブルで持ち込むと、長沢も負けずに奥へと出されたスルーパスに対し、受けにいった松田をスライディングで阻むという具合に火花を散らし。

その後44分に大分が決定機を作りましたがモノに出来ず。(高畑が左ポケット奥へ進入、マイナスのクロスを入れるも合わず)
3点目を入れる望みが無くなった大分は、以降アディショナルタイム、甲府の攻撃に対しひたすら凌ぐ体勢に。
誰も居ない所へと蹴り込むクリアを頻発と、セーフティに立ち回り。

そして0-2のまま前半を終えると、ホームの観衆から上がるブーイング。
巻き返さなければいけなくなった甲府は、ハーフタイムで動きウタカの投入に踏みきります。(クリスティアーノと交代)

後半が始まると、その意気込み通り攻勢に持ち込む甲府。
大分にとっては前半終了間際の姿勢も仇となったか、引き続き押し込まれ続ける事となり。

前半との違いはその守勢は望まざるものという様相で、大分の前線はプレッシングを掛けにいったものの、それをGK渋谷のフィードを軸にいなす甲府。
そしてすかさず最終ラインの裏を突くという具合に、振り回されていた感がハッキリと見られました。
後半5分にGKへと戻したのち渋谷がダイレクトでフィード、三平が胸で落としたボールを中村がダイレクトでスルーパス。
右サイドで受けた宮崎がポケットへ切り込んでグラウンダーでクロスを送り、走り込むウタカの前で何とかクリアと、大分に生まれるギャップを突く攻撃が繰り広げられ。

そして7分再び中村のスルーパスから、受けたウタカが右ポケットを突くという流れに。
カットインを経て放たれたシュートはブロックされるも、尚も拾って右サイドを突く甲府、今度は松田が右ポケット奥へ切り込んでのマイナスのクロス。
ニアにウタカが走り込み、羽田と縺れるもフリックのようになってファーへと流れた所を、三平がシュートしてゴールに突き刺します。
この流れを得点によりしっかりと掴んだ甲府、これが大きかった。

大分は直後のキックオフから、左サイド奥へと持ち込んだのが唯一の攻撃機会。(戻して作り直すも結局モノに出来ず)
甲府の流れは尚も続き、松田・三浦のSBが高目を取る攻撃の神髄を如何なく発揮します。

たまらずベンチも13分に動き、キャプテンの梅崎を投入。(渡邉と交代、同時に長沢→鮎川へと交代)
明らかに試合を落ち着けようとしたベンチワークでしたが、それが果たされる事は無く。
尚も押し込まれ続け、16分にはゴールキックの際に遅延行為でGKテイシェイラが警告を受けてしまい。

そのテイシェイラをさらに不幸が襲います。
18分の甲府、プレッシングを綺麗に嵌めて敵陣中央で松本凪が奪う絶好機となり、エリア内へこぼれるボールに三平が走り込み。
これを前に出て抑えたGKテイシェイラでしたが、この際に足を痛め、最初は攣っただけと思われたもののどうやら筋肉系をやってしまったようであり。
これによりGKを交代するアクシデントを強いられる大分、西川を投入します。
同時に伊佐→上夷へと交代して3-4-2-1へシフトと、守勢を受けての采配を執った下平隆宏監督。

しかしその勝利への執念は実らず、尚もペレイラが反則を犯した際に遅延行為で警告(ボールを抱えこむ)と被害が広がる大分。
ここから甲府のセットプレー攻勢となりFK→右CKを経て、そのCKからの二次攻撃で後方から三浦が放り込み。
これをヘッドでクリアにいったペレイラでしたが、フリックのような合わせになってしまった結果、ゴールへと吸い込まれるボール。
押し込まれ続けた末に最後はオウンゴールと、決壊を象徴する形で同点となりました。

それと同時に飲水タイムが挟まれ、第4クォーターに。
その最初の好機も宮崎のミドルシュートに持ち込んだ甲府(28分・ブロック)と、未だ変わらない事を予感させる試合展開。

それを変えにいった大分、29分に最終ラインから繋ぐ攻めで巧く敵陣右サイドに持ち込み。
ようやく後半最初の攻撃らしい攻撃に持ち込んだかと思ったその刹那、野嶽→上夷へのバックパスがズレてしまい、これが最悪の事態を招きます。
すかさず反応した三平がダイレクトでスルーパスを送ると、抜け出して受けたウタカがGKと一対一に持ち込みエリア内へ進入。
GK西川を左にかわしにいった結果、後追いでウタカを倒してしまう西川。
たまらず反則ならびにPKを告げる笛が鳴り、西川に警告が付き出され。
大分GKが2人とも警告を受ける珍しい試合となったものの、そんな事を考えている暇は無く注目点はこのPK。
当然キッカーはウタカが務め、勝ち越しの絶好機となったこのPKを、読み合いの末中央へのシュートを放ったウタカ。
しかしGK西川は釣られずセーブと、見事に防ぎきります。

そして流れが変わったかのように、直後に大分の決定機。(32分)
自陣でのボール奪取からカウンターに持ち込み、梅崎のスルーパスを受けた羽田が右奥を突いてグラウンダーでクロス。
これを受けた野村がエリア内からシュートするも、蓮川のブロックに当たった末に左ポストを叩いてしまいます。
詰めた鮎川のシュートもマンシャにブロックされ、結局モノに出来ず。
それでもファイティングポーズを取り直したと判断したか、34分に野嶽→藤本へと交代した上に、フォーメーションも4-4-2へと戻した大分。(上夷が右SBに回り、藤本はFW)

しかしこれにより、(再び?)三浦とマッチアップする事となったベテラン梅崎の所から崩壊。
36分にマンシャからのパスを受けにいった三浦に対し、後方からのスライディングで倒してしまった梅崎、反則・警告を受け。
ここでは甲府陣内だったものの、直後にそれが最悪の位置で起こる事となります。

37分の甲府の攻撃、ロングパス→ウタカのフリックがこぼれた所を、中村がダイレクトでミドルシュートを狙ったもののミート出来ず大きく右へと逸れ。
しかしこれを松田が拾って継続し、入れられたクロスを大外で長谷川がシュート。
上夷がブロックで防ぐも、その影響で蹲る上夷を尻目に尚も甲府の攻めは続き、長谷川から左ポケットへ送られるスルーパス。
これに走り込んだのが三浦と梅崎で、自慢のスピードで追い抜く三浦、再度スライディングにいった梅崎に削られる事となり。
そして反則の笛が鳴り響き、三浦に軍配が挙がる形となったこの勝負の結果、この日2本目のPKとなります。(判定への異議?で保田に警告)
そして先程の失敗の影響か、キッカーを務めたのは長谷川で、しっかりとGKの逆を突いてゴール左へ突き刺し。
とうとう達成した逆転に大興奮となるスタジアム、長谷川も同様でありユニフォームを脱いでサポーターの下に駆け寄った結果警告を受けたものの、齎した勝ち越しゴールという結果に比べれば屁でも無く。(直後に甲府は宮崎・三平→鳥海・武富へと交代)

追う立場となった大分ですが、既に交代枠は無く。
裏抜け中心の攻撃を繰り広げるも状況は厳しく、何時センターバック(ペレイラ・安藤)を上げてのパワープレイに入るかという葛藤を強いられます。

中断により目安が9分となったATでも、最終ラインから繋ぐ姿勢を続ける大分。(その入りで甲府は松本凪→林田へと交代)
しかしさしたる好機は作れず、逆に甲府がそれを遮断して左コーナーに持ち込むなど、勢いは依然甲府という展開。
その際に長谷川が足を痛めたものの、残していた交代枠を使用して事無きを得ます。(山本を投入して3-4-2-1へシフト)

この影響で目安の9分を過ぎても終了とはならず、篠田善之監督の異議が響く状況となったピッチ内。
それでも大分最後の攻撃、上がりを選択したペレイラがロングボールを落としたものの繋がらず。
そして試合終了を告げる笛が鳴り、久々の勝利の味を噛み締めた甲府。
これから昇格争いとACLとの二足の草鞋を履く事となりますが、クラブ一丸で乗り切る事が出来るでしょうか。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第34節 東京ヴェルディvsレノファ山口FC

2023-09-11 16:01:18 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回のヴェルディの記事はこちら(30節・秋田戦、1-0)
※前回の山口の記事はこちら(32節・甲府戦、3-2)

<ヴェルディスタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 長谷川がJ1・横浜FCからレンタルで加入し、31節(いわき戦、0-0)から登録されて即途中出場、翌節以降スタメンに。
  • ユース所属の川村が2種登録となり、31節から登録。

<山口スタメン>

  • 前節の3-3-2-2(3-1-4-2)から、4-4-2へと布陣を変更。
  • 生駒が累積警告により出場停止。
  • 松橋はヴェルディからのレンタル選手なため出場不可能。
  • GK吉満の負傷が発表され、発生日不明で既に手術実施して(発生日からか手術日からかは不明)全治6週間との事。

プレーオフ争い・残留争いのみならず、自動昇格枠の争いも混迷を極めている現在。
それに割って入っているヴェルディですが、相手が降格組である磐田と清水だけあって、戦力的に分が悪いのは明らかであり。
しかし逆に言えば、そのような状況下で一歩も退かない善戦を繰り広げているという事で、モチベーションは底無しといえるでしょう。

前回観た際(秋田戦)は、伝統であるパスサッカーのアイデンティティを、文字通りかなぐり捨てたかのようなサッカーを繰り広げ。
勝利のためにはどんな事でもやるという思想を前面に押し出して得た勝ち点3でしたが、この終盤戦においてその意味は果たしてどんなものであるか。

ホームに山口を迎えた今節。
キックオフからボールを確保するヴェルディですが、山口のプレッシングを受けていきなりエリア内で梅木にカットされるシーンを生み出してしまいます。
すかさずクリアして事無きを得ますが、持ち味を完全に捨てたが故の反動が懸念される絵図。

しかしそれは見事に杞憂となり、以降山口の前線の間を通すパスを中心に、それを絶妙な位置で出し入れする齋藤を軸に攻め立てます。
前半4分に右サイドで宮原→齋藤ポストプレイ→中原ダイレクトでスルーパスという定番の流れで、抜け出した染野がGKと一対一となる絶好機を作りましたが、エリア手前からの染野のシュートはGK関が好セーブ。

その際にこぼれ球を抑えた関が染野にチャージされて痛み、若干のブレイクとなり。
ここで必死に選手達に声を掛けていた山口のフアン・エスナイデル監督、修正を図らんとしたものの、その努力は報われませんでした。

中断が明け、最終ラインからのビルドアップに入る山口ですが、ここでも齋藤の動きによりスムーズな流れは失われ。
成岡へのチェックを欠かさない齋藤の存在で彼を経由しないパスワークを余儀なくされます。
その結果9分に縦パス→フリックに頼った結果宮原にカットされ、中原が右奥へとドリブルで持ち込んだ末にコーナーキックを得たヴェルディ。
キッカー中原が中央へ送ったクロスを、谷口が身体を倒しながら合わせてのヘディングシュートでゴールネットを揺らします。
山口DF(ヘナン・平瀬)のマンマークを振りきり、負けられない戦いをする上でとても重要な、先制点を挙げたヴェルディ。

一方前節(水戸戦、1-2)に続き追い掛ける展開となった山口。
その後GKマテウスから始まるビルドアップによるヴェルディの攻撃に、プレスが機能しない時間は続き。
15分に縦パスを神垣がカットしてショートカウンターというシーンは作ったものの、以降全く阻めず苦戦を強いられます。
齋藤が浮いた状況を頻発させるなど、マークのズレは相変わらずといった感じに。

また自身のビルドアップも難儀し、齋藤が成岡へのコースを切りながらチェイスするその姿勢を上回れず。
安易に左サイドに出しては、キムボムヨンの所で詰まり奪われるという事を繰り返します。
途中から神垣が降りての3枚の最終ラインで繋がんとしましたが、それにより成岡がアンカーと化す事で余計に齋藤の対応の巧さが際立つ結果となり。

果たして一向に成岡がボールを触れないまま試合が進み、攻撃機会を独占するヴェルディ。
鋭くポケットを突き、マイナスのクロスを送るという絵図を増やしていきます。
そして25分のヴェルディ、右サイド奥を執拗に突き続け、防がれるもさらに攻め込み今度は手前からのクロスを選択。
これをニアサイドで齋藤がフリックで浮かせた事で乱戦に持ち込むと、こぼれ球を確保して右ハーフレーンから強引に中原が切り込みます。
ディフェンスに遭うもこぼれ球が良い具合にエリア内へと転がり、すかさず稲見が反応してシュートを放ち、ゴールに突き刺し。
それと同時に飲水タイムでブレイクと、この上ないタイミングで2点目を挙げました。

かくして前節と同様に2点差を追う状況を強いられた山口。
前節はここから怒涛の反撃体制に持ち込んだものの、この日は第2クォーターに入っても一向にギアが上がりません。
ブレイク明けにフォーメーションを変え、4-1-2-3(4-1-4-1?)気味となり河野が左ワイド・五十嵐がインサイドハーフという位置取りに。
配置変換で修正を図りにいきましたが、これもさしたる効果は出ず。

その後もヴェルディの執拗な縦パス攻勢で、スペースを作られては裏に送られるという絵図が繰り返され。
30分には左サイドで裏抜けにいった長谷川が前に倒されるも稲見が拾った事で継続し、パス交換を経てのスルーパスに再び走り込む長谷川。
左ポケット奥で受け、そのまま角度の無い所からシュートを狙いましたがGK関がセーブ。
32分に今度は中央から、谷口の縦パスをダイレクトで森田が裏へと送った事で、再び染野がGKと一対一に持ち込み。
今度はエリア内への切り込みを選択した染野でしたが、これもGK関が判断良く抑えて決められず。
流れの中のみならず、35分にはCKから放たれた染野のヘディングシュートをGK関がセーブと、一重に守護神の踏ん張りで何とかもっているという展開を強いられた山口。

38分の山口、齋藤のチェイスを呼び込んで成岡へパスを通した最終ライン、ここから右サイドへと展開して細かく繋いで前進に成功。
成岡が奥に持ち込んでのクロスはクリアされるも、回収して再度右から攻め、今度はポケットへのパスを選択する成岡。
受けた梅木のヒールでの繋ぎを経て前がシュート(枠外)と、ようやく有効打を放ちます。

これを境に生まれた好循環で、攻勢に持ち込んだ山口でしたが、受けに回ったヴェルディサイドも冷静であり。
それをひっくり返すかのように、45分に自陣で反則を受けると、素早いリスタートで一気に裏を突きにいく攻撃。
裏でロングパスを受けた染野が左ポケットからシュート、ブロックされた後も長谷川が拾い、裏へ送った浮き球に再度染野が跳び込んでシュート。(オフサイド)
前掛かりな姿勢の裏という、相手の嫌な所を突き続けるヴェルディ。

結局2-0のまま前半は終了となり。
ほぼ満点といったヴェルディサイドの方がハーフタイムで動き、長谷川→新井へと交代して後半に臨みました。

主導権争いとなった入りを経て、流れを掴んだのはまたもヴェルディ。
齋藤が浮いた状態となるのは前半と同様であり、山口の修正がままならないうちに試合を決めに掛かります。
5分にはその齋藤への縦パスから左へと展開し、ポケットを突いて走り込んだ加藤がマイナスのクロスと、この流れも前半と同じ。
新井のシュートがブロックされたのちもひたすら繋ぎ、右からの齋藤のクロスに最後は加藤がヘディングシュート(枠外)と、激しく攻め立てます。

それでも成岡を倒した平が警告を受ける(7分)など、被害が出始めたヴェルディ。
潮目が変わって来たというタイミングで、10分に山口ベンチも動き。
前→野寄へ交代と同時に、フォーメーションを前節と同じ3-3-2-2(3-1-4-2)へとシフトします。
野寄が右ウイングバックに入った事で、吉岡が左へと回り。(3バックは右から平瀬・ヘナン・キムボムヨン)

ここから繋げるようになる山口。
変更直後は右から野寄が仕掛けて好機を作るという個人技が冴えてのもので、対応する新井の軽さもあり有効となり。
それでもビルドアップでは、16分にマークされるアンカー神垣を飛ばしての縦パス→成岡フリックが逆にヴェルディのカウンターを招くなど今一つな流れ。
するとキムボムヨンの対角線へのロングパスを使い始め、フリーの野寄にボールを送り、その野寄の突破で反則を生んで好機を演出します。(2度目に野寄を倒した加藤に警告、20分)
19分にこれで得たフリーキック(蹴る前に梅木→皆川へと交代)から、キッカー成岡のクロスを皆川がフリックし、その奥でヘナンが足から跳び込むも合わずというあと一歩の場面も。

押され気味となったヴェルディ、21分にこの日攻守の要となっていた齋藤を諦め。(山田と交代、同時に平→千田へと交代)
パワープレイヤーを投入する事でさらに強度を高めたうえで、明白な2トップ(4-4-2)の布陣を採ります。

24分に飲水タイムが挟まれたのち、尚も攻め込む山口は皆川のポストプレイを交える事で前進の選択肢を増やし。
27分には右サイドでその皆川のポストプレイを受けた野寄、そのままカットインを経てシュートを放つも枠を捉えられず。

しかし前線のターゲットという選択肢を増やしたのはヴェルディも同様であり、ブレイクを経て矛先を据え直し。
細かなパスワークでサイドを突いたかと思えば、染野・山田のFWに当てるロングボールからも好機を生み出します。

一向に得点出来ない山口。
32分に最後の交代を敢行し、残っていた枠を全部使用する、つまり3枚替えという手段に出ます。
神垣・吉岡・五十嵐→佐藤謙・沼田・池上へと代え、状況打開を図り。
一方のヴェルディも34分、野寄の突破を許していた左サイドをテコ入れし、加藤→奈良輪へと交代します。

36分の山口、左サイドから前進を図るも一旦戻し、キムボムヨンが右へとサイドを変えかけた所をそのヴェルディの守備姿勢を見てキャンセル。(その後再度左から攻め、沼田がクロスも合わず)
ヴェルディの対策をまともに受ける格好となりましたが、40分に再び野寄の前進が新井に倒されて反則、右サイドからのFKに持ち込みます。
ここからキッカー池上が中央へクロス、皆川がヘディングシュートを放つとGKマテウスのセーブを掠めてゴールバーを直撃。
クリアされたボールを尚も皆川落とし→沼田シュートと追撃するも枠外と、ようやく得た決定機もモノに出来ません。

ヴェルディは41分に最後の交代カードを使い、染野→河村へ交代と尚も前線にパワーを保ち。
42分にGKマテウスの低いロングフィードを河村がフリック、これが山田に渡ってボールを確保したヴェルディ。
前線に盤石の逃げ所が出来たという感じであり、続く43分には山口の攻撃を切ったのちショートパスを繋ぎにいくも、ゲーゲンプレスにより右奥に詰められ。
しかしGKマテウスへと戻したのち、ロングフィード→河村足でフリック→山田収めるという流れで確保したのち、右サイド奥を突いてCKへと持ち込みます。
そして繰り広げられる右コーナーでの時間稼ぎ。

迎えたアディショナルタイム、何とかこじ開けたい山口。
CK攻勢へと持ち込み、その(3本中の)2本目でショートコーナーからの手前からのクロスを選択し、佐藤謙が合わせて浮いたボールを野寄が落とし。
そして拾った平瀬のゴールから至近距離でのシュートも、稲見のブロックに阻まれてしまい。
この後ヘナンが前線に上がるパワープレイへと移行。
そのヘナンへのロングボールから、フリック→皆川収めてパス→河野左へ展開と繋ぎ、沼田から上がったクロス。
クリアボールを右ポケットから野寄がダイレクトシュートを放つも、これも谷口がブロックと身体を張って防ぐヴェルディ。
どうしても得点に辿り着けません。

結局再び右サイド奥へヴェルディがボールを持ちこんだ所で、吹かれる試合終了のホイッスル。
山口は前節と同じく追い込む姿勢は見せたものの、前節とは異なり1点も取れず膝を屈する結果となりました。

逆に勝利を挙げたヴェルディ、懸念材料に挙げたパスサッカーも復権させた事で、何でも出来るスタイルを確立しつつあり。
そんな上位チームですが、ホームでの勝利は実に9節(秋田戦、2-1)以来との事。
意外ながらもここに来て運気を上げる事象が生まれ、2強(といってもその上に町田が居るのですが)に競り勝っての昇格を果たせるでしょうか。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第33節 モンテディオ山形vs大宮アルディージャ

2023-09-07 16:34:47 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の山形の記事はこちら(27節・長崎戦、5-1)
※前回の大宮の記事はこちら(27節・水戸戦、0-0)
※前回対戦時の記事はこちら(8節、大宮 2-1 山形)

<山形スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 宮城が長崎からレンタル先変更という形で加入(レンタル元はJ1・川崎)し、28節(大分戦、1-0)から登録されて即スタメン出場も、現在はベンチ外が続く。
  • 泉が(J1・神戸から)育成型レンタルで加入し、31節(熊本戦、2-0)から登録されて即途中出場。
  • 加藤が(金沢へ)完全移籍となり、28節をもって登録抹消。
  • 負傷?離脱していたチアゴが前節(町田戦、0-5)復帰して途中出場、今節スタメンに。

<大宮スタメン>

  • 前節(長崎戦、0-4)は小島ボランチ・中野シャドーの3-4-2-1で、そこから微調整。
  • ヘッドコーチに元監督・前仙台コーチの渋谷洋樹氏が就任。
  • 強化部長の秋元利幸氏が退任。
  • カイケが長崎からレンタルで加入し、28節(金沢戦、2-1)から登録されて29節(秋田戦、1-0)に途中出場。
  • 柴山が(J1・セレッソへ)完全移籍となり、29節をもって登録抹消。
  • 29節で負傷交代した袴田が復帰・ベンチ入り。
  • 藤井(東海大)が来季加入内定し、同時に特別指定として31節(仙台戦、0-1)から登録。

5連勝で一気にプレーオフ圏に肉薄を見せた山形。
しかし順風という訳では無く、加藤のまさかの移籍も影響し補強選手を即陣容に加えたり、負傷者ないしは復帰者などでレギュラーは結構入れ替わりを見せており。
そんな土台の脆さを突かれたか、前節は首位・町田に手酷く大敗(0-5)してしまうに至りました。
そして勝敗も全く同数の15勝15敗(2分)を数えており、ここからはまさに正念場といえる終盤戦に。

この日の相手は大宮と、首位・最下位との連戦となり。
首位に負けた以上、最下位には勝っておきたいというプレッシャーも敵となる状況で、果たしてどんなサッカーが描かれるのか。

5バックで守備を固める大宮に対しても、普段通りにサイドから素早く運ばんとする山形の攻撃。
前半2分に右スローインから、國分のヒールパスを交えて山田がドリブルに入る所を、岡庭がオブストラクションの形となり反則。
ここからのフリーキックはシュートに結び付かず、直後の3分には大宮が自陣でのパスカットから素早く運ぶ攻撃。
市原の左→右への対角線のミドルパスが通り、小島のスルーパスに飯田が走り込むも小野に蓋をされ、そのままチャージしてしまい反則。
判定の運に恵まれないといった展開に、飯田が思わず異議を唱えてしまったために警告まで貰う事となりました。
8分にも、イサカがボール奪取した所にチャージしてしまった市原が反則・警告と、被害が膨らむ大宮。

試合の方は、山形が主体的な攻撃を繰り広げる時間が長く続き。
大宮ディフェンスは、前線でプレッシングを掛けたい意思と、後方で5バックでゾーンを固めたい意思がぶつかり合っているというのが第一印象。
プレスを掛ける時もウイングバックは前に出ないので、5-3-2を採る3ラインにギャップが生まれ易く、山形サイドもその間を取って縦パスを受ける狙いが解り易いという絵図となりました。
5分に山形が左サイドを素早く運び、チアゴのグラウンダーのクロスを藤本が足で跳び込んでシュート(ゴール右へ外れる)という好機が生まれてからは、大宮最終ラインは一層後ろを固める意識が強くなり。

そんな大宮にとっての切り札は、夏の補強で獲得したシュヴィルツォクというのは変わらず。
しかし序盤は片割れの室井の方がチャンスメイクに貢献し、15分に岡庭のスルーパスを左奥で受けると、ボールキープに努める所を高江にチャージされて反則。
これで左サイド奥からのFKとなり、そのキッカーは28節に直接ゴールを決めているシュヴィルツォク。
1タッチ→相方(ここでは小島)が止めると変化を付けてからのキック(クロス)で、以降この日はこれが定番となりました。

FWのマンパワーを活かすべくロングボール主体に……というイメージの大宮ですが、ゴールキックからは短く繋いでいくスタイル。
その中でアンカー高柳は常時山形の國分に見られていたものの、カイケが意外な巧さを見せてビルドアップに貢献します。
短いフィードで1つ飛ばしたり、ドリブルでプレスを1枚剥がしたりと技を発揮し、ハイプレスを嵌めたい山形の思惑を逸らし。
20分にはたまらず國分が最終ラインまで詰めにいった山形ですが、藤本への受け渡しが遅れた所を突き高柳経由で前に運ぶ大宮。
縦パス→小島スルーパスで一気に右ポケットに運び、室井のクロスにまで繋げます。(シュートは撃てず)

山形は攻撃でも、5バックで守る体勢の大宮に対し、アタッキングサードでの崩しがままならない状況に。
巧くいかなくなってきた隙を突く大宮、24分はロングボールを収めたシュヴィルツォクが右へ叩いたのち、飯田のポケットへのスルーパスに走り込んでシュート。(GK後藤雅キャッチ)
ストライカーの脅威を植え付けた第1クォーターは、25分に飲水タイムが挟まれた事で終わりを告げます。

室井を使う事が多かった大宮ですが、ブレイク明けは降りてきたシュヴィルツォクへの縦パスをメインとする攻撃に切り替え。
これでリズムを作って、迎えた32分右サイド~中央へのパスワークで組み立て、飯田のロングパスが室井に収まり。
トラップ際を奪われるも、その後野田のパスミスをシュヴィルツォクが拾った事で絶好機が生まれ、彼のパスを受けた黒川がエリア内へ切り込みシュート。
GK後藤雅が前に出てセーブ、さらに拾った小島がエリア内を突いてシュートするもブロックと、連撃を浴びせましたが先制ならず。
しかしその後のコーナーキック、二次攻撃の際に岡庭のロングパスがオフサイドとなると、シュヴィルツォクが誰も居ない所に蹴り出してしまった事で遅延行為を取られて警告。
またも余計なカードを貰ってしまい、水を差しかねない絵図に。

それでも41分、カウンターに持ち込んだ大宮は飯田のドリブルから中央へ展開し、小島がキープする所を熊本に倒されて反則。
良い位置での直接FKとなり、狙うのは当然シュヴィルツォクで、先程と同様1タッチ→(高柳が)止めるという動作を挟んでシュート。
しかし落としきれずにゴール上へと外れてしまいます。

山形は相変わらず鋭いサイド攻撃がメインですが、そこから中央を使う事はままならず、大宮の守備の堅さに屈するような状態に。
44分にイサカの右からのクロスがゴールに向かう軌道となるもGK笠原がキャッチ。
45分に再びイサカが奥からのクロス、今度はチアゴが合わせヘディングシュートを放ちましたがこれもGK笠原がキャッチ。
イサカを軸として何とか打開を図るも果たせず。

アディショナルタイム、敵陣左サイドでボールカットした高柳が(山田に)反則を受け、またもFKを得た大宮。
ここもお馴染みの流れを経てクロスを入れたシュヴィルツォク、カイケがヘディングシュートを放つも枠を捉えられず。
スコアレスで前半を終えたものの、大宮は十分希望が持てる展開となりました。

後半に入り、巻き返したい山形が最初の好機。(後半3分)
またも右サイドでイサカが持つ絵図となると、今度はクロスでは無くワイドから直接シュートを狙いにいきます。
ゴール左へ外れたものの、イサカのアイディアが重要という攻め手の状況では十分有効打となり。
その後も6分に緩い浮き球をニアサイドへ送るなど、変化を付けにかかるイサカ。

しかし大宮は7分、こぼれ球を素早く繋ぎ、スルーパスを右サイドで受けたシュヴィルツォクがカットインでポケットを突く好機に。
ディフェンスに遭って右スローインになり、そこからついに得点を生み出します。
一旦ボールを確保するも左奥へと詰められた状態となった山形サイド、小野の苦し紛れのミドルパスを高柳がカットしてショートカウンターの形で継続。
そしてポケットに走り込んでパスを受けた小島、奥へと切り込み野田と縺れながらもマイナスのクロスを送ると、中央で受けてシュートを放ったのはシュヴィルツォク。
小島に引き付けられていたGK後藤雅はセービングに入れず、ゴールネットが揺れて大宮が先制に成功します。

ビハインドとなった山形、文字通り目の色を変えて攻め上がり。
10分に高江が山田とのワンツーで切り込み、ループの軌道でシュートを放つも枠を捉えられず。
後半はこの高江が流れの中で高い位置を取るようになるなど、まるで藤田の動きを彷彿とさせる攻め上がりを目立たせます。
ベンチも勢いを付けるべく11分に動き、チアゴ・國分→泉・後藤優へと2枚替え。

しかし12分の山形の攻撃を、クロスをGK笠原がキャッチして切った大宮、そのままカウンターに。
しかもそれが至ってシンプルで、スローを受けた岡庭が左サイドを持ち上がり、アーリークロスが一気にファーサイドのシュヴィルツォクへと収まり。
放たれたシュートこそ枠を大きく外したものの、カウンタースタイルのチームがリードを存分に活かすべくの立ち回りを見せます。

その後大宮がパスワークでポゼッションを高める流れへ突入し、山形が手を焼くような予感が膨らむ展開に。
しかし16分、左サイドをパスワークで前進する山形、パスミスも絡みスピードダウンしたものの繋ぎ直して逆の右サイドへ。
再びワイドでボールを持ったイサカ、その次なる手はカットインでポケットへ切り込んだのちに、南とのワンツーでリターンを奥で受け取るというもの。
これが奏功し、入れたクロスはブロックに当たりGK笠原が弾くも、目の前で拾った後藤優がすかさずシュートしてゴールネットを揺らします。
予想に反して、早めに同点に追い付いた山形。

直後の17分、山形のミスから好機を作る大宮、中央でシュヴィルツォクが縦パスを受けてそのまま反転シュート。(枠外)
まだ運気はあるという大宮のこの日の展開に、ベンチも19分に動き黒川・室井→大橋・中野へと2枚替えを敢行します。(高柳がシャドーに移り、大橋がアンカーに)

しかし投入直後の隙を突かれ、映像も追いきれないうちにスルーパスを左ポケットに送る山形。
走り込んだ後藤優のクロスがGK笠原に弾かれた所、イサカがダイレクトでシュートを放ってGK不在のゴールへ。
これをライン寸前で市原がブロックし、さらに上がった山田のクロスもGK笠原がパンチングと何とか防ぐ大宮。
相当に際どい凌ぎを強いられましたが、24分にシュヴィルツォクの受けた反則で得た右サイド奥からのFK。
今度はシュヴィルツォクがターゲットに回るも、尚も変化を付けて高柳ヒールで蹴り出し→小島クロス気味にシュート(GKがセーブしたように見えるも判定はゴールキック)で脅かし。
その直後に飲水タイムが挟まれました。

ブレイク明けは山形が押し込み、時間経過により組織力の差が露わとなったような展開に。
28分には大宮のパスミスも絡み、拾った泉がドリブルする所を大橋に倒されて反則となると、蹴り出したカイケが遅延行為により警告。
そして絶好の位置での直接FKと、劣勢を強いられる大宮。(このキック、高江が直接狙うもゴール上へと外れ)
尚も前線のエネルギーを高めんと、29分にイサカ・藤本→横山・デラトーレへと2枚替えした山形。

たまらず32分に大宮ベンチも動き、シュヴィルツォクを諦めてアンジェロッティへと交代。
同時に高柳・泉澤へと代え、大橋・小島のドイスボランチによる3-4-2-1へとシフトします。

ブロックを固める策を採ったものの、それでも山形の跳梁は止まず。
特に山田の上がりにより岡庭が劣勢を強いられ、左サイド(山形から見て右サイド)の守りが怪しくなり。
それにより逆の泉の推進が冴え渡るなど、両サイドで炎上の気配が膨らみます。
35分にはその泉がエリア手前左からミドルシュートを狙い、ゴール右へと惜しくも外れ。

最後のカードは、山形が36分で高江→藤田。
役割を保つべくの交代の色が強かった一方で、大宮は38分に飯田→茂木へと交代します。(岡庭が右へ回る)

露わになりつつあったサイドの緩みを締めるべくの交代でしたが、これにより副次的な作用もあり。
前回も述べた通りの、泉澤・茂木の2人による左の2レーンを占めての攻撃体制が整った事で、ここから攻撃でもペースを掴み始めます。
泉澤のドリブル力を軸に、再三左奥へと切り込む攻めを見せる事で優劣を逆転させ。
42分にはその泉澤が、奥へ切り込むと見せかけてカットインからミドルシュートを放つ(エリア内で野田ブロック)など、フィニッシュの脅威も十分となりました。
終盤という時間帯もありますが、悪く言えばシュヴィルツォク頼みの攻めよりは、こちらの方がより組織力を感じてかつ有効といった印象でした。

攻守で優勢に立った大宮ですが、それでも決定的な力に欠けるのは変わらず。(そうでなければ最下位には居ない)
ATでは敵陣でサッカーを展開するも、肝心のフィニッシュは1本も放つ事が出来ずに終わってしまいます。
一方の山形も、最後の大宮CKからの攻撃を防いだのちカウンターチャンスがやってきましたが、後藤優が無理目のスルーパスを送ってしまい横山に繋がらず。
結局引き分けに終わり、勝ち点1を分け合う結果となりました。

これでようやく今季3引き分け目の山形。
敗戦をいくらか引き分けに変えられていれば……という成績ですが、既に残り9試合。
勝利が求められる最終盤、その戦いの行方はどうなるか。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第33節 ザスパクサツ群馬vsFC町田ゼルビア

2023-09-06 16:44:25 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の群馬の記事はこちら(22節・清水戦、1-1)
※前回の町田の記事はこちら(31節・清水戦、2-3)
※前回対戦時の記事はこちら(2節、町田 2-0 群馬)

<群馬スタメン> ※()内は前試合のスタメン

  • 前節(藤枝戦)・前々節(金沢戦)と2戦連続で中止。前々節は前半31分時点で中断、その時のスタメンからは変更無し。
  • 尚、今節の後に代替試合の日程が発表され、金沢戦は9/27に中断時点から再開。藤枝戦は10/14に開催。
  • 杉本がヴェルディからレンタルで加入し、28節(秋田戦、0-0)から登録され即途中出場、29節から毎試合スタメンに。
  • 田部井が(JFL・レイラック滋賀へ)育成型レンタル移籍となり、26節(甲府戦、3-0)をもって登録抹消。
  • 岩上が(J3・相模原へ)レンタル移籍となり、27節(磐田戦、1-1)をもって登録抹消。
  • 長倉が(J1・新潟へ)完全移籍となり、28節をもって登録抹消。
  • 高木の負傷が発表され、6/21に発生して全治5~6週間との事で、既に復帰して28節(秋田戦、0-0)にベンチ入り。
  • 24節(熊本戦、1-1)で負傷により(HTで)交代した岡本の詳細が発表され、全治3~4週間との事。
  • 高橋勇利也の負傷が発表され、7/20に発生して7/25に手術実施、そこから全治4か月との事。
  • 来季加入が内定した玉城(仙台大)が特別指定となり、29節から登録。

<町田スタメン>

  • 中止となった26節(秋田戦)の代替試合の日程が決定し、10/14に開催との事。
  • 31節で負傷交代したエリキの詳細が発表され、全治8か月との事で今季はほぼ絶望に。
  • 負傷離脱していた池田が復帰し、5試合ぶりのスタメンに。

落雷の影響で、まさかの2戦連続中止という事態に苛まれた群馬。
31節は前半途中での中断・中止だったため、丸々3週間空く事は無かったものの、それでも久々の試合であり。
その前まで10戦無敗と好調を維持していたため、水を差された以外の何物でも無く。
そんな状態で首位・町田と相対する事となりました。

まずはペースを確保したい群馬でしたが、入りから町田の攻撃に晒され。
前半1分に右サイドからクロス攻勢、クリアボールを杉本が確保するも平河に奪い返され、中央への横パスを経て藤尾がシュートするもGK櫛引がキャッチ。
この、相手の攻撃を切ってもすかさず圧を掛けられるという町田のサッカーはやはり脅威であり。
続く3分にもその影響かパスミスを奪われての危機、沼田がエリア内へ切り込んでシュートし、ブロックしたボールを天笠が確保するもまたも沼田に奪い返され連続攻撃を受けます。(その後パスミスで撃てず)

いきなり首位チームの恐怖を受けた群馬ですが、5分に細かなダイレクトパスの連続で町田選手の間を通してかわし続け。(その後酒井が持ち運ぶも藤尾に倒され反則)
これを境に、最終ラインからのショートパス主体のビルドアップで抗戦の構えを取るサッカーに入り。
町田もそれに対する前線の守備は相当に練って来たという印象で、その攻防が見所の一つとなります。

町田2トップは常時群馬のドイスボランチのパスコースを切る立ち位置を確保するものの、群馬最終ラインもそれに臆する事無く、ボランチが微妙に動いた所に2トップの間を通すパスで受けさせ。
その群馬の3バックは非常に狭い距離感でパスコースを確保する事で、町田も安易なハイプレスは掛けられない格好に。
それでも町田はサイドハーフがワイドをケアする事で、群馬もサイドを容易に運べず、睨み合い・膠着状態という言葉が相応しい状況と化します。
杉本が高い位置を確保し、その間に平松が降りるというシステムで左サイドからの繋ぎを円滑にせんとした群馬ですが、中々町田がハイプレスに来ず構える事もあり無理に運ぶ事はせず。

しかし町田にはこれがあるという感じで、8分に最終ラインから繋ぐ姿勢を取るも、群馬のハイプレスを受けた事で宇野がラフに裏へロングパス。
クリアされるも風間のトラップミスで平河が拾い好機となり、そのまま右からカットインシュートを放ちGK櫛引がセーブ。
尚も詰めた藤尾がシュートしますがゴールバーを直撃と、ロングボール一本でまさかの決定機を生み出し脅威を与えます。

それでも組織立った群馬のサッカーに対し、この日の町田は最終ラインでの繋ぎの姿勢を一定以上見せ。
巧く群馬のプレッシングを引き込んだ末に、縦パスを通して敵陣に運ぶという攻撃を展開しますが、敵陣では強力なターゲット(デューク)が居る影響か早めのクロスを送る姿勢が主となり。

ボールポゼッションを確保する群馬ですが、そこから中々好機に持ち込めず。
しかし町田も繋いで来る事により、それに対するプレッシングが機能します。
21分に中盤で川本がボール奪取し、拾った平松のドリブルが宇野に倒されて反則。(宇野に警告)
ここから(中盤中央)のフリーキック、風間のミドルパスで右へと運んでから繋ぎ、佐藤の深い切り返しから上がったクロスをニアで川本がフリック気味に合わせるもゴール左へと外れ。

25分に飲水タイムが挟まれたのちも、睨み合いの展開は継続します。
それでもブレイクが挟まれた事で、群馬はサイドから繋ぐ事に意識を振ったのか、無理に切られているボランチへパスを通すシーンは減り。
そのサイドでは右はエドオジョン・佐藤が、左は杉本・平松が頻繁にポジションを入れ替える事で、町田ディフェンスを引き付ける狙いを露わにします。
それでも町田はサイドバックが容易に喰い付かない事で、群馬も崩しを図れず。

39分の群馬、右サイドで酒井が運ぶ事で、佐藤と2人でという姿勢を作ったうえでエドオジョンが裏に抜け出し。
そして佐藤のミドルパスを受けたエドオジョンがクロスを入れるシーンに持ち込み、コーナーキックをゲット。
2本目の左CKから、ショートコーナーを経てのクロスを城和がヘッドで合わせましたが枠を捉えられず。

一方の町田、アディショナルタイムにハイプレスを掛け、GK櫛引のフィードを沼田がカットした事で左スローインに持ち込み。
こうなるとお得意のロングスローの出番(それ以前にも右から鈴木が何度も投げ入れていたが)で、翁長のニアサイド奥へのスローをデュークがフリック気味の落とし。
ゴール前を突くボールとなったものの、GK櫛引が抑えて防ぎます。

ATの最後には群馬がポゼッションを確保したのち、中央の川本へ惜しい縦パスが出るも収められず。
結局スコアレスで終えた前半、フィニッシュ数の少なさ(特に群馬の方)の割には非常に密度の濃い内容となりました。

共に交代無く始まった後半。
膠着状態を崩すには変節が欲しいという所で、後半2分の群馬の攻撃、自陣から天笠が右ハーフレーンをドリブル。
そして中央へと切り返したのち縦パスを打ち込みましたが、川本が受けた所を松井が反則気味のアタックで奪い一転して町田の攻撃に。
そしてドリブルで運ぶ松井を、先程ドリブルした天笠が反則で阻止と、無理にパターンを変えた場合はその反動が怖いという展開を描く結果に。
この遠目からのFK、キッカー鈴木のエリア内左へのロビングを池田が折り返し、そこをチャンミンギュがボレーシュートにいきましたがミート出来ず。

これが影響したが町田へと針が傾き、6分に再びGK櫛引のフィードをカットしてからの好機、藤尾の中央での溜めを経て宇野がミドルシュート。(枠外)
続く7分にもデュークが深めでボール奪取に成功してエリア内へ持ち運ぶ(シュートは撃てず)など、前線の圧力を発揮していきます。

しかし群馬は9分自陣での左スローインを、中央に絞っていたエドオジョンが受けるという再度の変節から、そのまま左に流れて裏へ小さく浮き球を送るエドオジョン。
こぼれ球を拾った川本が中央へと流れミドルシュート、ブロックされた跳ね返りを佐藤がダイレクトで再びミドルシュートし、GK福井がセーブ。
高く上がったボールを福井が自ら抑え、詰めにいった杉本と交錯してしまう(杉本の反則)という余波が生まれたものの、決して町田のパワーに屈しない意思を表します。

群馬の最終ラインvs町田の前線の睨み合いという、前半の展開は後半になっても大きくは変わらず。
町田はデュークがコースの切り方に慣れを示したか、群馬サイドはボランチにパスを出す事は困難となり。
そしてデュークの方も、コースを切りながら最終ラインへチェイスするという、余裕を感じさせるシーンが目立つようになります。
そのため群馬は一気に長いパスを送る頻度が上がり、試合もそこから動く雰囲気を見せ。
それでも好機は町田サイドのロングスローをはじめセットプレーが主で、シュートも(前述の群馬のフィニッシュ以降)19分に町田がロングスローの跳ね返りを平河がミドルシュートに持っていった(GK櫛引キャッチ)のみに終わります。

緊迫という表現がピッタリな試合も、24分に飲水タイムが挟まれた事で勝負の第4クォーターに突入。
ブレイク明けに両ベンチが動き、群馬は杉本・天笠→山中・内田達へと2枚替え。
町田は沼田・宇野→バイロン・安井へと2枚替え。(平河が左SHへと回る)

エンジンを上げにいった群馬ですが、28分に投入された山中が鈴木との交錯で、あろう事か額から出血する事態となり治療のためピッチ外に。
数的不利の間にも、裏へのロングボールをクリアにいくも、バイロンにそれをブロックされて危機継続(30分)という町田の圧力に晒されかけ。
直後に山中が復帰するも、尚もその流れは続きます。
35分の町田、右サイド奥を取ってからの戻しを経て、鈴木が上げたクロスがそのままゴールに向かうボールとなりGK櫛引が辛うじてセーブ。
直後の左CKでも、クロスをファーで合わせにいったデュークから乱戦となり、平河から再度上がったボールのこぼれ球をボレーシュートに持っていったデューク。(ブロック)
時間も進んだ事で、町田のパワーも発揮され易い状態となってきたでしょうか。
37分に再度両者交代カードを切り、群馬が佐藤・平松→北川・白石。
町田が平河・デューク→高橋大・荒木と、今回もともに2枚替え。

その後もパワーを掛ける町田、39分にそれを受けた群馬、白石のタッチが大きくなった所を藤尾が奪いにいき。
その結果藤尾をスライディングで削る事となってしまった白石、反則で警告を受けてしまいます。
更に41分、今度は中央でボール奪取に成功した藤尾、しかもこぼれ球を拾った松井がそのままエリア内へ切り込む絶好機に。
しかし内田達に倒され、反則の笛は鳴らずに町田の攻撃も継続しますが、荒木の右ポケットからのクロスに留まってフィニッシュは撃てず終わります。

ラフプレー紛いのシーンも混じって来た終盤。
その影響が露わになったのが43分で、左サイドをドリブルする山中がバイロンと激しいデュエルを演じ。
結果山中が反則を取られ、その場所が群馬ベンチの目の前だった事でスタッフが総出で異議を唱える絵図となってしまいます。
何とか大槻毅監督がそれを宥め、GKコーチの渡邉英豊氏に警告が出された事で手打ちに。

その群馬は44分に最後のカードを使い、その内容はセンターバックの畑尾をFWで投入するという奇策。(川本と交代)
直後に早速その畑尾に見せ場が訪れ、右からのスルーパスを受けて右ポケットへ進入、そのままシュートを放ちます。(枠外)
町田への対抗姿勢が整った所で、時間もATへと突入。

群馬は平松の役割(中塩と左SHの間に降りる)を白石が務める等、そのシステムは選手交代後も変わっていなかったものの、ここまで来れば理屈では無く精神力であり。
町田はデュークが退いた事で藤尾がターゲットを務めたものの、ロングボールを収めにいった所ハンドを取られるなど、その役割では流れを作れず。

そして目安の4分が過ぎ、最後の攻撃に持ち込んだのは群馬。
GK櫛引のロングフィードを山中が綺麗に収め、そこから左サイドでのパスワークを経て白石がカットインでポケットへ進入。
送られたマイナスのクロスを中央で風間が受け、放たれたシュートが安井のブロックでこぼれ、そのボールが畑尾の足下に入るという千載一遇の好機が訪れます。
慌ててブロックに入った池田をかわし、満を持してシュートした畑尾。
しかし誰もが決まったと思ったそのシュートは、ゴール左へと僅かに外れてしまいました。
ピッチサイドの大槻監督もその決定機逸に思わず蹲ってしまう絵図が描かれるなか、試合終了を告げる笛が鳴り響き。

これにより勝てたはずの試合という評価となったものの、群馬にとって価値ある引き分けなのは変わらず。
苦節19年で初と言っても良い昇格争い、2試合の中止で追いかける立場になりましたが、全力で掴みにいって貰いたいものです。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第33節 ブラウブリッツ秋田vsジュビロ磐田

2023-09-04 16:02:17 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の秋田の記事はこちら(30節・ヴェルディ戦、0-1)
※前回の磐田の記事はこちら(28節・いわき戦、1-0)
※前回対戦時の記事はこちら(19節、磐田 2-0 秋田)

<秋田スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 中止になった26節・町田戦の代替試合が決定し、10/14に挟まれる。(38節・39節の間の2週間のインターバル内)なお、決定までに相手の町田の姿勢もあり一悶着あったようで。

<磐田スタメン>

  • 前節(32節・千葉戦、2-3)出場停止だったジャーメインがスタメンに復帰。
  • 中川が(藤枝へ)レンタル移籍となり、30節(町田戦、1-2)をもって登録抹消。
  • 29節(仙台戦、4-1)で負傷により(HTで)交代し以降離脱していた上原が、4試合ぶりにスタメン復帰。(放送席の談)

ボトムハーフ=即残留争いという趣のある、現在のJ2リーグ。
前半勢いが良かった秋田もその例に漏れず、次第に勢いを失い、18節以降トップハーフから陥落して以降定着する事となり。
未だ降格圏とは差があるものの、結局は残留が目標となる状況となってきました。

前回で触れた通り、パワーサッカーのスタイルを(部分的でも)取り入れるクラブが膨れ上がっている状況では、一本槍しかない秋田はどうしても見劣りしてしまいがちに。
停滞気味ななか、前節から清水・磐田の降格組とのホームでの連戦を迎え。
前節の清水戦は引き分け(1-1)と善戦し、ある程度勢いを持ってこの日に臨む事となったでしょうか。

前回対戦時も述べた通り、個人的にこの組み合わせは注目カードであり。
双方スタイルが全く異なる対戦もこの試合が通算4度目で、そろそろ初勝利が欲しい秋田。

磐田はアウェイという事もあり、ジャーメイン狙いのロングボールと、らしくないながらも慎重な立ち回り。
要は秋田と同じ土俵に立っているかのようなサッカーで、こうなると秋田のストロングポイントが発揮され易い状態となります。
クリアボールに対し青木が広範囲に動き回りターゲット役をこなす事で、秋田のラフな素早い繋ぎを円滑化させて好機を量産。
7分にはそのこぼれ球を齋藤恵が拾いにいき、ディフェンスに遭いさらにこぼれた所を畑が走り込んでロングシュート(枠外)と、遠目ながらもファーストシュートに辿り着き。

しかしその直後の磐田、ゴールキックからロングフィードのセカンドボールを拾っての攻撃で、右ポケットへと切り込んだ松本昌がクロス。
金子が収めた所をクリアされるも、拾った上原が放ったミドルシュートがゴールバーを掠める際どいフィニッシュに。
これ以降、秋田の攻撃に慣れも見せた事もありペースを確保します。
しかしその内容は相変わらず、秋田譲りの縦に速い攻撃が中心と前回対戦時のギャップが目立ち。

ようやく最後尾からのビルドアップの姿勢を見せたのが15分過ぎで、当然ながらそれに対する秋田のプレッシングの姿勢(それまではロングボール攻勢を磐田に回収された後のゲーゲンプレスが主だった)が個人的な注目点に。
前回対戦時は如何にもボランチの負荷が大きいアンバランスな体勢でしたが、今回は夏場の試合という事もあり最終ラインに詰めにいく回数は大幅に減少。
2トップは相手ボランチの側で構える体勢でしたが、サイドハーフも中央寄りで、同じ相手SHを見る体勢を取り。
そして磐田がサイドバックにボールを出し、初めてSHが詰めにいくという具合に、ある程度ボールを持たせてからプレッシャーを掛ける姿勢となっていました。

ただしそれは磐田が2センターバックで組み立てた際で、ボランチが最終ラインに降りて3枚となるや、すかさずSHの片割れが前線に上がり3枚でプレッシャーを掛けにいき。
ハイプレスと構えの使い分けによるペース配分が肝となりますが、こうして相手の姿勢によって決めるスタイルは迷いが無くなり、夏場では有効という印象を受けました。

磐田はそんな秋田の慎重な姿勢もあり、それほど苦労せずに敵陣までボールを運べるシーンが続いたもののその先が今一つ。
攻撃権を支配したまま飲水タイムが挟まれた(22分)ものの、第2クォーターでは好機を作れないまま別の要因でリズムを乱されます。
それは秋田のラフプレーで、27分に左サイドからの攻勢のなか、パスを出した松原が高田のアフターチャージで足を削られてしまい。
反則となり高田に警告が出されたものの、1分以上倒れ込み何とか起き上がった松原はそれだけでは満足せず(確かに一発レッドでも可笑しくないチャージではあった)、主審への異議も長くなり。

気を取り直す磐田、ここからフリーキック→左スローイン→左コーナーキックとセットプレーが続き。
そしてそのCKも素早くリスタート(ただしクロス)と倦怠感を巻き直すように攻め、最後はドゥドゥがミドルシュートを放つもゴール左へと外れ。
しかしこれで再び秋田と同じような土俵に立ってしまう事となり、秋田へと針が振れる試合展開。
素早い運びから量産される、高田のロングスローというお馴染みの好機のシーンとなり、それを跳ね返し続ける磐田。

平常運転で相手を揺さぶっていく、といった秋田でしたが、磐田の対応もありフィニッシュには繋がらず。
ペースを得ているうちに流れの中からも好機を作りたい所でしたが、40分にこぼれ球を左サイドでダイレクトで繋いでいったものの、飯尾の中央を突くパスがズレてしまいモノに出来ず。
43分には青木がロングシュートを狙うものの枠を捉えられずと、次第に好循環が焦りへと変わってしまったかのようでした。

松原絡みで長く試合が止まった事もあり、目安5分と長めのアディショナルタイム。
秋田はミドルパスを青木が収めたのち再び左サイドから前進し、飯尾が送った緩い縦パスに対し青木は入れ替わりを選択。
これでエリア内を突かんとするも、伊藤槙のディフェンスで倒され奪われてしまい。(反則無し)
この日は磐田も似たようなスタイルを露わにした影響か、磐田とのデュエル勝負で負けてしまう、らしくない絵図も多かった秋田。
終盤には空中戦を制してボールを確保した磐田、そこから好機を作り上原の左手前からのクロスを大外で鈴木雄が折り返し。
ジャーメインが走り込むもクリアされ、エリア内にこぼれた所をすかさず鈴木雄がシュートしましたが前方の松本昌に当たってしまい跳ね返り。
飲水タイム後は好機こそ減ったものの、ゴールを脅かした回数では上回った磐田でしたがリードは奪えず。

スコアレスで折り返し、共に交代も無く後半が開始。
その後半も立ち回りは変わらず、秋田の前線の守備に対し磐田は長いボールも交えながら、という展開に。

そして後半3分、後ろ向きでこぼれ球を確保したドゥドゥへの河野の反則により磐田がFKを得たのが事実上の幕開けとなり。
ここからの右サイドでのFK、キッカー上原のクロスにジャーメインが合わせヘディングシュートを放つもゴール上へと外れ。
直後の4分にも、左サイドで縦パスを受けたジャーメインのポストワークを経てドゥドゥがドリブルという好機に持ち込んだ磐田ですが、ここは諸岡の好ディフェンスに阻まれます。

その後秋田が、再び高田のロングスローを連続で入れる展開へと持ち込むも、冷静に対応する磐田。
11分には秋田の攻撃を切ったのち、ゲーゲンプレスを掛けられるもそれを左サイドでいなし、グラッサが松原とのワンツーで運んで好機を作り。
そして(ドゥドゥの)スルーパスに走り込んだ金子からクロスが上がると、松本昌のヘディングシュートが炸裂し、GK圍が右手一本でセーブ。
左にこぼれた所をジャーメインが詰め、中央へ折り返した所に松本昌が撃ちにいきますが、圍に抑えられて先制はなりません。
この際に両者交錯し圍が痛んだというタイミングで、最初に動いた秋田ベンチ。(畑・齋藤恵→中村・梶谷へと交代)

後は磐田が攻撃を完遂できるかという雰囲気が生まれかかった所で、無事に続行となった圍は低いロングフィードをバウンドさせて敵陣に運ぶという変化を付け。(梶谷に繋がるもシュートは撃てず)
再度流れを奪いに掛かる秋田は、13分磐田が敵陣からバックパスした所を中村が奪いスルーパスと、一気に攻撃の向きを反転させ好機に持ち込み。
ここからはフィニッシュには繋がらずも、こぼれ球を拾わんとした諸岡がドゥドゥのチャージを受ける形となって反則、右サイドからのFKを得ます。
キッカー水谷が外から巻く軌道でクロスを送り、絶妙なコースに入ったそのボールは中央の青木を越え、ファーサイドに走り込む飯尾の足下へ。
そして綺麗に合わせきった飯尾、ボレーシュートでゴールネットを揺らして先制点を齎します。
手前で走り込んでいた青木ないしは中村のオフサイドを主張する磐田サイドですが当然覆らず、フィニッシュ数で上回りながらビハインドとなってしまい。

目の色を変えて反撃に入る磐田。
キックオフからはGK三浦からのロングフィードで一気に運び(前半のキックオフでも同様の手段)、敵陣でサッカーを展開する流れを作り。
その後17分に右CKを得たというタイミングで、2枚替えを敢行します。(松本・金子→古川・後藤へと交代、ドゥドゥが右SHへシフト)
このCKから、クロスの跳ね返りをドゥドゥがミドルシュートに持っていくもブロックに阻まれ。

しかし22分、再び中村のボール奪取で矢印を反転させた秋田。
梶谷がドリブルで持ち運び、グラッサの好ディフェンスで止めたもののこぼれ球を拾った藤山が上原にチャージされて反則。(上原に警告)
先程と似たような流れで同サイドからのFKとなるなど、秋田のカウンターが攻勢の中での警笛となり得る展開に。(ここからはフィニッシュに繋がらず)

そのまま23分に飲水タイムが挟まれ、再開して間も無く青木→丹羽へと交代した秋田。
この日は元々抑えめなプレッシングなうえ、右に回ったドゥドゥがボランチの位置まで降りてパスを引き出すようになったのちはボールを奪う事は困難となります。
守勢は必至な秋田ですが、磐田の攻撃機会を減らすに越した事は無く。
そんな思考が気を逸らせたか、27分に(再び右サイドからのFKで)中村のヘディングシュートがGK三浦にキャッチされると、素早いスローを妨害しにいった丹羽が投入から1分足らずで警告を受けてしまいました。

そして及び腰となるかのように磐田の攻勢が始まり、29分に左サイドでのパスワークが遮断されるも、拾った古川のサイドチェンジで逆からの攻め。
そして上原のクロスを後藤がヘディングシュートに持っていきましたが、ゴール左へと惜しくも外れ。
続く30分には自陣でのビルドアップの成功から、鹿沼が中央をドリブルする所を梶谷に倒されて反則、直接FKに。
遠目ながらもキッカー・ドゥドゥが直接狙うと、壁の端の丹羽の腕に当たった事でハンドとなり、距離が近くなって再度直接FK。
今度は上原が直接狙うも、ブラインドを務めていた味方にぶち当ててしまいモノに出来ず。
その後も33分にCK攻勢に入り2本続けるも、サインプレー気味のクロスからの古川のボレーシュートがジャストミート出来ず(2本目)と、ゴール前での運気に嫌われる磐田。
36分に再度ベンチが動き、鹿沼・上原→山本・藤川へと2枚替え。
ドゥドゥがボランチに回る事で、ドイスボランチをそっくり交換と思い切った手を打ちます。(SHは右が藤川・左が古川)

37分、秋田は再度右から高田がロングスローを入れるも跳ね返され、その後の二次攻撃も阿部の折り返しをGK三浦が落ち着いてキャッチ。
すると三浦のロングフィードからカウンターに持ち込み、秋田は先程の丹羽の警告もありそれを阻めず(シュートまではいけず)と、自身の振る舞いが跳ね返ってくる格好となり。

それでも38分に最後のカードを切り。(諸岡・水谷→小柳・三上)
運動量を補填し、41分にゲーゲンプレスを掛けた末に小柳がパスカットに成功。
しかしショートカウンターに持ち込んだものの、こぼれ球を拾いにいった丹羽、トラップかエリア内へのパスか中途半端なタッチをしてしまい実りません。

すると直後に再び右CKに持ち込んだ磐田。
キッカーは山本に変わり、そのクロスをGK圍がパンチングで弾くも左ポケットで古川が拾い、ボールキープで惹きつけたのち中央の藤川へと戻し。
そしてダイレクトで放たれたミドルシュートが、良くコントロールされてゴール左上へと突き刺さります。
技で秋田ディフェンスを上回り、同点に追い付いた磐田。

勝ち点3のためには攻めなければならなくなった秋田。
また右スローインを得て高田がロングスロー、こぼれ球を磐田のクリアミスにより高田がシュートに持ち込むもGK三浦がキャッチ。
すると三浦のフィードを後藤が収めてカウンター(山本のクロスから藤川がヘディングシュート、高田がブロック)と、ベクトルを前に向けた事で逆にカウンターの恐怖を浴びる展開となり。

しかし45分に逆にカウンターに持ち込んだ秋田、梶谷のドリブルで一気に敵陣に運び。
左へと流れてクロスを送るもブロックされたのち、ドゥドゥのクリアに蓋をする梶谷、というシーンで一悶着。
ドゥドゥが強引に追いかけた結果、小泣きじじいを彷彿とさせるように梶谷の背中に覆いかぶさる格好となったドゥドゥ。
これに対し反則の笛が鳴らなかった(秋田のCKに)事でいきり立つ秋田ベンチ、既に退いた畑が暴言により警告を受けてしまいます。
ここからのCKでも逆に磐田のカウンターを招く(後藤へのスルーパスをGK圍が前に出てクリア)など、不穏な空気となってきた秋田。

その後秋田が好機を作っても、オフサイドを取られた梶谷がボールを蹴り出した事で警告を受けるという具合にそれは晴れる事無く。
先程のシーンの影響で、目安の6分から大幅に過ぎても尚も続く試合時間、その中でも磐田は冷静に最終ラインから隙を窺う攻撃。
流石に時間が無くグラッサのロングパスを選択するも、後藤フリック→ジャーメイン落としで裏を突く事に成功、エリア内に抜け出した藤川がシュート。
しかしこの決定的なフィニッシュもGK圍がセーブ、跳ね返りを後藤がヘッドで詰めたもののこれもゴール右へと逸れてしまい、何とも惜しい絵図で試合は締められ。
1-1で引き分けと、どちらにとっても悔やまれる結果に終わってしまいました。

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