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ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第16節 AC長野パルセイロvsY.S.C.C.横浜

2024-06-12 16:42:07 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

試合前の注目選手に、長野の古賀の名が挙げられた事で、このカードはシュタルフ悠紀氏を通じての因縁マッチという要素を実感するに至り。
古賀が加入したのは今季からで無関係なのですが、シュタルフ氏の監督就任(と綺麗に書いたものの、YS横浜→長野への鞍替え)に伴い選手を3名引き抜く(池ヶ谷・船橋・佐藤祐太)という豪腕を発揮した当時の長野。
昇格に向けてどんな手でも……といった思想だったのでしょうが、結局は成果を上げられず。
YS横浜で3年間監督を務めたシュタルフ氏も、長い目で見られる事無く前年途中で解任の憂き目に遭い。
3名のうち池ヶ谷のみが残るも、元YS横浜という面では古賀に加えて進も在籍中。

古賀の経歴(欧州で過ごしたユース時代、ラトビア・オーストリアでプレー経験あるプロ時代)が示す通り、そのYS横浜は今季の編成も多国籍・無国籍と言わんばかりの陣容であり。
この日のスタメンも、最終ラインの真ん中に日本・カナダとのハーフであるヴァンイヤーデン、1トップに高校を日本で過ごしたナイジェリア人・オニエという具合に多彩。
彼らを擁して繰り広げられるサッカーに期待させられるも、この試合に限っては肩透かしを食らった感があり。

試合が始まり、落ち着かないボールの動きを経て、長野が最終ラインでボールを持ってから左サイドでパスワーク。
すると最後方から杉井が裏へ送ったロングパス一本で、1トップの浮田が左ポケットを取ってダイレクトでシュート。
GK岡本がセーブするも勢いが勝ってゴール内へと吸い込まれ、ここまで約40秒という電光石火のゴールとなりました。
オフサイドと思い込んでいた節のあるYS横浜サイド、いきなりゲームプランを崩された格好に。

直後にYS横浜のキックオフで再開し、右ワイドから松村のパスを受けたオニエ、そのままポケットへ切り込んでシュートを放ち。(ブロックされコーナーに)
助っ人選手らしいパワフルさを発揮したオニエですが、前半の、いや試合を通じて見せ場はこのシーンのみに終わるとは予想だにせず。

というのも、YS横浜は最終ラインからショートパスを繋ぐ例年通りのスタイルで、一向に最前線に張るオニエの下へパスを運べないまま時間を費やしたのが一因でした。
花房が張り出して右肩上がりの陣形を作り、ウイングバックの松村が最前線へと躍り出るのが基本形。
ミラーマッチである対戦故に、そうした可変は地上での前進には必須事項ではありますが、逆にミラーの状況を極端に嫌がっていた印象である全体のYS横浜。
8分、奥村が本来の位置では無く右ハーフレーンに張り出してドリブルを仕掛けたのがその一端で、持ち上がったのち逆の左へとパスを繋ぎ。
自分の動きでスペースを開けたつもりだったでしょうが、その攻撃は藤森に遮断され長野のカウンターになりかかるという具合に実らず。

逆に長野が繋ぐ状況となると、最前線のオニエからプレスが掛からない(常にアンカーの位置を切るという動き)ため、全体遅れをとって前進を許す破目となり。
長野は、主にボランチの片割れを左サイドに張り出させ、人数を増やして自陣でのパスワークでYS横浜ディフェンスを集め。
そして対角線のロングパスで密集を脱するという攻めが良く嵌っていました。

スコアでも内容でも有利な状況を作った長野。
17分、ここは左からの前進で杉井のスルーパスを受けた小西、ワイドからカットインと見せかけてポケットの忽那へのパス。
これは遮断されるも、こぼれ球を拾ったヴァンイヤーデンに対し田中がプレッシャーを掛け、奪いきったと同時にヴァンイヤーデンに蹴られる格好に。
すかさず反則ならびにPKを告げる笛が鳴り、素早い判断が出来なかったのを嘆く事となった(様に見えた)YS横浜ディフェンス。
11分にも、長野陣内で(池ヶ谷のラフなパスで)イーブンとなったボールに、松村の出足が遅く田中に拾われてドリブルを許すシーンがあり。
緻密さが要求されるスタイルだけに、脳内がクリアとなっていないが故の立ち遅れに繋がっていたでしょうか。
このPKは浮田がゴール左へと決め、早々に2点リードを奪った長野。

ショックを隠せないYS横浜に対し、長野はそのビルドアップを次々と遮断。
21分にGK岡本の縦パスを田中がカットし、そのまま左ポケットへ切り込んでシュート。
GK岡本がセーブした跳ね返りを浮田が繋ぎ、更に西村がシュートするも枠外に。
続く22分には完全なパスミスを拾い、左サイド奥を窺いながら細かく繋いだ末に、忽那がカットインを経てハーフレーンからのミドルシュート。
これがゴールバーを叩くという具合に、何時追加点が入っても可笑しくない流れとなります。

最前線のオニエに見せ場が無いのは前述しましたが、最後方のヴァンイヤーデンも、与PKが影響したかその立ち回りは冴えません。
21分(上記のシーンの直前)には、ワンタッチのパスを小西に付かれている冨士田に送り、こぼされて(西村に)奪われるという具合に最終ラインから繋ぐスタイルへの適合力に疑問符が付くシーンを露呈してしまい。
その後も、プレッシャーを受ければ視野が狭くなり近場へ出す事しか出来ず、逆に受けない時は他の全選手にマークが付かれる様を見て何処にも出せずという風であり。
結局GK岡本がパスワークに加わる事で何とかカバーし、(数的優位により)長野のプレッシングを抑制させるも既に2点ビハインドという事実は変わらず。
パスを繋ぎ続けるものの何も起こす事が出来ない、良く言われる「ボールを持たされる状態」からさらに深刻な風に映りました。

特に30分台は、一度も攻撃機会を得れないYS横浜に対し、更なる追加点を目指す長野と明暗分かれる時間帯となり。
決定機は39分で、例によって左サイドでのパスワークを経て忽那が右へロングパスを通す組み立てから、受けた藤森がカットインで右ポケットへ。
そして角度の小さい所からシュートを放ち、GK岡本がセーブしてこぼれた所を西村が詰めましたが撃ちきれず。
藤森は36分にも右ポケットから惜しいシュートを放っており、システム上躍動するにこの上無い試合と化していたもののゴールは奪えず。
これが今季2試合目と、移籍選手が目立つなかで貴重な年季の立った生え抜き選手(といっても5年目ですが)だけに、序列を上げたかった所でしょうが……。

一向に反撃機会が巡って来ないYS横浜、43分に花房が前に出て杉井からボール奪取、その勢いのまま反則を受けた事でその流れを断ち切り。
終盤は攻勢に入ったものの、フィニッシュには辿り着けず。
オニエは45分に松村の右からのクロスを収めるも、腕に当ててしまいハンドを取られたのが数少ないボールタッチの一つという結果に終わり。
結局2-0のまま前半を終える事となりました。

最悪に近い前半を受け、何もかも変えなければいけないという思考に陥ったでしょうか。
ハーフタイムで一挙に4枚替えを敢行したYS横浜・倉貫一毅監督。
その全容は、良い所が無かったヴァンイヤーデン・オニエの2人に、山本と柳を加えた4名。
最終ラインに土館を投入し右センターバックに(中央に花房が回る)、最前線に萱沼を投入。
そして後者2人に代えて菊谷・脇坂(J1・川崎に兄が在籍)をともにシャドーとして投入し、奥村がボランチに、藤島が左WBに回りました。

土館は本来のレギュラー選手で、ずっと欠場が続いておりこの試合でベンチに復帰。
萱沼(彼も11試合ぶりの出場)とともにYS横浜のスタイルを熟知する選手が入った事で、流れを良化させに掛かり。

前半同様に落ち着かないボールの流れの入りで、長く続いた末に本来の繋ぐサッカーに入るYS横浜。
その最初である後半3分、パスミスを犯して忽那が拾い、そのまま左ポケットからシュートを放たれ。(枠外)
いきなり暗雲漂うものとなりましたが、その後は乱れを見せずボールポゼッションを取り戻します。

土館が加わった最終ラインからリズムを作りに掛かったのは明白で、守備面でも4分には花房が前に出てボールカット。
すると勢いそのままに、土館→松村と経由して出されたパスを、受けてそのまま右ポケットへ切り込んだのは花房。(ディフェンスに遭い撃てず)
中央CBの選手がボックス内まで切り込む姿に、長野も動揺を覚えたでしょうか。
選手交代により配置も変わった事も加わり、それを認識する作業により守勢に回る破目となりました。(実際、放送席も後半のYS横浜の布陣を4バックと思い込んでいた)

最終ラインでの繋ぎは、ボランチの片割れが降りる「ミシャ式」に近い形に固定化するYS横浜。
長野は前半とは打って変わって満足なプレスを掛けられず、そのためマンツーマン的に、降りたボランチに対して同じボランチである古賀が痛烈にプレッシャーを掛けるもかわされるという具合に混乱様相が目立ち。

かくして優勢を作り上げたYS横浜ですが、ゴールという結果を欲するのは当然であり。
7分に右ワイドからの前進で、脇坂が中央へ向かうドリブルで一気にエリア内へ切り込んでシュート。
大野のブロックに遭うも左CKとなり、ボックス内での花房と田中の小競り合い(YS横浜は終始ゴール前に密集を作るスタイル)で時間が取られたため、中里からキッカーを変えた末に満を持して上がった奥村のインスイングのクロス。
これがニアで合わせにいった松村を越え(当たったかどうかは不明)、そのままゴールを襲う軌道となりましたが、右ポストを直撃して惜しくも実らずに終わります。

このまま猛攻を受ければ決壊は避けられないという長野。
13分にゴールキックから、ロングフィードの跳ね返りをさらにダイレクトで池ヶ谷が裏へ送り、右奥で小西が受けた事で好機。
戻しを経て上がった藤森のクロスに浮田が合わせ、ジャストミートせずも一つ形を作って文字通り一息つく形に。
ペースが乱れたYS横浜、直後に最終ラインの杉井に対し冨士田が果敢にスライディングを仕掛けるも、足裏が入ってしまい反則・警告。
続く15分には長野にパスミスが生まれショートカウンターのチャンスとなりましたが、萱沼の戻しから素早く右へ展開する所で土館→松村のパスがズレて終了となり。

前半とは見違える内容となったYS横浜ですが、リードを守ればいいという状況の長野に対し、その守備を崩しきる事は出来ず。
陣容が整わないうちに攻めたいのは明白で、19分に自陣深めでの右スローイン、投げられたボールを土館がダイレクトでラフに蹴り出し。
クリアが逆方向に流れた所を、拾った脇坂がドリブルと素早く運んでミドルシュート。
しかし大野にブロックされ、こぼれ球を拾って敵陣で繋ぐ状況となったものの、その後はフィニッシュには辿り着けず。
長野がリトリートの色を強めたため、戻して作り直しという選択も効果が薄く、結局敵陣でパスを繋ぐ(前半はそれすら少なかったですが)シーンが長く続くだけという印象に終始します。

長野ベンチもカードを切る体勢に入り、26分に古賀・浮田→パクスビン・進へと2枚替え。
一方YS横浜は、残りのカードが一枚という状態でしたが、28分に藤島が足を痛めた事を受けてそれを使う事に。
橋本を同ポジションで投入します。

交代とともに勢いを付ける長野、30分にパクスビンの自陣でのパスカットから攻め上がり、左へサイドを移して田中がドリブルで奥を突き。
そこから戻し→再度奥を突くの繰り返しを経て、上げられた田中のクロスにニアで進が跳び込むも惜しくも合わず。
その奥の忽那も合わせられずに終わったものの、久々に能動的な好機を作り上げ。

すると32分、先制点のシーンが思い起こされるように杉井のロングパスが裏を突くと、目測を誤ったか土館がクリア出来ずに進の下に。
そしてそのままドリブルで左ポケットを突き、ほぼGKと一対一という状況で放たれたシュートがゴール左へ突き刺さります。
相手のボール保持の時間を耐え抜いた末に待っていたのは、長期離脱から復帰した進のゴールという胸すく絵面でした。
(キックオフ前に藤森→近藤へ交代、小西が右WBに回る)

一方、攻めども攻めどもゴールは奪えず……という結果を描いてしまったYS横浜。
流石に気落ちぶりは隠せず、ボールを握るだけの時間帯を強いられ。
最後に投入された橋本も、典型的なサイドアタッカーという印象は拭えず、そのスタイルに馴染んでいない風であり好循環を齎せません。

長野の最後の交代は40分で、西村・忽那→加藤・山中へと2枚替え。
これを機にハイプレスへと切り替えると、YS横浜はモチベーションの低下もあり、それをかわす事が出来ず。
42分に深めに追い込まれた末に、GK岡本→冨士田へのパスがエリア内で加藤に奪われる信じ難いシーンを作られた結果、近藤の横パスを受けた進がシュート。
前に出るGK岡本を見てのループシュートがゴールに吸い込まれ、文字通り止めを刺す4点目となりました。

アディショナルタイム突入後も攻め手を緩めず、ホームのスタンドを沸かせる振る舞いに徹する長野。
相手のお株を奪うように最終ラインから細かく繋ぎ、左から入れられる田中のグラウンダーのクロス。
ファーに流れた所を小西が拾いシュートを放つも、ブロックを掠めてゴール右へと外れ。
さらに攻勢を掛け、左サイドでパスワークで前進の末に、近藤が左ポケットへ切り込んでのシュート。
これを中央で進がコースを変え、GK岡本にセーブされるも拾って尚も繋ぎ、左奥からの加藤のクロスの跳ね返りを小西がミドルシュート。
ゴール左へ外れてこれも決められずとなりましたが、直後に鳴り響く試合終了の笛。
4-0というスコアで、今後に向けて機運も高まる1勝となり得たでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第15節 SC相模原vsいわてグルージャ盛岡

2024-06-07 18:17:31 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

  • 相模原ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。

0-9惨敗(11節・福島戦)のショックから一向に抜け出せない岩手。
勝利したのは天皇杯のみという状況でリーグ戦は全敗、とうとう監督交代も断行される事となりました。
しかしその内容も凄まじく、中三川哲治氏を監督就任前のポスト、つまりコーチへと戻し。
空いた監督の座に、強化部長だった神野卓哉氏が就く、自ら責任を果たしに降臨したという格好に。

そんな迷走気味の相手とは裏腹に、上位争いの真っ只中という躍進を見せている相模原。
これが今季初の視聴……と思いきや、この試合(6節・金沢戦、0-1)が初めてだったので2試合目。
当時はそれほどマークしていなかった存在が、今や大きな脅威に……という典型パターンか。
しかし前回視聴時が初黒星で、その後もロースコアの接戦を続けた結果ここまで僅か2敗で推移。
天皇杯予選~1回戦が挟まる、中々ペースが確保し辛かった5月の戦いを切り抜けたその前方の景色は明るい、といった状況しょうか。
その当時とはスタメンが大幅に変更されており、伊藤・牧山・前田といった生え抜き2年目の選手が揃って前目のポジションで起用されているのが目を惹き。

迎えた試合開始。
ボール争いの時間が暫く続く典型的な絵図を経て、先に攻撃権を確保したのが相模原。
根底を成す形がある相模原と、実績豊かな選手+オタボー頼みの節がある岩手との違いが表れた感があり。

その相模原の形は、前回観た通り3バックの基本形から、攻撃時は左右のセンターバックの片割れが前に出て2バック化するというもの。
そこから距離感を広く取ってのパスワークで前進を図る、つまりは地上でのビルドアップが肝となるチーム。
ディフェンスが前に喰い付く傾向のある岩手にとっては、福島のダイレクトパスの連続は天敵というものでしたが、この相模原の攻撃も割と嫌らしく。
取れそうで取れない長いパスを見て、その性質上DFが前に出ざるを得ない状況が幾度も発生するので、そこで相手に前を向かせては致命傷となり。

前半7分・8分に、FWの藤沼が立て続けにシュートを放つなど順風な滑り出しを見せた相模原。
一方岩手の攻撃はロングボール頼みという域を出ず、都倉をターゲットにしたものか、他選手の裏抜け狙いかの二択が精々の選択肢。

しかし12分、相模原のプレッシングを呼び込んだうえで柳のロングパスが前線に入ると、都倉が前方へ落とした事で完全に裏を取り。
エリア内で受けたオタボーが、体勢を崩しながらも2タッチ目で放ったシュートで見事ゴールにねじ入れ。
ワンチャンスという域を出ない攻めでしたが、それを綺麗にモノにして先制に成功しました。

スコアが動いた事で、試合展開は固定化され。
リードされた相模原はボールポゼッションを高めて攻勢に入る側となり、岩手はそれを凌ぎつつ隙を窺う側に。

それでも泥沼脱出への光明が見えた心理的状況か、ゴールへの近さという面では岩手が上回り。
17分、自陣での右スローインからの奪い合いを経て都倉が確保し、逆サイドへ展開ののち柳がスルーパス。
このパス一本で一気にポケットを取り、受けたのは例によってオタボーという好機になるもディフェンスに遭い撃てず。
21分には相模原のビルドアップに対し、落ち着かせようとした徳永に寄せた新里がボール奪取に成功、一気にショートカウンターに。
そのままエリア内を突いて都倉にラストパスを送った新里でしたが、満を持して放たれた都倉のシュートはゴール左へと外れてしまいます。
これをモノに出来ていれば、少なくとも敗戦は免れていたでしょうが……。

あわや追加点を献上する所だった相模原。
サイドへパスを出し入れし、ウイングバックが受けた所に相手サイドバックを釣り出すという事は、岩手DFの性質もあり難なく出来ており。
しかしそこからの展開に欠け、岩手サイドも釣り出されて出来たスペースをボランチが埋める(この辺は監督交代の賜物か)事もあり、弱点を突く事はままならず。

相模原のポゼッションが実を結ばない時間帯が続いたものの、30分台に入るとにわかに動き出し。
33分、左から牧山がロングスローを投げ入れると、跳ね返りをさらにクロスに繋げる牧山によりクロス攻勢に。
橋本の右手前からのクロスを、中央で藤沼が合わせヘディングシュートを放つも枠を捉えられず。
続く35分には右サイドからパスワークで前進、一旦奪われるも岩手のパスミスで継続し、右ポケットへのミドルパスに走り込んだ橋本がマイナスのクロス。
ニアでまたも藤沼が合わせましたがこれも枠外と、果敢にフィニッシュを放つ藤沼という流れは復活するものの結果に結び付きません。

次第に岩手の攻撃に可能性が無くなり、ポゼッションvsカウンターという典型例に。
岩手サイドは弱点である喰い付きを何とか抑えながら、相模原の攻勢を防ぎ続けて時間を進めていく展開。
しかし42分、自身のクリアボールを拾った前田から右サイドで攻める相模原、牧山へのパスに柳が喰い付いた所でスルーを選択する牧山。
その裏を橋本が取ってドリブルと、岩手の弱点を突いて好機に持ち込み、橋本とのパス交換を経て右ポケットの伊藤にパスを送るもクリアされて撃てず。
このシーンのような、所々危ない絵図も見られましたが、何とか無失点で前半をやり過ごします。

アタッキングサードで中々迫力を出せない相模原、牧山のロングスローでそれをカバーせんと立ち回ったものの、結局ゴールは奪えずに前半終了。
追う立場のまま、後半開始を迎えました。

共にハーフタイムでの交代は無く、それ故に試合展開は変わらずという大方の予想。
それを踏まえてか、岩手は時間を浪費させんと立ち上がりにセットプレー攻勢に持ち込む事に成功します。
中盤からのFKで放り込み、クリアされるもコーナーキックに繋げてそこから2本続け。
そのCKでもオタボーがニアでのフリックで際どいヘディングシュートを放つ(藤沼が眼前でブロック)など、あわよくば追加点を……というシーンは作れたので上々の入り。

しかしそれを過ぎると、ひたすら相模原の攻撃を受ける状況に。
後半6分、左から田中が一気にポケットへロングパスを送り、走り込んだ高野がグラウンダーでクロス。
そして藤沼が合わせるという理想的な流れを作ったものの、藤沼のシュートは巧く面を作る事が出来ずただ右足で合わせたものとなってしまい、結果GK大久保の正面に転がって抑えられ。

決定的なシーンをモノに出来なかったものの、岩手ディフェンスもこの裏狙いから作られた好機で色を失ったか。
続く7分には大和が自陣でパスを受ける伊藤に喰い付くも奪えずにドリブルを許す(その後高野へのスルーパスがカットされる)等、綻びが目立ち始め。

そして9分ついに決定的な場面を作られ、右ワイドからの橋本の縦パスの打ち込みに対し、藤沼のポストプレイを大和が倒さんという勢い(実際に倒していたのだが)で喰い付きましたが阻止できず。
受けた伊藤が右ハーフレーンをフリーでドリブルに入り、このままではエリア内へ持ち込まれるという所で、もう一人のCB・深津はスライディングを選択。
しかし結果は伊藤を激しく削ってしまうものとなり、反則の笛が鳴り警告が付き出され。
決定機阻止に近い絵図だったのもあり、この判定に対し相模原サイドが退場を求めた異議を唱える状況に発展します。
その結果覆り、改めて一発退場を示す赤いカードが深津に突き出され。
結局弱点を克服できなかったという絵図で、以降10人での戦いに突入する事となった岩手。

この騒動の中のブレイクで、相模原ベンチの方が動き牧山→福井へと交代。
そしてエリアからすぐ手前での直接FKでの再開となりましたが、前田の直接シュートは壁を直撃して決められず。
リードを失っての再開は避けられた岩手、すかさずベンチも動き始めます。

準備の間、深川がCBに・新里がボランチにそれぞれ降りての4-4-1での凌ぎ。
そして15分に交代を敢行し、都倉・高橋→斉藤・宮市へと2枚替え。
CBを一枚増やした結果5-3-1となり、CBは右から大和・深川・斉藤で、WBは右に宮市・左に柳。
オタボーの1トップとし、中盤は右から加々美・新里・安達という布陣になりました。
当然ながら、ここから我慢の展開がスタートする岩手。

その間も無い16分、相模原は右スローインからの攻めで、クロスの跳ね返りを繋いだ末に福井がカットイン。
そしてハーフレーンからミドルシュートを放ちましたが、右ポスト外側を叩いての枠外と惜しくも決められず。
ここで決めていれば大分楽になったものの、結果はそうでなかった事により、ひたすらポゼッションを貫いて打開を図る状態となり。
それは攻勢に移る反面、専守の相手に対し何も出来ないという状態を強いられる諸刃の剣でもありました。

逆に攻撃の余裕が無くなった岩手ですが、5バックでの凌ぎに徹する事で、特性である弱点が顔を出す事は殆ど無くなり。
せいぜいWBが2列目に出て規制を掛けるという程度で、その際もまだ後ろに4人残っている安心感があり。
怪我の光明の感は拭えないですが、リードを守りきれれば勝利というミッションに一丸となったように映りました。
(26分に安達→松原へと交代)

しかしサイドを完全支配して攻め上がる相模原の前に、決して容易い事では無く。
19分に再び右スローイン、橋本のロングスローが跳ね返されての二次攻撃から、前田のクロスを加藤がファーで合わせヘディングシュート。
これがゴールバーを直撃と、またも枠に助けられる格好となり冷や汗を掻きます。
さらに27分、右サイドをドリブルで抉った橋本の戻しを経て上がった徳永のアーリークロス、藤沼が合わせヘディングシュート。
GK大久保がキャッチと、相模原は中央を固める岩手の前にクロス攻撃の域を出ない状況に陥るものの、それをフィニッシュに悉く繋げ。
その状況を見るや、直後に伊藤→瀬沼へと交代しターゲットの増員を図った戸田和幸監督。

その後も展開は大きく変わらず、薄いサイドを突く相模原の攻撃。
しかし織り込み済みの岩手もそのクロス攻勢を凌ぎ続け。
サイドに付いていってのブロック、中央でのクリアやGK大久保のパンチングなど、あらゆる手段で跳ね返して時間を浪費させていきます。
そして31分に最後のカードを切り、柳・加々美→小暮・桐へと2枚替え。

数的優位の状況でも、やはり崩す手段に乏しく、「ボールを持たされる展開」の域を出ない相模原。
愚直と言われようともやり続けるしかないという感じで、クロスに持ち込み続け。
フィニッシュに繋げていた時はアーリークロスが多かったですが、岩手の最後の交代以降、奥へ切り込んでのクロスの割合が増えたのが変化といった所でしょうか。

フィニッシュを放てずに時間を費やし、迎えた37分。
左サイドで田中・高野・前田と、CB・WB・シャドーが三位一体となってのパスワーク。
ここからどうするかという所で手前からのクロスを選択した前田、ファー奥に走り込む瀬沼の手前で、果敢にパンチングでクリアにいったGK大久保。
しかしこれをミート出来ず、掠ってフリックの形になった結果ボールはゴールへと吸い込まれてしまいます。
完全にオウンゴールに近い絵図での、前田のゴールで同点に追い付いた相模原。

気落ちは避けられない岩手ですが、直後の38分にロングパスが直接エリア内の藤沼に収まるなど、攻め手を緩めない相模原の前にそれを許される状況では無く。

しかし引き締めが間に合わず、立て続けに攻撃を許す岩手。
そして39分、ここも右から高野がアーリークロスを上げると、中央ややファー寄りで合わせたのは藤沼。
今度は綺麗なフィニッシュがゴールネットを揺らし、執拗なクロス攻勢をやっとスコアに結び付け。
一気に逆転を果たし、重苦しい雰囲気を完全に払拭させた相模原。

やはり1失点目が致命的となってしまった岩手。
その後は深川が再度ボランチに戻る事で、4-4-1へと布陣変更して何とか反撃に掛かり。
一方の相模原は42分に最後の交代。
高野・前田→栗原イブラヒムジュニア・岩上へと交代し、逆に逃げ切り体制へ。(橋本が右WB→左WBへ回る)

再度エネルギーを前に出さんとした岩手ですが、既にその力も運気も無く。
相模原に攻撃を切られては深めに持ち込まれるの繰り返しで、ロクに有効打を放てません。

逆に相模原が、サイド奥に持ち込んで着実にコーナーで時間を使いながらボール保持。
自身のゴールキックでは、右へと選手を密集させたうえで左へ送るというトリックプレーを成功させ、受けた橋本がコーナーでのキープに持ち込むなど奥深さも発揮します。

そして無事に勝利に辿り着いた相模原、これで3位に浮上。
大宮の一人勝ちな状況のなか、インビジブル的に地位を上げて来たその存在感は他の脅威となり得るでしょうか。

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DAZN観戦 2023~24AFCチャンピオンズリーグ決勝第2戦 アル・アインFCvs横浜F・マリノス

2024-05-28 16:01:31 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

  • アルアインのホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • アルアインの選手名はyahooスポーツナビに準拠。
  • マリノスのACL仕様の背番号は、ポープ(本来は1)・マテウス(11)・ロペス(10)の3人。

横浜Mベンチメンバー= GK飯倉 GK白坂 エドゥアルド 加藤蓮 加藤聖 井上 水沼 山根 榊原 天野 山村 宮市

前回のACLの記事 -決勝第1戦・横浜Mvsアルアイン(2-1)


最終決戦の地は、UAE国内のアル・アイン、ハッザーア・ビン・ザーイド・スタジアム。
マリノスにとっては当然ながら完全アウェイという環境で、それを防がんと約2000人ものサポーターがその場に集結。
相手の(というか、UAEのサッカー自体の?)応援スタイルが「チャントを長々と歌い続ける」というものでなかった事もあり、数的に不利ながらその声援を響き渡らせるなど、戦いの雰囲気は作り出せていたでしょうか。(絶対に無いが、これが相手が浦和とかだったらどうか?)

1戦目で敗れたアルアインは、布陣・ポジション共に微調整。
攻撃的に映る4-1-2-3に変えるとともに、サイドバックのキャプテン・アルアフバビが逆サイドに。
そして左SBに入ったジュマは(放送席曰く)本来のレギュラーでは無いとの事でしたが、この選択がどうなるか。(とはいってもレギュラーのエリキがベンチ外なため止むを得ず、という可能性が高い)
前線のメンバーもポジション変更が目立ちますが、元々流動的に動くスタイルなため特に支障は無く。

最初に好機に持ち込んだのはマリノスで、前半2分に植中のボール奪取からポゼッションを確保したうえで、右サイドをマテウスが抉るという得意手。
ここから右スローインとなり、直接エリア内のロペスに投げ入れられると、ボールキープを経て多少強引ながらシュート(GKエイサキャッチ)とフィニッシュで終わらせます。

追う立場のアルアインは、1戦目同様にFWラヒミの個人能力を活かした攻撃。
つまりはマリノスを引き込んでの裏狙いで、スピードのみならず、浮き球のパスでもヘッドで合わせてしっかり収める(前半4分)その実力で雰囲気を作ります。

そして8分、ゴールキックから地上で繋ぐアルアイン、クアディオのロングパスが上島と交錯して倒れるラヒミを越えてパラシオスの下に。
彼の持ち運びは遮断されるも、こぼれ球をワンタッチでナデルが縦パスを送り、これがラヒミに渡った事でカウンターに近い状況に。
ラヒミは得意のドリブルを経てエリア手前で溜めを作ってのスルーパスを出すと、追い越したナデルのヒールでのポストプレイから自らシュートを放ちます。
先読みで飛び付いたGKポープの腕の下を通し、ゴールネットに突き刺し先制に成功。
早々にビハインドを打ち消したアルアイン。

早くもアドバンテージが消えてしまったマリノス。
立ち上がりから、バチバチのデュエルが起こっても笛を鳴らさない審判団に対し、ハリー・キューウェル監督の異議も目立つなど不安ぶりを醸し出し。
14分には敵陣浅めで好機を作らんとする所、マテウス→エウベルのパスが主審に当たって途切れてしまう等、流れの中でも運に恵まれません。
それを変えんと、17分にはGKエイサの縦パスをカットした松原がそのままミドルシュートを放ち、GKエイサがセーブしてコーナーキックと際どいフィニッシュ。
18分の2本目のCKからもミドルシュートを放った松原、1戦目の代役キャプテンとして纏め役を担ったその存在感は健在であり。

一方のアルアイン、ラヒミの能力でマリノスの後方を脅かすその立ち回りにブレは無く。
マリノスディフェンスと徹底抗戦を選ぶその体勢に、激しいデュエルも厭わないという感じのラヒミ。
19分には畠中のチャージを受けてヒートアップを見せるなど、精神戦でもやり合う姿勢で少しずつ相手にプレッシャーを与えていたでしょうか。

何とかもう一度リードを奪いたいマリノスは、相手がカウンター主体なのもあり敵陣でサッカーを展開する時間も増え。
26分にエウベルが中央を持ち運び、ディフェンスに遭うも右サイドで継続し、奥を取った松原がポケットへのパス。
これをマテウスがスルーし、その後方で渡辺皓がシュートを放つもGKエイサがキャッチ。
相変わらずアタッキングサードでの仕掛けは早いマリノスですが、GKを脅かす際どいフィニッシュは中々放つ事が出来ず。

そうなると、再び火を噴くアルアインのカウンター。
29分、敵陣でのサイドチェンジがアルハシェミにカットされると、拾ったアルアフバビが持ち運びから例によってラヒミへスルーパス。
エリア内で受けたラヒミに対し、必死で防ぎにいった畠中が脚でのチャージで倒す格好となってしまいます。
激しく転がったラヒミに対し、最初はシミュレーションの反則という判定が下される(警告も出る)ものの、VARチェックに入ると雰囲気は一変。
そのままOFRに持ち込まれ、徐々に騒然となるスタンドの中で行われる主審のチェック。
そして判定が変わり畠中の反則で、エリア内のためPKという結果が齎され。(警告は取り消しに)
一転して大ピンチとなったマリノス、防がんとしたGKポープは、キッカー・ロメロの右へのグラウンダーのシュートを読んで必死に飛びつき。
しかしあまりにもコースが良すぎ、無情にもゴール右隅へ突き刺さります。

これで逆転となったアルアイン、ホーム故にそのボルテージも最高潮に。
前掛かりにならざるを得ないマリノスに対し、その後も裏狙いでの攻撃で、その雰囲気を固めんと立ち回ります。

しかし八面六臂の活躍を見せるラヒミ、その負担も増大であり、38分に足を痛めた事で一旦ピッチ外へ。
40分に復帰すると、そのラヒミに一気にボールを届けんとしたアルアインでしたがこれを上島が遮断したマリノス。
拾い直し、浮き球をコントロールし最終ラインに戻した所でプレッシャーを掛けると、マテウスがクアディオからボール奪取に成功して一転して絶好機に。
そしてポケットに進入したマテウス、切り返しを経て放たれたシュートがGKエイサの腕を掠めて左サイドネットに突き刺さります。
追い付いたマリノス、キューウェル監督の派手なガッツポーズとともに反攻の雰囲気を高め。

その後は、アルアインが右ポケットを突いてCKに持ち込んだ(42~43分)のち、マリノスがマテウス・エウベルがともにシュートを放つ(45分)という具合に一進一退。
VARチェックと、度重なるラヒミが倒れたシーンによりアディショナルタイムは10分という長丁場となり。
そしてその中で波乱は起こります。

アルアインの裏狙いは続き、右ポケットを突いたラヒミからの戻しをパラシオスがシュートする(GKポープキャッチ)等有効打に繋がり。
一方マリノスも、相手のクリアボールをマテウスがダイレクトでスルーパス、受けたロペスのエリア内からのシュートをGKエイサが足でセーブ。

フィニッシュが交錯する、どちらに転ぶか未だ不透明という流れでそれは発生。
こぼれ球を左サイドで拾ったM・アルバルーシ、そのまま前線へミドルパスを送ると、カットに出た上島・ターゲットのパラシオスともに触れず(後者はスルーの可能性大)に走り込むラヒミの下へ。
ここでポストプレイを選択したラヒミ、パラシオス→ロメロと経由して再度スルーパスを受け直す状況となり、完全フリーという絵図なため前に出て阻まんとしたGKポープ。
これが最悪の結果を招き、ワントラップで抜け出さんとしたラヒミを倒してしまう格好となり、すかさず反則の笛が鳴り響き。
そしてポープに対し突き出される赤色のカード。
飛び出したためPKにはならなかったものの、準決勝に引き続いて同点で数的不利という状態に陥ってしまいます。
なお映像で見た限りではポープはラヒミに触れていなかったものの、オブストラクション的に立ちはだかっていた(一応足自体は引っ込めていたっぽかったが)事により、ラヒミ側が倒れるしかない状態という主審の判断だったでしょうか。

緊急的にGK白坂がエウベルに代わって投入され、何とかATの残りを凌がんとするマリノス。
自身、白坂はJFL(Honda)時代に厚別で観ていた事もあり、懐かしいという感情が沸き起こったものの状況がそれを許さず。
時を経てACL決勝の大舞台で投入される、運命の悪戯。

この反則で得た、エリアからすぐ手前という位置でのアルアインの直接フリーキック、キッカー・ロメロのシュートはゴール上へと外れ。
その後もエリア内からM・アルバルーシのシュート(畠中がブロック)など好機を作り続けるアルアインでしたが、3点目は奪えず。
マリノスにとっては命辛々、といった前半終了となりました。

この大会最後のハーフタイムは、緊急事態による微調整の時間となったマリノス。
出された選択は、植中→榊原へ交代するとともに、ロペス・マテウスの2トップとした4-3-2という布陣。
カウンターの可能性を保ちつつ、不利な状況を凌ぐという準決勝第2戦と同様のものでした。

そして始まった後半。
数的優位のアルアイン、必然というべきか、前半のカウンター狙いから一変。
自らボールを握り、ひたすらマリノスの守備ブロックの外でパスを繋ぐ状況を増やします。

対するマリノス、後半3分にゴールキックでGK白坂ロングフィード→ロペスフリックで一気にマテウスがエリア内を突かんとする攻め。
これで左CKを得るという具合に、ボールとゲームを支配するアルアインに対し一矢を放たんとする立ち回り。

アルアインの攻撃ですが、もっとポケットを突きにいくかと思われましたが、ワイドからのクロスが中心となり。
12分にはその右からのロメロのクロスで、手前で畠中がクリアしたボールがゴール方向へ。
そしてバーを叩くという具合に、リスクを掛けずのミス待ちだった風がありました。

しかし直後の13分にベンチが動き、ジュマ→ラバへと交代。
これでラヒミ・ラバの2トップといった布陣になり、空いた左SBにはM・アルバルーシが回り。
最終ラインが3バック気味になったり、ラヒミがウイング気味にプレーするなど一層流動性は高まった感がありました。

ひたすら押し込まれながらも、フィニッシュは7分のジュマのミドルシュート(枠外)のみに抑えていたマリノス。
しかし蓄積されるダメージを隠す事は出来ず、15分にはセンターバックの畠中が足を痛めてしまい続行不可能に。
投入されたのは、同じく準決勝で足を痛めて途中交代したエドゥアルド。
同時に喜田→山根へと交代し、キャプテンマークはエドゥアルドが付ける事となりました。

アルアインは20分、長いポゼッションを経てナデルがドリブルで右ポケットを突き。
ここからの攻めは遮断されるもロメロのミドルシュートに繋がり(ブロックされCKに)、満身創痍の相手に対しここでポケットを突く攻めを見せ始める、優位な立場故の振る舞いだったでしょうか。

そして22分、再び長いパスワークを経て、今度は右からアルアフバビのクロス。
ニアでラバがボレーで撃ちにいくもこぼれ、右ポケットでラヒミが拾うという2トップの強みが表れると、切り返しからシュートを放ったラヒミ。
これがGK白坂のニアを破ってゴールに突き刺さり、アルアインにとって待望の勝ち越し点が齎されます。
大興奮となるアルアインサイド、ゴールしたラヒミもユニフォームを脱いでその感情をアピールし。(当然ながら警告)

奮戦空しく、とうとうリードされてしまったマリノス。
追い掛ける立場となったものの、数的不利故に無闇に攻め上がる訳にはいかず。
26分にこぼれ球を拾ったエドゥアルドですが、そのまま浮き球のコントロールを経て遠目からシュートを放つ(枠外)という具合に、後ろから押し上げようとしてもこうして無理目なプレーをするしかない状態であり。

逆に31分、マリノスのボールロストから矢印を反転させるアルアイン、敵陣に運んでボール保持の体勢に。
ここでもポケットを突きに掛かり、ラヒミの右ポケットへの縦パスを受けたロメロがクロス、このグラウンダーのボールをラバがヒールで合わせる心憎いシュート。
GK白坂の股を破ってゴールネットを揺らしましたが、これはロメロのオフサイドを取られて追加点とならず。

一向に反撃のチャンを得られないマリノス、33分にマテウス→宮市へと交代。
彼の裏抜けを狙うものの、形にならずにただ裏へボールを送るという絵図が膨らみ。
その後は松原のロングスローも絡めますが、依然として苦境を変えられません。

盤石といったアルアインも、36分にMアルバルーシが足を攣らせてしまい続行不可能に。
バルマンを投入して破綻を防いだものの、42分に今度はラヒミ・ナデルの2名が同時に足を攣らせる事態となり、大舞台が招くダメージは深刻に。
そしてベンチは、ラヒミをそのまま継続させる事を選択し、ナデル→輪リードへの交代のみ。(44分)
ラヒミの存在感を最後まで残しておきたかったのでしょうが、流石にその後のラヒミは右サイド・下がり目の位置でのプレーに終始します。

しかしATに突入してすぐ、クアディオのヘッドでのクリアをラバがレイオフしたボールを、すかさずスルーパスを送ったラヒミ。
右ポケットを突いたこのパスにラバが走り込むのに対し、前に出てクリアの体勢に入るGK白坂。
しかしラバの強烈な走り込みを見て、切り返してのボール確保という選択肢が頭を過ったか、触れられず走りを止めなかったラバに追い抜かれ拾われてしまいます。
そして無人のゴールに悠々と蹴り込むラバ、マリノスにとっては致命的な追加点がアルアインに齎され。
厚別での試合の際も、札幌に同点に追いつかれたのちキックミスが目立っていた白坂。
その地の力の緩さが、最後の最後で露わになってしまったでしょうか。

後半のATも前半同様10分となるも、既に絶望的という状況のマリノス。
キックオフの前に再度倒れ込むラヒミに対し、遅延行為アピール混じりの異議を響かせるキューウェル監督に対し警告が付き出されるなど、イライラも募る状態を強いられ。

諦めずに前掛かりの姿勢を見せるマリノスに対し、尚もその背後を突きに掛かるアルアイン。
アルハシェミのラフなロングパスから、その跳ね返りをワンタッチで繋いでいき、収めたラバがエリア内中央を突く好機に持ち込み。
そして左への横パスから、受けたパラシオスがシュートを放つと、前に抜け出しコースを変えたラバがゴールを揺らします。
止めの止めという5点目で、栄冠の瞬間は既に揺るぎ無いものに。

意地を見せたいマリノスは、その後エドゥアルドのクリアに入れ替わったロペスが左ポケットを突く好機。
そしてカットインから放たれたシュート、GKエイサのセーブによるこぼれ球がゴールへ向かったものの、ライン寸前でバルマンが掻き出してゴールならず。
守備でも1点もののプレーで、スタンドのボルテージを上げるアルアイン。

最後にはアルアフバビが足を攣らせる状況も生まれながら、とうとう試合終了の笛が吹かれ。
思わぬといった2戦目のスコアにより、総計6-3で勝利したアルアインが優勝という結果になりました。

一方願い空しく……という結果のマリノス。
前回の冒頭で述べた通り、この大舞台を岡田武史監督の時代に経験出来ていたら、と考えてしまいますがそれは結果論であり。
過密日程を強いられ、既にリーグ戦も苦戦が続いているのが現状ですが、何とか再び同じ舞台に挑んで貰いたいものです。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第14節 アスルクラロ沼津vsヴァンラーレ八戸

2024-05-24 18:14:26 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

今季も上位に着けている沼津。
その特異な可変システムを冴え渡らせ……といった戦いも、前回(3節・今治戦、0-1)観た際には、キッチリ対策を取られると弱いというイメージが膨らみ。
それでも好成績を保っている状況に、自分としてもその考えが浮かんでは消えるといった感じですが、ここに来て2連敗とやや停滞。
そしてこの日は、前線でのボール奪取に定評のある八戸(「ボールゲイン」数がリーグトップとの事)が相手と、図ったかのように試練が訪れました。

その事を理解していたのか、沼津はキックオフの際、フィールダー10人が前目に位置取るという相手の度肝を抜くかのような布陣。
そしてGK武者がロングフィードを送る、変化を付けるとともに、「相手のプレッシング対策としてロングボール攻勢でいく」という動機付けの役割も果たすかのような立ち回り。

しかしこの姿勢も、どちらかと言えば苦心の色が強く出た格好に。
入りでコーナーキック攻勢(2~3分)を掴みペースを握った八戸、前半4分に早速中盤での永田のボール奪取から好機。
サンデーの推進からパスを受け直した永田、左ワイド奥という位置から果敢にシュートを狙う(ブロック)など、前への意識の高さを見せ付け。

それでも沼津は6分、菅井のロングパスを収めた和田がエリア内を突いてシュート(GK大西キャッチ)と、ロングボールへの傾倒をフィニッシュに結び付け。
お互いの狙いが交錯した入りを経て、10分以降は沼津が本来の持ち味であるボールポゼッションによる攻撃に入る事となりました。
つまりはビルドアップvsプレスという典型的な図式となり。

自身の土俵に持ち込んだかに見えた沼津でしたが、決定機を得れないまま次第に息切れ。
八戸の守備隊形の前に難色を示し始めます。
15分、例によってボランチに近い位置取りでパスを受けた安在に対し、前に詰めて規制を掛けたのは前澤。
この動きによりパスミスを犯してしまい、拾った山内の縦パスをサンデーが受けてショートカウンターに入る八戸。
そのまま細かいタッチでの前進を経てミドルシュート(附木がブロック)で脅威を与え。

八戸の守備は、2トップの片割れである佐藤碧がアンカーの菅井をマークし、その上で他選手がプレッシャーを与えるのが基本となり。
一方の後方は、沼津の3トップに対し3バックがマンツーマンで付くという姿勢。
しかし前述の前澤のように、状況によってはマークを受け渡して規制を掛けるという具合に、流動的かつ危機管理能力の高さが見られ。
この辺は老練な石崎信弘監督の下、約束事が細部に敷き詰められている感じが伺えました。

そんな八戸に対し面食らう沼津、スコアラーの和田もタイトな寄せに苦戦を強いられ機能しない攻撃。
しかし21分、自身も八戸の最終ラインに対するプレッシャーで、左サイド深めで森が柳下からボール奪取。
そして左ポケット奥へと持ち込みましたがシュートは撃てずに終わり。
目には目を、と言わんばかりにプレッシングを強める沼津ですが、全体的にその成果は今一つ。

そして再度自身の流れに持ち込む八戸。
27分には永田がエリア内からシュート(枠外)、28分にはショートカウンターから佐藤碧がミドルシュート(ゴール上へ外れる)と、フィニッシュも重ねるその攻撃は粗さが目立つものの迫力は十分であり。
31分には右スローインからの攻撃で、クリアボールを拾った音泉がグラウンダーでクロス。
これがコース上の佐藤碧に当たってこぼれ、沼津のカウンターとなり津久井がドリブルの体勢に。
しかし敵陣のまま前澤がこれを潰して再度矢印を反転させると、拾った永田の切り込みからのスルーパスを経て、稲積が左奥からクロス。
これをサンデーがヘッドで合わせましたが枠を捉えられずと、二転三転という流れは八戸がフィニッシュで締めと、現状での優劣を示す結果となり。

一方劣勢感が否めない沼津。
前述したように和田が徹底的に抑え込まれているのがその一因ですが、迎えた37分。
ロングボールを収めた和田が柳下のチャージで倒されると、エリアからすぐ手前の位置かつ後方から腕を使ったという事で警告の対象となり。
納得出来ない柳下を尻目に、ついに直接フリーキックの絶好機を得た沼津、中央という横軸の位置からも狙わない手は無く。
入念に作られるブラインドの壁、それに対し主審の注意も受けながら、時間を使って放たれたキッカー徳永の直接シュート。
しかし壁を直撃してしまい結局実らず、二次攻撃でCKに持ち込み、クロスに附木が合わせる(ジャストミートせず)状況に持っていったのがまだしもの事。

これを沼津が逃した事により、前半の終盤は八戸が攻め続ける展開に。
左スローインの連発で押し込み続けるも、沼津も粘り強いディフェンスでフィニッシュには持ち込ませず。
アディショナルタイムには逆の右サイドで、音泉がドリブルで切り込み、濱のチャージで倒れるも笛は鳴らずというシーンが生まれるなど際どいながらも凌ぎ。
スコアレスで前半を終える事となりました。

ともに交代無く、同じ22人で後半のスタートを迎え。
そして流れも不変となり勢いを持って押し込む八戸、早速の後半1分に山内の右サイドのドリブルが切欠となり、アタッキングサードでサッカーを展開した末に右CKに。
そしてスローイン→左CKと継続した末に、ファーへのクロスのこぼれ球を音泉が右ポケットからシュートしましたが惜しくもゴール上へと外れ。
5分には得意の敵陣でのボール奪取から、溜めを作ったサンデーを経て柴田のミドルシュートが炸裂。
これがゴールバーを掠める際どいボールとなり、その絵図の通りにゴールまで後一歩という状態に持ち込み。

後半も防戦一方の沼津、綺麗な繋ぎによる攻勢は期待し辛い状況に。
6分、GK大西のフィードを安在が跳ね返しての敵陣でボール確保。
そして細かな繋ぎでアタッキングサードを襲うと、中央でキープする津久井に対する柴田の反則で、またも絶好の位置での直接FKを得ます。
今度は徳永が助走を取り、蹴ると見せかけたうえで森がシュートと変化を付け。
壁を抜けたものの、惜しくもゴール左へ外れてしまい決められず。

11分頃から沼津がペースを掴むも、その攻撃の殆どは左サイドから。
この辺りは前半のように、安在が前目の位置を取っても、すかさず寄せてくる八戸ディフェンスの前に機能し辛いという思惑があったでしょうか。
濱と森の2人を軸にしての突破を中心として好機を重ねていくも、盤石とはいかず時間が進み。
16分に右CKに持ち込むも、(菅井が)柳下とのポジション争いによる小競り合いで時間を取られ。
そしてクロスに合わせた附木(ミートせず左へ逸れる)が柳下のチャージを受けて倒れ込むなど、神経戦の趣が強くなるゴール前での攻防。

相変わらず攻撃性の高い濱を軸として、均衡を破りたい沼津。
21分、自陣での濱のサイドチェンジは遮断されるもこぼれ球を津久井が拾って再度左サイドへ。
菅井→濱→森と経由しての前進、森が濱の追い越しを待って柳下の股を抜いてスルーパス、受けた濱が左ポケット奥からクロス。
この流れるような攻撃も、中央の和田の手前でGK大西がキャッチして実りません。

その左サイド重視の姿勢は、攻勢というよりは一糸の流れを掴むという状態だったでしょうか。
25分過ぎ辺りから、再び八戸のプレッシングの前にペースを失う沼津。
26分にゲーゲンプレスから前澤が前に出てパスカット、そして彼の切り込みからチャンスに持ち込み、音泉の右ポケットへのスルーパスに走り込んだ柳下がクロス。
クリアされて右スローインとなると、音泉がカットインを経てまたも右ポケットを突き、巻くシュートでゴールを狙いましたが惜しくも左へ外れ。
攻撃能力の高い柳下も最前線まで絡むなど、その押し込みぶりは最高潮といった流れに。

流れを変えるべく、28分に実績豊かな齋藤の投入に踏みきった沼津。(津久井と交代、齋藤が左ウイングに入り森が右に回る)
それも束の間、30分にクリアボールを直接収めた最前線のサンデーにより八戸の好機。
そのままドリブルで持ち込み、追い越す周囲の味方を余所に自ら中央からミドルシュートを放つと、ゴール右へ惜しくも外れる際どいフィニッシュに。
やや遠目からでもシュートを量産する傾向にあったこの日のサンデー、その姿にバーサーカーと形容したくもなりましたが、それでもそのパワーは脅威となり得。
(直後に八戸は佐藤碧→妹尾に交代)

そんな最前線の橋頭堡の存在感を受けてか、沼津サイドもそれを作るべく35分に川又の投入に踏みきり。(和田と交代、同時に森→鈴木へと交代)

まず八戸の攻勢の流れを変えたいという状況で、早速36分自陣からのFKを素早くリスタートすると、徳永が右→左への対角線のロングパスを齋藤に通し。
そして齋藤もすかさずのアーリークロスを選択と、八戸が戻りきらないうちの攻めの末に川又がファーサイドで足から跳び込み、合わずに終わるも脅威を与える事に成功します。

これで攻勢に……という訳にもいかず、元々精度に欠けた状態を強いられていたうえ、時間経過もあり試合は乱戦模様に。
38分に沼津のパスがズレた所を前澤がダイレクトで縦パスを送り返し、永田を経由して中央で受けたサンデーが再度ミドルシュート。(ゴール左へ外れる)
直後の39分、GK武者のロングフィードが右サイドでバウンドし、走り込んで拾った川又を起点として敵陣で繋いで逆の左サイドへ。
これを齋藤がダイレクトでサイドチェンジして右ポケットの徳永に収まると、スルーパスに走り込んだ安在のグラウンダーのクロスに、ニアで川又が合わせ。
ほぼ完璧という流れでしたが、川又のシュートは浮いてしまい枠外に。

お互い交互にゴール前に迫るという、エキサイティングな流れに突入した終盤。
それに従うように、42分左から稲積がクロスという攻撃を3度続けた八戸。
3本目のクロスが逆サイドへ流れた所を、拾った齋藤がボールキープで柳下を剥がして前進、そして持井とのワンツーで密集を突破してカウンターに持ち込み。
そしてスルーパスをエリア内へ通すと、受けた徳永とのGKと一対一状態が齎されます。
この日のハイライトというべき、ベテラン齋藤の技が生んだ決定機でしたが、放たれた徳永のシュートは距離を詰めたGK大西にセーブされ。
ゴール方向へこぼれた所を川又が詰めたものの、オフサイドを取られ無効となり(放たれたシュートもゴール寸前で前澤がブロック)非常に悔やまれる逃し方となってしまいました。

45分に八戸が交代、音泉→國分。
双方とも2度の交代(沼津が3人・八戸が2人)に留まるなど、均衡かつお互い好機を作る流れに、ベンチも動き辛くなった感があり。

そのままアディショナルタイムに入るも、流石に前述の決定機以上の見せ場は訪れずに終わり。
双方疲弊した状況で、八戸は妹尾の推進力に掛けて何度か攻め込むも、ゴールを奪いには至らず。
結局スコアレスのまま試合終了となりました。

最悪の事態(3連敗)は避けた沼津でしたが、無得点の状態は3戦続き、今後の昇格争いには課題を残す事となり。
沼津対策というファクターも膨れ上がって来た今季のJ3ですが、その山を乗り越える事が出来るか。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第14節 FC今治vs福島ユナイテッドFC

2024-05-21 16:00:29 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

  • 今治のホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。

9-0という記録的な大勝利を果たした岩手戦(11節)を契機に、3連勝とようやく波に乗って来た福島。
あの試合は、ともかく岩手のマンツーマン守備が福島の攻撃スタイルと相性最悪といった試合内容。
ひたすら福島のパスワークに釣られて崩されるのみの岩手という絵図に、福島サイドも参考程度にしかならないようなものでしたが、やはり結果が出るのはどんな相手でも最良の薬となったようであり。

この日の相手の今治は、前回(3節・沼津戦、1-0)観た印象ではゾーンディフェンスの色が濃く、沼津の可変システムにも殆ど動じる事が無かった守備面が強く残っています。
しかし最近は3連敗、かつ3バックへの変更を試みるなど、その芯の部分に揺らぎが生まれているようであり。
そして本来の4-4-2へと戻し、福島をホーム(アシックス里山スタジアム)に迎えて臨んだこの試合。

早々の前半1分に福島が先制攻撃、ラフなロングパスを収めた澤上、倒れながらもポストプレイで繋ぐ強さを見せた末の塩浜のミドルシュート。(ゴール左へ外れる)
この澤上も、一種のトレンドである「契約満了→再契約」という枠組みの選手(ただし前年はセレッソからのレンタル)であり、初スタメンとなったこの日でどれだけ足跡を残せるか注目点となり。
これを軸として攻撃サッカーの本領を発揮したい福島でしたが、その目的は果たされずに時間が進む事となります。

5分の福島は最終ラインから繋ぐ所、堂鼻が今治の前線に巧みに誘導された(日野が堂鼻の右を切りながらプレス)結果、サイドバックへのパスをヴィニシウスがカット成功。
そして前進からのカットインでミドルレンジでのチャンスを迎えましたが、ディフェンスに遭い撃てずに終わり。
何とかショートカウンターを防いだ福島でしたが、以降委縮するかのように今治に押し込まれ。
続く6分、竹内ロングパス→阪野落とし→日野という繋ぎは止めたものの、ゲーゲンプレスにより近藤が奪い返し継続する今治。
そしてそのままペナルティアークからシュートを放った近藤、山田将がブロックするも阪野がエリア内でこぼれを拾い、更にシュート(松長根がブロック)と攻め立てます。

そしてその流れを食い止めきれず、8分に新井が左ポケット奥へ切り込み、クロスがブロックされて迎えた左コーナーキック。(キッカーは新井)
クロスの跳ね返りを加藤徹がヘッドで繋ぎ、クリアミスで流れた所を日野が右ポケットからシュート、GK吉丸がセーブするも尚も拾って継続。
モスキオンの右手前からのクロス、中央で竹内が足でフリックし左へ流れた所に、待ち構えていたのはCKキッカーの新井。
ダイレクトで放たれた強烈なシュートが枠内に跳び、ゴールに突き刺さります。
掴んだペースを離さなかった今治、早々にリードを奪いました。

追う立場となった福島、今度こそ攻撃サッカーを、と言わんばかりにその後10~17分の間は攻撃権を独占。
ポジションチェンジを絡めながらの、間を通すパスワークという持ち味を発揮しての攻めを展開しますが、今治ディフェンスもそこは岩手とは違い。
16分に、本来とは逆の右へとドリブルしてきた森に対し、左SBの加藤徹がしっかり奪うという具合に持ち場を崩さず対応します。

そして福島のターンはここで終わり、18分以降は再び今治の独壇場という展開に。
福島は15分にGK小澤にまで(澤上が)掛けたプレッシャーで、白井のパスをエリア内で塩浜がブロックという場面を作っており。(ゴールラインを割り繋げられず)
それ故ハイプレスに舵を切ったものの、この18分には今治がそれをいなした末に、右から市原がエリア内へスルーパス。
走り込んだ日野がシュート(山田将がブロック)と好機を作り、かつ再びのCKに持ち込み。
この右CKからもショートコーナーを経て、受け直したキッカー新井がクロスと見せかけてカットインで右ポケット奥へ。
そしてシュート気味のクロスを入れ、ヴィニシウスが走り込むという場面を作ったもののGK吉丸がセーブして何とか防ぎ。

色を失う福島。
23分にはお馴染みのMFでのショートパスで前進する所を、前に出てパスを受けた上畑が3人に囲まれた末に奪われてショートカウンターを受け。(右からモスキオンがクロスも合わず)
ならばと24分、自陣左ハーフレーンで大関が囲まれかけた所、右スペースへラフなショートパスを送ったもののこれも繋がらず近藤にカットされショートカウンターに。(左から加藤徹クロス→ファーでヴィニシウス合わせるもDFに当たりCK)
マイボールになっても前進出来ずと、手詰まり感が漂います。

追加点を上げたい流れとなった今治。
27分にはモスキオンが右→中央へロングパスを送った所、クリアにいった山田将が堂鼻と被ってしまい、ヘッドがミート出来ず逆方向に浮かぶというミスに。
これを拾った日野、エリア外まで飛び出してきたGK吉丸をかわして左ポケットに進入せんとするも、すかさず身を倒してきた吉丸がボールを抑え。
守備面でもバタバタし始めた福島の隙を突くチャンスも、結局モノに出来ません。

福島の防戦一方という展開は35分まで続き。
ここに来てようやく微調整が効き、大関が上畑の後ろに降りてボールを持つ事、つまり3枚の最終ラインとなってボールを保持する流れを作り。
そして攻撃権を取り返す事に成功します。
38分に山田将→上畑と間を通すパスを決めてから、(最後方が3人となった事で)高い位置を取った松長根を軸に右から前進。
塩浜のクロスが跳ね返された後もボールを確保し、右から大関がカットインシュートを放つもGK小澤がキャッチ。
これが1分以来のフィニッシュと、憚らずもほぼペースを握られていた事を証明するに至る結果に。

それでも道中今治の反撃を受けるなど、盤石とはいえない展開のままアディショナルタイムに突入。
再び右サイドからの前進で、大関のスルーパスを奥で受けた塩浜が低いクロスを送ると、大外でフリーの森が収める絶好機に。
しかし放たれたシュートは左サイドネット外と、これを逃してしまった福島。
その後もボールを握って攻めますが、最後は右奥へ切り込んだ松長根が日野の反則気味のアタックでボールを失った(笛は鳴らず)所で前半終了の笛が。
今治のハイプレス、そしてタイトな寄せに難儀していた事もあり、「事件」の伏線を醸し出しつつの折り返しとなりました。

ハーフタイムでの交代は無く、迎えた後半開始。
入りの攻防を経てまたも今治が攻撃権を確保し、後半3分には市原の右→中央へのミドルパスを中央で受けた日野が、ボールキープを経てペナルティアークからシュート。(ブロック)
何ら変わりないその光景に、後半も展開が不変のまま続くと思われました。

今治の攻めにも触れておくと、この場面や前半27分のような、斜めのミドルパス・ロングパスに福島サイドが難儀している風であり。
4-3-3のままプレッシングを掛ける福島ですが、どうしてもウイングが中央に規制を掛けなければならない場面が生まれ、空いたサイドへの展開が楽に行われ。
そのサイドには、モスキオンや新井のボランチが張り出してパスを受ける事が多々あり、今治はそこをパス出しの起点としていた感じでした。

何とか今治のペースを剥がしたい福島。
流れを変えるべき存在は前半あまり攻撃に絡めなかった中心選手の針谷で、5分に右ワイドでボールを持つと、そのまま同サイドへ縦パスを送るというフェイントから中央の大関へパス。
これで僅かなスペースを得た大関が(1人剥がして)ドリブルで前進を果たすと、ディフェンスに遭った所を拾った針谷、そのままワイドからクロス気味にシュートを狙い。
これが無回転でゴールを襲うボールとなるも、バーを直撃と惜しくも決まらず。
しかし左サイドで鈴が拾って継続、左ポケットで受けた森がカットインからシュートを放ちましたが、ゴール右へ外れ。
連続で放った有効打に、決められずもムードを幾ばくか変えられたでしょうか。

10分、ドリブルするヴィニシウスを阻みにいった鈴とのデュエルで、こぼれた所を上畑が拾っての福島の攻撃。
倒れ込む鈴を尻目に縦に素早く運び、左ポケット奥を取った上畑のクロスがブロックされた所で、ヒートアップした新井を筆頭に判定に異議を唱える今治サイド。
しかし腕を使って止めにいった鈴に対し、ヴィニシウスが肘打ちを頭部に入れていた事から、ヴィニシウスに警告が出る結果となります。
不満を貯めたまま福島の左CKで継続すると、キッカー針谷の中央へのクロスを、塩浜がGKをブロックする姿勢から合わせるヘディングシュート。
これが右ポスト内側を叩いてのゴールインとなり、同点弾に喜ぶ福島サイドを尻目に、またも判定に異議を唱える状況を強いられる今治。
当然ながら覆らず、振出しに戻っての試合再開となります。

14分に福島ベンチがまず動き、澤上→矢島へと交代。
その後の展開は不穏な今治サイドに従うように乱戦模様となり、15分に敵陣右サイドでボール奪取した福島、針谷の持ち運びでショートカウンターを仕掛けた所に近藤が反則を犯し。
一方で17分には、今治がスルーパスでヴィニシウスが右サイドに抜け出す好機となり、カットインで中央へ切り込まんとするヴィニシウス。
しかし付いてきた堂鼻に倒されると、こちらには反則の笛は鳴らずという結果になります。

そんな流れの中、迎えた18分でした。
今治の攻撃を、プレスバックしてきた塩浜が奪った事でカウンターに持ち込む福島、森が一気にドリブルで敵陣に運びます。
これを必死に追走する市原、止めるには反則しかないという状況で選んだのは、あろう事か森の足へのタックル。
完全に足にいく姿勢にしか見えないそのチャージで倒れた森、これがそのすぐ後ろを走っていた矢島の激昂を呼び起こす事となってしまいます。
一部始終を側で見る事となった矢島の、すかさず市原を押し倒しそのまま行われる暴挙に、試合どころでは無い状況となるピッチ上。
何とか双方の選手が入り乱れてそれを止め、幾ばくかのブレイクののちに主審が判定を下す絵図に持ち込まれます。

結果は市原の警告に対し、矢島は退場というものであり。
当然ながら矢島の行為は許されるものでは無いですが、それを招いたのは市原なのは周知の通り。
ならばラフプレイによる警告に加え、「乱闘を招いた」という査定を加えての退場が妥当では無かったでしょうか。
「ラフプレイによる一発退場」という選択も加わる状況では尚更で、結局3つの選択肢のうち一番軽いものを選んでしまった主審。(原田雅士氏)
かくして矢島を筆頭に福島サイドが納得し難いものとなったのは当然ですが、ともかくここから数的不利での戦いとなる事に。

しかし再開(23分)は福島の左からのFKで、キッカー針谷のクロスをファーサイドで松長根がボレーシュート。(白井が頭でブロック)
続く24分にも、山田将のロングパスを収めた塩浜から好機を作り、パスを受けた森がエリア内に入ってシュート(ブロックされCKに)とペースを掴む福島。
不満をエネルギーに変えるかのように、一丸となり勝利を目指します。

このままセットプレーを交えながらの攻めで、時間を使いながら今治に何もやらせない。
そんな理想も頭を過る流れとなりましたが、流石にそれは浅はかなものであり。
25分に今治は阪野→アンジェロッティへ交代と、疲労感漂う時間帯に決着をつけるべき駒を投入します。

必然的に始められる今治のボール保持による攻勢に対し、守備体勢を取る福島。
その布陣はCFを抜いたのみの4-3-2を基本としながら、森が降りての4-4-1になったり、大関がウイングバックとなっての5バック化など流動的なものに。
この、攻撃では無く守備で流動性を保つといった福島の対抗姿勢により、中々フィニッシュに持ち込めない状態を強いられる事となった今治。

31分に両ベンチが動き、今治は加藤徹・新井・日野→野口・三門・高瀬と一挙3枚替え。(全員同ポジション)
福島は針谷・大関→城定・宮崎へと2枚替え。
以降福島は宮崎がアンカーで、インサイドハーフに城定・上畑という布陣に。

数的不利でも、状況によっては果敢にプレスを掛ける福島。
それでも33分にはそれが切欠となり今治の好機、三門のスルーパスを右奥で受けたヴィニシウスがカットインを経てシュート。(GK吉丸キャッチ)
ようやく辿り着いたフィニッシュを契機として、勝ち越し点に辿り着きたいという展開に。

しかしそのゴールしか見えないという意識が仇となったでしょうか。
37分、逆に福島がボールを握りパスを繋ぐ状況になると、宮崎⇔城定のパス交換での揺さぶりを経て城定が右から持ち運び。
そして松長根→城定→上畑→森スルーパスという流れるような前進で左ポケットを取ると、走り込んだ鈴がグラウンダーでクロス。
中央に走り込んだ塩浜はミート出来ずも、逆にこれが絶妙なフリックとなり(狙ったかどうかは不明)、流れた所に上畑が走り込んでシュート。
ゴールネットを揺らし、不利な立場を一変させる逆転弾に沸き上がる福島サイド。

まさかのビハインドとなった今治。
最後のカードを使ったのは39分で、ヴィニシウス→松本へと交代。(左サイドハーフに入り、近藤が右SHに回る)
一方福島も同時に、上畑・森→大森・清水へと2枚替え。

交代後も4-3-2は変えず、最終布陣にせんとした福島。
その後も今治のボール保持に対し、ブロックを敷いた外側での回しを押し付ける絵図を続け、フィニッシュを撃たせません。
しかし鈴が足を攣らせる事態が発生したため、ATでは鈴が最前線に回り、松長根が左に回るとともに大森が右SBに降りる緊急的措置。
これによりFW2人も降りての、4-4-1による逃げきり体制となり。

一向に満足に攻められない今治。
パスを繋ぐ最中に白井が前線に上がる、単なるパワープレイにあらずという姿勢により何とか同点を目指さんとします。
そして左から野口の低いクロスが入ると、ニアでアンジェロッティが収めるという、最もゴールに近づくシーンが。
それでも福島の必死のディフェンスに遭いシュートは撃てず、かくして万事休すとなりました。

1-2のまま試合終了の笛が鳴ったその刹那、精根尽き果てるように倒れ込むピッチ上の福島選手。
それでも結果は逆境を跳ね返しての勝利なのは揺るぎ無く、また一つチームとして成長を果たせたでしょうか。

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