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ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第31節(再開試合) ザスパクサツ群馬vsツエーゲン金沢

2023-09-28 16:01:08 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の群馬の記事はこちら(33節・町田戦、0-0)
※前回の金沢の記事はこちら(32節・徳島戦、0-1)

<群馬スタメン> ※()内は前試合のスタメン

  • 再開前からの変更はベンチの山中→高木のみ。(山中が負傷で出場不可のため)

<金沢スタメン>

  • 再開前からの変更はベンチの木村→杉浦のみ。(木村が負傷で出場不可のため)
  • 来季加入が内定している沖崎(関西学院大)が特別指定となり、34節(水戸戦、0-3)から登録される。

再開試合といえば、思い出されるのが前年の山形vs岡山。
しかしその原因が、審判団の誤審が試合(と、出場停止になったGK後藤の今後)を大きく左右したためのものだったのに対し、今回は落雷による中止という自然災害。
「異例」と称された前年とは打って変わって、普通に考えられる要因でありました。

まずは8/19に行われた31分までの展開を軽くおさらいする事に。


立ち上がりゲームを支配したのは金沢で、プレッシングによるロングボールを蹴らせて回収という流れから、ボールを保持して攻め上がる。
全員敵陣に進入してパスを繋ぐという、ややもすると金沢らしくないポゼッションによる攻めを展開するも、群馬の堅守に対し戻して作り直すシーンも多く。

フィニッシュを放てないまま、時間経過とともに群馬のターンに。
前半18分中塩縦パス→風間受けてスルーパス→川本という流れで中央を突き、庄司の反則によりエリアからすぐ手前という絶好の位置で直接フリーキック。
キッカー佐藤が直接シュート、壁を直撃した跳ね返りを再度シュート(ブロック)と自ら連撃を浴びせるも決められず。

以降も群馬は攻勢を掛けるも、24分の飲水タイムにより流れは途切れ。
最終ラインからボールを繋がんとする群馬に対し、金沢は悉く敵陣でパスカットからのショートカウンターを連発。
29分には深めでカットした奥田がそのまま左ポケットへ切り込んでクロス、合わずに流れるも加藤潤が拾ってバックパス、これを藤村がスルーしたのち受けた小島がシュートするも杉本のブロックに阻まれる。

金沢→群馬→金沢というターン制のような流れを描くと、31分に雷鳴が響いたという所で中断。
そしてそのまま中止の断が下される事となった。


そして再開までに5試合を行ったものの、群馬はさらに32節が落雷により、今度は試合前中止となる有様。
以降4試合で2敗(1勝1分)を喫し、昇格争いの最中にまさに雷様に邪魔に入られた格好となりました。

しかし深刻なのは金沢の方で、5試合の成績は何と全敗。
おまけに得点もゼロと、開幕直後の深刻さ(4連敗スタート)が蘇ったようであり。
当然ながら、残留争いのなか日に日に沈んでいき、現在21位。
何でも良いから勝ち点が欲しい、という状況でこの試合は再開される事となりました。

群馬ゴール前でのドロップボールから始められる事となった再開試合。
当然金沢ペースの流れは途切れるかと思われましたが、33分に左スローイン→豊田フリックから敵陣で攻撃開始。
パスを繋ぎながら逆の右へと展開し、小島がアーリークロスを選択するとこれが中央の奥田に収まり。
ワントラップから、酒井と縺れながら放たれたシュートがゴールネットを揺らします。
中断明け最初の好機を見事にモノにし、先制に成功しました。

リードを奪った金沢、以降もマンツーマンを嵌める事で群馬にペースを握らせず。
特に最近の群馬の戦いぶりを良く研究しているようで、ドイスボランチにもしっかり2枚が付く事で、2トップのタスクを(ボランチへのコースを切るという)一つ減らしたうえで最終ラインの3人に規制を掛けさせる体勢に。
そして左へ降りて来るFWの平松に対してボランチの梶浦が付くという具合に、群馬の可変システムにも対応を見せます。

ただしボランチに付く人選が変わっており、天笠に対しては同じボランチの藤村ですが、もう一人の風間に対しては加藤潤が中に絞って付くのが目を惹きました。
当然ながら梶浦が平松を担当するため付けないので、誰が付くかで柳下正明監督も相当頭を捻った(と思われる)上での答えがピッチ内に表れていました。
左サイドバックの中塩は最終ラインに残るので、2トップの規制内に入れれば良い。
左サイドハーフの杉本は高めに上がるため、そのまま右SB(小島)が担当。
そして残された選択が加藤潤であり。
言わば加藤潤がトップ下・梶浦が右に位置する、以前金沢が採っていた「ダイヤモンド型4-4-2」のような立ち位置へ自然となっていたでしょうか。

しかし群馬はこれを見て、金沢2トップに対し必然的に1人空く最終ラインからの前進を仕掛け。
それでも2トップは奥田が中塩・豊田が酒井と両サイドを見ていたため、中央を城和がドリブルするシーンが膨らむという、こちらも一見変わった体勢での運びとなりました。

これで攻撃権は再び訪れた群馬ですが、タイトに付いて来る姿勢を崩さない金沢の前に攻めあぐみ。
前を向けずにバックパス、という事を繰り返して時間を浪費します。
45分にこれまでとは一転し、杉本が降りてパスを受ける事で金沢の変則マンツーマンを崩しにかかり。
ここから左サイドを前進していきCKを獲得、と同時にアディショナルタイムへ突入。
その後フリーでパスを受けた天笠が前進から際どいミドルシュートを放つ(ゴール左へ外れる)など、フィニッシュへの道筋が見えたという所で前半終了となります。

ともに交代無く始まった後半も、システム的に大きな変化は無く。
強いて言えば、群馬のドイスボランチで天笠が左に回る事が多く、それに伴い加藤潤は天笠に付くという状況が増えた事ぐらいでしょうか。

入りこそ群馬が仕掛けるも、フィニッシュを放てないままターンが移り変わり。
すると追加点を狙いにいく金沢、後半5分に右サイド深めからのスローインで、奥でキープしたのちパスを繋ぎにいき。
その最中に、奥田にパスを出した加藤潤を杉本がアフターで倒した事で反則を取られ、金沢のFKとなり。
このCKに近い位置からのキック、藤村のクロスがクリアされた所を梶浦がボレーで撃ちにいきましたが、ミート出来ず終わり。

その後も金沢の攻撃が続いた事で、苦境に至ると思われた群馬。
しかし8分の攻撃、ここも城和の中央の持ち上がりからでした。
前進を果たしたのち右へと展開し、受けたエドオジョンが奥を窺う位置でカットインの体勢からクロス。
このボールが直接ゴールを襲うと、GK白井の頭を越えたボールは左ポスト内側を叩いてゴール内へと吸い込まれます。
狙ったかどうかは不明ですが、芸術点の高いシュートで同点に追い付きました。

直後に金沢が反撃に入り、加藤大のクロスを腹部でブロックしたエドオジョンが痛み倒れ込むという一幕(11分)があったものの、それでもタイスコアに戻した事で落ち着きを取り戻す群馬。
12分に小島の右からのクロスが合わなかったのちカウンターを仕掛け、川本がドリブルを仕掛ける所長峰のチャージを受けて反則。
このFKはフィニッシュに繋がらず、直後(13分)に金沢ベンチが動いて豊田→杉浦へと交代。
しかしその後も群馬は、14分に自陣で反則を受けると素早くリスタートさせて左サイド奥に運ぶ(杉本が奥に切り込むも奪われる)という具合に反則絡みで相手を揺さぶりに掛かります。

金沢は自陣での凌ぎを余儀なくされる展開が続く苦しい状況となり。
この時間帯の群馬はサイドから裏を狙う攻撃を頻発させ、フィニッシュには繋がらずも、再三城和のドリブルで中央を意識していた事で押し込む事に成功していた感があり。
20分には杉本のボールキープを倒してしまった小島が警告を受けるという具合に、目に見えた被害も出始めます。

21分に群馬ベンチも動き、佐藤・川本→北川・高木へと2枚替え。
ともにこの日変更されたベンチメンバーが真っ先に投入されるという運びとなりました。

ともにシュート数が膨らまず、外野からはややもすると退屈に見えるような展開ですが、それだけに次の1点の価値はとてつもなく大きく。
そんな膠着状態を打ち破るように、再び城和を軸としての前進に舵を振る群馬。
23分にはパスを選択した城和から、高木のポストプレイを交えながら左サイドを繋ぎ、中央に送られた浮き球を平松が収め。
ディフェンスに入られるも拾い直した平松、ペナルティアークからシュートを放ちましたがブロックに阻まれ、浮いたボールをGK白井が抑え。

以降も城和が持ち上がるシーンを膨らませる群馬、金沢の前線の守備を無効化させに掛かりましたが実らず。
そのためロングボールを直接届けにいく攻撃が目立ち始めると、そこからのクリアを繋げることで金沢が攻撃機会を得始めます。
こうなると群馬もロングボール直後は間延びするので、縦に速い攻めが有効となり。
29分にはクリアされたボールを加藤潤ポストプレイ→小島ダイレクトで縦パス→受けた奥田スルーパスで一気に右サイドを運び、杉浦がグラウンダーでクロスを入れた先に藤村が走り込むも、その手前でクリアされてモノに出来ず。

時間が進んでもシュート数は思うように伸ばせない両チーム。
34分にともにベンチが動き、群馬は平松・杉本→畑尾・白石。
金沢は奥田・加藤大→林・石原と、2枚替えの交錯となります。

町田戦の最終盤で見せ、結果が出かかった畑尾のFW起用をこの日も敢行した群馬でしたが、その執念の采配もさしたる効果は無く。
この交代以降金沢がペースを掴むようになり、代わって入った石原が跳梁を見せる事でSBの長峰もフリーになる事が多く、左サイドから押し込みを掛けます。
何度もポケットを突きに掛かり、37分には長いパスワークを経て上がってきた藤村が左ポケットに進入、奥に切り込みましたがディフェンスに阻まれ。

たまらず群馬は39分に最後の交代を敢行。
エドオジョン→武へと交代し、北川・白石がウイングバックを務める3-4-2-1へとフォーメーションを変えて対抗せんとします。(畑尾が1トップ)

勢いを得ているうちに勝ち越したい金沢、41分に左CKからの二次攻撃で、今度は右からのスルーパスでポケットを突いた末に走り込んだ石原がマイナスのクロス。
ニアサイドで加藤潤がワントラップからシュートしますがブロックに遭い決められず。
それでも群馬の采配を受け、43分に加藤潤→孫大河へと交代した事で、こちらも3-4-2-1へとシフトした金沢。(孫が3バックの中央に)
あくまでミラーゲームで勝負を付けにいくといった、この日の柳下監督。

そして決定機が訪れたのが45分、ここも左サイドから繋いでいき、一旦は長峰のアーリークロスが跳ね返されるも尚も拾って二次攻撃。
そして藤村が左ワイドからのカットインで隙を窺いつつ、中央まで流れて送ったエリア内へのミドルパスから、杉浦のポストプレイを経て林がシュートチャンス。
しかし右に流れつつ放った林のシュートはふかしてしまい、勝ち越しはなりません。

そして突入したAT、お互いクリアボールを繋ぎ、オープンになっている隙を運ばんとする攻めの応酬となり。
そんな中、群馬は最終ラインからの運びで白石が左サイドをドリブルで突き進む状況を作り、奥へと進入して上げられたクロス。
これをファーサイドで畑尾が合わせにいくも、勢い余って手前でクリアした山本の頭部をチャージしてしまい反則に。
おまけに畑尾自身が頭部を負傷し倒れ込む事態に陥り、二重に流れを切る結果を招いてしまいました。

畑尾は治療を受けたのちピッチ外へ→復帰という流れになるも、脇で復帰を待つ畑尾と、それを促すように主審に対し異議を飛ばす大槻毅監督を尻目に攻撃権を得たのは金沢。
右サイド奥まで辿り着いて(石原が)クロスを入れるも、やはりフィニッシュには繋がらず。
その後の長峰のロングスローによる攻めが防がれた所で、試合終了を告げる笛が鳴り響きました。

短時間ながらも終盤はオープンさが目立つなど、スタミナ配分的にも難しい試合となった感があり。
勝ち点1という結果を良しとするも否も、今後の展開次第となったでしょうか。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第36節 ファジアーノ岡山vsジュビロ磐田

2023-09-26 16:01:13 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の岡山の記事はこちら(31節・大分戦、1-0)
※前回の磐田の記事はこちら(33節・秋田戦、1-1)

<岡山スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 来季加入内定のGK川上(東洋大)が特別指定となり、33節(いわき戦、2-1)から登録される。

<磐田スタメン>

  • 前節出場停止の鹿沼がスタメンに復帰。
  • 負傷離脱していた山田大が前節(山口戦、0-0)で復帰・途中出場し、今節スタメンに・

前回(大分戦)の勝利から、怒涛の4連勝で一気にプレーオフ圏に入ってきた岡山。
このまま行ってしまいたい所でウィルス感染に苛まれるという、典型的な水を差される形となり、前節はスタメン変更を強いられたうえで一敗地に塗れ。(山形戦、0-2)
好調な時だからこそ、サッカー以外の要素でのリスクを忘れてはいけないという警告となったでしょうか。
この日からファンサービス中止の措置が取られ、前節の欠場者も何とか復帰して試合を迎えました。

磐田の最終ラインからの繋ぎに対し、果敢にプレッシングを掛けて前進を阻む体勢で挑んだ岡山。
しかし磐田も無策では無く、ショートパスを挟んでのロングボールで前線に送り届け。
前半3分グラッサのロングパスを受けたジャーメイン、そのまま浮き球をリフティング気味に操ってボールを確保。
そして左サイドでパスワークに入る磐田、一旦は遮断されるも鹿沼がすかさずパスカットして継続し、山田大がミドルシュート(GK堀田キャッチ)と先制攻撃を果たします。

岡山も磐田のプレッシングを避けるようにロングボール中心の立ち回りを演じていましたが、6分にGKからショートパスで繋ぐ事を選択。
しかし左サイドで詰まり、ダイレクトかつ浮き球での苦しい繋ぎを強いられた末に鹿沼にカットされて磐田のショートカウンターとなり。
何とか奪い返さんとしますが、そのアタックをジャーメインを始めポストプレイの体勢で蓋をしながら繋いでいく磐田の屈強さの前に果たせず。
エリア内に運ばれた末に、松本の叩きに走り込んだ松原のシュートでゴールネットが揺れ。
相手に一度もまともな攻撃をさせずに、磐田が早々に先制点を挙げました。

前節も開始12秒で失点しており、またも追い掛ける展開を強いられた岡山。
プレスの勢いをさらに強めて反撃に掛かり、8分に敵陣深めでチアゴがボール奪取に成功します。
そしてエリア内で拾った坂本がシュートするも、ゴール右へと外れてしまい電光石火の得点はなりません。

10分に磐田のビルドアップに対し、末吉は後ろで構える意識だったのかドゥドゥの方に付き。(前からいくのならばサイドバックの松原に付くはず)
その結果ドゥドゥのポストプレイで釣り出され、そのスペースに松原が上がって受けて奥に運ばれるという具合に、意識が曖昧になってしまったでしょうか。

必死に磐田最終ラインに規制を掛ける岡山。
それでもチアゴはそのパスワークに振り回されがちなので、次第にボランチの位置で構えるスタイルへと落ち着き。
末吉も前述のシーン以降は、意識を改めしっかりと松原にプレッシャーを掛けていき。
これを受けた磐田はジャーメインのポストワークも交えながら右サイドで細かく繋ぎ、密集を作ったうえで左へ展開する事で、松原をフリーにして受けさせる攻撃で対抗します。
23分・24分に立て続けに上原のロングパスを松原が受けるという、そのパターンで攻撃を繰り出し、前者はグラウンダーのクロスにジャーメインが合わせシュート。(ブロック)
後者は戻したのち鹿沼の手前からのクロスに、中央でジャーメインが走り込んだ手前で柳が何とかクリアして防ぎ。

岡山がそんな磐田の攻めに難儀する一方で、リードされた事である程度やらなければならないのが自身からのビルドアップ。
磐田はそれに対ししっかりとマンツーマンで嵌めにいき、前線は岡山の3バック+アンカーに対し、1トップと2列目3人の同数(当然GKまで含めれば岡山が優位ですが)で抑え。
ウイングバックに出した際は、SBが激しく前に出て来るという、ハイプレスの代表的な体勢で挑みます。

それをまともに受け、チアゴへのロングボール以外では中々前進できない時間が続いた岡山。
左へ出した際には高橋に食い付いてくる鈴木雄を利用せんと、高橋のダイレクトの叩きから崩さんとしますが、鈴木雄の後方では伊藤槙が開いてスペースを埋める事が目立ち。
逆に右サイドでは本山と高めを取る末吉との間に、仙波が位置取って3人の縦の関係から崩さんとする姿勢。
グラッサがチアゴに常時厳しく突くのを利用し優位を取らんとします。

次第に綻びが見られたのは左サイド(磐田から見て右サイド)だったでしょうか。
29分、磐田にパスミスが生まれた所を鈴木喜が拾い、全身で溜めを作ったのちの戻しを経て輪笠がエリア内へミドルパス。
中央で受けたチアゴには収まらずも、徐々に鈴木喜が攻撃参加する流れがこの時点で固まった感があり。

そして迎えた37分、最後方の柳は最初右からの攻めを選択するも、戻しを経て左サイドで前進。
鈴木喜が高橋とのワンツーで持ち運ぶと、田部井に託したのちハーフレーンを上がってエリア内へと入り込み。
そこに縦パスが送られると、トラップできずも偶然フリックのような形となり、坂本のポストプレイに反応してシュートにまで繋げた鈴木喜。
ゴールネットを揺らし、流れの中からセンターバックのゴールが生まれた事で同点に追い付いた岡山。

逆に追い付かれた磐田。
勢いを得た岡山に押され気味となるも、40分に鹿沼のラフなロングパスにジャーメインが落下点に入り、セカンドボールを拾ってからの攻撃。(右ポケット奥で松本がクロスに辿り着きコーナーキックに)
アディショナルタイムには山田大の中継から右ハーフレーンを細かいタッチで進むジャーメイン、そのままポケットを突いてシュート。(ブロック)
多少ラフな攻めを加えつつ、マンパワーで流れを制する姿勢に移った感があり。
しかしゴールまでには至らず、1-1のまま前半を終えました。

共にハーフタイムでの交代は無く迎えた後半。
良い時間帯が少なかった岡山、挽回せんと序盤から激しく仕掛けます。
ただしその激しさは普遍的なものだけでは無く、後半2分に鈴木喜の裏へのロングパスにチアゴが走り込み。
これがオフサイドを取られると、勢い余ったのかそのままトラップからシュートまで持っていったチアゴ。(シュートはゴールに吸い込まれるも当然ノーゴール)
幸い見逃されたものの、余計な部分でカードを貰いかねない、そしてそれによりヴェルディ戦の悪夢(20節、1-2)が蘇りかねない一幕となり。

不安視されたものの、続く3分には自陣で反則を受けると、転がるボールを坂本がそのままリスタート。
しかもその選択はロングシュートであり、枠を捉えていたもののGK三浦にキャッチされ。
8分には再び自陣での反則から、またも鈴木喜が素早くリスタートして裏へロングパス。
これをチアゴが抜け出して収めたものの、またもオフサイドを取られて惜しくも実りません。

しかし積極的に仕掛ける事で磐田から流れを奪う事には成功したでしょうか。
中々攻撃機会を得れない磐田、12分に右サイドを中心にパスワークで前進していくも、中央で受けた上原が戻って来たルカオ(坂本と交代で出場・12分)に奪われてしまい。
そしてパスを受けたチアゴが自陣からロングシュートを放ち、これがゴール上部を掠める惜しい弾道となります。

可能性のあるロングシュートが2本も見られるなど、レアな流れを描く岡山。
尚も13分には末吉がドゥドゥとのデュエルでユニフォームが大きく破れてしまうなど、珍しい絵図は続き。

劣勢となった磐田は15分にベンチが動き、松本→古川へと交代。
古川が左サイドハーフに入る事で、ドゥドゥが右へとシフトします。
その古川が17分、左ワイドからのカットインで流れを呼び込み、自らもクロスがクリアされた後の繋ぎを経て左ポケットからカットインシュート。
ブロックされたのちも拾い直して好機を齎す古川、戻しを経て上原がミドルシュートを放ち、グラウンダーでゴール左を襲うも惜しくも枠の外。

しかしこれを境に再びボール支配する流れを整える磐田。
岡山は次第に押し込まれるものの、交代で入ったルカオを橋頭堡としての逆襲が冴える事となり。
21分、左スローインで投げ込まれたボールを直接入れ替わってサイド奥に持ち込んだルカオ、そのままカットインからマイナスのクロス。
ニアに走り込んだチアゴはグラッサと交錯して撃てずも、こぼれ球を田部井がシュート、GK三浦がセーブしたボールを尚も繋いで後方から輪笠のミドルシュート。
これもブロックに阻まれ、尚も仙波がクリアをブロックし、エリア内へ流れた浮き球をチアゴがヘディングシュート。
激しくフィニッシュを浴びせたものの、ゴール右へと外れてモノに出来ません。

冷や汗をかいた磐田ですが、自身もポゼッションを高めての攻撃は崩さず。
アタッキングサードで繋ぎ続けた末に、後方から上原がミドルシュートを放つ事2度と、掻き回した末に一刺しで仕留める姿勢を見せます。
26分には再び古川が左サイド奥を突いて今度はクロスを選択、流れるも拾った鈴木雄から再度クロスが上がり。
これをジャーメインが合わせましたが、放たれたヘディングシュートはゴール上へと外れ。

どちらとも言えない(攻撃回数では磐田有利)ながらも、ともに有効打を放つ白熱の展開となり。
均衡を破るべく、27分に岡山ベンチが動いて田部井・チアゴ→ムーク・木村へと2枚替えを敢行します。

パワーのルカオ・スピードの木村という2トップとなった岡山、早速後者が仕掛け。
30分に本山の裏へのロングパスに走り込み、先に奪われるもすぐさま奪い返す木村、基点を作った末に右スローインに持ち込み。
ここで磐田ベンチも動き、上原・山田大→藤川・後藤へと2枚替え。
ポジション変更も絡んだ(ドゥドゥがボランチに、ジャーメインがトップ下にシフト)前線の交代でしたが、相手のセットプレーというタイミングが拙かったでしょうか。

このスローインからの攻撃で、ルカオのクロスがブロックされさらに右CKを得る岡山。
そしてキッカー仙波のクロスがファーサイドに上がると、磐田のマンマーク守備(付いていたのはドゥドゥか)を剥がした末にほぼフリーで合わせたのは柳。
ヘディングシュートがGK三浦の腕を弾いてゴールに突き刺さり、「セットプレーの柳」の本領発揮により勝ち越しを果たしました。

ここまで逆転勝利は無しとあり、今季初の偉業?に向けて盛り上がる岡山。
磐田は交代した前線を活かすべく反撃体制に入りますが、その最初の攻撃の32分で、右サイドでスルーパスに抜け出した藤川のクロスは精度を欠いてしまい実らず。
クオリティの低下が危ぶまれる絵図に終わり。
しかし岡山もこの場面で高橋が足を攣らせてしまい、最後の交代の準備に入り。

そして35分、高橋・鈴木喜→高木・バイスへと2枚替えして全てのカードを使いきった岡山。
守備要員のバイスを投入した事もあり、以降磐田の猛攻を凌ぐ展開に入ります。

ほぼ全員といっても良い体勢で、敵陣でサッカーを展開する磐田。
それでも40分にドゥドゥのミドルシュートを前に出てブロックしたバイスに代表されるように、身体を張って守る岡山を崩しきれず。
41分にこちらも最後の交代、遠藤の投入に踏みきります。(鹿沼と交代、同時に松原→小川へと交代)

従来のパスワークに遠藤の才覚を加え、何とか崩さんとする磐田。
そしてATに突入すると、その入り口で決定機を迎えます。
右サイドで前進していき、持った鈴木雄が右ポケットへミドルパスを送ると、前に出た遠藤が収めるという変節を見せ。
そして浮き球のままクロスを入れる遠藤、これをファーサイドでジャーメインが脚でトラップ、そして左へ流れた所をスライディングでシュートに持っていきます。
GK堀田を抜いたものの、その後ろの柳のブロックに阻まれるという、完全に1点もののシーンとなり。

一方これを防いだ岡山、いよいよ勝利への進軍体勢に。
直後のCKからの攻撃を防ぐと、カウンターで敵陣右サイドへと運んでいき時間を使い。
そして奥を取った木村がカットインの姿勢を取り、古川に倒されて反則と、終盤の立ち回りとして満点の流れを描きます。

時間を食ってしまった磐田、何とか反転して攻め直し。
その最後の攻撃も、古川の左サイドの突破からクロスが上がり、ジャーメインがヘディングシュート。
個々の能力を活かす攻撃を貫きましたが、このシュートも枠外に終わり万事休す。

そしてゴールキックでの再開直後、試合終了の笛が鳴り響き。
初の逆転かつ上位との戦いを制した岡山、勢いをもって最終盤を迎えられたでしょうか。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第35節 栃木SCvsジェフユナイテッド千葉

2023-09-20 18:11:31 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の栃木の記事はこちら(31節・長崎戦、2-1)
※前回の千葉の記事はこちら(29節・徳島戦、3-3)

<栃木スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 山田が期間途中でレンタル終了となりJ1・柏へ帰還、32節(水戸戦、2-2)をもって登録抹消。
  • 32節で負傷交代した根本の詳細が発表されるも、全治は未定。

<千葉スタメン>

  • ブワニカ啓太が(水戸へ)レンタル移籍となり、31節(藤枝戦、3-2)をもって登録抹消。
  • ユース所属の東が2種登録となり、32節(磐田戦、3-2)から登録される。

好調の2チーム。
それを支えるスタメンも固定傾向にあり、栃木は3試合連続で同一スタメン。
その直前に根本の負傷・山田の移籍といったイレギュラーはあったものの、大島・宮崎がシャドーの穴を埋めた事で微調整で済みました。(あとは詳細不明の黒﨑→石田ぐらいか)
千葉は佐々木→新井一に代わったのみでその他はほぼ固定し、目下4連勝の原動力に。
しかしこの日はFWの小森がベンチ外となり、呉屋へと入れ替えて臨みました。
放送席では盛んに「鈴木大はここまでフルタイム出場」と語られていましたが、それがフラグになる展開が待ち受けていたとは露知らず。

前半2分の千葉、自陣で反則を受けた事によるフリーキックで素早いリスタートを選択し、風間が一気に裏へとロングパス。
エリア内中央へとドゥドゥが走り込み、GK藤田が抑えるも勢い余って交錯。
たまらず痛み倒れ込むドゥドゥという絵図が生まれたのが、前半全体のハイライトともなりました。

スピード豊かなドゥドゥを最大限利用する攻撃を貫く千葉。
他クラブではポストプレイヤーも務める等、その特徴が活かされているか否か疑問が残る経歴であった最近のドゥドゥ。
しかし千葉への移籍は干天の慈雨だったようで、水を得た魚のようにその長所を発揮します。

15分、栃木の攻撃で福森のミドルシュートがブロックされると、彼の後方へとこぼれたボールに対しすかさず追い掛けるドゥドゥ。
その超スピードで追い抜かれた福森、たまらずドゥドゥが拾った所にチャージしてしまい、反則・警告を受ける破目となり。
ここでも足を痛めて倒れ込むドゥドゥでしたが、彼の躍動と受難は尚も続きます。
ドリブルのみならず、21分に自陣でトラップしながら浮き球を操り前進という技量を見せるドゥドゥ。
それに対し抜かれかけた福島がチャージしてしまうと、またも反則・警告を受けるとともに、ドゥドゥが倒れ込むという絵図に。
栃木ディフェンスを翻弄しながらも、自身も傷付くというのはスピードストライカーにとって避けられぬものでもあり。

そんなドゥドゥの脅威を受けた栃木ですが、無抵抗という訳では無く。
むしろその持ち味であるハイプレスを存分に発揮し、千葉ゴールに迫っていきます。
4分に千葉の自陣でのパスミスを誘うと、拾った宮崎のパスを受けたイスマイラがエリア手前中央からシュート。
ブロックされたのち、拾った石田がすかさずミドルシュートを放つもゴール左へと外れ。
14分に神戸のボール奪取から左スローインに持ち込むと、大森のクロスをファーサイド奥で宮崎が合わせヘディングシュート。
しかし右ポストを直撃と、惜しい所で決められず。

苦戦の色が拭えない千葉のビルドアップですが、その形は2センターバック+田口をアンカーに置くという基本形。
それ故にサイドバックも引き気味で、サイドに送っては栃木のハイプレスを受けるという繰り返しでしたが、逆にSBに対しウイングバックが前に出る栃木を誘っていた風にも見えました。
相手の後方を薄くしたうえで、ドゥドゥを中心とした裏抜けで決定機を生み出せれば万々歳、というスタイル。

それに気付いたのか、20分辺りから栃木はハイプレスを諦める姿勢に。
最前線のイスマイラは田口をケアする位置まで退き、裏を取られるリスクを低くしたうえで、千葉のアンカー経由での前進を抑制する体制を採ります。
これにより膠着状態に陥って試合は進み。(飲水タイムは取られず)

こうなると、栃木は自発的にボールポゼッションを高める方向へと針が振れるものであり。
しかしそこに、今度は千葉のハイプレスが牙を剥くという具合に逆転現象(といっても、今季の千葉も元来ハイプレスが特徴ですが)が起きます。

ビルドアップに難儀する栃木、イスマイラ目掛けたロングボールへと舵を振り。
39分にはGK藤田から一気にロングフィードがイスマイラに収まり、そのままシュートまで持ち込み、ブロックされたこぼれ球を尚も自ら拾い。
そして左からカットインして再度シュート(枠外)と、千葉にドゥドゥが居るならこっちには……と言わんばかりにその能力を発揮します。

結局前半はスコアレスのまま終わり。
お互い対応力を見せながら進んでいった試合にある意味相応しく。

そして始まった後半、いきなりの1分にまたもドゥドゥが石田のチャージで痛んで倒れ込むシーンで幕を開け。
ドゥドゥが試合を動かすという流れは後半も健在で、それに従うように直後の2分、新井一のロングパスを左サイド奥で受けたドゥドゥがカットインでエリア内へ。
そして中央の呉屋へ横パスを送るもクリアされ、そのボールが見木の腕に当たってハンドとなり攻めきれず。

尚も好機に絡むドゥドゥと、それに相対する石田のバトルが目立ち。
6分に左サイドでスルーパスを受けたドゥドゥでしたが、石田のディフェンスに遭いボールキープできずに終わります。
しかし続く7分には、またも左サイド奥でスルーパスを受けたドゥドゥ、今度はカットインに成功してエリア内で石田をかわしにいき。
たまらず石田が出した足に掛かってしまい倒れたものの、主審の笛は鳴らずPKとはなりません。
今度は痛みでは無く抗議の意味合いで長らく倒れ込んでいたドゥドゥでしたが、当然判定は覆らず。

ややもするとPKを貰いに行ったようなこのドゥドゥのプレーの次に、チャンスを作った栃木。(9分)
福森が左サイドで突破を図ると、田中のチャージを受けても倒れずに突き進んでポケットを突くという、ドゥドゥとは対照的なシーンを描きます。(奥からグラウンダーでクロスもクリアされる)
これを機にペースを奪う栃木、浮き球のパスをイスマイラや大島が収める事で敵陣でサッカーを展開。
そして右からのスローインでは石田がロングスローを放り込むという具合に、空中戦で有利に立たんとします。
14分にはクリアボールを収めにいったイスマイラに対し、鈴木大のスライディングが襲う形で反則となり、鈴木大に警告。

流れを堰き止められた千葉の方が先にベンチが動き。
15分に風間→米倉へと交代し、米倉が右サイドハーフに入る事で田中が左SHに、ドゥドゥがFWへとそれぞれシフトします。

最前線に入った事で、ポストプレイもある程度しなければならなくなったドゥドゥ。
18分にクリアボールをドゥドゥが胸で落とし、そこから運ぶ千葉。
右サイド奥を突いた米倉、最初のクロスこそブロックされるも、繋ぎ直したのちの再度のクロス。
これがゴールに向かって浮き上がった末にバーを叩くという際どいボールとなります。

再び千葉へと流れが傾き、20分に田口のボール奪取から、ドリブルに持ち込んだ田中が石田に倒されて反則。
直接FKを得たというタイミングで、栃木ベンチも動き3枚替えを敢行します。(神戸・西谷・宮崎→佐藤・高萩・矢野)
この左ハーフレーン・エリアからやや手前でのFK、田口が蹴ると匂わせつつ日高が狙ったもののゴール上へと外れ。

27分に千葉がドゥドゥ・呉屋→高木・福満へと2枚替え。(田中がFWに回る)
続く28分には栃木が福森→吉田へ交代と、ベンチワークが交錯し。

先程の警告の場面然り、イスマイラを抑えるのに神経を尖らせる鈴木大。
30分にはそのイスマイラとの交錯で痛み倒れ込むという具合に、尚も要注意人物への対応に追われ。

そして迎えた33分、栃木は最後方から、千葉のプレッシングを受けつつのGK藤田のロングフィード。
これが佐藤に収まると、間髪入れずに前掛かりの千葉の裏を突くようにロングパスを送り、走り込んだ矢野が鈴木大を追い越して受けにいく決定機に。
必死に追走する鈴木大、あろう事か矢野を後ろから倒してしまう事態となり、反則を告げる笛が鳴り響きます。
そして鈴木大に赤いカード(警告2度では無く一発レッド)を突き出す主審(野堀桂佑氏)、よりによってこういう形で、フルタイム出場が途切れる破目となってしまいました。
おまけにエリア内での反則と判定され、栃木にPKが与えられ。(映像では手前に見えたものだが)

これで得たPK、キッカーは当然ながらイスマイラ。
終盤も近くなり(37分)決めれば天国、外せば……という意識が強くあったでしょうか。
右足インサイドで、慎重かつ威力重視でシュートしたイスマイラ。
しかし左へ蹴ったシュートはそのためコースが甘くなり、読みきったGK鈴木椋にセーブされてピッチ外へと転がるボール。
絶体絶命の危機を防いだ千葉、すかさず交代カードを使い鈴木大が去ったセンターバックを補充(田中→佐々木)します。

この交代により4-4-1としたうえで、高木が1トップとなり福満がボランチ・見木が左SHへシフトと微調整する千葉。
PK後の栃木CKを防いだのち、矢印を反転させて攻め上がり。
佐々木のロングパスを栃木がクリアしきれず、拾った高木が右からクロスを入れ、こぼれ球を繋いだのち田口がミドルシュート。
佐藤がブロックして舞い上がったボールを、エリア内の見木がバイシクルでシュート(ゴール右へ外れる)と、数的不利を跳ね除ける攻撃を見せました。

これで数的優位という感じが薄れてしまった栃木。
39分にイスマイラがヘディングシュートを放った(GK鈴木椋キャッチ)のち、40分にそれを補強せんとペレイラを投入します。(大島と交代)
矢野・イスマイラ・ペレイラというターゲットに対し、どうクロスに持ち込むかという事が求められる終盤戦となり。
しかしポゼッションを高めての攻撃は、1試合のうちある程度行うとはいえやはり慣れていないのか。
福島を高い位置へと上げ、2CBへと変形してビルドアップを行うも、千葉の守備意識の前に中々サイド奥に持ち込めず。

そしてアディショナルタイムに突入し、意外にも千葉の方がGKからの前進を成功させるシーンを目立たせ。
栃木が中々フィニッシュに持ち込めず、石田のロングスローに頼るのを尻目に得点の機運を高めます。

クロス攻勢に持ち込み、見木の左からのクロスに福満が合わせにいくも、佐藤に掴まれた事で合わせられず。(反則無し)
しかし大森に当たって流れた事で右CKを得ると、キッカー田口のニアサイドのクロスを合わせにいったのは、後方から走り込んだ佐々木。
フリーで放ったヘディングシュート、GK藤田の足でのセーブに阻まれるも、ゴール前に浮いた所を見木がヘッドで詰め。
まさに執念という連続フィニッシュで、ついに数的不利を埋める先制点を挙げた千葉。
ゴール裏・ベンチスタッフともに大熱狂に包まれます。

この際に頭部を負傷したのが佐藤で、出血したためピッチ外で治療を受け。
10人で残り少ない時間での反撃を余儀なくされた栃木。
何とか左サイドでスローインを得ると、このタイミングで佐藤が復帰して逆サイドから石田が駆け付けロングスローの体勢に。
投げ入れられたボールを平松が合わせるもこぼれ、跳ね返りをその佐藤がシュートしたもののボールは無情にもゴールの遥か上。
外れるのが見届けられた末に、試合終了の笛が吹かれました。

これで連勝を5に伸ばし、待望のプレーオフ圏内(6位)へと入り込んだ千葉。
日に日に昇格への機運は高まっているという近況ですが、まずは次節、鈴木大不在のなかどう戦うかを考えたい所でしょう。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第35節 ベガルタ仙台vs水戸ホーリーホック

2023-09-18 16:01:08 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の仙台の記事はこちら(28節・藤枝戦、1-1)
※前回の水戸の記事はこちら(27節・大宮戦、0-0)

<仙台スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 元名古屋の齋藤がオーストラリア・ニューカッスル ユナイテッド ジェッツFCから完全移籍で加入し、29節(磐田戦、1-4)から登録されて即途中出場、次節からスタメンに。
  • 長澤が名古屋から完全移籍で加入し、(以下同文)
  • 負傷離脱していた松下が今節復帰し、10試合ぶりにベンチ入り。
  • 遠藤の負傷が発表され、8/24に手術実施して全治8週間との事。

<水戸スタメン>

  • ブワニカ啓太が千葉からレンタルで加入し、31節(秋田戦、1-1)から登録されて即途中出場、前節(金沢戦、3-0)からスタメンに。
  • 唐山が期間途中でレンタル終了・ガンバへ帰還となり、29節(熊本戦、0-0)をもって登録抹消。
  • 柳町の負傷が発表され、7/23に発生して全治は未定との事。
  • 30節(長崎戦、3-3)で負傷交代した梅田の詳細が発表されるも、全治は未定との事。
  • 来季加入が内定している碇(大津高)が特別指定となり30節から登録されるも、8/29付で抹消される。
  • 来季加入が内定している久保(法政大)が特別指定となり、33節(山口戦、2-1)から登録される。

トップハーフとボトムハーフの断層がハッキリしているという、今季のJ2リーグ。

トップハーフの11チーム全てが昇格争いに参加している現状で、必然的に立場が曖昧となるのがボトムハーフの頂上に居るクラブ。
残留争いの危機からはとりあえず安心ながらも、今から昇格を目指すには全てが遅すぎるという立ち位置。(この日の放放送席は盛んに「昇格争いに加われるか」というコンセプトで語っていましたが)
つまりは「消化試合」というワードがチラつく現状で、モチベーションの喪失が危ぶまれるなか、それを振り払う勝ち点3が欲しい所でしょうか。

さて、連続未勝利を11試合で何とか止め(31節・大宮戦、1-0)、残留争いにどっぷりと浸かってしまう事は避けられそうな仙台。
途中就任した堀孝史監督は、ヴェルディ時代とは違い自分の理想を強く表しているというのが表面上の印象であり。
浦和監督時代(2011・2017~2018)の基本であり、かつオーソドックスさとはかけ離れている4-1-4-1のフォーメーションがその一例。
浦和時代に抜擢した長澤を獲得する等、それを補強する手立ても惜しまずと、チームの建て直しに必死さを見せています。
ほぼ同等の順位に居るクラブ相手に、その成果を発揮できるかというホーム(ユアテックスタジアム仙台)での一戦。

しかし試合開始から、水戸のサイドアタックが冴え渡る展開となり。
前半5分、左サイドを小原がドリブルで推進する所、その前方で安藤が(鎌田と交錯し?)倒れた事で反則となり。
これでゴールに近い位置(ただし左ワイド)でのフリーキックを与えるというのがその幕開け。(ここからはフィニッシュに繋がらず)
水戸はここから左サイドで圧力を掛けると思いきや、8分には鵜木の推進力を軸としてのパスワークで、その鵜木のカットインが郷家に倒されて反則。
再びワイドでゴールから近い位置でのFK(その二次攻撃で、大崎のクロスがこぼれた所を安藤が拾いシュート、ブワニカに当たって跳ね返る)を得ると、その後は一転して逆の右サイドから攻めるシーンを目立たせます。

水戸は仙台のどのサイドに弱点があるかを探りながら、という立ち回りに徹していたでしょうか。
やや特異な4-1-4-1の布陣の仙台、そのインサイドハーフは右の鎌田がボランチに近い役割で、左の郷家はFWに近い役割を取るというのが基本であり。
ホヨンジュンがポストワークを務め、盛んに動き回るのをカバーするように最前線に位置する事が多くなる郷家。
守備でも前からいく際は2トップの片割れという役割になるので、それ故に左サイドを守る際はどうしても人員不足のカバーをしなければならない。
17分敵陣右サイドでボール奪取した水戸に対し、すかさず仙台は即時奪回にいきましたが、パスワークでそれをかわす水戸。
その間に鵜木が裏でフリーになっており、武田の縦パスが通って好機を作る(その後鵜木がカットインからクロスを入れるも合わず)という具合に、数的優位を活かした好機が目立ちました。

その後も安藤が加わりながら右サイドで押し込み、そこからコーナーキックも数多得て攻め立てる水戸。(キッカーは基本武田で、たまに鵜木を混ぜる)
20分の右CK、ニアサイドへのクロスに安藤が合わせにいき、足下にこぼれた所をすかさずシュートするもブロックに阻まれ。
22~23分にはじっくりとボールポゼッションを高めたのち、再び鵜木が右からカットインする絵図に持っていき、一旦防がれるも再度前進ののち武田から上がったクロス。
これを安藤がヘディングシュートに持っていくも、GK林のファインセーブに阻まれて先制ならず。
着実に優勢を保ったまま飲水タイムに突入(24分)します。

一方押され気味の仙台は、前述の通りのシステム故に、IHの鎌田にかかる負担が大きいという印象。
ビルドアップでは長澤の脇で受けて前進を援ける一方で、上がっては右サイドからの攻めに加わり、守備でも水戸の右サイドアタックで全体が左へズレる際のバランスを取り。
特にビルドアップで、水戸のプレッシングを前に鎌田がフリーにならなければ運べないといった状況となるのは深刻であり。
そのためホヨンジュンへのロングボールの割合が増え、ターゲット・裏抜けどちらもこなすホヨンジュン。
その度に水戸ディフェンスの激しいチャージを受けて苛立つホヨンジュンの姿を見て、そのシステムは人に依存してのものという印象を一層強くします。
38分に内田裕の左→右へのサイドチェンジからの攻めで、スルーパスで奥を取った蜂須賀からのクロスに郷家が合わせヘディングシュート(ゴール上へと外れ)と、一定数好機は作ったものの不完全燃焼といった前半の仙台。

終盤には再び水戸ペースとなり、何度も右サイドでドリブルを仕掛ける鵜木と、そんな展開を象徴するシーンが描かれ。
そしてスコアレスのまま前半終了となります。

後半に向けて交代は無かったものの、仙台は問題点の一つを修正に掛かります。
それはビルドアップの局面で、鎌田が降りてパスを受ける事が減り、2センターバック+アンカーの布陣を保ったままパスを繋ぐ体勢を取り始め。
水戸の2トップがハイプレスに出ても、若狭・福森・長澤のトライアングルでのパスワークでそれをいなし、そこから運ぶ事で流れを生み出します。

そして後半10分、GK林からそのトライアングルでの繋ぎを経て、ホヨンジュンとのワンツーで前進した氣田がエリア内へスルーパス。
受けた松崎によるGKと一対一を綺麗に作り上げたものの、放たれたシュートはGK山口がセーブ。
すかさず追撃した鎌田のシュートも山口が横っ飛びでセーブと、2連続のビッグセーブに阻まれてしまいます。
しかし着実に流れは変わりつつあり、それを固定させんとベンチも12分に動き。
氣田・松崎→齋藤・加藤へ2枚替えと、サイドハーフを揃って入れ替えます。

GKと一対一という脅威を味わった水戸サイドも、14分にそれを作らんとして右サイドで繋ぐなか武田が一気に裏へミドルパス。
エリア内中央にブワニカが走り込んだものの、GK林が好判断で前に出て防ぎ、決定機とはなりません。

そしてそうした多少強引な運びの意識が仙台のカウンターを招き、15分に郷家のボール奪取から一気に前進する仙台。
蜂須賀のクロスが跳ね返されてから遅攻に入ると、左サイドから内田裕がカットインし、ハーフレーンを突いたのちエリア内中央へ縦パス。
そして自身もパス&ゴーでポケットを突き、ホヨンジュンのポストプレイで受け直す所を、鵜木のスライディングで倒されて反則の笛が鳴り響きます。
願っても無い先制チャンスを得た仙台、キッカーはホヨンジュンが務め。
しかし先程のセーブ然り、大当たりしていたGK山口を前に、PKを蹴るのは今季初という状況が敵になってしまったでしょうか。
ゴール左へシュートを放ちましたが、威力は申し分なかったもののコースが実に甘くなり、横っ飛びした山口にガッチリキャッチされてしまい。

痛い決定機逸となった仙台。
その後は投入されて左SHに入った齋藤へ、サイドチェンジのパスを送り届ける攻撃を続けて何とかペースを保ち。
19分にはそこからの攻撃で、スルーパスで奥を取った齋藤からのクロス。
跳ね返りを尚も繋ぎ、PKゲットのシーン宜しく内田裕が再びカットインを仕掛け、今度は自らミドルシュートを放ちましたがGK山口がまたもファインセーブ。

一方前半とは打って変わって劣勢を強いられた水戸。
有効打となっていた右サイドアタックを諦めたか、20分に鵜木・成瀬を揃って交代させます。(永長・黒石を投入)
それにより逆の左サイドに活路を見出したか、24分には小原が左からカットインシュートを放ちましたが枠を捉えられず。

後半の飲水タイムは取られずと、ようやく秋を実感させる(しかし昼間はまだ暑い)試合となり。
25分に両ベンチが2度目の交代を敢行し、仙台は長澤・ホヨンジュン→松下・山田寛人、水戸は安藤→新里へとそれぞれ交代します。

仙台は以降も齋藤が攻守に奮戦する一方、それ以外では今一つ。
思えば浦和監督時代も、長澤の燃料切れ(による交代)以降チームが機能不全となり敗着、という試合が目立っていたのである意味当然ともいえる失速ぶり。

そんな相手の状態を突きたい水戸は、鵜木の交代で組み直さなければならなくなった右サイドアタック。
それでもトップ下に近い役割の新里や、ブワニカのポストワークを交える事で人数を掛けるパスワークを保ちます。
37分には右サイドでの繋ぎを経て、武田が後方から一気に左ポケットへロングパスを送り、走り込んだ大崎が受けるも収められず。
フィニッシュには繋がらずも、後は精度といったワンシーン。

そして38分、逆の左サイドからの攻撃で、左ポケットでパスを受けた武田がカットインからシュートを放つもGK林にセーブされてCKに。
ここからの二次攻撃で、右サイドからの前線を経て新里が右ポケットへのスルーパスに走り込み。
これも防がれますが、直ぐに右スローインからリスタートしてついに打ち破ります。
上がった永長のクロスで、ブワニカがヘディングシュートを放ってゴールネットに突き刺し。
移籍後初ゴールは均衡を破る胸すくものとなったブワニカにより、土壇場で水戸がリードを奪います。

一方残り少ない時間でゴールが必要になった仙台。
最後方からのパスワークによる反撃体制は変わらず、41分にはそこから縦パスを受けた郷家が松田に倒されて反則。
中央からながらかなり遠目という位置でのFK、キッカー鎌田は右へと放り込み、若狭が折り返したもののGK山口が抑えてシュートは撃てず。

これを見てかベンチが動き、内田裕→菅田へと交代し、菅田をFWで起用するというのが最後のカードとなり。(44分)
菅田を頂点とした3-4-2-1へと布陣を変更し、パワープレイに望みを繋ぐ事となります。
一方の水戸も同時に、小原・ブワニカ→得能・内田優へと2枚替え。

そして突入したアディショナルタイム、ひたすら後方からの放り込みに賭ける仙台。
セカンドボールを拾い続けたのち右から蜂須賀のクロスが上がり、菅田が合わせにいき、こぼれた所を松下がミドルシュート。
しかしこれもエリア内で松田のブロックに阻まれるなど、守備を固めた水戸(得能が左ウイングバックを務める3-4-2-1の布陣)を破るには時間が足りず。

仙台の攻撃を防ぎ続ける水戸。
そのクリアボールが左サイドの得能に渡ると、すかさず奪い返そうとした加藤のスライディングが彼を襲います。
たまらず倒れてしまうと、そこが水戸ベンチの真ん前だったために一斉にヒートアップする水戸スタッフ。
有望な特別指定選手(得能)故に、万が一傷物になってしまえば責任問題に……といった感情が露わになってしまった一幕でしょうか。
幸い無事に得能は起き上がり、加藤に警告が出された事で何とか収まり。

そして試合終了の時を迎え、0-1で勝ち点3を積み上げた水戸。
ボトムハーフの最上位(12位)を確保し、ここから残り試合で覇を唱える事が出来るでしょうか。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第34節 ロアッソ熊本vs藤枝MYFC

2023-09-14 16:02:07 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の熊本の記事はこちら(32節・いわき戦、2-4)
※前回の藤枝の記事はこちら(28節・仙台戦、1-1)

<熊本スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 天皇杯は準決勝にコマを進めたため、38節・徳島戦の日程が変更となり9/27へと前倒し。
  • 前節(千葉戦、0-1)出場停止だった粟飯原が復帰してベンチ入り。
  • 負傷離脱していた大西が4試合ぶりに復帰し、即スタメンに。
  • 天皇杯準々決勝(J1・神戸戦、1-1・PK4-3)で負傷した道脇の詳細が発表され、8/31に手術実施してそこから全治8週間との事。
  • 天皇杯準々決勝で負傷した酒井の詳細が発表され、9/6に手術実施してそこから全治3ヶ月との事。

<藤枝スタメン>

  • 32節・群馬戦は落雷の影響で試合前中止となり、10/14への順延が決定。
  • 西矢がJ3・FC大阪からレンタルで加入し、30節(大分戦、0-1)から登録されて即途中出場、今節初のスタメンに。
  • レオナルドがJ1・名古屋から完全移籍で加入し、30節から登録されて即途中出場。
  • 中川創が磐田からレンタルで加入し、30節から登録、前節(栃木戦・0-2)初のスタメンで出場。
  • 中井が(JFL・ヴェルスパ大分へ)レンタル移籍となり、31節(千葉戦、2-3)をもって登録抹消。
  • 28節で今季2度目の退場となった山原は、出場停止(2試合)後ベンチ外が続く。まあある意味当然か。
  • 28節に負傷交代した河上の詳細が発表され、全治6~8ヶ月との事で今季はほぼ絶望か。
  • 大曽根の負傷が発表され、7/19に発生して全治3ヶ月との事。
  • 来季加入内定していた浅倉(拓殖大)が特別指定となり、29節から登録されて今節初のベンチ入り。

天皇杯準々決勝、死闘の末にJ1首位クラブ(神戸)を撃破するというジャイアントキリングを達成した熊本。
しかしそのダメージは深く、酒井・道脇の負傷でただでさえ薄い選手層の問題が深刻化。
おまけに連戦の疲労で、前節・千葉戦は完全な守備重視の戦いを強いられる事となりました。

11戦未勝利で20位という成績とも併さる事で、そうした自分達のサッカーを捨ててまで結果を求めなければいけない状況に追い込まれ。
しかもその結末は終盤での失点による敗戦と残酷なものとなり、12にまで伸びてしまった未勝利試合。
そうして迎えたこの日ですが、イベント(アイドルグループのライブ?)も行われるとの事で、普段のアベレージをはるかに上回る観衆を集めました。(17,805人)

そして相手は藤枝で、同じく未勝利が続いているクラブでありその数8。
監督同士の師弟対決(大木武氏⇐須藤大輔氏)とも釘打たれたカードが、そうした負の成績で彩られてしまうとあっては何とも語り辛く。

熊本のキックオフで始まると、左サイドからの前進でいきなりコーナーキックを奪うという成果に繋げ。(ショートコーナーから縦パスでエリア内を突くも実らず)
その後の前半3分、藤枝の攻撃を切って自陣から繋ぎを図る熊本に対し、藤枝はパスカットの意識を高めたゲーゲンプレスを掛け。
ボールホルダー(大本)に強くいかなかったのが災いしてカット出来ず、竹本の対角線へのロングパスが通って好機となり、受けた松岡の戻しを経て田辺がシュート。(枠外)
熊本の先制攻撃となったものの、これまでボールに強く向かうのがディフェンスの信条であった藤枝だっただけに、ここでその変節に気付くべきだったでしょうか。

その直後に藤枝もCKを得ると、熊本のマンマークディフェンスを攪乱しようと、ボックス内で激しく動き回ります。
これまでは高さ不足もありあまり有効打にならなかった印象のセットプレーでしたが、ここでも何とかモノにしようという意欲が表れていました。

立ち上がりの時間が過ぎると、藤枝はハイプレスを諦め、アンカー上村に1トップが付いた上でリアクションの構えを重視。
13分にはその姿勢から前に出た久富が右サイドでカットしたものの、時間が進むにつれて徐々に立ち位置は下がり、ほぼ全員が自陣で構える事となります。

そんな藤枝の意識故に、前節とは打って変わって自身で主体的な攻撃を仕掛けるゲームとなった熊本。
相手の変節もあり戸惑い気味の第1クォーターとなりましたが、飲水タイムを挟んで本領を発揮せんとします。

第2クォーター最初の攻撃は26分、右サイドでの繋ぎから竹本がそれに加わりポストプレイをする事で、藤枝・川島を釣り出した隙に島村がエリア内へスルーパス。
走り込んだ平川が収められずに終わったものの、藤枝ディフェンスを動かして崩す意欲の現れた攻撃。
いかにこの日はリトリートを重視したといっても、前から行きたがるその攻めの姿勢は簡単には払拭出来ず。
自陣で構えてもなお、ウイングバックはサイドに出されると前に出る性質なので、それを狙ってのサイド奥へのロングパスも有効となります。

しかし藤枝もじっくり守っての一刺し、というスタイルで、お互いの意思が交錯。
そして互いに決定機が生まれる流れとなります。
まずは32分の藤枝で、その前に西矢スルーパス→矢村エリア内へ走り込んでシュート(黒木がブロック)という流れで得た右CK。
ここでも激しく動き回る藤枝選手、何度か主審の注意が挟まれたのちにキッカー西矢のクロスが上がると、ファーサイドで鈴木が足下で合わせた事で混戦に。
その中で矢村が放ったシュートが左ゴールポストを叩き、尚も久富が詰めに行きましたがクリアされてモノに出来ません。
凌いだ熊本は34分、江崎の右サイド裏へのロングパスが島村に渡ると、奥に切り込んだのちにマイナスのカットインで右ポケットに入る事でシュートレンジに。
そして放たれたシュートを、ファーサイドで竹本が跳び込んでコースを変えましたが、これはオフサイドとなってしまい(シュート自体もミートせずにGK北村にキャッチされる)こちらもモノに出来ず。

決定機の交錯ののちは熊本が攻めあぐみ。
藤枝はロングパスを送り、それを熊本がクリアミスしたり(35分)、拾ったのちのプレッシングという「ストーミング」に近いスタイルで奪ったりして(41分)好機を生み出します。
これまでの「超攻撃エンターテイメントサッカー」から完全に逸脱した姿勢であり、何とか負の流れを押し止めようとする強い意志は完全に固定化される事となったでしょうか。

そしてスコアレスのまま前半が終了。
ボール支配率では熊本が勝るものの、優勢という印象はあまり無く。
そのためかハーフタイムで早くも動いて田辺→大崎へと交代、大崎をセンターフォワードに入れて竹本を本来の位置(左WB)へと移してきました。

前半ボールを握りながらも、ペースを掴めなかったのは、アンカーの上村が常時マークに付かれていたという事もあり。
そのため、後半3分に上村が最終ラインに降りてのビルドアップを見せる熊本。
そこから右サイドを島村を軸に前進していき、最後は平川のパスを中央で受けたその島村がペナルティアークからシュート(GK北村キャッチ)と先制攻撃に辿り着きます。
その後も、竹本が上村の脇でボールを受ける姿勢を取ったり、大西が前に出たりと形を変えながらの繋ぎで崩しを図る熊本。

それにより前半からさらに激烈に押し込まれる事となった藤枝ですが、追い打ちと言わんばかりにアクシデントにも見舞われます。
5分に島村のドリブルを反則で止めた榎本、この際に島村との交錯で自身が足を痛めてしまい。
その後もプレーを続けたものの、8分についに倒れ込んで続行不可能に陥ってしまいました。
長引きそうな痛み方だけに、「相方(?)の久保が移籍した事で、自分がやらなければ思いがあったんだろうな……」と感じさせながら、無念の交代となり。(田中と交代)

ポゼッションに安定感を得た熊本でしたが、好機を作るのは右サイドの推進力頼みという印象であり。
島村・大本の2段構えの体制で、強力ながらもそれしかないというような苦しさも滲み出るものだったでしょうか。
大崎の投入により高さが加わり、クロス攻撃もある程度有効となったものの、藤枝の粘り強さもありゴールを奪えません。
13~15分に、熊本のポゼッションvs藤枝のリトリートという対決となり、敵陣でひたすらボールを回す熊本。
そして大本が浮き球でエリア内を突いた事で好機となり、浮き球を繋ぎながら、エリア内へと加わった大本がマイナスのカットインで中央に流れたのち左へ横パス。
そして後方からの大西のシュート(枠外)と、フィニッシュには繋げたものの不発に終わり。

長い攻撃の熊本を尻目に、その後は藤枝の効率の良い攻めが繰り出され。
16分に浮き球を拾った横山が中央を進んだのち、エリア内のアンデルソンに浮き球を送り、こぼれた所を矢村が跳び込んでシュートしましたがゴールバーを直撃。
続く18分にはクリアボールを久富が落として好機となり、横山のミドルパスを受けた矢村がエリア内中央からシュート(GK田代セーブ)と攻め立てます。
後半も、しっかり守ったうえで一刺しを狙う姿勢は一貫していた藤枝、GK北村の素早いリスタートでサイド奥を突くというシーンも作り。(21分)

そして23分に得た右CK、これまでとは一転してボックス内は静の姿勢を取り、それを尻目にサインプレーでエリア手前へのクロスを選択する西矢。
横山がダイレクトでボレーシュートを放ち、ブロックされて今度は左CKとなると、再びボックス内で動き回る姿勢を取る藤枝。
これで熊本は揺さぶられたか、キッカー横山のファーへのクロスを西矢が折り返すと、熊本ディフェンス3人の間を抜けて(眼前の鈴木のシュートを意識したか動けず)小笠原の足下へ。
そしてダイレクトで放たれたシュートがゴールネットに突き刺さり、とうとう実を結んだ藤枝の姿勢。
先制点をゲットと同時に、飲水タイムが挟まれます。

一方またも後半にビハインドを強いられた熊本、キックオフの前に大西→阿部へと交代。
その後もボールを握って攻め込むものの、焦りからかロングパス・ミドルパスが悉く繋がらず好機を生み出せません。

そして31分、そのミドルパスを川島がカットして反撃に転じる藤枝、左サイドでの繋ぎを経て横山→西矢→久富と素早く経由してのサイドチェンジ。
久富がアーリークロスを送ると、ブロックに当たった事で逆に丁度良い塩梅で中央の矢村に収まるボールとなり、これが運命の分かれ道となります。
矢村のポストプレイからのアンデルソンのシュートこそ江崎がブロックしますが、上空にこぼれたボールをさらにアンデルソンが収めてのポストプレイ。
その後方でシュートの体勢に入った横山、ディフェンスに入られるもまたも逆にエリア内の久富への丁度良いスルーパスとなり、ワントラップから果敢に右足を振り抜いた久富。
ゴールバー下を叩きバウンドしてネットに突き刺さる強烈なシュートで、追加点を齎しました。

これで窮地に追い込まれてしまった熊本、33分に島村・松岡→粟飯原・東山へと2枚替え。
以降細かな崩しでアタッキングサードを突く余裕は全く無くなり、後方から粟飯原目掛けてのロングパスや、サイドから早めのクロスに活路を見出す事となり。

40分そのロングパスをエリア内で粟飯原が落とした事で好機が生まれ、拾った平川がキープを続けた末に、スイッチ気味に粟飯原がダイレクトでシュート。
しかしこれもGK北村の足でのセーブに阻まれ、どうしてもゴールを奪えません。
その後も粟飯原の落としで生み出される好機。
43分には黒木右→左への対角線ロングパスを、左ポケットで粟飯原が折り返し、竹本のヘディングシュートに繋がりますがGK北村がキャッチ。

そして45分、水野へのアフターチャージで上村が反則・警告を受けたというタイミングで、アンデルソンが足を攣らせて倒れ込んでしまう藤枝。
素早く交代措置を採ったものの、(2枚替えを選択した事が仇となったか)主審には交代が認められず数的不利のまま再開する事に。
それでも自身のフリーキックだった事が幸いし、蹴り出してアンデルソン・矢村→岩渕・レオナルドへと交代し事なきを得ます。

名古屋時代同様に、ボールキープで溜めを作って時間を進める事に貢献するレオナルド。
ロングボール重視となった熊本故に、攻撃を切ってボールを確保するのが容易となっただけに短い時間ながらその役割は重要といった感じでした。
さらに小笠原が足を攣らせて交代(中川創を投入)というアクシデントに塗れましたが、無事に試合終了まで辿り着き。
0-2で勝利を挙げた藤枝、9試合ぶりの勝利で勝ち点を40に乗せました。

その内容は理想をかなぐり捨てたもので、開幕前に「理想のサッカーを追及し続け、際どい残留争いはしない(10位前後か降格か)」と予想を立てていた自分としても驚きのものであり。
ここに来て現実的な方向に針を振ったその姿勢は罪の部分もあるものの、渡邉・久保を失った故の転換と割りきれば、リバウンドは最小限で済むかもしれません。

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