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DAZN観戦 2023年J2リーグ第38節 東京ヴェルディvs大分トリニータ

2023-10-12 16:00:42 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回のヴェルディの記事はこちら(34節・山口戦、2-0)
※前回の大分の記事はこちら(34節・甲府戦、2-3)

<ヴェルディスタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節までの4-1-2-3(守備時4-4-2)から、完全な4-4-2へとシステム変更。齋藤が左サイドハーフを務め、染野・河村の2トップに。
  • 特別指定で在籍中の白井が来季加入内定。

<大分スタメン>

  • 前節(大宮戦、0-1)出場停止の渡邉がスタメンに復帰。
  • 鮎川がU-22代表に参加(アジア大会)のため離脱中。
  • 前節は3-4-2-1との事で、今節は坂がSBになっての4-4-2にシフト。
  • その坂は長期離脱から復帰し、前節で今季初出場。
  • 刀根の負傷が発表されるも、発生日・全治ともに未発表。(34節にベンチ入りしているので、9/10以降か)
  • 野村の負傷が発表されるも(以下同文、36節(水戸戦、1-0)に出場しているので9/24以降か)

前節のショッキングな敗戦で、昇格争いに暗雲漂う状況となってきた大分。
残り5戦で、プレーオフ圏外という追い掛ける立場にいる以上、内容より結果といった思惑に陥るのは仕方無く。
坂の復帰で3バックとなった前節ですが、そこからさらに微調整して4バックに戻して臨んだこの試合。

前半1分、弓場のパスカットからダイレクトで繋いでいき前進、中央から渡邉がシュート(GKマテウスキャッチ)とファーストシュートに辿り着き。
その後も2分にコーナーキックから、ショートコーナーを挟んでのクロスを経てペレイラがヘディングシュート(枠外)と、幸先良くフィニッシュを重ねる立ち上がりとなります。

そんな大分のサッカーに対し、流石は常に上位を保ってきたチームと見るべきか。
あるいは昇格に向けて後が無い状況故の焦りを感じるべきだったか。
一方相対したヴェルディは、ロングボールでの逃げを強いられるシーンが多く、中々流れを作れないでいたのでこの時点では判別できず。

大分は左サイドでの前進の際にも、右SHの町田がそのパスワークに加わってくるなど人数を掛ける攻撃。
ヴェルディに容易にカットされない体制を築けては居たものの、ここでもここまで極端にしなければならないという、焦りも感じたのは自分だけでしょうか。
そんな不安を余所に、12分に縦パスに入れ替わって前を向いた弓場がシュート(ブロック)、15分に渡邉がエリア内を突いてシュート(GKマテウスキャッチ)と量産される大分のフィニッシュ。

しかし16分、ヴェルディはこの日初と言っても良い、最終ラインからの繋ぎによる好機。
パスワークから林が右へロングパスを送り、セカンドボールを確保した中原の前進に対し、梅崎が激しいデュエルを仕掛けるも奪えず。
そしてカットインから中央へ繋ぎ、齋藤のポストプレイを経て稲見がミドルシュートと、流れるような道筋を経てのフィニッシュは豪快にゴール右へと突き刺さります。
大分の意気込みとは裏腹に、先に得点に辿り着いたのはヴェルディ。

これによる狼狽はいかほどであったか。
直後のキックオフから、最終ラインに戻して攻撃体勢を作るという所で、トラップの隙を突かれてしまうペレイラ。
ボール奪取に成功した染野をあろう事か引っ掛けてしまい、反則の笛を鳴らした主審(清水修平氏)はペレイラにカードを突き出し。
そしてその色は赤であり、DOGSOと判断されての一発退場の処分が下されます。
こうしてビハインドを跳ね返す作業を、数的不利でしなければならない状況となってしまった大分。

尚もヴェルディの直接フリーキックと好機は続きましたが、キッカー染野の直接シュートは壁が防いで追加点は許さず。
以降、羽田がセンターバックに、渡邉がボランチに降りて4-4-1の布陣で最後まで戦い抜く事となります。

立ち上がりとは一転して、冴え渡るヴェルディのポゼッション。
当然ながら一人少ない状況でそれを阻みにいくのは難しく、リトリートを余儀なくされる我慢の展開となる大分。
その苦しさは攻撃でも見られ、何処かで頑張りを見せなければ前に運べず、仮に好機となっても前掛かりによるカウンターを受ける事だけは避けなければならないという立場。
23分に左サイドを伊佐が倒れながらもポストプレイで繋ぎ、受けた弓場が切り込んだものの、結局はアーリークロスを選択せざるを得なかった(誰にも合わずGKマテウスが抑える)のはそんな思惑を強く感じました。

攻撃も守備も苦しいのは承知という大分。
31分に自陣でのパスミスからヴェルディに好機を与えてしまうと、右サイドを中原がドリブルし、そのまま右ポケットを突いてシュート。(羽田がブロック)
こうした自発的なミスによる失点だけは、少なくとも避けなければなりません。

そんな思惑が強くなった影響か、32分以降ヴェルディが攻撃権を独占する展開に。
専守にも近い状態は決して褒められるものではないものの、先日の長崎vs町田の惨状(36節・数的不利となった長崎が0-6の大敗)を覚えているのならば、その戦い方は納得できるものであり。
とにかくロースコアを保ち、数少ない好機に全てを賭けるという立ち回り。

ただしその戦い方は、ヴェルディサイドの理想とも被っている(0-0の時間を長くする)ため、大分の状況は痛いほど良く解っていたでしょうか。
自身も決して無理をする事無く、敵陣でひたすらパスを繋いで隙を窺うという戦い方を徹底。
1-0で終わるのならばそれで良いと言わんばかりに、時間を使っていきます。

それでも43分、CKからの二次攻撃でひたすらパスを繋ぐヴェルディ。
左から齋藤がクロスを上げ、染野が合わせにいくもその前でクリアした坂とパッティングの形となってしまい反則に。(染野に警告)
坂は長らく倒れ込んだものの何とか無事に起き上がりプレー続行。
これで流れが乱れる格好となったか、45分に左サイドから攻める大分。
伊佐が奥を取り、戻しを経て香川が再度奥へと切り込んでのクロス、これが直接ゴールバーに当たるという際どい絵図となります。(ただし手前でゴールラインを割ったという判定に)

これだけでは終わらず、アディショナルタイムではゴールキックでのロングフィードから、抜け出した河村が香川に倒されて反則。
またDOGSOか、と疑われるようなシーンだったものの警告に止まり。
しかしこれによる右ハーフレーンからのFK、キッカー中原はゴールに向かうクロスを入れると、手前で染野がフリックでコースを変えるようなシュート。
裏を掻いた格好となりましたが、ゴール左へ外れて追加点はならず。
結局1-0のまま前半終了となります。

ひたすら我慢を強いられた大分ですが、尚もその姿勢は続き。
ハーフタイムでの交代は行わずと、既存メンバーを出来るだけ引っ張る選択を採りました。(ヴェルディサイドも交代無し)

ともに中々攻撃が形にならない入りとなった後半。
先にフィニッシュに辿り着いたのはヴェルディで、後半5分左ハーフレーンを谷口→森田→加藤と運んでいき、ポケットへのスルーパスに走り込んだ河村がシュート。(GKテイシェイラが前に出て防ぐ)
これ以降、谷口のボールキープを軸にしつつ、SB(加藤)とSH(齋藤)がそれぞれワイド・ハーフレーンに1人ずつ立っての左サイドアタックが常態化する事となり。

かくして後半も押し込まれる状況を強いられた感のある大分ですが、10分過ぎから押し返し。
11分、GKテイシェイラの縦パスでプレッシャーをいなしてから前進、左サイドで梅崎がクロスに辿り着き。
数的不利でも、ボール保持を軸に攻め込む覚悟が生まれたでしょうか。
その後も苦戦が続いたものの、攻撃が途切れた後のゲーゲンプレスや、反則気味のボール奪取でヴェルディに流れを渡さずに攻勢を続けます。

それでもフィニッシュには辿り着けず。
16分に自陣でのデルランのディフェンスから縦に速く運び、ミドルパスを伊佐がポストプレイで繋いだ所を梅崎がミドルシュート。(枠外)
やはり決定機を得るには、こうしたトランジションの切り替わりを狙いたい所でしたが、リスク回避重視のヴェルディが相手ではその可能性も低く。
このフィニッシュを最後に、大分の攻勢は途切れる事となります。

再び敵陣でサッカーを展開し、「追加点を匂わせつつも、リードを保てればそれで良い」という体勢に入るヴェルディ。
前述の左サイドの関係性を軸にポケットを突くシーンも増えていきますが、それでも大分に好機に持ち込ませない事を第一としていた感があり。

後半も半分を過ぎ、このままではいけなくなった大分。
25分にベンチも動き、町田・梅崎・伊佐→松尾・藤本・長沢駿へ交代と一挙に3枚替えを敢行します。
一方のヴェルディも、26分に加藤→平へと交代。

以降前への意識を高める大分に対し、ヴェルディは弓場にチャージされた森田がヒートアップする場面(28分)もありましたが、冷静な立ち回りは基本変わらず。
敵陣でボールポゼッションを高める姿勢を保ちながら、無理攻めはせず後方に戻して作り直すというスタイルを徹底。
大分は折角の交代策も活かせず、好機すら作れないままズルズルと時間を浪費する事となり。

大分の次なる交代は36分で坂→高畑へと交代、高畑が左SBに入った事で香川が右SBに回り。
直後にその高畑を軸に左サイドを多少強引に運んでいき、ようやくクロス攻勢に辿り着く大分。
しかし2本目の香川の右からのクロスがブロックされると、ヴェルディのカウンターを招く(シュートには繋がらず)という具合に、前掛かり故のリスクも発動する事となります。

終盤までリードを保つヴェルディ。
大分同様に昇格争いへのプレッシャーが強い状況ながら、それに屈せず緊張感のある戦いをこの日も貫き。
そして41分こちらも2度目の交代を敢行し、齋藤・河村→綱島・山田。(森田が左SHへシフト)

何とかその統率の取れた布陣を崩したい大分、直後の42分にデルランのロングパスを左サイドで受けた藤本がカットイン。
中央まで流れた末に右へと展開と、大きく動かした末に松尾がグラウンダーでクロスを入れ、そこに藤本が走り込み。
しかし手前でクリアされて実らず。
43分にはまたもヴェルディのカウンターとなり、一旦遅らせたものの遅攻から好機を作られ、森田が左奥からマイナスのカットインを経てグラウンダーでクロス。
中央でのポストプレイを経て綱島がシュート(ブロック)と、やはりフィニッシュに辿り着くのはヴェルディの方であり。
それでも最後まで追加点は許さずと、大分は10人での粘りは発揮していただけに、先制点と退場劇が悔やまれる流れとなりました。

そして突入したアディショナルタイム、やはり長沢駿狙いのパワープレイしか採れる手段が無く。
最後の交代は用意したものの大きくズレ込み(香川→保田)、結果的に+2分に代えざるを得なかったのも運の無さを感じ。

それでもヴェルディサイドも最後の最後に2枚替え(中原・染野→奈良輪・山越)を演じ、直後に自陣からのFKで放り込みを選択する大分。
これが左サイド奥にこぼれ、拾った藤本から好機になりかけたものの、最後は羽田のパスミスで終了となってしまいました。

そして試合終了の笛が鳴り。
4試合ぶりの勝利で依然として自動昇格狙いを保ったヴェルディに対し、大分は11位とトップハーフ最下層へ転落。
内容も結果も厳しいといった試合でしたが、残り少ない状況で巻き返しは果たせるかどうか。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第38節 大宮アルディージャvsレノファ山口FC

2023-10-09 16:00:30 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の大宮の記事はこちら(33節・山形戦、1-1)
※前回の山口の記事はこちら(34節・ヴェルディ戦、0-2)

<大宮スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節(大分戦、1-0)出場停止だったカイケが復帰も、ベンチスタート。
  • 36節(徳島戦、1-0)から4バック(4-4-2)へとシステム変更。前掛かりな守備体勢へと意識を変えたとの事。
  • 室井がプロA契約を締結。

<山口スタメン>

  • 池上が累積警告のため出場停止。
  • 35節(磐田戦、0-0)からフォーメーションを3-4-2-1へと固定化。
  • 33節(水戸戦、1-2)で負傷交代した高橋の詳細が発表され、全治6週間との事。

降格街道をひた走る……という状態だった大宮。
それがこの度の連勝で、絶不調の21位・金沢と勝ち点で並ぶ所までこぎつけ。

しかし残留のためには20位に上がる事が必須なのは変わらず、そことの勝ち点差は9。
残り5試合でそれを詰めなければならないという状況に、傍らから見れば無理ゲーの予感しか無く。
リーグ前半の戦いを後悔の念で振り返る……というのは全て終わってからで、当事者にしてみれば開き直って高いハードルに挑むだけであり。
この日の相手はその20位・山口で、勝てば勝ち点差を詰められる貴重な直接対決。

その「開き直り」を表すように、オーソドックスな4-4-2の布陣によるプレッシングサッカーに活路を見出す大宮。
この日もそれは健在で、ハイプレスで山口の最終ラインを混乱させる事に成功します。
前半3分相手のトラップミスを高柳が拾い、スルーパスを受けた岡庭がカットインでポケット奥を取り、そのままシュートにいきましたが角度が足りず枠外に。
対する山口も直後のゴールキックから、短く繋ぐ姿勢を取ったうえでのキムボムヨンのロングパス、これを梅木が収めて好機に持ち込み。
右サイドでの吉岡の切り込みを混ぜた末に、五十嵐の中央からのシュートが炸裂しますが浦上がブロックで防ぎ。

負けが許されないだけに、早々にリードを与えてしまうのは避けたい大宮。
サッカー的にもプレッシングに舵を切った以上、こうした山口サイドの「組み立ての中でのロングパス」すら許したくないというのがあったでしょう。
8分・9分と立て続けに、蹴らせるロングボールに持ち込んだ末にそれを回収してから好機を作り。
後者ではGK関にまでプレッシャーを掛けにいき蹴らせるなど、果敢な姿勢をホーム(NACK5スタジアム大宮)の場で見せていき。
やはりこうした積極性をある程度披露していかなければ、スタンドとの一体感は生まれない、といった所でしょうか。
そうした観点からもこの試合(27節・水戸戦、0-0)のような、最初から5バックで守備を固め、相手のミス待ちとも取れるような立ち回りは誤りだったようであり。

そして結果に繋がったのが15分。
山口が敵陣に持ち込むも、そこでのパスミスを回収して反撃に入る大宮、それを待っていたかのように最後方から一気に走り込んだのは岡庭。
小島のスルーパスを受けて右サイド奥を取ってカットインと、3分と似た状況を作った末に今度はクロスを選択し、ファーサイドで室井が合わせヘディングシュート。
ゴールに突き刺さり、3試合連続の先制点に無事に辿り着きました。

スコアが動いたのちも、次々と好機を生み出す大宮。
20分には山口のプレッシングを受けるも、袴田のロングパスをアンジェロッティが収めて無事に脱出した末に、スルーパスで裏を突き。
これにより抜け出そうとした室井がキムボムヨンに倒されて反則となり、警告が付き出されたものの、大宮サイドはDOGSOによる一発レッドをアピール。(当然ながら覆らず)
相手のエラーを生み出しての抗議はあの時(水戸戦、ロングボール一本による攻撃でエリア内での反則疑惑を生み出す)もありましたが、当時とは違い積極性によってのものなので傍らからでも清涼感がありました。
これで得た直接フリーキック、キッカー高柳の直接シュートは壁を直撃し、跳ね返りを再度高柳が撃ちましたが枠外となり実らず。

そんな大宮の雰囲気に、圧されるのは必然といった感じのこの日の山口。
25分に再び最終ラインからの繋ぎで大宮のプレッシングを受けるも、自陣右ワイドから吉岡が中央へ小さい浮き球を成岡へ通した事で何とかいなし。
そして逆の左サイドでの繋ぎから、ヘナンのサイドチェンジでまたも右サイドで前進と、サイドを振り続けた末に吉岡がクロス。
この手前からのクロスを、ニアサイドで五十嵐がフリックの体勢でヘディングシュートを放ちましたが、惜しくもゴール左へ外れ。

これが切欠となり、ボールポゼッションを高めて反撃に掛かる山口。
やはりプレッシングの激しい相手には、一度それを剥がしての好機を生み出す事で勢いを弱めるのが何よりの良薬となり。
しかしエリア内へ進入しても、そこでの市原を中心とした大宮の粘りもありフィニッシュには持ち込めず。
35分キムボムヨンが斜めの縦パスを五十嵐へ通して好機に持ち込むも、吉岡のミドルシュートはブロックされ、こぼれ球を成岡がヘッドでエリア内へ運ばんとするも実らず。
遠目から撃つ事を余儀なくされていた感がありました。

流れを山口がモノに出来ずにいると、それが反転するのは必然的でもあり。
41分にクリアボールをアンジェロッティが収めると、ボールキープからのスルーパスを受けた茂木が左ポケットからクロス。
ブロックされたこぼれ球をアンジェロッティがダイレクトで撃ち、GK関がセーブと、前掛かりな相手の裏を突く攻撃も冴え始める大宮。
その後は山口サイドの反則が膨らみ、そこからのFKで脅かす流れに。
45分に左ワイドからのFKを得ると、キッカー高柳はゴールへ向かうクロスを送り、GK関がダイレクトでキャッチして防ぎ。
アディショナルタイムに今度は中央からのFK、しかし距離は遠いという所で、放り込みを選択する高柳。
エリア内左へ上げたボールを市原が合わせましたが、放たれたヘディングシュートはGK関がキャッチ。
理想の流れに持ち込んだ大宮でしたが、追加点は奪えないまま前半を終える事となりました。

反対にいかにも劣勢といった感じの前半を強いられた山口。
選手交代に舵を切り、ハーフタイムで2枚替えを敢行します。(佐藤・田中→矢島・野寄)

後半1分にその代わって入った野寄を軸に攻め込む山口。
野寄のドリブルからのパスを受けた河野、縦パスを送ったものの前に入った野寄に当たってしまい。
しかしこぼれをすかさず河野が繋いで継続、左サイド奥で受けた梅木がクロスを入れると、これが(ブロックに当たって?)ゴールに直接向かうボールとなってGK志村が何とか弾き。
偶発性の高い繋ぎながらも、最初の好機でコーナーキックに持ち込み(ここからはフィニッシュに繋がらず)、何かが起きそうな予感を孕ませる入りとなります。

その後も野寄の居る左サイドから攻勢を掛ける山口ですが、5分にその左サイドアタックを岡庭がパスカットして遮断。
すると岡庭が野寄のアフターチャージを受けたのを尻目に前に運ぶ大宮、室井のドリブルがさらに成岡に倒された所で反則の笛が鳴り。
これで前半終盤の流れと同様にFKの好機を得る(岡庭は無事に継続)と、右サイドという位置からキッカー高柳はファーサイドへクロスを上げ、袴田が折り返し。
これが誰も触れず逆サイドへ転がるボールとなると、後方から石川俊のシュートが放たれ、中央ゴール前で茂木がコースを変えましたがGK関がセーブ。
尚もゴール前で混戦となり、掻き出されたボールを再度石川俊がシュートし、GK関がキャッチ。

何とか凌いだ山口でしたが、その後攻撃機会を得れない時間が続くという具合に、まさに岡庭のカットで流れを分断された格好となり。
そして11分の大宮の攻撃、自陣からのスローインをダイレクトパスの連続で運んでいき、受け直したアンジェロッティが中央をドリブルで突破。
力強い運びを経てそのままミドルシュートが放たれると、GKの手前でバウンドする難しい軌道を描いた末にゴール右へと突き刺さります。
残留への道筋を見出さんとするような華麗な追加点に、盛り上がるホームのスタンド。

2点差を付けられた山口、13分に河野→皆川へと交代。(梅木がシャドーへシフト)
その後前半32分のシーンのような、吉岡のアーリークロスを中心とした攻撃へとシフトします。
16分にはその吉岡のクロスの跳ね返りを自ら拾って繋げる吉岡、左へ展開ののち野寄がエリア手前からシュートを放ちましたがGK志村がキャッチ。
しかし劇的な効果は生まれず、その後は「ボールを握らされている状態」を強いられる事となり。

一方の大宮、20分に最初のカードを使い、得点を挙げた2トップをともに退かせ。(アンジェロッティ・室井→富山・中野)
やはりプレッシングサッカー(後半からはハイプレスにはいかずボランチの位置で構えるのが中心の2トップ)での負担増が、というカードの切り方となりましたが、この日は結果を出した事で明るい交代となったでしょうか。

流れを変えたい山口は24分に再度交代に踏みきり、吉岡→平瀬。
これにより平瀬が右センターバックに入る事で、前がボランチに・矢島が右WBにと玉突き的にシフトします。
良いプレーも見せていた吉岡でしたが、停滞感には逆らえず攻め手を変えるべくの標的にされた感があり。

しかし大宮も同時に石川俊→カイケへと交代し、これによりカイケがリベロの位置に入った事で5バックシステム(3-4-2-1)へ移行。(高柳がボランチにシフトし、1トップは中野)
以降スペースが無くなる事で、ますます崩しの難度は上がり。

31分には大宮陣内でイーブンとなったボールに対し、ヘナンが後追いで拾いにいった富山を倒してしまう格好となり、反則・警告を受け。
大宮の意識改革の前に、どうしても球際の勝負でも遅れがちとなっていた山口。
それでも大宮サイドもその弊害か、33分に小島が足を攣らせるなど被害は膨らみ始め。

35分に最後の交代を使う山口。
五十嵐→神垣へと交代し、これにより前をアンカーとした3-3-2-2(3-1-4-2)気味の布陣となり。
ミラーゲームを強いられていた状況から、微妙なズレを生み出して最終段階を迎え。

直後の攻撃は35~36分で、長くポゼッションを続けた末に、左ワイドの位置で野寄が岡庭に反則を受けてFKに。
ここからFK→CKとセットプレー攻勢で、右CKから皆川がニアでヘディングシュートを放ったもののゴール左へと外れ。
大宮も直後に小島・袴田→栗本・飯田へと2枚替えし(茂木が左WBへシフト)、終盤戦を迎えます。

何とか押し込む流れを作った山口ですが、それでも守備を固める大宮の前に、手前からのクロスに活路を見出す他無く。
迎えた43分、右からキムボムヨンのクロスが跳ね返されると、逆の左で拾った成岡が再度手前からクロス。
これをファーサイドで矢島が合わせると、弧を描きGK志村を越えてゴールに吸い込まれる絶妙なループヘッドとなり。
1点を返し、望みを繋げます。

スコア的に全く判らなくなったものの、その後大宮の前掛かりな姿勢が復活する事にもなり。
それに押し負けた山口は、自陣深めからのスローインを跳ね返され続けるなど、攻めの流れすら作れない状況となります。
そして右コーナーでのボールキープの機会を幾度も与えてしまい、時間を使う大宮。

何とか断ち切った山口、ヘナンを前線に上げて同点を狙いにいく体勢に。
野寄の左手前からのクロスで右CKを得て、そのスタイルを活かさんとします。
しかしキッカー矢島のクロスから齎されたものは、それをダイレクトで抑えたGK志村に対し、アフターチャージで倒してしまったヘナンの姿。
そしてそれにより2度目の警告を受けた事による退場処分という判定でした。
納得出来ないながらもピッチに下がるヘナンを見て、大勢定まったかという実感を得るに至り。(尚、この際にヘッドコーチの中山元気氏にも異議で警告)

尚も試合は続きましたが、山口が攻撃機会を得れないままついに試合終了の笛が吹かれ。
これで今季初の3連勝となった大宮、山口(と栃木)との勝ち点差は6となり。
尚も勝利を重ねるのは必須という状況ですが、奇跡が必要ならば起こし続けるしかない。
そんな開き直りを下にして、ようやくサッカーの内容も良化してきたという印象でしたが、実を結ぶとなるでしょうか。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第37節 FC町田ゼルビアvsいわきFC

2023-10-05 16:01:20 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の町田の記事はこちら(33節・群馬戦、0-0)
※前回のいわきの記事はこちら(32節・熊本戦、4-2)

<町田スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 元ガンバのアデミウソンが中国・武漢から完全移籍で加入し、34節(栃木戦、0-1)から登録される。即スタメン出場も、以降ベンチ外が続く。
  • 芦部(関東学院大)の来季加入が内定し、同時に特別指定となり34節から登録される。

<いわきスタメン>

  • ホームスタジアムにネーミングライツが導入。取得した磐興産株式会社により「ハワイアンズスタジアムいわき」へと名称変更となる。
  • 前節(金沢戦、1-0)から再度フォーメーション変更。4-1-4-1へ戻すも、宮本・山下の2枚看板が両サイドバックを務める新システムに。
  • 嵯峨の負傷が発表され、35節(群馬戦、0-1)で発生して全治3ヶ月との事。
  • 夏に加入したエンリケが前節初のベンチ入り、今節も継続してベンチに入る。

最終盤を迎えても、首位の座を守る町田。
これまで散々述べた通り、異色かつ新興勢力の脅威をまざまざとJ2に見せ付ける格好となっていますが、それ故に対抗する勢力のマークも厳しくなり。
前回観た群馬戦が象徴的で、睨み合いの時間が大多数を占めての接戦に持ち込まれてのスコアレスドロー。
以降も無得点に終わる試合が多く、思うように勝ち点を伸ばせなくなってしまいました。
それでいて勝利する時は大量得点(山形戦・長崎戦)と、不安定なチームが陥りやすい逆転現象に。
2位以下の鍔迫り合いが激しくなるなか、このまま逃げきれるかどうかという不安が過る状況になって来ました。
そしてこの日の相手は、新興勢力という面では謙遜無い昇格組のいわき。

町田のキックオフからの攻撃、いきなりロングボールをデュークが落としてエリア内へボールを届けるというお馴染みの脅威を見せ付け。
その流れのままにコーナーキックを得て(前半2分)、キッカー鈴木のクロスを池田が合わせる(ミートせず逆サイドへ)という悪くない入りを演じます。

しかし新興勢力らしさを見せるいわき。
前節からの、宮本・山下が両SBを務める新システムの前に、前線が獲り所を見出せずにプレッシングを利かせられません。
放送席(解説・戸川健太氏)では、「宮本と山下がボランチの位置に絞ってプレーする」と語られており、それを(試合前に)初めて聞いた時自分はやや錯乱状態となり。
いくら本職ボランチの2人かつアンカーシステムといえど、極端にSBとしてのの仕事を捨てる事はあり得るのか、などといった考えが浮かんでは消えるに至りました。

しかし現したそのシステムは単純に言えば、「ビルドアップの際にSBの上がりを抑制する」事を基本とする、といった所でしょうか。
センターバックがボールを持ってのビルドアップ、宮本・山下が思いきりワイドに張って横幅を大きく取り。
フォーメーション的に言えば2-3-5という形で、前線に5人が張る事で町田の後方も容易に前に出れない状況を作っていました。
こうした上で、サイドから下田栄に受け渡す事で前線のチェックを無効化し、かつ彼の前方に広大なスペースが生まれるに至ります。

そんな体勢を基本としながら、ゲームを動かすのはやはり宮本・山下の2人。
彼らがオーバーラップするのはサイドハーフがボールを持ってから、というありがちな姿勢を軸に、様々に動き回って相手を攪乱させに掛かり。
17分宮本が中に絞ったうえで、左サイドを上がった山下が遠藤の縦パスを受けて攻撃開始。
カットインの姿勢から中央へ送り逆へ展開、有田の右ポケットからのクロスがブロックに当たり、その跳ね返りを上がってきた宮本がボレーシュート(GK福井キャッチ)でゴールを脅かし。
23分にはGKからの組み立ての中、宮本が右ハーフレーン最前線に位置取ったのち、遠藤の縦パスを降りて受け。
ここから下田栄を経由して岩渕が中央突破(敵陣浅めで止められる)という流れを作ります。

町田はその新たなスタイルに対応できず、マイボールの際もロングボール攻勢が主体なので、大抵はあっさりボールを捨てる事に繋がり。
その結果、尚もいわきの多彩な攻めを受ける時間が膨らむという悪循環に陥ります。

26分の攻撃でCKを得た町田、ここから2本続けるセットプレー攻勢に。
この流れは大事にしたい所でしたが、2本目からの二次攻撃で、上がったクロスに合わせにいったデュークと松井が被ってしまい撃てず。
するといわきのターンとなり、29分例によって右サイド前に位置取った宮本のポストプレイをダイレクトで吉澤が低い弾道でのサイドチェンジ、これが綺麗に谷村に渡り。
ここから左ポケットまで運び、山口のクロスはブロックされるも中央で宮本が拾って尚も継続、細かく繋ぎながらシュートコースを探す体勢に。
そして下田栄がキープする所松井に倒され、反則となりエリアからすぐ手前という絶好の位置で直接フリーキックを獲得します。
このキック、町田サイドが入念に壁を作った中で名手・山下が左足で放ったシュートがそれを嘲笑うかのように越え、かつ落ちてゴール左へと突き刺さります。
文句のつけ所が無い攻撃の流れかつFKで、先制したいわき。

目の色を変えて攻める町田。
しかし2トップを中心に圧力を掛けて……という大まかなスタイルは変わらず。
今度は敵陣でスローイン攻勢という体勢で、翁長のロングスローを交えながら押し込み。
そして36分、遠目からの右スローインながら、デュークの落としを繋いで逆サイドへ展開に成功。
奥に切り込んだ沼田がカットインでゴール目前に迫りマイナスのクロス、これを中央で平河が合わせましたが、このシュートはゴール寸前で岩渕のブロックに阻まれます。

すると再びいわきの攻撃が牙を向き。
この辺りは先程の先制点までの流れといい、「ボールポゼッションで試合を落ち着かせる」選択肢を採れない町田の悲しい性でしょうか。
37分には、谷村のラフなロングパスをエリア内で受けた岩渕がシュート(GK福井キャッチ)と、相手のお株を奪うようなアバウトな攻めからフィニッシュに繋げるいわき。
39分には左サイドから前進ののち、谷村の戻しを下田栄がダイレクトで縦パス、受けた岩渕がミドルシュート(ゴール右へ外れる)とまたも岩渕のフィニッシュ。
深さを警戒させたのちに、中盤の下田栄のキラーパスを活かすという相手を困らせる立ち回り。

そして41分、ここも敵陣で拾った下田栄から中央をパスで前進。
谷村→岩渕へのパスはズレるも、クリアを拾った谷村がそのまま果敢にミドルシュート。
再びGK福井にとってはノーチャンスという華麗なシュートが突き刺さり、前半のうちに追加点を齎します。

その後も町田にさしたる好機を与えず、0-2のまま前半を終わらせたいわき。
首位チームの逆襲が予想されるものの、その多彩な攻撃を軸に最良の内容・結果という45分間だったでしょうか。

当然ながらハーフタイムで巻き返しを図る町田、松井・沼田→下田北・バイロンへと2枚替え。
平河が左SHにシフトと、メンバー入れ替えに活路を見出しました。

しかし効果が表れる前に、いわきがさらに試合を動かします。
キックオフからのいわきの攻撃を切った町田が前進を図るも、遠藤が前に出てパスカットして矢印を反転させると、そのまま攻撃参加する遠藤。
持ち運びからボールを手放したのちも前に位置取り、左サイドを細かく繋いだ末に山下が左ポケットへ進入、そのままふわりとしたクロス。
これを遠藤が左足で合わせてゴールに突き刺すという、流れの中でのCBのゴールを後半早々の1分に生み出しました。
これで3点のリードを奪ったいわき。

3分に右からの(鈴木の)ロングスロー、デュークのフリックを経て平河が跳び込んでのヘディングシュート。(GK鹿野キャッチ)
こうしたセットプレーからの脅かしに賭けるしかない……という訳にはいかず、流石に最終ラインからのビルドアップに努めざるを得ない町田。
下田北の投入で繋ぐ能力が向上したのは幸いとなり、5分にそこから長短交えながら繋ぎ、左ポケットに持ち込んで翁長がクロスに辿り着いて左CKに。
そしてキッカー鈴木の中央へのクロスにチャンミンギュが合わせ、放たれたヘディングシュートがゴール右へと突き刺さります。
マークしていた藤尾の手前に入り込まれて合わされてはいわきサイドも成す術無いという格好で、1点を返して反撃の狼煙を挙げた町田。

それも束の間、いわきの攻撃に晒される展開は続き。
7分に谷村が左ワイドをドリブルで駆け上がり、カットインでポケットに進入してグラウンダーのクロス、ファーサイドで有田が跳び込むも僅かに合わず。
9分にロングパスで裏に抜けた岩渕が翁長に反則を受け、右ワイドからのFK。
キッカー岩渕のクロスを家泉が折り返し、GK福井が足で触ったこぼれ球を吉澤がシュートと、決定機を作りましたがふかしてしまい枠外に。

4点目で試合を決められるのは避けられたものの、その後もいわきの攻勢が続き、再び流れを変えたい状況となった町田。
再度の交代は16分で、翁長→荒木に交代するとともにフォーメーションを変更。
3バックへと変更し、下田北がアンカーとなる3-3-2-2(3-1-4-2)へとシフトします。(鈴木が右CBに回り、ウイングバックは右にバイロン・左に平河)

直後の攻撃で左CKを獲得したいわきですが、キッカー岩渕のクロスをGK福井が跳び出して掻き出し、これをデュークが拾った事で町田のカウンターに。
中央を一気にドリブルで突き進むデューク、右ポケットへスルーパスを送りバイロンに託しますが、トラップ際を戻った岩渕に奪われてしまい実りません。

難儀していた下田栄への対策も、ボランチだった安井が一列前になる事で何とか様になった感があり。
といっても激しい寄せで、下田栄が何度もチャージを受けて倒れ込むシーンと共に……というあまり褒められたものでは無い絵図でしたが。
球際勝負となって来た所で、21分にはCBの遠藤が足裏でのスライディングでバイロンを倒してしまい、反則・警告を受け。
劣勢の感が見え始めたいわき、24分にこちらもベンチが動き3枚替えを敢行。
有田・山口・岩渕→江川・石田・永井へ代え、SB2人が投入された事で宮本・山下がインサイドハーフに回ります。

しかしその交代選手をアクシデントが襲います。
28分町田のCKからの攻めを防いだのち、右サイドで石田(左SBだが、セットプレーの流れで右に回っていた)が鈴木に反則を受けると、そのまま倒れ込んでしまい起き上がれず。
続行不可能のサインが出され、担架で運ばれ無念のインアウトとなってしまいました。
故障者続出という台所事情で、投入されたのは11試合ぶりの出場となった鏑木。
これにより宮本が右SBに戻る事となりました。(右SBの江川が左SBに)

当然ながら相手の苦しみに同情は許されず、反撃体制を採る町田。
右サイドでバイロンの突破力を活かさんとしますが、左に回った江川の守備力に難儀し進めなくなるシーンが目立ちます。
止むを得ず彼のキープを囮とし、戻しを経て鈴木がミドルパスで裏を突く狙いへと切り替え。
32分には奥でそのパスを受けた荒木がエリア内に走り込む下田北へと送り、彼のマイナスのクロスにデュークが合わせましたが枠を捉えられず。

いわきはさらにアクシデントに襲われ、33分に吉澤と遠藤が同時に足を攣らせてしまい。
交代枠は1つしか残っておらず、代えの利かないCBという事もあり遠藤を残し、吉澤→杉山へと交代。
この杉山も24試合ぶりの出場と、やはり駒不足感は否めず。
これを境に山下・下田栄のドイスボランチとした、オーソドックスな4-4-2の布陣を採ります。(2トップは杉山と谷村)

ここからいわきが押し返し攻勢に入るものの、何とかそれを切った町田。
迎えた40分、ここも先程と同様に右サイドでバイロンにキープさせ、そして鈴木が裏のスペースを突くという攻撃。
これを2度繰り返したのち、再度の戻しから鈴木がクロスを入れる役割を演じると、手前でバウンドした所をニアでデュークが脚先で合わせます。
これがゴール右へと突き刺さり、終盤で1点差に詰め寄った町田。

試合の行方は全く判らなくなり、その雰囲気を背に受ける町田は尚も攻め上がり。
43分再びバイロンが江川と対峙する絵図となり、今度は反則を受けてチャンスメイクを果たしたバイロン。
右ワイドからのFKを得ると、キッカー鈴木のクロスが中央に上がり、GK鹿野が跳び出したその手前に入り込んだチャンミンギュがヘディングシュート。
しかしジャストミート出来ず、ゴール左へと外してしまい同点ならず。

45分に最後の交代を敢行、安井→藤原へと交代した町田。
ターゲットを増やした事で、完全なパワープレイ体制を採りアディショナルタイムを迎えます。

しかしいわきも文字通り最後の力を振り絞り、町田のロングボール攻勢を跳ね返し続け。
久々に出場の鏑木も右コーナーでのボールキープを演じ、時間を使いチームに貢献します。
そして6分のATをフィニッシュに持ち込ませず、試合終了の笛を聴き。
それに伴い歓喜の輪を作る、ピッチサイドの田村雄三監督とベンチスタッフ。
首位チーム撃破を成し遂げた達成感に包まれた、まさに「魂の息吹くフットボール」という絵図になりました。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第37節 モンテディオ山形vs徳島ヴォルティス

2023-10-04 17:03:02 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の山形の記事はこちら(33節・大宮戦、1-1)
※前回の徳島の記事はこちら(32節・金沢戦、1-0)
※前回対戦時の記事はこちら(21節、徳島 1-1 山形)

<山形スタメン> ※()内は前試合のスタメン

  • 35節(岡山戦、2-0)で負傷交代した熊本が2試合ぶりにベンチ入り。

<徳島スタメン>

  • 前試合は38節で、熊本が天皇杯で準決勝進出したため前倒しとなる形で4日前に開催。(0-1)
  • 中野の負傷が発表され、9/11に手術実施して全治は未定との事。
  • エウシーニョの負傷が発表され、今季絶望との事でブラジルへ帰国。
  • 34節(いわき戦、2-0)で負傷交代した渡は、無事に次節も出場。
  • 同じく34節で負傷交代したケサダは離脱するも、今節4試合ぶりに復帰してベンチ入り。
  • 玄が日本国籍を取得し、韓国から国籍変更。
  • J3・琉球に育成型レンタルしていた森田が、レンタル先変更という形でJ3・奈良へ移籍。

前回対戦時、「前年最終節でプレーオフ圏を争うべく対戦した2チームが、低い順位同士でぶつかる事を余儀なくされる」という旨を書きましたが、再戦となったこの日はさらにややこしい事態となり。
山形はあれ以来順位を上げて昇格争いには加われているものの、その位置はトップハーフ最下層である11位。
目標達成には何が何でも勝たなければならないですが、最近は下位相手での取りこぼしも目立つためかなりのプレッシャーを強いられている感があり。

徳島はあの日以降も低空飛行を続け、J2残留が唯一の目標という立ち位置に。
それは順位的なもの以外にも、新しく就任した吉田達磨監督が、「とりあえず残留争いを凌ぐ戦い」へとシフトしたのも大きく。
先週は水曜にも試合が挟まった過密日程の中、理想に掲げていたボール保持のスタイルをかなぐり捨てたかのようなサッカーとなり。
例えクラブの将来に響く事があっても、安全圏に到達するには早いうちに勝ち点3が欲しいという、こちらも勝利に飢えている状況。

スルーパスを供給してサイド奥を取るという、平常運転のスタイルをこの日も貫く山形。
一方徳島はその攻めを凌ぐと、前半5分にボール奪取した永木が裏狙いのロングパスを送る(森海が抜け出すもオフサイド)という、堅守速攻にも近い形を早々に見せます。

そうしたスタイルにより、山形サイドは相手対策におけるギャップが生まれてしまったでしょうか。
11分にゴールキックから短く繋ぎに出た徳島ですが、ここも内田のロングパスで中盤省略し、セカンドボールを拾った浜下がドリブルからシュート(枠外)と手数の少ない攻め。
特に途中からチームを受け継いだ渡邉晋監督は、自身は前監督(ピーター・クラモフスキー氏、現FC東京監督)のスタイルを受け継ぎながら……という戦いを演じていただけに、この流儀とは違う徳島の姿勢はどれだけ頭にあったか。

17分の徳島のゴールキック、今度はGKスアレスがロングフィードを選択すると、西谷にダイレクトで収まりドリブルという状況に。
それに対してイサカがチャージしてしまい反則、フリーキックを与えてしまいます。
「堅守+セットプレーの一発」という危機がチラつきますが、ここからキッカー永木のクロスをクリアしてカウンターに持ち込む山形。
拾った後藤優が中央をドリブルしたのち溜めて右へ展開、イサカが奥を突いてグラウンダーでクロスを入れると、中央で待ち構えるのはチアゴ。
ダイレクトでシュートを狙うもミート出来ず、軸足に当たってこぼれた所を後方から藤本がシュート。
偶然ながらも完全に崩した格好でのフィニッシュでしたが、GKスアレスのセーブに阻まれ先制はなりません。

その後攻勢に入る山形、裏狙いのロングパスを多くするようになり、長短交えて堅守を崩さんとします。
守備意識を高めた徳島は前線のプレスも抑制気味で、ボールを持たされる状況を避けたかったという思惑があったでしょうか。
27分には高江の右へのロングパスをイサカが頭で受け、そのまま奥を取ってマイナスのクロス。
しかし合わせにいったチアゴのシュートはまたもジャストミート出来ずと、フィーリングが今一つに思えたこの日のチアゴ。

攻撃体勢を整えつつあった山形ですが、それが反則というファクターで乱れる事となり。
意識変更によりデュエル勝負へと舵を振った感のある徳島により、21分に川井に対し反則を犯した安部への警告が幕開けとなりカードが乱れ飛ぶ展開となります。
山形サイドも、24分に森海が柿谷のフリックを受けて抜け出さんとした所を野田が倒してしまい反則・警告。
さらに徳島サイドが「DOGSOで一発レッドでは無いのか」という異議の下、主審に詰め寄る絵図にも繋がってしまい。
31分・32分と立て続けに反則を犯したイサカも警告を受けてしまい、結局その流れを止められなかったのがスコアにも直結する事となります。

続く33分にも、森海が内田のロングパスに右サイドで抜け出して(この場面、浜下が後ろに残り白井が右を上がるという変節があり)深さを取りに行く徳島。
これに対し野田がまたも反則を犯し、更なるカードこそ出なかったものの右サイド奥からのFKに。
キッカー永木が中央にクロスを入れると、密集のなか安部が合わせきり、ヘディングシュートをネットに突き刺します。
やはりセットプレー一発という展開で、みすみすその機会を与えてしまった山形サイドは悔やまれる失点となり。

ようやく意識を改め、反撃体制を取る山形。
挽回するべく野田が前に出てのボール奪取を頻発させ、そこから好機を生み出します。
40分にはその流れから、後藤優のスルーパスを受けたチアゴが左からカットイン、ポケットを突いてシュート。
内田のブロックでこぼれた所を自ら追撃しますが、これもGKスアレスがセーブ。
攻め立てる事でコーナーキックも量産し、流れとセットプレー双方でゴール前に迫り、同点を狙いにいきます。

しかし反則プレーへの傾倒は止まず、44分にポストプレイに入った藤本が白井に倒されると、今度は笛が鳴らず徳島の反撃に。
藤本が痛み倒れ続けた事により、徳島サイドも攻め入らずラインアウトを選択しましたが、起き上がった藤本が異議を唱えるなどしこりが残り。
アディショナルタイムには、今度は西谷がイサカと交錯して倒れてしまうと、反則と思い込んだ徳島サイドが足を止めた事で山形の好機が生まれる事態に。(右から川井がクロスもクリア)
一転して、笛が吹かれない事で混乱を生み出す状況と化したのも、カードを出し過ぎたという主審(窪田陽輔氏)の自負によるものだったでしょうか。

結局前半は0-1のまま終了となり。
反撃の流れを堰き止められた格好となった山形、それを引きずるかのように後半立ち上がりは徳島の攻勢に入ります。

それでも以前のようなポゼッションによる攻撃では無く。
後半2分に内田のロングパスを受けた森海が左奥を取ってカットイン(ディフェンスに遭いCKに)という、ロングボール・縦に速い攻めに依存するのは変わりません。
4分には中央から縦に速く運ばんとし、柿谷が前進からスルーパスを送るも森海とは合わず。
しかもこの際に体勢を崩しながらのパスを余儀なくされた柿谷が、足を痛めて5分に倒れ込む事態を招いてしまいます。
素早く交代措置を採る吉田監督、杉本が投入されて同ポジションに入り。

そんな相手の状況を突きたい山形ですが、その攻撃体勢は芳しくなく。
中央を固める意識が強い徳島により、サイドでどうにかする姿勢を余儀なくされていた感があり。

前半より一層サイドバックに高い位置を取らせ、何とか変化を付けようとしたでしょうか。
15分左サイドで繋ぐなか、川井が最前線ボックス内にまで上がってチアゴのラストパスを受け。
そしてシュートを放つもブロックに遭い決められず。
直後に2枚替えを敢行しチアゴ・イサカ→泉・横山と、両SHを入れ替えます。

ここから左SHに入った泉が仕掛けるシーンを増やす山形。
安易なクロスを選択せず、細かいタッチでカットインの姿勢を取りつつ崩さんとするその心意気は良いものの、肝心の結果が付いて来ず。
対峙する最中に徳島の戻りを受け、結局実のある崩しは出来ずに終わる事多々。

26分に再度ベンチが動き、高江・後藤優→田中渉・高江へと2枚替え。
2トップ(藤本・高橋)気味へとシフトした山形。
一方徳島も28分に動き、浜下・森海→杉森・渡へと2枚替え。

押し込まれ続ける徳島ですが、それと反比例するかのようにボール保持の状況を増やして時間を使いに掛かり。
やはり第一は簡単に失点せず、得たリードを守りきるという意識は普遍のようでした。
こうした塹壕戦は不向きという印象のあった吉田監督ですが、前年の(甲府での)天皇杯制覇を経てその戦いも様になってきたようであり。

それでもこうした戦いはアクシデントを招き易く。(34節では前半のうちに負傷者を2人出していた)
35分には安部が足を攣らせてしまい、安部は根性を見せてインプレーの最中に起き上がるも、それが逆に試合を止められず苦境を招いた感もあり。(すかさず西谷が左SBに回り穴を埋める)
何とか途切れた36分に交代を敢行、安部・西谷→石井・ケサダへと2枚替え。
センターバックを1枚増やすという、5バックシステム(3-4-2-1)へのシフトと解り易い逃げきり体制に入ります。

山形の最後の交代は38分で、藤本→藤田。
これにより再び高橋の1トップとなり、田中渉がトップ下にシフトします。

この交代以降攻撃機会を独占と、文字通り「後は決めるだけ」の展開に入る山形。
39分にようやく泉が左からカットインシュートを放ち。(枠外)
41分には内田までもが足を攣らせてしまった徳島、その隙をついて最終ラインが4人のうちに攻め込み、今度は右から横山のカットイン。(クロスを選択も跳ね返される)
両ワイドをふんだんに活かして押し込むも、やはり引いた相手を崩すのは高難度というのは全国共通であり。

そしてATへ突入。
サイド攻撃を余儀なくされていた山形ですが、川井のロングパスが中央で高橋に収まるという好機が生まれ。
そのままエリア内へ切り込んだ高橋、ディフェンスに遭いCKを獲得し、最後の押し込みに賭ける体勢を築きます。(ここからはクロスを高橋が合わせるも枠に飛ばず)

その後再びCKを得ると、GK後藤雅も前線に上がる総動員体制に。
キッカー田中渉はその後藤雅が走り込むニアにクロスを入れるも跳ね返され、引き続き右スローインからの攻め。(後藤雅は下がる)
受けた小野が素早くクロスを入れ、ファーサイドで野田が合わせると、高く上がったボールに高橋が落下点に入り。
これをGKスアレスがパンチングで掻き出すも、跳ね返りを西村がボレーシュート。
しかし枠を捉えられず、強引ながらも繋いだ末のフィニッシュは実らず終わりました。

以降も野田が上がりっぱなしの体勢で攻める山形。
その野田の落としが惜しいシーンも生み出しましたが、後一歩及ばず。
結局最後まで得点出来ず、試合終了の時を迎えました。

残り5試合となりましたが、この試合により徳島は当面の目標達成までほぼ後一歩の状況に。
一方の山形は最後尾から追い掛ける立ち位置は変えられず、俗に言う「泣いても笑っても……」という言葉は山形の状況が様になってきたでしょうか。
千葉はじめ他クラブが昇格への機運を高めており雰囲気的にも厳しいといえますが、それを覆す一手を生み出せるかどうか。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第37節 藤枝MYFCvs清水エスパルス

2023-10-02 16:01:21 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の藤枝の記事はこちら(34節・熊本戦、2-0)
※前回の清水の記事はこちら(31節・町田戦、3-2)

<藤枝スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 特別指定の浅倉が35節(町田戦、0-0)で初出場、そこから途中出場を続けてこの日もベンチ入り。

<清水スタメン>

上位カテゴリであるJ1で、理想をかなぐり捨てた神戸が首位を走っている事もあり、一種のブームとなりつつある現実主義。
ことJ2の舞台においては、現在最もそれをなぞっているのが藤枝でしょうか。

常時高いボール支配率を維持していた過去はいざ知らず、というのは早計ですが、前回観た熊本戦では守備意識の向上で相手の攻撃を封じた事で結果に繋げ。
そこからもプレスの位置を下げた守備重視の戦いは続き、町田・ヴェルディといった上位相手にも負けずに進軍。
そしてこの日の「三国決戦」では、その総決算の戦いが繰り広げられました。

そんな藤枝がボール支配率を落としていくのを余所に、リーグトップに躍り出ている相手の清水。
失点数もリーグ最少と、全てが強力といわんばかりの相手に対し、この日も自陣で守備を固める事を第一とした戦いを貫きます。
前半3分に中山から榎本が奪ってカウンターに繋げ、矢村のダイレクトのスルーパスで抜け出した横山が、左ポケットを突いたのち得意のカットインシュートを放って(GK権田セーブ)先制攻撃。

しかし強敵かつ「三国」のライバルである清水故に、熊本戦とは裏腹に球際での激しさを一層際立たせる藤枝。
そうまでしないと止められない相手なのは確かですが、その意識から最後尾は降りる清水選手に対し食い付き気味となり。
サンタナに対し川島が、乾に対し水野が、という具合に前に出て激しく規制を掛けんとします。
逆にこうした相手の性質を利用しての攻撃を見せたい清水。
8分には高橋縦パス→カルリーニョスフリックでサンタナに渡り、キープする所を川島に倒されるも中山が繋ぎ、カルリーニョスがドリブルで左ポケットを突く好機に。
しかし鈴木翔のスライディングをかわした所を、残した鈴木翔の腕に引っ掛かる形で倒れてしまい撃てず、反則の笛も鳴らずと消化不良に終わります。

以降じっくりとボール保持から攻め込む清水ですが、その弱点も露わになっていた藤枝の組織的守備を見て、中央からの崩しに意識を振ったでしょうか。
単純なクロス攻勢は抑制され、コーナーキックでもショートコーナーからの崩しを選択する事が多く。
その結果遠目からのフィニッシュが多くなり、13分のホナウドのミドルシュート(西矢が頭でブロック)など威力は十分だったものの、崩しきれずに時間は進んでいきます。

攻めあぐみの危惧がチラつくなか、21分に自陣でのパスミスを榎本に拾われて攻守交替すると、拾った横山のボールキープに対し乾が反則を犯してしまい。
これで左ハーフレーンからのフリーキックを得た藤枝、かなり遠目という事でキッカー横山は放り込みを選択し、クリアボールをカルリーニョスが拾うも矢村が奪い返し、そのままミドルシュート。(GK権田キャッチ)
清水のミスも絡む事で、この日の藤枝のシンプルさが際立つ流れとなり。
続く22分にも小笠原のボール奪取から、鈴木翔縦パス→横山受けて左ポケットへスルーパス→走り込んだアンデルソンシュートでゴールを襲うも、鈴木義が決死のブロックで防ぎ。

流れを奪われる格好となった清水は28分、GK北村のロングフィードを回収した鈴木義が素早く縦パスを送り。
受けた乾のパスをカルリーニョスが入れ替わって前を向き、そのままエリア内へ流れてシュートと、ボックス内でのフィニッシュに辿り着きましたが枠外に。
藤枝のようなシンプルな運びで好機を生み出した事で、再び攻勢に入ります。
31分に再び鈴木義→乾というホットラインから、右へ展開ののち原が右ポケット奥を突いてクロス。
ブロックされた跳ね返りを同じく右ポケットで乾が拾い、そのままシュートにいきましたがディフェンスに入った川島を蹴ってしまう格好となり(反則)モノに出来ません。

以降はボール支配するものの、それ故のお決まりのパターンともいえるフィニッシュに辿り着けない状態を強いられる清水。
終盤には再びパスミスが目立つようになるなど、折角得た流れも一過性に過ぎず、固定させる事が出来なかったのが結果的に響いたでしょうか。
逆に言えばそれだけ、前回対戦時の大勝(15節、5-0)を忘れさせるような藤枝の変節ぶりが効いていたと言える展開。
かくして前半はスコアレスで終え、共に交代は無く後半開始を迎えます。

清水にとっては仕切り直したい状況で、打った手は3バック(3-4-2-1)への変更でした。
右センターバックと化した原が最終ラインに残り、右ウイングバックとなった中山がワイドに開くという変化で、目線を変えにいったでしょうか。

しかし藤枝と同一フォーメーションのミラーゲームとなった事がややこしい事態を招いてしまい。
秋葉忠宏監督自身は「個人の能力では負けるはずが無い」という考えの下での選択だったと思われますが、それを補うように球際でのバトルを強めていたこの日の藤枝。
その意識がより生きる状況を自ら献上してしまう事となり、以降もペースを握る事はままならずとなります。

後半2分、西矢のパスカットからここも素早く攻めんとする藤枝。
アンデルソンの矢村へのスルーパスは遮断されるも、拾って再び縦パス攻勢に入った末に久富縦パス→横山ポストプレイでシュートチャンス。
そして後方から矢村が走り込んでシュートしましたが枠を捉えられず。
7分にも川島が前に出てロングパスをカットし、久富のミドルパスで素早くエリア内を突いた末に矢村がボレーシュート。(枠外)

5分の清水の攻撃で、ホナウドのミドルシュートをGK北村がセーブと危ういシーンはあったものの、着実に好循環を固める藤枝。
そして9分、ここも敵陣でアンデルソンがボール奪取と球際で勝利し、幾度もフィニッシュを放っている矢村へとパス。
その流れに乗るかのように、遠目から果敢に放たれた矢村のシュートがGK権田のセービングを破ってゴールに突き刺さります。
清水とは裏腹に、良い流れの中でしっかりと決める事で先制点を挙げました。

ビハインドとなってしまった清水、12分に中山→北爪へと交代。
流れを引き戻さんとしますが、前半とは一転して藤枝がハイプレスを掛けるようになった事でビルドアップの段階でも苦戦を強いられます。
何とかそれをかわし、降りて来るFWへと縦パスを届けようとするも、サンタナやカルリーニョスのそのトラップ際を狙われ奪われるシーンが目立ち。
必然的に相手の寄せが早くなる、ミラーゲームの難しさを痛感する事となります。
有効打はむしろカウンターの方で、15分の藤枝のCKから展開し、北爪の右サイドの持ち運びからのスルーパスでアタッキングサードへ。
走り込んだホナウドがエリア内へ横パスを通し、受けた原のグラウンダーのクロスをサンタナが収めてシュートと、ポイントゲッターのフィニッシュに繋げましたが横山のブロックに阻まれ。

21分に鈴木翔がサンタナのチャージで痛んだというタイミングで、再び動く清水ベンチ。
鈴木義を退かせる選択を採り、サイドバック色の強い吉田を投入して左CBに。(同時に山原→岸本へと交代)
WBを採用したという事は、一重にサイド奥を突いてクロス攻撃に持ち込みたい思惑だったのでしょうが、思うようにならない事でサイドに適正のある選手を増やす手だったでしょうか。(鈴木義のアクシデントで無ければ)

しかしその効果が出る前に、最悪の絵図が生まれる事となります。
25分の藤枝、自陣で西矢が落としたボールを、すかさず鈴木翔がラフに裏へと送り。
そこに走り込む横山の前で北爪が蓋をしたものの、あろう事かヘッドでGKに戻さんとした所を突かれ、落ち際をダイレクトで横山がシュートに持っていき。
その結果、ループの軌道となったシュートがGK権田を越え、ゴールに吸い込まれてしまいます。
安易にGKに戻す事すら許されない、この日の藤枝の寄せの速さを思い知る事となりました。
逆に藤枝サイドにとっては最良の結果であり、勝利に前進した事でゴール裏サポーターの前でひとしきり喜ぶ選手達。

痛恨の失点となった清水、キックオフでは(バックパスを挟んでの)乾のセンターサークルからの前進という半ばムキになったような攻めを繰り出し。(右に展開するも北爪のスルーパスが合わず)
直後に最後の交代を敢行し、乾・カルリーニョス→神谷・オセフンへと2枚替え。
藤枝が一度も交代しないうちに、全てのカードを使いきる事となりました。

ターゲットを増やした事でクロス攻撃に舵を切ると思われましたが、以降もサイド奥を突く事はままならない清水。
リトリート意識を高める藤枝のブロック間を何とか通さんとする攻撃を繰り返すという具合に、ベンチの意識とピッチ内の事象が乖離したような状態に陥ります。
その中でまだ可能性があったと思われるのは、浮き球のパスをオセフンが収めてからの攻撃でしたが、藤枝の守りが薄いうちに前を向けないというシーンが数多で活かせずに終わり。
裏抜けタイプの選手が前線に居ないのもそれに拍車を掛けたようであり。

清水が勝負手を出し尽くし、かつ機能しないと解った藤枝サイド。
粘った末に38分に最初の交代(水野・矢村→新井・岩渕)と、その間にリードも奪い理想的な展開といえたでしょう。
42分に、2点目のシーン宜しく久富のダイレクトのロングパスで敵陣に運ぶと、今度はセカンドボールを拾ってからの敵陣でポゼッションを高める攻めで、相手から時間と余裕を奪う立ち回り。
そしてその直後に2度目の交代を敢行、特別指定の浅倉を投入します。(横山と交代)

迎えたアディショナルタイム、清水の最終ラインからのビルドアップに対し、果敢に2度追い・3度追いを掛ける浅倉。
それをいなして何とか右奥へと運び、ようやくクロスへと持ち込んだのを機に、やりたかったであろうクロス攻勢に持ち込めるようになります。
しかし決定的に時間が足りないのは明白で、その後フィニッシュに持ち込む事は無く。
藤枝はATの最中に残っていたカードを使い、久富・榎本→中川創・永田へと2枚替え。
これにて中川創がワイドに張る(右WB)という、ややもするとミスマッチのような布陣になりましたが、既に残り時間を守りきる体勢で良く。

結局最後の清水の攻撃もクロスにまで辿り着けず、左サイドで奪われて矢印を反転されると、試合終了を告げる笛が鳴り。
藤枝はまさにやりきったという形で、静岡勢に対し歓喜の初勝利を挙げる事となりました。

一方で14戦無敗が途切れる格好となった清水。
ラスト5戦に持ち越された昇格争いを繰り広げるにあたり不安を感じざるを得ない内容ですが、何か手を打つには遅過ぎの感もあり。
それでもスタッフ陣は建て直しを図るのか、あえて無策の策でいくのか勝負の分かれ目となるでしょうか。

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