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TV観戦 天皇杯 第103回全日本サッカー選手権大会準決勝 川崎フロンターレvsアビスパ福岡

2023-10-11 16:12:38 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

前回の天皇杯の記事- 準決勝 熊本vs柏(0-4)


未来を左右する……と言っても過言では無い、タイトルを賭けた福岡の10月の戦い。
この試合の3日後には、ルヴァン杯準決勝(名古屋戦)も待ち受けており、厳しいながらもやり甲斐に満ち溢れた日程といえるでしょう。

「5年に一度のJ1」と揶揄されていたのは既に過去の事ですが、あの時にこうした栄光を掴む可能性がある未来が待ち受けている、なんてのは知る由も無く。
そのサイクルに入る前も、(J2設立後)残留争いとは無縁なシーズンを送れたのは2000年の一度のみと、とにかく明日を凌ぐ戦いに明け暮れていた感があり。
いかに長谷部茂利監督の下、確固たるビジョンを持ち戦力を整えながら……と振り返るには早すぎでしょうか。
既に長谷部氏の来季の続投も決まっているとあり、守りに入らないためにもどちらかで決勝進出を果たしたい所。

近年数多のタイトルを獲得している川崎との対決。
入りこそ押し込んだものの、直ぐに川崎が矢印を反転させると、その栄あるクラブ(今季は衰退気味ですが)を前にして怯んでしまった感があり。
前半3分の川崎の最後方からのビルドアップに対し、前線こそ果敢にプレッシングを掛けて阻みにいったものの後方(5バック)が連動せず、かわされた結果押し込まれ。
これにより前5人・後ろ5人の「前後分断」が出来てしまうという、ややどっちつかずな立ち回りに映ると、川崎の全盛期に近いパスワークが冴え渡る展開に。
長らくアタッキングサードで繋ぎ続け、左コーナーキックを得たのが5分。
するとキッカー脇坂のクロスにニアサイドで山村が合わせヘディングシュート、対角線の軌道をしっかりと描いてゴール右へと突き刺さり。
早々に先制点を挙げ、差を見せ付けます。

その後はグローリが、スローインを受けにいくダミアンに対して喰い付くシーンが見られ。(6分)
その性質を試合前から見破っていたのか、立ち上がりからマルシーニョがグローリの背後を狙って裏抜けする事が多く、トーナメント故のしたたかさを発揮していたでしょうか。

反撃したい福岡は、最近取り組んでいるボールポゼッションによる攻撃を見せ。
しかしリードされている以上、「ボールを持たされている状態」に見えなくも無く。
以前観た試合(名古屋戦、1-0)と同様、右サイドで前嶋・紺野の関係性で崩していくのが地上での主たる武器だったでしょうか。

23分に紺野がワイドでボールキープする所を、瀬古に倒されて反則。
これで得たフリーキックはフィニッシュに繋がらずも、以降両者反則ないしはそれに準ずるチャージが目立つようになり。
川崎はマルシーニョやダミアンが痛んで倒れ込むといったシーンが膨れ上がったものの、自身も瀬古が宮に対する反則で警告を受ける(27分)等、お互いさまという流れに。

川崎がそんな不穏な流れとともに停滞感を覚えつつあり、それに反比例して攻撃機会を握る福岡。
32分には再び、今度は左ワイドで小田が脇坂に反則を受けた事によるFK。
キッカー紺野のクロスをファーサイドで小田が合わせ、ヘディングシュートを放つも枠を捉えられず。
得意の空中戦の才を発揮しにいく小田ですが、36分には左サイドを前とのワンツーで抜け出してクロスを入れ、ニアサイドで金森が頭から飛び込む(ディフェンスに遭いこぼれる)という地上での見せ場から際どい一幕も作り。

一方の川崎は、福岡の攻勢を受けてポゼッションを高める姿勢に入るも、ペースは高まらないという印象であり。
そんな中38分、最終ラインでボールを拾うと、福岡の攻撃を切った直後という事もあり左肩上がりの布陣を取ってパスを繋ぎ。
山根が中央に残り、右サイドバックのような位置でミドルパスを受けた家長から攻撃開始、脇坂が中央へスルーパスをマルシーニョに通し。
福岡ディフェンスがアンバランスな布陣と相対した結果でしょうか、綺麗に抜け出してGKと一対一が生み出され、そのままGK村上を右にかわしにいくマルシーニョ。
防ぎにいった村上が引っ掛けてしまい、マルシーニョが倒れると反則の笛が鳴り響きます。
PKならびに村上に警告と福岡サイドに罰が与えられ、逆に追加点の絶好機を得た川崎。
キッカーはストライカーらしくダミアンが務め、ゴール中央へのシュートを蹴り込み。
しかし右へと飛んだGK村上が、身体を残しながらのセービングを選択した結果、セーブされ防がれてしまいます。

PK失敗という後ろめたさを得てしまった川崎を尻目に反撃に掛かる福岡、GK村上ロングフィード→山岸フリックで一気に敵陣に運び。(42分)
川崎の自陣深めからの左スローインをカットすると、そのまま細かな繋ぎを経て山岸がエリア内右を取ってマイナスのクロス。
すかさずニアサイドで合わせた金森のシュートがゴールネットを揺らします。
絶体絶命の危機を防いだ流れを、綺麗に同点に繋げました。

これで勢いに乗った福岡、アディショナルタイムにも紺野が中央ペナルティアークからシュート。(ブロックに当たり左へ外れCKに)
直後のCKからも宮がヘディングシュート(枠外)と、ひとしきり川崎ゴールを脅かします。
今シーズンを象徴する昇り調子ぶりを、ピッチ内でも表現するに至り前半を終えました。

そして後半が始まると、その勢いを維持して攻め上がり。
キックオフからの攻撃で押し込む福岡、一旦途切れるもクリアボールを前が拾って継続し、右サイドからの前嶋のアーリークロスを山岸がフリックで合わせてのヘディングシュート。(ゴール上へ外れ)

川崎は慌ただしい入りを強いられ、直後の後半2分には裏へのロングボールに走り込んだ紺野に対し、蓋をした山村がヘッドでGKへバックパス。
しかしこれが短くなり、紺野とGKチョンソンリョンが交錯しかけてあわやという場面を作ってしまいます。(ボールはこぼれるも何とかクリア)
その後も3分に井手口がミドルシュート(ブロック)、5分に紺野のクロスを中央で収めた山岸がシュート(ブロック)と、福岡の攻勢は続き。

何とか落ち着きたい川崎は、例によって家長が逆サイドに流れてのパスワークに活路を見出し。
6分にその手法で左サイドに人数を掛けた末に瀬古のクロスが入ると、クリアボールをこれにより中央に絞っていたマルシーニョが拾いシュート。(枠外)
多彩なパスワークが持ち味の川崎ですが、あくまでフィニッシャーをボックス内に張らせる意識に立ち帰れたでしょうか。

迎えた9分、ここも左サイドでパスを繋ぎ(ただし家長は右サイドに張る)、登里が奥を取ってグラウンダーでクロス。
クリアが中途半端に浮いた所をマルシーニョがヘッドで詰めにいき、GK村上がパンチングで逃げたものの跳ね返りを橘田がミドルシュート。
エリア内で奈良がスライディングでブロックしたものの、跳ね返しきれずゴール右上に突き刺さります。

結果的に、この時間帯での攻防が勝負の分かれ目となり。
良い感じに攻めていた福岡がモノに出来ず、逆に流れを反転させた末に勝ち越し点を奪った川崎。

以降本来の力を発揮するように、川崎が攻撃権を独占するに至ります。(10分に金森のチャージを受けた山村が激昂し報復行為、といったシーンがありましたがご愛敬で済み)
11分にFKを素早くリスタートして右サイド奥を突き、脇坂がカットインでエリア内中央へ運んだ末にスイッチ気味にパス。
そして瀬古がシュートするもGK村上がセーブと、辛うじて防ぐ福岡。
以降も押し込んだ結果の量産されるセットプレーでゴールを脅かす川崎、13分の左ワイドからのFKで、キッカー脇坂は直接シュートを選択。(GK村上セーブ)
17分には右CKから、キッカー脇坂のクロスを山村が合わせヘディングシュート。(GK村上キャッチ)
重ねられるフィニッシュに、守護神・村上の仕事も増えていき。

2失点目以降、殆ど攻撃できずに糸口を掴めない福岡。
20分にベンチが動き、小田・金森→湯澤・鶴野へと2枚替えを敢行します。(前嶋が左ウイングバックに回る)

何とか球際の強度を高め、ボールを確保する事で反撃体制を作りに掛かり。
21分に前と脇坂が激しい攻防の末に、ボールを確保した前が後ろから腕でチャージを受けたという事で反則・脇坂に警告。
以降、綺麗な前進とはいかずとも何とか敵陣へと運び、同点を狙いにいく福岡。
その流れで左CKを得たのが25分でしたが、齎されたのは非情な結果となります。
クロスの跳ね返りを尚も繋ぎエリア内へ放り込みましたが、GKチョンソンリョンがそれを抑えるとすかさず裏へとロングフィード。
そしてその先には超スピードで抜け出すマルシーニョの姿があり、僅か一手でGKと一対一が出来上がり。
慌ててエリア外へ出て来たGK村上の上を抜くループシュートがマルシーニョから放たれると、必死に戻る奈良を嘲笑うかのようにゴールへとボールが転がります。
超絶すぎるカウンターにより、突き放しに成功した川崎。

精神的にくる失点の仕方となってしまった福岡。
ファイティングポーズを取り直すべく、ジョーカーのウェリントンを投入したのが28分でした。(紺野と交代、山岸がシャドーに降りる)

しかし思うように前進出来ないのは変わらず。
紺野を退かせた事で推進力も失ってしまうなど、却って悪くなった感もあり。
(川崎は30分に瀬古とマルシーニョに代え、ジョアン・シミッチと瀬川を投入)

一向にムードを高められないまま、32分に再度交代を敢行する長谷部監督、グローリ・前→三國ケネディエブス・平塚へと2枚替え。
一見同ポジションでの交代に見えながら、三國はFWに入り、これにより4-4-2へとフォーメーションも弄ります。
もはや推進力に高望み出来ないので、ダブルターゲット(ウェリントン・三國)を活かしての攻めへと切り替える意図だったでしょうか。

しかしその効果が発揮されないうちに、尚も牙をむく川崎の攻め。
36分に左CKに持ち込むと、キッカー脇坂はファーサイドへクロスを上げ、ヘッドで合わせたのはダミアン。
PK失敗を払拭するヘディングシュートがゴールネットを揺らし、とどめとも言える4点目を齎します。
これで興奮のあまり、ユニフォーム(とアンダーウェア)を脱いだダミアンが警告を受けるも、ゴールという結果で負の感情を投げ捨てたかのような光景にも映り。

点差は3で終盤を迎え、何とか意地を見せたいという状況と化した福岡。
長身2トップとなってからも、ロングボールの多用はせずあくまでサイドからの前進で攻める体勢に。
39分に右サイドを上がった湯澤が、意表を突いてエリア手前へのクロスを送ると、ペナルティアークで山岸がボレーで合わせ。(枠外)

しかしダミアンのパフォーマンスに続かんというばかりに、これまでの不調ぶりを振り払ったような川崎に尚も攻めかかられ。
40分に敵陣深めでボール奪取した家長、シミッチのリターンを経てダイレクトでループシュートを狙うも、惜しくもゴール上へと外れ。
その後も福岡はファウルスローを犯してしまうなど不純な流れは続き、時間はついにATに。

そしてとうとうパワープレイに舵を切り始める福岡。
それを受けた川崎は、家長→高井へと交代し5バックシステム(3-3-2-2)を取り。(その後さらにダミアン→山田へと交代)

時間も最終盤、右サイドから湯澤が浮き球を送ると、落としたのはウェリントンでも三國でも無く山岸。
これを拾った鶴野がボールコントロールの末に、ペナルティアークからシュートを放つとゴールネットが揺れ。
1点を返す事に成功しましたが、反撃もここまで。
キックオフを待たずに試合終了を告げる笛が鳴り、福岡は健闘空しくここで敗退となりました。

かくして決勝戦は、柏vs川崎というカードとなり。
ともにリーグ戦では苦しみに苛まれたクラブ同士、まさにカップ戦が織り成すカードの彩となりましたが、優勝ならびにACL権を手にするのはどちらか。

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TV観戦 天皇杯 第103回全日本サッカー選手権大会準決勝 ロアッソ熊本vs柏レイソル

2023-10-10 16:00:20 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

  • 表記上は熊本ホームの扱いだが、どう見ても柏のホーム(三協フロンテア柏スタジアム)なのでそれに従い表記。
  • しかし前半のキックオフは、↓とは逆でスタート。
  • 柏は犬飼が規定により出場禁止。(前所属の浦和で同大会に出場しているため)

前回の天皇杯の記事- 準々決勝 熊本vs神戸(1-1、PK4-3)


前年の甲府の再現を、と意気込むJ2勢の熊本。
懸念材料だったリーグ戦での残留争いも、3連勝で持ち直し残留まであと一息という位置まで持っていき。

思えば前回観た際(34節・藤枝戦、0-2)で触れなかったものの、試合終了後にはゴール裏サポーターの前で一悶着があり。
選手一同とともに大木武監督もサポーターへの挨拶に加わったものの、そこでスタンドに向かって激昂してしまい、GK田代がそれを身体を張って止めるという絵図が描かれる事態となりました。
その荒れた雰囲気に今後の戦いの行方が危ぶまれたものの、今になって思えば、あの時に膿を出しきった形となったのが却って良かったとも言えるでしょうか。
この日は実質アウェイにも拘らず、熊本サポーターも大挙して柏のホームスタジアムに集結。
大木監督の似顔絵がプリントされたお面を付けるサポーターも数多見られるなど、やはりこのクラブを支えているのは大木氏の存在なのだな、と思わされました。

そんな環境で始められた準決勝。
いきなりの前半1分にヒヤリとさせられる事案が発生し、浮き球をヘディングにいった戸嶋が大西と頭部同士で激突してしまいます。
これが大西の反則となり警告が付き出されたものの、どう見てもダメージが深いのは大西の方で、3分以上も倒れ込む事態に。(戸嶋は1分程で起き上がる)
どうやら出血もあったようで、そのままピッチ内で治療が施された末に何とか続行可能となり。

柏のほぼ中央からのフリーキックで再開し(6分)、遠目からなのでキッカー・サヴィオは放り込みを選択。
これをジエゴがヘディングシュートに持っていき(枠外)、先制攻撃を果たした柏。
以降熊本のビルドアップを、圧力をもって追い込み無力化させに掛かります。
自陣深めに追い込まれ、苦し紛れのロングパスをカットされる(7分)など、熊本はこれぞJ1という強度の高さに難儀する立ち上がりに。

そしてその流れのままに、先制点が生まれたのが9分。
ここもプレッシャーで黒木に苦し紛れのパスを出させて戸嶋がパスカットし、細谷がドリブルで右ポケット奥に切り込んでクロスを上げると、合わせたのはカットしたのち前線に上がっていた戸嶋。
綺麗にヘディングで合わせきり、ゴールネットを揺らします。
J1の貫禄というべき、先制点を挙げた柏。

追い掛ける立場となった熊本。
スコアの差以上に、ビルドアップに四苦八苦するのをまず改善したい状況であり。
地上から運ばんとしても、流石はJ1というべきかアンカー上村へのコースを切りながらのプレッシングをキッチリとしてくる2トップの前に、サイドでの詰まりは必至となるのが辛い所だったでしょうか。

10分過ぎから長いパスを使い始め、サイドに展開し前進の姿勢を見せたうえで、江崎に戻したのちロングパスを通し。
そのパスは主に右の島村が受け、まずは深さを取る事で柏ディフェンスを困らせに掛かります。
17分にはロングパスを受けた島村が、平川のヒールパスを挟んで中央へと持ち運んでエリア内を突く展開に持ち込み。
細かく繋いだ末に、左ポケットでラストパスを受けた松岡がシュート(枠外)と、ようやく一矢を放ちます。

しかしその攻撃もだんだんと対処されるようになり。
22分に例によって江崎→島村へとミドルパスを送るも、ジエゴにカットに入られ。
ジエゴのトラップ際を島村が奪った事で継続し、そのまま敵陣でボールポゼッションに入ったものの結局シュートには繋がらず。
さらにその後はロングボールの出所も潰されるようになり、またも上手くいかない状況となります。

事態を重く見たか、32分に竹本が最終ラインに降りるという大きな可変によるビルドアップを見せ。
ここから松岡が左サイドをドリブルし、クロスに辿り着いてコーナーキックを獲得と光明を見出します。
これで長短交えながら敵陣でサッカーを展開できるようになり、攻撃が途切れてもすかさずゲーゲンプレスで奪回というシーンも作り。

リーグ戦さながらの流れを得た熊本ですが、それでも肝心のフィニッシュには中々辿り着けず。
43分、左サイドからの前進で上村が緩い縦パスを送ると、平川がそれをダイレクトでエリア内へスルーパス。
これにより伊東が抜け出しシュートチャンスを迎えたものの、古賀のディフェンスに遭い撃ちきれず。(CKに)
毛色の違う繋ぎ方で決定機を迎えましたが、モノに出来ず終わるとその後は柏のセットプレー攻勢が牙を向きます。

立ち上がりの中断で長くなったアディショナルタイム(目安5分)、その最中に片山・ジエゴのロングスローをはじめ自陣ボックス内での凌ぎを余儀なくされる熊本。
そして左CKに持ち込まれると、キッカー・サヴィオはエリア手前へのクロスとサインプレーを選択し、戸嶋がダイレクトでシュート。
バウンドしてゴールを襲ったボールはクリアされるも、再度左CKに。
するとキッカー・サヴィオは今度はゴールに向かうクロスを送り、そのまま中央へ。
大西がクリアするも、そのボールが片山に当たって跳ね返った結果、ゴール内へ吸い込まれます。
終了間際で大きすぎる2点目となり、凌ぎきれなかった熊本。

そのまま前半が終わり、巻き返しを図りたい熊本ですが目下離脱者が多く駒不足は深刻に。
38節・徳島戦(1-0)では大本も負傷交代する等、流れを変えられる人材が殆どいない状況では、ハーフタイムで動く事は出来ません。

そして後半の幕が開けると、早々にまたも柏が敵陣深め右サイドに追い込んで細谷がボールカットするシーンから始まり。
そこから右CKを得た柏、またもサインプレーを仕掛けるキッカー・サヴィオ、マイナスのクロスをエリア手前へ。
受けた高嶺はプレッシャーを受けて撃てずもサヴィオに返し、クロスがファーに流れた所をジエゴがシュート(枠外)とフィニッシュで終わらせます。

反撃したい熊本、4分に柏のプレッシングを上村が江崎にパス→受け直しでかわし、そこから右サイドで前進に成功。(豊田→平川のパスが敵陣でカットされる)
ここから攻撃機会を握り、6分には島村が右からカットインを経てミドルシュートを狙いますがブロックに阻まれ。

しかし折角の攻勢の流れもモノに出来ずにいると、9分の柏は自陣でのFKからリスタート。
キッカー片山のロングパスのセカンドボールを拾ったサヴィオ、エリア内でのパスの出し入れを経て中央からシュート。
これが手前で細谷に当たり、コースが変わったのが却って奏功してゴール右へと突き刺さります。(記録は細谷のゴール)
熊本の細かな繋ぎを嘲笑うかのような、一気に前線に運んだ末の得点により追加点。

厳しい状況となった熊本。
再開後の最初の好機は12分で、ここで「綺麗なサッカーを貫くだけでは勝てない」という意識に傾倒したでしょうか。
パスワークの最中でカットに入った戸嶋に対し、竹本が反則気味のチャージで確保し直して攻撃継続。
そこから島村のミドルシュート(ブロック)に繋げるという具合に、強引さを交えて活路を見出さんとします。
直後に最初のカードを切り、豊田・伊東→阿部・粟飯原へと2枚替え。

しかしその後は、ハイプレスに行かずコンパクトに構える柏ディフェンスの前に反撃体制を作れず。
その柏はこの試合(26節・マリノス戦、2-0)の姿さながらで、熊本が縦パスを打ち込んだ所に、すかさず数人を掛けてスペースを無くし自由を全く与えない守備体制。
その間に更なる追加点を狙うという具合に、下位カテゴリ相手にも容赦せず。
15分には右奥まで運んで細谷がカットインでポケットを突いての好機、一旦跳ね返されるも尚も繋ぎ、山田康の浮き球パスに走り込んだジエゴが左ポケットからシュート。(GK田代キャッチ)
19分には敵陣での左スローインから、受けた高嶺が左ハーフレーンからそのままミドルシュート。(ゴール右へ外れる)

熊本がフィニッシュに辿り着けず時間が過ぎていき、柏もカードを切る段階に。
27分に戸嶋・椎橋→小屋松・仙頭へ2枚替えと、お馴染みのコンビが同時に途中出場。
すると29分に早速決定機を迎え、仙頭から左へ展開してジエゴがドリブルで運び、サヴィオのクロスを経て小屋松のヘディングシュートが襲うも僅かにゴール左へ外れ。
ここに来てサイドバックのジエゴが盛んに上がってくるという具合に、好機と見るやパワーを持ってゴール前に迫るその攻撃に熊本サイドはタジタジという印象を受け。
34分に再び柏の好機、またもジエゴがドリブルで今度は自ら左ポケットを突き、マイナスのクロスをニアで山田康が合わせ。
これはミートせず右へ逸れるも拾って尚も継続し、中央へ戻された後またも高嶺のミドルシュートが炸裂。
ゴール右へ外れと結果も先程と同様になったものの、この積極的なフィニッシュが最後の最後に功を成す事となり。
36分に再び2枚替えを敢行した柏、山田康・細谷→ドウグラス・武藤へと交代。

次第に好機も減っていき、敗色濃厚となってきた熊本。
39分に再び竹本の反則気味のボール奪取により好機を作り、ドリブルで運んだ平川のラストパスを受けた粟飯原がシュートするも、枠を捉えられず。
少ないながらもゴール前まで迫るシーンはあったものの、直後にその流れを力で覆されるという絵図も多く。
ここもその例に漏れず、40分の柏の攻撃、古賀のパスカットから素早く中央を運んでサヴィオのスルーパスが小屋松に渡り。
これによりGKと一対一が生まれそのままエリア内へ切り込む小屋松、GK田代を左にかわしたものの、その際にやや引っ掛けられたか体勢を崩してしまい結局シュートは撃てずに終わります。

際どい凌ぎにより、反撃ムードも断ち切られるという繰り返しの熊本。
41分に2度目の交代を行い、島村・竹本→東山・田辺へと2枚替え。
しかし正直、大本や三島が居れば……と思ってしまう交代策でありました。
一方の柏は43分に最後のカードを使用し、片山→土屋へと交代。

これで退く意識を強めた柏に対し、最後の攻勢を試みる熊本。
44分に右スローインから東山が素早く低いクロスを送ると、カットに入られた所を松岡が拾いそのままシュート。
しかしゴール左に外れてしまいモノに出来ません。
そのままATに突入し、得たCKではGK田代も前線に加わり。
キッカー粟飯原はニアにフリック狙いのクロスを送り、こぼれた所をその田代がシュートしましたがこれもゴール左へと外れ。

乾坤一擲といったフィニッシュも決まらずにいると、最後は再び柏のパワーの前に屈します。
再び後方でのFKでロングパスにより一気に好機を作る柏、ドウグラスのシュートがブロックされて左CKに。
キッカー・サヴィオのクロスに対し、パンチングにいったGK田代とクリアにいった平川が被ってしまい、エリア内へ掻き出すもそれだけとなるクリアボール。
それを逃さずに高嶺がダイレクトでシュートを放つと、無情にもネットに突き刺さるボール。
最後は田代の攻めっ気が空回り、という絵図で4点目が生まれる事となりました。

結局そのまま試合終了となり、快勝で決勝戦にコマを進めたのは柏。
カテゴリの差が直接スコアに表れた格好となりましたが、これでもJ1リーグでは残留争いを強いられてきたチームであり。
そんな苦しいシーズンを吹き飛ばす、タイトル獲得といくでしょうか。

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DAZN観戦 2023~24AFCチャンピオンズリーグ グループH第2節 ヴァンフォーレ甲府vsブリーラム・ユナイテッドFC

2023-10-06 18:15:12 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 甲府の直近は37節(水戸戦、2-1)で、井上・三浦の2人のみが継続してスタメン。
  • ブリーラムのメンバーの表記はyahooスポーツナビに準拠。

甲府ベンチメンバー=GK山内 松田 山本 蓮川 エドゥアルド・マンシャ 長谷川 中村 松本孝 宮崎 水野 クリスティアーノ 内藤

前回のACLの記事 = メルボルンvs甲府(0-0)


ホームで2節を迎えた甲府ですが、その場は東京都内の国立競技場。
とはいっても、かつてJ1に居た時代でも、(浦和戦とか)こうした大規模な試合の際には国立で開催するのが定例となっており。
それに倣い、ACLでは全て国立をホームとしての戦いを貫く事に。

その副作用として、平日の試合という事もあり観客席に数多集結したのが他クラブのサポーター。
「J2の誇り」と書かれたゲーフラまで掲げられるなど、期待を一身に背負う立場である事を改めて実感するに至ったでしょうか。

この日の相手はタイのクラブであるブリーラムで、元神戸・マリノスのティーラトンが在籍。
地元選手以外では元鳥栖・キムミンヒョクの名も見られるという具合に、ACLらしさを実感できるメンバーであり。(監督は元鹿児島のアーサー・パパス氏)

そんなブリーラムと相対した甲府ですが、前半は前節と同様に相手のビルドアップvs自身のプレッシングを繰り広げるというお馴染みの展開に。
違いとしては、この日は1トップでウタカがスタメン出場しているため、機動性に欠ける状態でのプレッシングをある程度容認しなければならないといった所でしょうか。
そのため人に付くというよりは、ゾーンでの守備をプレスの際にも取り入れていた節があり。
ウタカが右に寄れば、ジェトゥリオがその穴を埋めるように最前線に位置するという具合に、4-4-2の布陣をある程度保ちながらの規制となっていた立ち上がり。

ブリーラムのビルドアップは、左サイドバックが高目の位置を取り、残りの3人のDFが最終ラインを務めるという典型的な左肩上がりの基本形。
しかし右サイドでも、時折クールズが前に出てラタナコーンが下がるというポジションチェンジを敢行するなど、相手を混乱させに掛かる手段を取って来ます。
そのため甲府のゾーン守備が奏功したという形になり、そのポジションチェンジでも選手達は釣られずに守備陣形を保ち。

そんな睨み合いが続いたため、甲府は前節のような敵陣でのボール奪取はあまり見られず。
得意のショートカウンターに持ち込めないため、自身も最終ラインからのショートパスによる繋ぎの時間が増えるなど、こちらの面でも妥協を強いられていた感があり。

均衡が崩れないまま20分が過ぎると、ブリーラムは浮き球でのパスを多用し始め。
ロングパス・ミドルパスで深さを取るとともに、フィジカルの面で相手を上回らんとしたでしょうか。
綺麗に繋がらずともセカンドボールを拾い、そこから攻勢を掛けるブリーラム。
展開が動きかけたのが前半24分で、その攻めを軸として敵陣に切り込んだブリーラムがコーナーキックを獲得。
日本でもお馴染みのティーラトンのキックを軸に、ボックス内でも様々なポジショニングを仕掛けて揺さぶりに掛かります。(ゴール前に密集、縦一列に並ぶなど)
ここから3本CKが続く事となり、その1本目(右)は中央へのクロスをGKウッドがパンチングするも、跳ね返りをラタナコーンが後方から走り込んでのシュート。
しかしこれもGKウッドがセーブと辛うじて防ぎ。
続く2本目(右)はファーにクロス、ドゥンブヤが合わせるもDFに当たりこぼれて3本目に。
この左CKからのクロスを直接GKウッドがキャッチと、凌ぎきった甲府サイド。

その後右サイドからの攻めを増やし、何とかペースを掴まんとするもフィニッシュには辿り着けない甲府。
31分にはハイボールの競り合いでクールズが(ウタカに対し)反則気味にクリアし、そこから甲府守備が整わないうちに素早く運び
チャウシッチがエリア内へスルーパスを送り、ドゥンブヤが走り込む好機となりましたが、三浦がカバーに入って撃たせず。(ドゥンブヤが倒れるも反則無し)
やはりフィジカル勝負に持ち込まれると若干脆さが生まれるでしょうか。
それを痛感したか、甲府は32分に佐藤がジェトゥリオに当てるロングパスを送り、こぼれ球をウタカが拾うという手数を少なくした好機。
右へ展開した後、関口のミドルパスを受け直したウタカ、エリア内へ進入してシュート(枠外)とフィニッシュを放つも不発に終わり。

その後1分毎に交互に好機を作る流れとなるも、36分にチャウシッチがエリア内へ切り込んでシュートする(ゴール左へ外れる)など、優勢なのはブリーラムの方であり。
そのまま終盤を迎えると、42分にGKシワラクのロングフィードのセカンドボールをティーラトンが拾うという定例の流れから好機。
シェイダエフが左ハーフレーンを切り込み、そのままポケットを突いてカットインの末にシュート。
井上がブロックで防ぐも、これにより再度CK攻勢を迎えたブリーラム。
その1本目(右)でゴール前に位置していたシェイダエフ(その他選手は遠目に密集)、ニアへのクロスに対し戻りながら合わせる(打つ前にクリアされる)という具合にやはり多彩な配置で揺さぶりに掛かる姿勢は変わらず。
そして2本目(右)も同じ配置から、中央のクロスをパンサが合わせにいき、GKウッドが弾いた所を再度シェイダエフが狙い。
今度は(足で)シュートしましたが、ジャストミート出来ず井上のブロックに防がれます。
3本目(右)からの二次攻撃を何とか凌いだ甲府、そのままカウンターに持ち込みましたがウタカの単騎突撃を防がれてフィニッシュは放てず。

結局スコアレスのまま前半が終了。
甲府にとっては、ハイプレスを利かせて優位を保っていた前節とは違い、結構押し込まれていたというこの試合の印象であり。
後半に向けて何か手を打ちたい所でしたが、それはピッチレベルでの戦術に留め、ハーフタイムでの交代は無しで挑みました。

そしてその微調整の内容は、佐藤のロングパスを多用する事だったでしょうか。
32分のシーンで唯一ウタカのフィニッシュに繋がり、アディショナルタイムでも、そのロングパスをブリーラムDFがクリアミスしてウタカに渡ったというシーンが見られ。(フィニッシュは撃てず)

早速の後半2分、その佐藤の裏へのロングパスが直接ウタカに渡って左ポケットを突く状況が生まれます。
そしてディフェンスに遭い右CKを得ると、キッカーを務めた佐藤は意表を突いてグラウンダーでのクロス。
これに武富が走り込んでシュートとサインプレーを決めたものの、放たれたシュートは枠外となり先制はなりません。

それをブリーラムサイドも指をくわえて見ていた訳では無く、7分には中盤で再びロングパスの体勢に入った佐藤に対しドゥンブヤがプレスバックで防ぎにいき。
しかしアフターチャージとなってしまい反則、これでフリーキックとなった結果キッカー佐藤が放り込みと、何ら変わらない展開に。
しかもこのロビングから、神谷が合わせてループヘッドとなりゴールを襲い、GKシワラクが辛うじてセーブと際どいシーンが生み出されました。

冷や汗をかいたブリーラム、その後自身も長いパスで深さを取り、そこから敵陣で展開するというスタイルに。
フィジカル勝負で苦戦が見られていた甲府にとってはやって欲しくない立ち回りだったでしょうか、防がんとして反則が膨らんでいき。
11分にティーラトンの縦パスを受けにいったスパチャイ、防ぎにいった神谷が後ろから倒す結果となってしまい反則・警告。
これで右サイドからのFKを得たブリーラム、ティーラトンのクロスをファーサイドでキムミンヒョクが合わせヘディングシュート。
これが右ポストを叩き、跳ね返りをパンサがヘッドで詰めたものの井上がブロックと、決死のディフェンスでこの連撃を防ぎます。
ここから繋がったカウンターは、ウタカのドリブルからのラストパスが武富に合わずに終わるも、劣勢において守備から流れを生み出さんとします。
それに呼応するようにベンチも動き、13分にウタカ・ジェトゥリオ→クリスティアーノ・長谷川へと2枚替え。(武富が右サイドハーフに回る)

その最初の攻撃で、最終ラインでの繋ぎから巧く左サイド(ブリーラムから見て右サイド)を開け、ドリブルに持ち込んだ三浦がポケットを突く好機に。
ラストパスを受けた長谷川がシュート(GKシワラクキャッチ)と、流れを変えに掛かります。
こうなると相手ベンチも慌ただしくなり、16分にスパチャイ→ドゥミトルへと交代したブリーラム。
それに対し甲府も20分に神谷・武富→マンシャ・宮崎へ交代と、お互いの采配が交錯。

そしてとうとう、得意手の敵陣でのボール奪取を発揮する甲府。
20分にミドルパスをカットした佐藤から、パスを受けたクリスティアーノがミドルシュートを放ち。(GKシワラクキャッチ)
そして息もつかせずその直後、左サイドでボール奪取した三浦がすかさずラタナコーンのチャージを受けて反則。
これで左からのFKを得ると、キッカー長谷川のクロスが右ポケットへこぼれたところ、武富が反応して折り返し。
そしてファーサイドで井上が収めてボレーシュートにいきましたが、これもGKシワラクがキャッチ。

23分に再びブリーラムが動き、ラタナコーン→ピーラドルへと交代。
これを機にクールズが最終ラインに入り、ピーラドル・ササラクをウイングバックとした3-4-2-1へシフトした感があり。

それでも甲府は良い感じに敵陣でのディフェンスを見せ、24分には再び佐藤が縦パスをカット。
27分にはGKシワラクのフィードを直接飯島がカットと、ショートカウンターの機運を高めるものの、フィニッシュまでは辿り着けず。

一転して厳しめとなったブリーラム、直後の28分には右スローインを受けたシェイダエフが素早くサイドチェンジする事で打開し、ティーラトンのスルーパスで奥を取り。
ここから敵陣でサッカーを展開し、甲府のクリアボールも拾って押し込み、左ポケット奥を取るシェイダエフ。
しかし甲府のボックス内は固く、戻しから(ティーラトンの)ミドルシュートを選択せざるを得ず、これをマンシャがブロック。
守備でリズムを作るという流れを一貫させる甲府、先制点を与えません。

甲府最後の交代は30分で、飯島→中村。
この日攻守に良い働きをしていたベテラン・佐藤を残す選択をした篠田善之監督。
最初は飯島の居たトップ下に入った中村でしたが、のちに佐藤と入れ替わりでボランチとなり、佐藤がトップ下に。

34分に中村がミドルシュート(パンサがブロック)、37分には遠目からのFKでクリスティアーノが直接シュート(GKシワラクキャッチ)と、遠目からフィニッシュを放つ事が多くなってきた甲府。
終盤も近くなり、まずは矢を放つ事で相手を疲弊させに掛かった感があり。
そして41分、左サイドで相手のプレッシングを剥がすと、中央で中村の縦パスを受けた宮崎がここもミドルシュートを選択。
枠外に終わるも、こうした積極性が奏功し以降ブリーラムを圧倒するに至ります。
39分以降攻撃機会を得れないブリーラムを尻目に、終盤の猛攻に入る甲府。

43分、宮崎の右サイドでの切り込みでCKを得ると、相手のお株を奪うセットプレー攻勢に。
その1本目(右)で、キッカー長谷川は低いボールでニアサイドを突くと、中村が跳び込んでフリックで合わせ。
これが左ポストを直撃と際どいフィニッシュを描き、尚も三浦がエリア内で拾ったものの撃てずに2本目(左)に。
ショートコーナーを挟んだのち再びニアにクロス→三浦フリックを選択するもシュートには繋がらず。
しかし尚も二次攻撃を仕掛け、右サイド奥で途切れてスローインとなると、投げられたボールを最奥で受けたクリスティアーノが素早くクロス。
これをファーサイドで長谷川が合わせにいき、ピーラドルとの競り合いを制して放たれたヘディングシュートが、見事にゴール左へと突き刺さります。
土壇場でとうとうこじ開け、栄あるACL初ゴールで先制した甲府。

一方勝ち越されたブリーラム、最後の望みはATのみという状況に。
最後の交代を敢行(シェイダエフ→タワチャイ)したのちも、パワープレイへの傾倒はせずパスワークで攻め上がり。
右サイド奥を取ったのち、戻しを経てタワチャイのミドルシュートが放たれるも中村がブロックと、最後まで身体を張る甲府ディフェンス。

そして試合終了の時を迎え、1-0で逃げ切った甲府。
クラブに歴史の1ページを刻む勝ち点3を得た今後は、本格的にグループリーグ勝ち上がりを狙う戦いに突入する事でしょう。

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DAZN観戦 2023年J3リーグ第28節 福島ユナイテッドFCvsSC相模原

2023-09-27 18:10:10 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

  • 福島ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • 福島の予想布陣は3-4-2-1だが、守備時は↓を基本とした5-3-2の形を採るため3-3-2-2(3-1-4-2)と推測して記載。

開幕からずっと底辺付近を彷徨っていた相模原。
それでも今季におけるJ3監督交代の波に呑まれる事は無く、戸田和幸新監督の下、ひたすら我慢を続けてきたというここまでの戦い。

それもそのはずで、ここ(wikipediaの「SC相模原の選手一覧」のページ)を見て判る通り、選手構成は「新加入」の選手が大部分であり。(33人中25人と凄まじい数字)
オフにベテラン・中堅選手をほぼ全て放出し、新卒選手の割合を増やすという荒療治を取ったうえで、新シーズンに臨みました。

しかしその歩みは苦難に塗れ、常時最下位争いならびに降格枠からの脱出を目指す戦いを強いられ。
新卒選手中心の戦いは、GKへのバックパスでオウンゴールとか経験値的にやはり厳しいものがあり。
他クラブからの移籍選手も全て20歳代(おまけにJFL以下に在籍していた選手も少なくない)で、誰にも頼れないといった状況だったでしょうか。

そして夏のマーケットで降格を避けるべくの大幅に選手獲得に努めるという、2つの移籍市場での動向が合わさった結果が大量の「新加入」選手。
獲得した6選手はいずれも即出場(東廉太のみは故障で現在離脱中)している辺り、直ぐに主力としての働きが見込める程に戦力は脆弱だったという事であり。
その中には30歳代の岩上・瀬沼も居るという具合に、やはりチームに一定の経験値を加える必要がありました。
そうして陣容を整え、後半戦は4勝(1分3敗)と何とかチームを軌道に乗せる事に成功し。
この日は同じく後半戦好調の福島が相手となりました。

ともに3バックの最終ラインから、相手のプレッシングに対しどう前にボールを運ぶかを考えさせられる流れとなり。
アバウトな蹴り合いの入りを経て、いち早く前進に成功する道筋を得たのは福島ですが、そこでフィニッシュという有効打は放てず。
トップの澤上がサイドに開いて基点かつ中継点を務め、ボールを運びやすくはしていたものの、決定力に欠けるというトレードオフを強いられていたでしょうか。
そうなると好循環を失うのは早く、相模原の攻撃をいかに凌ぐかという展開に。

相模原のビルドアップに対し、福島は従来の3-4-2-1の基本布陣による5-4-1or5-2-3の守備では無く、澤上・森の2人をFWにしての5-3-2によりプレスを掛ける体勢を取り。
本来ボランチなはずの上畑が左シャドーのような動きを取るという具合に、前への人数を増やして規制を掛けにいきます。
そのプレッシャーを受けては苦戦必至といった相模原ですが、従来とは違った布陣だけに練度が浅かったでしょうか。
相模原はFWの福井が降りて出口とする事で、そこに縦パスを通して脱出を果たすシーンが目立ち、攻撃権の確保に成功します。
17分にはその福井が、山下の縦パスに入れ替わってドリブルに持ち込み、そのままミドルシュートを放って(GK山本セーブ)ゴールを脅かし。

福島にとっては不利に追い込まれたと言って良く、何とか反撃せんという焦りの下、送られる縦パスを悉くカットされてしまうという具合にこの試合(5節・岩手戦、0-2)の再現のような流れとなり。
21分には左サイドで増田がその縦パスをカットし、その流れのまま奥を取った末に橋本のクロス。
合わずに流れるも、右ポケットで拾った加藤がシュート(ブロック)と、ショートカウンターにも繋げる事でフィニッシュを増やす相模原。

しかし24分に、アンカーの西山がトラップミスを上畑に奪われ、たまらず奪い返さんとした結果倒してしまい反則・警告。
いかに補強でチーム力を上げたとはいえ、若さが残る陣容故に綻びも目立ち。
これで直接フリーキックの好機となった福島、キッカー森が放った直接シュートがゴール左を襲い、惜しくも枠の外という結果に。

それでも好循環を保つ相模原、以降もパスカットを目立たせ福島にペースを与えず。
そして29分、敵陣での右スローインからの繋ぎで、ボールを持った西山が逆方向へと流れつつのボールキープの最中に中央前方へ送るパス。
後ろにベクトルを向けている体勢で前にボールを送るという工夫を凝らしたパスが通ると、その西山の前方で(増田の)スルーパスに抜け出した綿引が最奥からクロス。
この低いボールをニアサイドで福井がボレーシュートで合わせると、ゴール左へと突き刺さって先制点を挙げた相模原。
特別指定で加入中の福井にとっては、嬉しいJリーグ初ゴールともなりまいた。

一方試合展開通りに、リードを奪われてしまった福島。
ボールを運べなくなったのが劣勢の要因であり、それを気に病んだのか以降ビルドアップの最中でも、両ウイングバックは低目の位置に残る体勢に。
何とか出口を多くしようという立ち回りですが、それに付け込んで相模原のWB(加藤・橋本)が前に出て規制を掛けに来るので効果が出ずに終わり。
ヒントとなったのが36分で、左サイドの低い位置に開いた森が鈴からパスを受けてビルドアップに関わり。
こうする事でWBの田中康が本来の高い位置を取り、その田中へとミドルパスを送った森でしたが、奥に走り込んで受けた田中康は収められず終わり。
それでもこの体制が後半に活きる事となります。

以降も相模原の攻撃シーンが続き、福島は守備を固めるも、それを受けた相模原は無理に攻めず作り直しを選択するという具合にリードを最大限生かす立ち回り。
結局福島が反撃の糸口を掴めないまま、0-1で前半を終える事となりました。

始まった後半、その最初の攻撃で福島はこの日初のコーナーキックを獲得。
流れを変えられるかと期待が高まったものの、それが果たされる事は無く、以降も相模原の攻勢が続く展開となります。

当然ながら福島は前からの意識を高めたものの、それに伴い瀬沼狙いのロングボールが良く効くようになった相模原。
陣地回復のみならず、セカンドボールを拾った相模原の攻撃が悉く好機に結び付きます。
再び押し込まれた福島、後半6分には最終ラインがあろう事か自陣エリア内で牧山に奪われるというピンチの招き方を演じてしまい。(拾った瀬沼がすかさずシュートもゴール左へ外れ)

流れを反転させたい福島。
8分に相模原のCKから、クリアボールを拾った塩浜がカウンターに持ち込まんとした所を増山に倒されて反則・警告。
そして直後に大森・澤上→吉永・雪江へと2枚替えと、相模原の綻びに付け込むように采配面で動いてきました。

そして投入された吉永の動きを軸に反撃体制を作る福島。
ボランチの位置から左サイドに開き、最終ラインと田中康の間のポジションに(攻撃時に)常時位置取る吉永。
これでWBが下がる事を強いられるという前半の問題は幾ばくか解決し。
そして逆の右サイドでは、左に人数を多くする意識の副作用か堂鼻がオーバーラップを繰り返して攻撃に関わるなど、両サイドが活性化する流れとなり。

迎えた19分、やはり左サイドから攻める姿勢を取る福島、田中康がやや下がり目でパスを受け。
そして雪江→森と人数を集めてパスを繋いだ末に、スルーパスが(ブロックに当たった末に)塩浜に通り、そのまま左ポケットに切り込んでシュートを放つ塩浜。
GK東ジョンのセーブも及ばず、ゴールネットが揺れて同点に追い付きました。

追い付かれた相模原は、キックオフの前に瀬沼→安藤へと交代。
数少ない「オフの血の入れ替え」に関わらなかった選手である安藤、そのまま瀬沼のポジション・役割を務めます。
瀬沼よりだいぶ小柄ながらも、ロングボールの受け所を立派にこなす安藤。
22分には裏抜けで綿引のロングパスを左ポケットで受けた安藤、中央へ流れた末にシュートしましたが堂鼻がブロックで防ぎ。
24分にはターゲットを務め、一旦こぼれたボールを倒れながらも収めた安藤。
奪われるもすかさず奪い返した増田が(上畑に)反則を受けた事で、左サイドからのFKになると、キッカー西山のファーサイドへのクロスに水口が頭で合わせ。
しっかり叩き付けられたヘディングシュートでしたが、GK山本のセーブに阻まれ勝ち越しはなりません。

一方再び押し込まれ気味となった福島。
何とか活路を見出したい状況下で、28分に森が左サイド裏へとロングパスを送ると、走り込んだ雪江が水口とのデュエルを制して最奥でボール確保。
そして溜めを作り、上がってきた森にラストパスを送ると、森はトラップでGK東ジョンを左にかわす絶好機を生み出し。
しかしゴールするには角度・距離が足りず、左ポケット奥からシュートしましたがサイドネット外に終わります。

それでも決定機を迎えた事でファイティングポーズを取り直し。
その後は均衡状態を経て、32分に両ベンチの采配が交錯し。
福島が大武・森→三木・野末へ2枚替えすると、相模原は一挙に3枚替え。
西山・牧山・福井→岩上・佐相・齊藤へと交代しました。

大ベテランの岩上と、安藤と同じく前年からチームに残った佐相と、キャラの濃い(?)選手を投入した相模原が優位に立ち。
特にアンカーの位置からロングパスを散らす岩上に対し、当初福島サイドは規制を掛けられずに大きな展開を許す事となります。
35分にはセンターサークルでスペースを確保した岩上、意表を突いてそのままロングシュートを狙いましたがGK山本がキャッチ。

その後警戒した福島ディフェンスが岩上を潰しにいく体勢を取るも、今度はそれをいなしながらショートパスでの組み立てに切り替えるという具合にベテランらしさを発揮する岩上。
39分には岩上の右への展開から、スルーパスを送った加藤が増田のリターンで右ポケットに走り込み、ダイレクトでシュートを放ちましたが惜しくもゴール左へと外れ。

一方の福島、この時間帯は既にオープン気味となっていたのもあり、キーマンだった吉永も左に張らず広範囲で攻撃に関わる姿勢を取ります。
また守備時は雪江が右サイドに開き、塩浜を頂点とした5-2-3気味の布陣で前線から守るという具合に微調整。
43分、左サイドで受けた田中がドリブルを敢行し、一気に奥へと切り込んでクロスに辿り着き。
クリアされるも尚も繋ぎ、今度は鈴の低いクロスがニアサイドに入ると、三木が収められなかったこぼれ球を塩浜が繋いだ末に堂鼻がシュート。
しかしゴール右へ外れと、どちらも着実にゴールに近づくものの決めきれず。
44分に福島は最後のカードを使い、塩浜→長野へと交代します。(相模原はカードを1枚残して終える)

この時間で投入された長野が推進力を発揮し、それにより押し込む福島。
最後は体力勝負とばかりに勝ち越しを狙ったものの、果たされる事は無く。
何とかその流れを凌いだ相模原は最後に攻撃権を得て、岩上の左ポケットへのミドルパスに山下が走り込んでダイレクトでクロス。
これを佐相がヘディングシュートに持っていきましたが、ゴール左へと外れてモノに出来ず終わります。

結局1-1のまま、引き分けの痛み分けに。
最近好調ながらも下位に沈んでいる両クラブ、それだけにJFLの動向も気になる所ですが、臆する事無く地盤固めに努めながら結果に繋げて欲しいものです。

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DAZN観戦 2023~24AFCチャンピオンズリーグ グループH第1節 メルボルンシティFCvsヴァンフォーレ甲府

2023-09-24 15:04:50 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

  • 甲府は前試合(35節・ヴェルディ戦、1-1)から全とっかえのスタメン。
  • 35節スタメン→ベンチメンバーも蓮川・三浦・宮崎・三平と4人のみ。
  • メルボルンのメンバーの表記はyahooスポーツナビに準拠。

甲府ベンチメンバー=GK山内 山本 蓮川 三浦 品田 三平 宮崎 ジェトゥリオ ピーター・ウタカ


ひょんな事から、J2からACLに参戦となった甲府。
しかし二足の草鞋を履くその戦いに挑む前に、編成面で慌ただしい整備を強いられた感があり。

何といっても須貝が(鹿島に)引き抜きに遭ったのが唐突の出来事で、彼の穴は松田の獲得で何とか埋め。
その見返りのように鹿島で干され気味だった中村の再加入があったり、GK河田の負傷離脱に伴い京都からGKウッドの獲得があったりと、緊急感の強かった夏の移籍市場となりました。

そうして迎えたグループリーグ、初戦はアウェイつまり海外への移動となり。
行先はオーストラリアでしたが、そこでも(日程的に都合のいい)直行便が無く25時間掛けての移動を強いられるというイレギュラーを体験する事に。
相手はメルボルン・シティFC(以下メルボルン)で、同じメルボルンの都市にメルボルン・ビクトリーFCが存在するという、日本でいう横浜や大阪のような立ち位置でしょうか。

クラブ初の海外遠征という事で、色めき立ったのは選手だけでは無く、サポーター一同も大勢集まり。
相手のメルボルンに見劣りしない程の声援を終始ピッチ内に届けていました。

その立ち上がり。
最終ラインからパスを繋ぐスタイルのメルボルンに対し、甲府は得意手であるハイプレスで主導権を握ります。
前半3分に、立て続けにセンターバックの神谷・井上が前に出てのパスカットを見せてそこからショートカウンター(いずれもシュートには繋がらず)に持っていったのがその始まりとなり。

メルボルンは5分に中盤3枚の関係性で巧く繋ぎ、アタッキングサードでウイングが持つ絵図に持っていき、そこからウガルコビッチのミドルシュート(枠外)で最初の矢を放ち。
ここからペースを掴むかと思われましたが、以降も甲府のプレッシングの前に思うようなビルドアップが出来ず。
7分にロングパスをカットした関口がすかさず裏へミドルパスを送り、足下で受けた松本孝がエリア手前からシュート。(レイスがブロック)
持ち込んだ左コーナーキックからは、キッカー佐藤のクロスをクリアにいったメルボルン、そのボールが逆方向へと飛んでポストを叩くというあわやという場面もあり。

メルボルンのビルドアップは、アルスランがボランチの位置に降りて典型的なボックス型を作る最終ラインから始められ。
対する甲府はセンターバックに果敢にプレッシャーをかけ、サイドで詰まらせるか、ボランチに出された所をこちらもボランチの佐藤・林田が前に出る形で奪いにいくスタイル。
完全ターンオーバーを強いられたメンバーながらも、逆にウタカやクリスティアーノが不在なため、そのフレッシュさを感じさせるプレッシャーにより良く効いていました。

苦戦するメルボルン、14分辺りから両WGのサイドを入れ替え、ヤコリシュが左・ロパーネが右に。
しかし依然としてサイドで詰まる状況を改善出来ず、17分に右サイドで詰まらせて敵陣深めでのスローインに持ち込んだ甲府。
そこからの繋ぎで逆サイドに持っていき、クロスでは無く細かいパスワークでの崩しを選択し、鳥海が左ポケットからシュートしましたが惜しくもサイドネット外側に。
22分にはパスミスを中盤で拾い、飯島がドリブルする所を倒してしまったウガルコビッチが反則・警告を受けるという具合に被害が広がっていきます。

後は決めるだけといった甲府ですが、24分には逆にメルボルンが深めでカットしてショートカウンターに。
左サイドからポケットを突き、アルスランが奥からシュートするもGKウッドがセーブと、油断大敵という警告となります。
ようやく手応えを掴んだメルボルンにより、ここから甲府もハイプレスに難儀する展開となり、GKウッドのフィードで逃げる状況が増え。
一進一退ななか、28分には関口の右からカットインを経てのミドルシュートがゴールを襲い。(GKヤングセーブ)

30分に再度WGを入れ替えたメルボルン、ヤコリシュ・ロパーネともにスタートの位置に戻り。
その直後にサキのパスカットから好機を作り、右ポケットでパスを受けたヤコリシュがシュートするもブロックを掠めてゴール左へと外れ。
ここからCKを2本続けるなど押し込み。
ようやく本領発揮といった流れでしたが、33分に武富のパスカットから好機を作った甲府(シュートには繋がらず)によりそれも途切れてしまいます。
直後にはプレスバックした飯島の反則気味のボール奪取によりショートカウンターとなり、鳥海のスルーパスに松本孝が抜け出して受ける絶好機に。
しかしエリア手前で放った松本孝のシュートはGKヤングがキャッチと、FWの決定力不足という形でターンオーバーのしっぺ返しを食う甲府。(15分にも松本孝がGKと一対一に持ち込むも、シュートはセーブされる)
37分に再び甲府の好機、鳥海が左ハーフレーンをドリブルする所をグッドに倒されて反則、エリアからすぐ手前の直接フリーキックというこれまでとは違った形が生まれます。
キッカーは佐藤で、もう片方キッカーの位置に居た小林が前方の飯島のポジショニングに指示を出す最中に蹴る事で意表を突き。
しかし放たれたシュートはゴールバー直撃と、後一歩でモノに出来ません。

その後は甲府がボールを握って攻撃し、それを防いだメルボルンがカウンターを仕掛ける(44分)という逆転現象に。
しかしともにシュートを放てず、スコアも入らないまま前半を終えます。

初の海外での試合で、予想以上の善戦を見せる甲府。
ハーフタイムに宮崎を投入(武富と交代)と勝負にいく采配で、スコアを動かし勝ち点3を得る事が出来る注目を浴びる事に。

メルボルンのキックオフで後半が始まると、その攻撃で後方からミドルパスを右へと送り、そこにマクラーレンが開いて関わる事で敵陣で攻撃を展開。
前半あまりボールに関われなかったCFのマクラーレン、変化を付ける事で試合展開を動かさんとしましたが、結局ここからはフィニッシュに繋がらず。
その後は一進一退ながら、やや甲府が優勢に見えるという前半とさほど変わらない状況に。

そしてフィニッシュに辿り着いたのも甲府で、6分関口の中盤右サイドでのパスカットから攻撃に入り。
敵陣で細かく繋ぎ、交代で入った宮崎が左ポケットで持つ展開に持ち込み、カットインシュートを放ったものの枠を捉えられず。

何とか試合を落ち着けたいメルボルン。
ビルドアップの安定化を図らんと、最終ラインは右サイドバックのタルボットが残る3枚の布陣へとシフト。
左SBのベヒッチが高めを取るという左肩上がりの状態を作り、一列前はアルスランとサキどちらが降りて来るかを流動的にするという3-2の形で、甲府のプレッシングをいなす体勢を作ります。
これでショートカウンターを受けるという形は減りましたが、敵陣に運んでも、甲府の機動力は素早いリトリートにも表れるためそこからの崩しは果たせず。
ここら辺は前半からクロスに頼らず、あくまでポケットへの進入を狙うチームらしく、そのアイデアが防がれると戻して作り直すしか無くなり。

逆にその間隙を突くように甲府は13分、佐藤の自陣でのカットから鳥海・宮崎の2人で素早く前へ運び、エリア内から鳥海のシュートが放たれますがGKヤングがセーブ。
直後にウタカを投入(松本孝と交代)と、ここでストライカーのクオリティに託す姿勢とをります。

しかしメルボルンも、15分過ぎ辺りで再度WGの位置を交換。
移ったヤコリシュと、高めに上がるベヒッチとの関係性から、以降左サイド中心にボールを握る体勢に。
18分には長らく繰り広げられたパスワークから、一瞬の隙を突いてベヒッチが左ポケットへスルーパス。
そこに走り込んだマクラーレンがシュートしますが、GKウッドがキャッチ。
続く19分には相手のトランジションの隙を突き、スルーパス一本で走り込んだマクラーレンがシュートという好機に持ち込みましたが、これも神谷のブロックに阻まれ。

守勢を強いられるようになってきた甲府、20分に再びベンチが動き三平を投入。(飯島と交代)
レギュラー陣を増やす事で攻撃のクオリティを保ちにいきます。
その機動性が懸念材料のウタカも、21分には相手最終ラインのミスを突いてボール奪取(しかしすぐに奪い返される)と、プレッシングサッカーへの順応を見せ。

23分にメルボルンが再びアタッキングサードに持ち込んでのパスワーク、今度は右へとサイドを移したのちのポケットへのスルーパスに、SBのタルボットが走り込み。
クリアされてCKに持ち込み、キッカー・サキのクロスがクリアされた後もボールを繋いだものの、三平が奪った事で甲府のカウンターに。
素早く敵陣右サイドに持ち込み、ここから中央へのパスワークでの崩しを選択した末に、ウタカがシュートを放ちましたがレイスのブロックに阻まれます。

その後もメルボルンがボールを握るも、甲府の守備陣の前に難儀する展開。
次第にこれまで殆ど使わなかったワイドからのクロスへと傾倒していくも、打開策とはなりません。
ようやくメルボルンベンチが動いたのが29分で、ロパーネ→アントニスへと交代します。
当初はロパーネの位置の右WGを務めたアントニスでしたが、のちに(38分辺り?)またもWGの位置を入れ替える事に。
これに対し甲府も、サイドハーフの位置を入れ替える事で対抗し、鳥海が左・宮崎が右に。

その後は甲府がペースを取り戻し、敵陣での展開が続きます。
しかしその最中の33分に、佐藤が足を攣らせてしまう事態が発生し。
倒れずにプレーを続けた佐藤、その間に交代の準備をする甲府ベンチ。
尚も攻める事を選択した甲府ですが、36分に鳥海が奪われてメルボルンのカウンターチャンスとなり、アントニスが右ポケットへ進入してからのパスでサキからクロスが上がり。
そしてファーサイドでマクラーレンがバイシクル気味に合わせましたが、ジャストミート出来ず浮いたボールをGKウッドにキャッチされ。

何とかメルボルンの攻撃を凌ぎ、交代までこぎつけたものの、その際に井上までも足を攣らせてしまったようであり。
すかさず投入する手はずだったジェトゥリオをキャンセル、蓮川に代えた事で尚も待たされる佐藤の交代。
ようやく果たされたのは40分の事となりました。(井上・佐藤→蓮川・品田)

トラブルがあったものの、以降攻撃権を握る甲府。
43分にベヒッチのコントロールミスを突き、奪って前進する宮崎がベヒッチに後ろから引っ張られた事で反則・ベヒッチに警告。
44分・45分と立て続けにウタカがエリア内からシュートを放つ好機となりましたが、いずれもブロックに阻まれ。

以降も、ボールを握って何とか好機を作らんとするメルボルンの思惑を退ける甲府。
アディショナルタイムに2枚目のカードを使ったメルボルン(タルボット→スープライアン)でしたが、結局交代は2人のみに終わり。
流れを変えるべくの選手も手段も少なかったのでしょうか。(ちなみに元浦和のナバウトが所属も、故障により離脱中)

結局甲府も最後までゴールを奪う事が出来ず。
ATに再度ウタカにシュートチャンスが訪れ、左から小林のマイナスのクロスに合わせたものの、再びレイスがブロック。
この際腕に当たったとしてVARチェックが挟まれるも、直ぐにノーファールの判定が下され実りませんでした。

初陣は引き分けに終わりましたが、初の勝ち点(1)を得るという具合に手応えは上々であり。
今後もタイ(ブリーラム・ユナイテッドFC)・中国(浙江職業足球倶楽部)への遠征が控えますが、リーグ戦とも兼ね合うなか何とか乗り越えて欲しいものです。

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