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DAZN観戦 2024年J3リーグ第18節 SC相模原vs松本山雅FC

2024-06-27 16:00:43 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

  • 相模原ホームだが↓とは逆のコートでスタート、だったがコイントスでコートチェンジしたため、結局は↓で前半スタート。
  • 相模原は監督交代(戸田和幸氏→高橋健二氏(暫定))してからこれが最初の試合。

チームのカラー(サッカーのスタイル、では無い)が酷似した者同士の対戦。
相模原サイドが高木・岩上、松本サイドが佐相・安藤と、古巣対決に属する選手も目立つ一戦となりました。

松本は何時の間にか、アンカーシステムを採用(yahooスポーツナビによると16節・今治戦から)しており。
その攻撃的に見える布陣を採ってから、2戦連続で4-0と結果を出していますが、やっているサッカーは特に変わっていないという印象であり。
中盤とウイングが下がり目で、両サイドバックに高い位置を取らせる事に注力しているのにこの日もブレは無く。

前半3分最終ラインの常田から、その高い位置を取った山本龍へと縦へ速い繋ぎを見せ、スルーパスに走り込んだ菊井のクロスで(ブロックされて)コーナーキックに。
狙い通りの攻めが出来た、と思った刹那、このCKをボールの側にいた菊井が素早いリスタートでのクロスを選択。
GK三浦にパンチングで防がれるも、その後の相模原の繋ぎを樋口がカットし、すかさずエリア内へ放り込んでまたもCKに持ち込み。
そんな具合に、複雑なポジション取りによる攻めの姿勢の割には、焦って前に運ぶ事が目立った松本の立ち上がり。

一方の相模原は、監督交代の影響か際立った攻めのシーンを見せられず。
8分にこぼれ球を山下が縦パスを伊藤に届けるという、こちらも素早い前進に活路を見出し。
ここからロングスロー→左CKとセットプレーの流れを作り、キッカー西山のクロスの跳ね返りから伊藤がミドルシュート(ブロック)と一矢を放ちます。

しかし11分の松本の攻撃の際に、アンカーを務める西山が安藤との交錯で足を痛めるというアクシデントが発生します。
この時は無事に起き上がりプレーを続けたものの、その後はキッカーが(前田に)交代するなど精彩を欠く事となった西山。

試合全体もその影響が響くように松本ペースとなり、14分に保持による繋ぎで左サイドからの前進を選択すると、ここでは山本龍を下げたうえでの運び。
ワイドでボールを持った菊井が左ポケットへスルーパス、走り込んだ安藤のマイナスのクロスから、ニアで浅川がシュートを放ちましたがGK三浦のセーブに阻まれ。
根底のシステムを逆手に取る奥深さを発揮します。
その後も16分にCKからの流れで、村越の右ハーフレーンからのミドルシュートがゴールを脅かす(左へ僅かに外れる)という具合にフィニッシュの面でも優勢に。

相模原は18分、ジャスティンがワンタッチでの縦パス、これを伊藤は入れ替わって受ける事で抜け出しに成功。
そのまま中央からエリア内を突く好機となるも、常田のディフェンスに阻まれ撃てず。
その後20分に西山に限界が訪れた事もあり(牧山と交代、徳永がアンカーに回る)、好機が訪れるのは伊藤の才覚、という感じになった相模原。
26分にも縦パスをポストプレイで繋いだ伊藤、そのままパス&ゴーでジャスティンのスルーパスを左奥で受けるなど、前線の橋頭堡となり。(その後戻しからジャスティン中央へ縦パス→瀬沼フリックも繋がらず)

しかし、今度はビルドアップを遮断されての危機が目立つようになり、西山が退いた影響は後方の不安定ぶりに色濃く表れた格好に。
32分にはワンタッチパスを浅川にぶち当てるような格好でカットされると、そのままミドルシュートを放たれる(GK三浦)という具合に、目も当てられない状況に追い込まれ。

松本のパスワークに対する後追いの反則も膨らみ、34分には村越に対してのアフターチャージで前田が反則を取られ。
ここから(位置は右サイド浅め)クロス攻勢ののち、後方から繋ぎ直す二次攻撃に入る松本、左サイドから山本康と菊井がワンツーで前進。
そして菊井のクロスが入り、中央で走り込む浅川の前で遮断され、こぼれ球を安藤がシュートにいき。
これはミート出来ずも、バウンドした所を再度シュートした安藤、ジャスティンのブロックで浮いた所にさらに村越がヘディングシュートで追撃。(GK三浦キャッチ)
結局決まらず終わったものの、運気はこの連撃でモノに出来たでしょうか。

続く37分、またも左サイドを(山本龍と安藤の)ワンツーで前進し、山本龍のクロスが鋭く入り。
ディフェンスはクリアしきれずこぼれた所を拾った山本康、そのまま左ポケットで足を振ると、これがファーサイドへの絶妙な低いクロスとなり。(放送席はシュートミスと語っていた)
そして樋口が脚で合わせてゴールネットを揺らす、高い位置を取るSBの本領を発揮した末に先制点を齎しました。

守勢の果てに、結局先制を許してしまった相模原。
交代で入った牧山のロングスローも活用して反撃を試みますが、効果は今一つ。
41分には再度伊藤が躍動し、山下の縦パスを受けて左へ展開ののち、前田のクロスを中央で合わせにいく(ジャストミート出来ず)など起点と終点を努めるものの実らず。

その後松本がCK攻勢に入ったものの、それが途切れて双方ルーズボールを拾いにいくという場面で事件が発生。
田中が宮部と激突してしまい、両者倒れ込んだものの遅れてぶつかった宮部の反則となり。
倒れたまま宮部は警告を受ける破目となり、それだけに止まらず顔から出血もしてしまう踏んだり蹴ったりのシーンとなります。
そのままピッチ外へ出て、止血したのちアディショナルタイムに復帰。

そのAT、再度相模原が左からロングスロー(投げたのは橋本)の体勢で、フェイントで短く放ったのちのクロス。
これをGK大内がキャッチすると、一気に敵陣へスローで投げ入れてカウンターに持ち込み、村越のトラップ際をクリアされるも山本龍が拾い継続。
そして左サイド奥へ一気に切り込んでのクロスで、左CKに持ち込む事に成功すると、これを得点に繋げます。
菊井から上がった中央へのクロスを、樋口が合わせヘディングシュート。
前方の浅川の動きGK三浦が跳び出せなかったのもあり、ゴール中央へと突き刺さり追加点を挙げます。
そして相模原がキックオフした直後に前半終了の笛が鳴り。

巻き返したい相模原は、ハーフタイムで瀬沼→高木へと交代。
古巣対戦に属する選手の投入で、ムードを変えに掛かり。

迎えた後半、相手が動いた事もあり出方を窺うように守勢に回る松本に対し、ショートパス攻勢で押し込む相模原。
サイドに人数を掛けて、伊藤のみならず多人数での崩しで奥へと持ち込む攻撃の連続。
投入された高木も、瀬沼より広範囲で動いてのポストワークで絡み好循環を齎します。

その中で目立ったのはやはり伊藤で、まずは後半5分にジャスティンの縦パスを左サイドで受け、前田・橋本と3人で崩す体勢に。
しかし伊藤の奥へのスルーパスに前田は反応できずに終わり、不満げな態度を見せる伊藤。
協調性は今一つか……というシーンでしたが、それが良い方に作用したのが続く6分でした。
左から橋本がロングスローを投げ入れると、クリアボールに反応してミドルシュートを叩き込んだ伊藤。
豪快にゴール右上へと突き刺し、その唯我独尊的なプレーぶりで反撃の狼煙を上げます。

ゴールした伊藤ですが、直後の7分に村越へのアフターチャージで反則・警告を受けるという具合に、やはり功罪ともに齎すような格好に。
しかし松本も、そのカオス具合により既に前半のようなボール保持を見せる余裕は無く。

そして再度伊藤が見せたのが11分で、加藤のロングパスからのセカンドボールを繋いでの攻撃で、中央をドリブルで持ち運ぶ状況となった伊藤。
そのままミドルシュート、と見せかけてエリア内へのラストパスに切り替えると、受けた牧山がシュート。
ゴールネットに突き刺さり、今度は自身のプレーぶりを残像としたアシストで同点弾を齎します。

勝利のムードが一転してしまった松本、キックオフの前に安藤→山口へと交代。
交代で流れを変えんとしましたが、ビルドアップが形にならずにその後も苦戦を強いられ。
前半とは打って変わって、高い位置を取るSBが孤立する状況が続きます。

17分、縦パスを受けてコントロールせんとする徳永に対し浅川が反則気味のアタックでやらせず、菊井が拾った事でショートカウンターに。
そしてエリア内へのパスをダイレクトでシュートした浅川ですが、GK三浦がこれをファインセーブ。
尚も繋いで山口がエリア内からシュートするも枠を捉えられずと、頼りになるのはショートカウンターという局面に陥ったでしょうか。
しかし崩れた形を何とか修復したいのは当然で、その後も松本は地上でのビルドアップを試みるもそこから好機は生まれず。

逆に相模原は、23分にGK三浦ロングフィード→ターゲットの高木を越えてそのまま左奥を突いた事でCKに持ち込み。
どんな手法でもゴールに迫るという意識で上回りを見せると、この左CKから、クロスの跳ね返りを牧山がエリア内中央の混戦の中へ落とし。
そして山下のシュートを宮部がブロックするも、バウンドしたボールがゴール上部を襲い、GK大内が何とかセーブして難を逃れます。

勢いは完全に相模原という展開で、迎えた26分。
松本はエリア内のGK大内から組み立てんとするも、詰めにいった伊藤がその蹴り出しをブロック。
ボールは辛うじてエリア外にこぼれるも、拾った高木がすかさず再度エリア内へと持ち込んでシュート。
決まったと思われたこのフィニッシュはゴール左へと外れてしまい、度々襲い掛かる相模原に対し、九死に一生を得たという格好の松本。
その後も27分、伊藤のポストワークから抜け出した高木を反則で止めた常田が警告を受けるなど、(センターバック2枚が警告という状況となり)際どい凌ぎによるダメージも深刻なものに。
前半立ち上がりの焦りの姿勢により、体力消耗の面も早まってしまったでしょうか。

一方の相模原も、29分に松本がカウンターに持ち込んだ所、その最中に村越を倒した牧山(アドバンテージで流される)が警告を受け。
これを境に、お互い組み立てに難儀する中でどう勝ち越し点に辿り着くか、という泥仕合の様相が高まります。

相模原は、前半のうちに交代で投入された牧山が足を攣らせてしまう事態が発生。(32分)
そのタイミングで松本ベンチが先んじて動き、山本康と村越に代えて、安永とジョップ・セリンサリウ(J2長崎から育成型レンタル、これが10試合目)を投入。
それによりセリンサリウ・浅川の2トップとした4-4-2へとシフトし、サイドハーフは右が山口・左が菊井という布陣に変化します。

それに遅れて、相模原ベンチも牧山を退かせ、こちらも古巣対戦の岩上を投入。
キッカー・ロングスロワーの色が強い岩上の投入で、泥仕合を制する意気込みを高めに掛かり。

身体能力高いセリンサリウの投入で、ロングボール攻勢の色が強まった松本。
どんな事をしても3点目を奪いにいく姿勢は感じましたが、肝心のセリンサリウの働きが今一つで以降も好循環を取り戻せず。
42分に最後の交代を敢行(米原・浅川→住田・佐相、山口がFWに回る)してもそれは同じで、中々攻撃機会を掴めません。

逆に勢いを保つ相模原、45分にロングスローからの攻撃が途切れるも、加藤がミドルパスを前に出てカットし矢印を反転。
対する松本は拾った高木に対し山本龍が反則覚悟で止めにいくも果たせず、こぼれ球を前田がミドルパスを送ってアドバンテージになると、前残りしていた山下が受けて右奥で深さを取ったのちに徳永のクロス。
合わせにいった伊藤の前でクリアされるも、跳ね返りを前田がミドルシュート、ジャストミートせずもこれを橋本が詰めてゴール近くからのシュート。
しかし樋口が眼前でブロックと、何とか凌いだ松本により試合の行方はATへ託されます。
突入する直前に、相模原も最後の交代。(徳永・橋本→福井・若林、岩上がアンカーに回る)

そして強引な姿勢の交錯、松本が安永のロングスローを見せれば、相模原もその後自陣からのスローインを高木のポストワークで繋げて好機に持ち込み。
岩上のエリア内へのスルーパスは遮断されるも、そのままゴールラインを割って左CKとなり、残り時間が少ないなか貴重なセットプレー。
キッカーは当然岩上で、上げられたクロスはゴールへ直接向かうボールとなると、松本ディフェンスが誰も触れれなかった事でGK大内は小さく弾く事しか出来ず。
そしてエリア内での混戦となり、田中のすかさずのボレーシュートこそセーブした大内ですが、更なる矢は防ぐ事が出来ず。
放ったのはここでも伊藤で、クリアが小さくなった所をダイレクトでシュートすると、ブロックに当たってゴール上部へと突き刺さります。
劇的な逆転弾に、我を忘れるかのように歓喜する伊藤ならびに相模原ベンチ。

こうなると、残り僅かな時間をパワープレイに賭けるしかない松本。
常田を前線に送り、次々とロングボールを放り込む体制に。

そして目安(4分)が過ぎるという所で、菊井の放り込みをセリンサリウがフリックで落とし、拾った常田のスルーパスに走り込む山口。
相模原の心の緩みを突くように作った決定機で、放たれた山口のシュートはGK三浦がここもファインセーブ。
しかし尚も左スローインで継続し、相模原ベンチの試合終了アピールの怒声が響き渡る中で、安永のロングスローがエリア内を襲い。
跳んだ常田は合わせられずも、ファーにこぼれた所をまたも山口がシュート。
相模原サポーターにとっては心臓が止まるようなこのフィニッシュも、GK三浦が足でのセーブで防ぎきり。
エリア外へ跳ね返った所で、相模原サイドが待ちに待った試合終了の笛が鳴り響きました。

0-2からの逆転劇を、最後は守護神の好守で締めくくったという勝利の絵図。
暫定の指揮となった高橋氏ですが、白兵戦ともいえる終盤の展開を制した勝ち点3は大きなものとなり。
そしてその後、新監督として丁度良いタイミングでフリーとなっていたシュタルフ悠紀氏の就任(タイのU‐20代表監督をプライベートの事情で6月に退任)が発表される事となりました。
結果的に最高の橋渡しとなりましたが、今後この日のような歓喜の瞬間(昇格)を齎す事が出来るでしょうか。

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ABEMA観戦 UEFA EURO2024グループB第2節 スペインvsイタリア

2024-06-22 16:52:50 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

  • 両チームの選手名はyahooスポーツナビに準拠。
  • そのyahooスポーツナビでのスタメンは、イタリアは4-2-3-1となっているが、自陣でリトリートの際は4-1-4-1でかつその時間が長いためそれに従い表記。

参考動画 


流行りに便乗して、海外の大大会を観てみるの巻。
とはいっても何処が強いのかは良く解っていない身なので、熱いカードを優先する事に。

前半2分のゴールキック、(センターバック・ラポルテの)ロングフィードからの空中戦でボールを確保したスペイン、敵陣でボールポゼッションの体勢に。
しかしイタリアのリトリート姿勢と相対するのもそこそこに、左へ展開してウィリアムズに仕掛けさせる事を選択。
そして奥まで切り込んで上がったクロスを、ペドリが合わせヘディングシュート。
いきなりの決定機というこのフィニッシュを、GKドンナルンマがファインセーブして防ぎます。
かくしてスペインがじっくりボールを握り、イタリアがしっかり守り……という試合が幕を開ける事となりました。

イタリアは、かつての「カテナチオ」の伝統が良くも悪くも試されるような展開。
それでも守勢一辺倒では勝てるものも勝てないのは明白なので、自らもボール保持による攻撃を試み。
左サイドバックのディマルコが高い位置を取る、左肩上がりの布陣を根底とし地上から繋がんとしますが、スペインのハイプレスによりそれは厳しいものとなります。

10分のイタリア、最終ラインから地上で繋ぐと見せかけ、右からディロレンツォが中央へミドルパス。
これをペッレグリーニが前へ落とし、スペインの最終ライン裏を突いて抜け出したスカマッカが受ける好機を生み出します。
相手の前掛かりな姿勢を逆手に取ったこのチャンスでしたが、右ポケットへ切り込んだスカマッカ、ヒールパスでの戻しを選択するも後ろのフラッテージには繋がらず終わり。
すると逆にスペインの攻撃となり、イタリアのプレスを引き込んでGKシモンがロングフィード、これをモラタが落として速攻の開始。
受けたペドリが中央をドリブルして左へ開いたモラタへとパス、そして上げられたクロスをファーサイドで合わせたのは、モラタと入れ替わるようにポジションを移していたウィリアムズ。
ノンストップの前進を締めるヘディングシュートが放たれましたが、ゴール右へ外れて惜しくも先制はなりません。
ともに浮き球のパスを利用した好機が交錯するも、結果はまたもスペインの優勢に終わり、イタリアとしては展開を変えられず。

こうなると、我慢を強いられるなかカウンターに活路を見出すしかないイタリア。
その守備ブロックは基本4-1-4-1(アンカーはジョルジーニョ)で、ハイプレスに行く際にはバレッラが前に出て(スカマッカとの)2トップと化すシステム。
しかし立ち上がりのようにウィリアムズの突破力に手を焼き、3分にはスルーパスを受けたウィリアムズに付いたのはCBのバストーニ。(かわされてカットインを許す)
基本右SBが突くべき状況でしたが、ディロレンツォは中に絞っていたためこのようなシーンが生まれ。

アンカーの脇が非常に気になっていたようで、スペインはそれを突くようにペドリがパスを引き出すべく周囲を動き回り。
それを警戒すべくCBが前に出てスペースを消す動きを取っていたイタリア。
15分のフランス、左ワイドでウィリアムズが縦パスを受けると、ディロレンツォと交錯してこぼれた所をペドリが拾い。
そしてカットインを経てモラタに縦パスが通る好機となり、シュートが放たれるもカラフィオーニのブロックで何とか防ぎ。
しかし交錯して痛むディロレンツォを見て、(反則を取らなかった)主審に異議を唱えたGKドンナルンマが警告を受けてしまいます。
スペインの執拗に綻びを突く姿勢により、被害を膨らませる格好となり。

21分、イタリアは中央からカラフィオーニ縦パス→スカマッカポストプレイ→ペッレグリーニ左へパスという流れで、受けたディマルコがどフリーに。
そのまま左ポケットへ切り込むディマルコ、ようやく左肩上がりの布陣のメリットが奏功するというシーンを作りましたが、入れられたマイナスのクロスは誰にも合わず。
好機が数少なくなるのは必須の展開ななか、こうしてミスを彷彿とさせる終わり方をしてはムードを上げられません。

すると24分、イタリアの最後方でのパスミスによりスペインは右スローインから敵陣での攻撃に入り。
最終ラインへと戻し、ノルマンからの縦パスがヤマルに入ると、そのまま中央の狭い局面をドリブルで推進するヤマル。
カラフィオーニにこぼされるも、エリア内にこぼれた所をモラタが拾う絶好機となり、右へ流れながら奥へ切り込んだ末にシュート。
しかしGKドンナルンマが足でセーブと、寸での所でやらせず。
続く25分にもイタリアのパスミスから攻め立て、ルイスが中央遠目から果敢に放たれたミドルシュートがゴール上部を襲い、GKドンナルンマが片手でセーブ。
チームの窮地を守護神が救う、という典型的な絵図ですが、流れまでは変えられず。

かくして専守の体勢を取らざるを得なくなったイタリア。
26分にスペインのコーナーキックからカウンターに持ち込んで以降、全く攻撃機会を得られなくなる厳しい状況となり。
前述の通りアンカーの脇のケアに忙しなくなる所に、両翼で抉られるスペインの攻撃への対処に四苦八苦と、無失点で凌ぐのも決して楽では無く。
マイボールとなっても、すかさず掛けられるスペインのゲーゲンプレスの前に奪われて連続攻撃、というシーンも目立ち脱出を果たせません。

スペインも、(GK以外)全員敵陣に進入してポゼッション、という時間を長くするもののゴールを奪えず。
すると41分、GKシモン右へロングフィード→カルバハル落としという長いパスから好機を生み出し、中央突破を経てチャンスエリアで受けたモラタ。
3人に囲まれながらもスイッチ気味に横へ出し、ルイスがダイレクトでミドルシュート(GKドンナルンマがキャッチ)と、効率よい攻めも交える事でフィニッシュを積み重ね。

このままでは決壊は必然というイタリア、45分にカウンターチャンスを迎え。
裏へのミドルパスは跳ね返されるも、拾ったキエーザがドリブルとようやくストロングポイントを発揮する状況が訪れましたが、右ポケットから放たれたキエーザのシュートは枠を大きく外し。

結局スコアレスのまま前半終了となり。
傍らから観て、良く失点せずに凌いだというイタリアですが、巻き返しは必須な状況に変わりは無く。
それを果たすべく、ハーフタイムにジョルジーニョ・フラッテージ→クリスタンテ・カンビアーゾへと2枚替えを敢行します。

アンカーの位置にバレッラが回り、そのバレッラの役割(守備時の2トップへの可変)はペッレグリーニが務める事に。
クリスタンテが右サイドハーフに、カンビアーソがインサイドハーフに入るという体制に賭ける事となったイタリア。
しかし投入されたクリスタンテは、後半1分にロドリへの反則により早くも警告を受ける事態となり。

その影響か、全く流れを変えられずにスペインの攻撃をひたすら受け続けるイタリア。
浮遊してパスを受けるペドリを掴まえられず、ヤマルの右からの突破を許し続けると、前半からさらに一段階厳しくなった風であり。

プレッシャーを浴び続けた結果、マイボールでも判断ミスを続発。
8分にスペインの攻撃を切って最終ラインから繋がんとするも、バストーニのパスが短くなった所をルイスが拾い、左サイド深めからのショートカウンターという絵図に。(クロスがブロックされる→戻して作り直し)
その直後にも深めに追い込まれてのクリアがルイスに拾われ、スペインの攻撃継続という状況に。
ルイスのカットインから中央へ渡り、ペドリがミドルシュート(GKドンナルンマがキャッチ)と、一気呵成に攻め込むスペイン。

そして10分にもイタリアのパスミスを拾って攻撃を展開するスペイン、最初は右からの前進でポケットを突き、カルバハルのヒールでのレイオフが繋がらずもすかさず拾って作り直し。
サイドチェンジを経て今度は左から仕掛け、ワイドでボールを持ったウィリアムズがカットインの姿勢から奥へ切り込んでのクロス。
手前でフリックしたモラタにより、ゴールに向かうボールとなった所をGKドンナルンマが何とか弾くも、突然コースが変わった事でカラフィオーニに当たって跳ね返り。
その結果ゴールに吸い込まれるという、どうしようもないオウンゴールで失点と、専守を強いられた末の結果を受け入れるしかなかったイタリア。
とうとうこじ開けたスペインが先制を果たしました。

ビハインドとなったイタリア、反撃体制を取りたい所ですが、続く11分にも自陣でボール奪取されてスペインの攻撃。
バイタルでボールを受けたペドリがエリア内へ切り込み、ディフェンスが何とか撃たせずも、一向にスペイン攻勢の流れを止められません。
13分にはGKからの組み立てで左サイドを前進ののち、またも中央で浮いていたペドリにボールが渡り。
そして彼のパスを受けたモラタが遠目からミドルシュート、GKドンナルンマが辛うじてセーブ。
引き続きの左CKでも、キッカー・ウィリアムズのクロスを中央でノルマンがヘディングシュート、ゴール左を襲うもライン寸前でカンビアーゾがクリア。
反撃どころか、2点目を奪われかねない状態を続けてしまい。

ビルドアップがどうにも巧くいかないイタリア。
スペインの前線4人のハイプレスが強烈で、間を通してもその先で連動されて奪われるシーンが目立ち。
特に左SBのククレジャの寄せが圧巻で、カウンター予防の際も威力が発揮されてイタリアの攻撃機会を減らしていきます。

何とか流れを変えるべく、19分に再度動くベンチ。
キエーザ・スカマッカ→ザッカーニ・レテギへと2枚替えを敢行します。

ここからハイプレスへと姿勢を変えるイタリア、新たに1トップに入ったレテギが果敢に二度追いを仕掛ける事で形にせんとします。
その効果もあり、21分に敵陣右サイドでクリスタンテがカットに成功し、そのままカットインでポケット奥へと切り込み。
そして低いクロスが入り、ニアにレテギが走り込んだものの撃てずと、千載一遇のショートカウンターは実りませんでした。

24分に再度敵陣でザッカーニがボールカットした所、ノルマンに反則を受けて(ノルマンに警告)敵陣遠目左サイドでのFKとなり。
放り込みとそれに備える体制を両陣営作ったものの、ここでは戻してGKから作り直しを選択と、やはり欲しいのは崩しによる1度の決定機。
焦って攻撃機会を増やすのは愚の骨頂、といった意識は(あくまで個人的に)好感が持てるものでした。
しかしこの攻撃からは、左サイド奥からのディマルコのクロスがブロックされると、反転スペインの攻撃に繋がり。
ヤマルのドリブルで敵陣に持ち込み、パスワークで右→左へとサイドを変えた末に、ワイド奥からウィリアムズがカットイン。
そして左ポケットから強烈なシュートと、ウイングに相応しいフィニッシュを放ちますが、ゴールバーを直撃と惜しくも決められず。
優勢ぶりは変わらないスペイン、直後の26分にベンチが動き始めペドリ・ヤマル→バエナ・トーレスへと2枚替え。

イタリアは28分、左ワイドから縦パスを差し込んだ所、受けたペッレグリーニがノルマンに倒されて反則。
これで直接FKと、ようやく後半チャンスらしいチャンスを得ます。
しかしペッレグリーニの直接シュートはゴール上へ外れ、モノに出来ないと再度スペインの流れとなり。
ポゼッション・ハイプレスともに上回られている状態では、どうしてもブツ切りの攻撃しか出来ず。

逆にスペインは32分、敵陣深めでGKドンナルンマのパスミスによりウィリアムズがボールカット。
そのまま左ポケットへ切り込んだウィリアムズ、すると無理に撃たずにボールキープを選択し、何度か戻し→パス→奥へ切り込みを繰り返したのち最終ラインへと戻し。
そして逆の右サイドへ展開するパスワークで、SBのカルバハルに対しイタリアもSBのディマルコが付かなければならないミスマッチを起こすという具合に、リードを存分に活かす立ち回りと崩しを見せ付けます。
結局ここはトーレスのクロスを合わせにいったモラタが反則を取られ、撃てずに終わり。
(直後にスペインはウィリアムズ・モラタ→ペレス・オヤルサバルへと2枚替え)

終盤も近くなり、ようやく一筋の攻勢の流れを得るイタリア。(37分にペッレグリーニ→ラスパドーリへと交代)
やはり左肩上がりの基本姿勢による左サイドでの押し込みが目立ち、流石に守備意識を高めるスペインを何とか崩さんと仕掛け。
40分にその流れでの左スローイン、受けたラスパドーリがアーリークロスで中央を突くと、クリスタンテの足下でのフリックを経てカンビアーソに渡る絶好機に。
しかしシュートコースを探すもカルバハルをかわせず、こぼされて左CKに。
そのCKではマンツーマンのスペインに対しポジション取りの段階でヒートアップを見せるなど、何とか1点をもぎ取らんという姿勢は見せるものの、どうしても果たせません。

そしてアディショナルタイムに突入すると、力尽きるかのようにまたもスペインが攻勢し決定機の連続。
左サイドを突き、ペレスが幾度もディロレンツォとの対峙を制してボックス内へと運び。
そして放たれるシュートをGKドンナルンマがセーブという繰り返しで、イタリアは万策尽きたような格好となります。

結局1-0のまま、勝利を果たしたスペイン。
攻守に渡り盤石の一言で、そのゲーム支配力は圧巻といった感じでした。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第17節 FC琉球vs福島ユナイテッドFC

2024-06-20 16:00:33 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

ナイターの試合が組まれると、夏本番という情緒に駆られるものであり。
しかしこと琉球の本拠地(タピック県総ひやごんスタジアム)では、5月をもっていち早くナイター開催を余儀なくされる沖縄という土地柄の事情が色濃い格好であり。
そんな気候条件にも拘らず、ビジネスマンらしきワイシャツ姿で指揮を執る金鍾成(キンジョンソン)監督の姿に、慣れによるホームアドバンテージを感じる一戦だったでしょうか。
その琉球と相対したのは福島で、勝てば(2位の沼津が既に敗れたため)自動昇格圏に肉薄できる判り易い一戦。

9-0大勝の岩手戦は別として、自分が観る試合はどれもスロースターターという印象の強い福島。
この日も例外では無く、気象コンディションのみならず、琉球の布陣を確かめるのに時間を取られた感があり。
フォーメーションは3-3-2-2(3-1-4-2)なのは明白ですが、アンカーの位置に居る選手が流れの中でコロコロ変わり捉え辛く。
パッと見(琉球の)攻撃時は富所が、守備時は岡澤がアンカーといったシステムと認識できました。
組み立て役をさせたい富所ですが、既にベテランの域(かつ故障の多い属性持ち)故に守備面での1アンカーは厳しい、という思惑でしょうか。

その琉球のビルドアップに対し、最終ラインに3トップがガッチリ噛み合わせてのプレッシングを行う福島。
4-3-3のまま守備を行うスタイル故に当然の姿勢であり、琉球のポゼッションに対抗の構えを見せます。
しかし上記のアンカーの流動性には対応できず、度々間でパスを受ける岡澤・岩本の存在もあり崩される事が多く。
前半9分には右ワイドで持った上原がディフェンスに遭った事でラフな繋ぎを余儀なくされる琉球ですが、野田と堂鼻が競り合ってこぼれた所に、山田の反応が遅れてボールを繋げられ。
そして岩本がミドルシュート(ブロックに当たりコーナーに)と、全体対応に気を取られて判断が迷いがちに見えました。

そんな押され気味の立ち上がりを凌ぐと、徐々に福島らしさが発揮され。
13分に攻め上がったのちの右奥でのスローイン、細かい繋ぎを経て上畑と針谷がマイナスのパス交換を繰り返す事で琉球のプレスを呼び込み。
そして上畑が持ち運びに切り替えて矢印を反転させると、さらに細かく繋いだ末に大関が中央から切り込む所、岡澤に倒されて反則。
これで絶好の位置で直接フリーキックの好機を得たものの、キッカー針谷の直接シュートは壁を直撃。
その後の上畑のミドルシュートもブロックに遭い、結局はモノに出来ず。

10分までは琉球が、10分以降は福島が攻勢というハッキリとした絵図を描く展開。
そして飲水タイムが挟まれる20分台に突入すると、交互に攻撃を繰り返す流れとなり。
23分、琉球は右サイドから縦に速く運び、縦パスを鈴がカットするもこぼれ球を拾って継続。
その後もスルーパスを遮断されるも拾い直しと分厚い攻めを見せるも、岩本のドリブルが堂鼻の反則気味のアタックで止められて終了。
しかし先程パスカットした鈴が、足を伸ばした際に痛めて倒れ込む事態となってしまった福島。
ブレイクには丁度良いという事情から、ここで採られる飲水タイム。

しかし再開の段階でも、その鈴はピッチ外で治療中とあり、いきなり数的不利でのスタートとなった福島。
止むを得ず上畑が左サイドバックを埋め、両ウイングが降りての4-4-1でブロックを固め、琉球のポゼッションを許しながら凌ぐ展開に。
27分にはマイボールとなるもゲーゲンプレスを掛けられ、左サイド深めで佐藤がボール奪取し、こぼれ球をエリア内で拾った富所。
ボールキープを経て中央へ叩き、岡澤のシュートが放たれますがGK吉丸がキャッチし何とか防ぎます。

そして鈴が復帰し、本来の姿へ戻った福島は直後の28分でした。
琉球は後方から左サイドへミドルパスを送るも、これを柴田がカットして矢印を反転させ。
柴田→上畑→塩浜と経由の末に、塩浜がドリブルで右奥を突いてのクロスがグラウンダーで入ると、走り込んだ大関が合わせシュート。
最終ライン~ボランチのスペースを突く形で放たれたフィニッシュがゴールネットを揺らし、難しい展開を乗り越えて先制点に辿り着きました。

勢いに乗る福島は、琉球のキックオフからの攻撃を遮断し、最終ラインからの攻撃を展開。(30分)
中央を大関・針谷の中盤2人が繋ぎ、受けた塩浜が左へスルーパスを通し、澤上が左ポケットへ持ち運んで右スペースへクロス気味に横パス。
そこにはフリーの塩浜と、鮮やかな流れでフィニッシュが放たれましたがこれは枠を大きく外して実りません。

琉球は先制されて以降、攻撃時は富所を一列上げ、岡澤・佐藤をドイスボランチとする3-4-1-2のような布陣に変え。
その富所に高い位置で受けさせ、サイド奥で溜めを作ったりドリブルで勝負したりで目線を変えんとしますが、目に見えた成果は上げられず。
逆に35分、福島はGK吉丸ロングフィード→塩浜胸で落としを経て森晃がドリブルに入り、そのままペナルティアークまで運んでシュート(GK東セーブ)とカウンター気味にゴールを脅かします。

福島が相手の攻めっ気を突く予感が高まるも、ここから流れは停滞。
39分には琉球・佐藤が、42分は福島・塩浜がそれぞれカウンター阻止気味の反則で警告を受けるという具合に、濁流を描き始め。

すると直後の43分、右ワイドで受けた上原から攻撃開始し、岩本へのパスを経て追い越してリターンを受けにいく上原。
そのまま右奥から入れたマイナスのクロスを、ニアで野田が合わせシュートを放ちましたが、これが右ゴールポストを直撃。
その跳ね返りが再度野田の下に渡り、中央からシュートが放たれますが今度はゴール左へ外れ。
直後の44分にも、右ポケットから再度上原マイナスのクロス→野田シュートという同様の流れを作るも枠外と、ストライカーの連撃もゴールに繋がりません。

結局0-1のまま前半が終了。
ハーフタイムで琉球ベンチが動き、幸喜・岩本→高安・岩渕へと2枚替えして後半に臨みました。

そして始まった後半、投入された高安を軸に左サイドから攻め込む琉球。
前半の上原を軸とした右サイドアタックから、丁度逆となったその姿勢に福島は押し込まれ。
後半2分左ワイドでの細かい繋ぎから、佐藤のパスをスルーした高安、そのまま走り込んでポケットで岩渕のスルーパスを足下で受ける好機に。
そしてシュートを放ち、綺麗に右サイドネットを揺らしたものの、オフサイドを取られて惜しくもノーゴール。

一転して劣勢となった福島は、5分に琉球のCKからカウンターに持ち込むものの(大関のドリブルを経て森晃が左ポケットに切り込み、クリアされるも自らミドルシュート・枠外)、矢はそれだけに終わり。
4-3-3の守備隊形による、サイドの薄さ(実質SB一枚)を次々と突かれての守勢を強いられます。
上記の攻めの直後の琉球、高安はワイドから中央へ向かって持ち運び、その流れから中央での前進に切り替え。
そして岩渕がディフェンスと縺れながらもラストパスをエリア内へ送り、走り込んだ野田がシュートを放ちましたがGK吉丸がこれをセーブ。

事態を重く見た寺田周平監督、気候条件による消耗度合も考慮してか、10分と普段より早めに動き。
針谷・森晃→城定・清水へと2枚替えを敢行します。

そのサッカーに欠かせない2人を早期に退かせた事で、守備面で微調整が図られ。
左ウイングに入った清水が引き気味となり、澤上・塩浜の2トップ状態として4-4-2気味に守り。
そしてサイドハーフ状態となった城定・清水が、琉球の最終ラインのボール回しに対して前に出るという姿勢へと移り変わります。
弱点であるサイドを埋めるのは明らかなその効果は直ぐに表れ、琉球の攻撃機会は目に見えて減り始め。

攻めあぐねる琉球に対し、逆にゴールを狙いにいく状況へ持ち込み。
15分、一旦攻撃が途切れるも敵陣で上畑がカットして再度の攻め、パスワークを経てペナルティアークで持った塩浜がシュート。
ブロックされて浮いたボールを清水が右ポケットへ落とし、柴田がダイレクトで放ったシュートはGK東のセーブに阻まれ。
しかしさらに繋がり右奥からの戻しを経て再度ボールはペナルティアークへ、今度は塩浜が撃つと見せかけての横パスを経て、鈴のミドルシュート。
ゴール右へ際どく外れて終了しますが、この3連撃でムードを変える事に成功すると、続く17分でした。
今度は琉球の攻撃を右サイドで遮断と、交代効果を示したのちの反転攻勢で、塩浜の中央の持ち運びを経て右ポケットへのパスが城定へ。
そしてカットインから放たれた城定のシュートがゴール左へと突き刺さり、またも苦しかった時間帯を乗り越えて得点に辿り着きました。

一方2点差を追い掛ける事となった琉球、キックオフの前に富所・野田→高木・庵原へと2枚替え。
以降投入されたこの2人の2トップへと固定化されます。

福島の後方からのロングパスを跳ね返し、マイボールとする事で分厚い攻撃を見せ始め。
しかしその流れの中で、右CKからの攻撃が途切れた(キッカー岩渕のアウトスイングのクロスが手前でゴールライン割る)事で後半の飲水タイムが挟まれ小休止。

しかしブレイク明けもその流れは継続。
福島は、バックパスからのGK吉丸のフィードがミスとなりCKにしてしまったり(25分)、パスワークからの高安のボールキープに対し清水が反則・警告を貰ったり(26分)と守備面で焦りが目立ち始め。
これによるFKの前にベンチも2枚替え(大関・澤上→吉永・矢島)、あえてセットプレー守備の際に代えた事で、気を引き締め直すのを狙ったでしょうか。

それが奏功したか、このFKを凌ぐとカウンターに持ち込むのに成功し、敵陣深め左サイドへ運び。
スピードダウンの末に戻して作り直したものの、落ち着きを取り戻し。
続く30分にも琉球の攻撃を遮断してのカウンターを展開、今度もスピードダウンしたものの、ボールキープする塩浜が岡澤に反則を受けた事でFKと時間を進め。
逆に琉球はここでのFK守備の際、上原が味方の岩渕との交錯により足を痛めた事で、交代を余儀なくされてしまいます。

投入されたのは平松で、以降彼を使う事で左右広く使う攻撃を展開する琉球。
最終ラインから一度平松に預け、カットインからのパスやサイドチェンジを駆使する事で、左の高安にスペースを齎します。
これにより再度専守の姿勢を強いられる福島、36分には細かなパスワークによる中央での前進を経て、左ハーフレーンから上がった高安のクロスが中央の庵原へ。
そのヘッドは合わせられずも、ディフェンスに当たり足下に落ちた所をすかさずシュートした庵原、これが左ゴールポストを直撃して跳ね返り。
福島サイドはそのこぼれ球の行方に意表を突かれた感があり、動けなかっただけに完全に助かったという場面でした。

その後も40分に、高木の左→右へのサイドチェンジを経てチャンスボールがエリア内の庵原に。
そして庵原シュート→ブロックされるも平松拾う→※岡澤ミドルシュート(ブロック)と連撃。
一方的に攻め立てる琉球、そして42分にとうとうそれが実り。
例によって左から高安がクロス、福島はクリアするも小さく左ポケットで岩渕が拾い、そのままシュート。
これが前に居た藤春に当たって跳ね返るも、逆に絶妙のアシストとなりダイレクトで放たれた岡澤のミドルシュートがゴール左へと突き刺さります。
終盤に1点差に詰め寄り、まだ判らないというムードを高める琉球。

しかしこれにより福島は再度動き、塩浜→大森へと交代。
最終ライン(右センターバック)に入った大森により5バックへシフト(3-3-2-2)と、スペースを埋めに掛かります。

それでもパターンは大きく変わらず、高安を軸としたクロス中心の怒涛の攻撃を見せる琉球。
福島は最早、ロングボールを矢島に収めさせて一息つく事のみとなる攻撃。
それも、その矢島がハンドを犯してしまうなどで満足いくものでは無く。

しかしアディショナルタイムに突入、その後も着実に進んでいく時計に琉球は焦りも隠せない状態に。
左から高木がロングスローを投げ入れ、何とかもう1点奪いにいきましたが、その跳ね返りが惨事を招きます。
クリアされた所を繋がんとした佐藤ですが、前に出て先にボールに触れた吉永を蹴ってしまう形となって反則の笛が鳴り響き。
そしてこの日2度目の警告を受けてしまい、退場処分を余儀なくされます。
それでも残り時間が殆ど無い状況故に、異議もそこそこにチームのために直ぐさまピッチを去る佐藤。

これにより目安時間が1分伸びたものの、その影響は殆ど無く、文字通り退場劇が終了の合図となる事に。
福島は、以降無事に矢島のポストワークを利用して左サイド奥へ持ち込み、反則も受けた事で悠々時間稼ぎモードに突入。
そしてそこから脱出を果たせない琉球、再度左奥へボールが持ち込まれた所で試合終了の笛が鳴り響きました。

本来の攻撃サッカーとは言い難い、難しい試合を制した福島。
奥深さを発揮し2位に勝ち点2差と迫った事で、昇格争いに名乗りといくでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第17節 FC大阪vsガイナーレ鳥取

2024-06-17 18:35:38 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

  • 鳥取のDAZNの予想フォーメーションは、世瀬がアンカー・富樫が1トップの4-1-4-1というもの。しかし松木が常時最前線なためこれは外れか。(守備時は4-4-2)

本来の本拠地である東大阪市花園ラグビー場はイベント開催のため、この日は和歌山県立紀三井寺公園陸上競技場へと場を移してのホームゲームとなったFC大阪。
その芝の状態が再三槍玉に挙げられる花園から、これが初のJリーグ開催となった和歌山という未知の場へ移った事で、そのサッカーに影響はあったかどうか。
そのピッチコンディションは悪くなさそうで、ボールを繋ぐ側にとっては有り難そうでした。

しかしそれを抜きにしても、FC大阪は屈指の堅守のチームとして並居るJ3クラブの前に立ちはだかる強豪と化しており。
かくしてボールポゼッションが持ち味ながら、チーム状態は不振を極めている鳥取がどれだけ対抗できるか、という展開が予想されました。

試合が始まると、やはりそのFC大阪のプレッシャーを避けるべく、鳥取は松木狙いのロングボール中心の入りとなり。
しかしそれによるデュエルの色が濃くなり、反則も膨れ上がる事で、遠目からのフリーキックでも放り込んでくるFC大阪の前に押され気味となる試合展開。

再三ゴール前を脅かされ、ペースを掴めない鳥取。
すると前半9分、FC大阪はGK永井から攻撃を組み立て始め、プレッシャーを引き込んだ上での坂本のロングパスが右サイド裏へ。
受けた島田はマイナスのカットインからのアーリークロスを選択すると、ファーサイドで足下で収めた増田がシュート。
GK櫻庭にキャッチされるも、相手が及び腰となった所に主体的な攻撃を混ぜに来る、強者の立ち振る舞いが目立ったFC大阪の立ち上がり。

対する鳥取は10分、FC大阪が自陣から縦パス→降りた古川のポストプレイで前進しようとした所を大城が潰しにいき、反則気味ながらボール奪回。
そのまま右サイドをパスワークで前進する所、普光院が増田に倒されて反則となりFK獲得と、逆にFC大阪のスタイルをリスペクトするように好機を作り。
しかしこのFKからはその意識が空回りしたか、クロスに合わせにいった松木がGK永井と交錯しての反則で終了します。
それでもここからペースを掴み、スローインの連続でサイド奥を突き続けたり、自陣でのFKを素早くリスタートさせたりと本来のスタイルとは一線を成す絡め手でFC大阪ゴールに迫り。

そんな鳥取の意識転換により、パワーサッカーに近い絵図と化した試合。
19分にはハイボールの競り合いで舘野が東出の頭部を腕でチャージしてしまった事で反則・警告を受け。
25分にはこぼれ球を拾った島田が富樫に引っ掛けられて反則・警告と、その副産物はしっかりと付いて回る事となり。

しかし次第に息切れを見せ始める鳥取。
29分には浮き球が右往左往する空中戦を経て、クリアが逆方向へ流れてしまった所を増田が拾ってのFC大阪の好機。
スルーパスに走り込んだ久保のクロスが右から上がると、大外で合わせヘディングシュートを放ったのは舘野。
ゴール上へ際どく外れるも、ボールが流動的な状況から、マイボールを読んだかのようにサイドバックがフィニッシュに絡む位置にまで上がってくるその絵図に戦慄する事となり。
いかにこのスタイルに慣れきっているかを示すと、委縮する鳥取は33分、ゴールキックから地上で繋ぎ前進を図るも久保に深めでカットされてしまい。
その流れでFC大阪の右コーナーキックとなると、ショートコーナーを経ての舘野のクロスの跳ね返りを逆サイドで拾った坂本、そのままカットインからミドルシュート。
エリア内でブロックされるも、すかさず古川がシュートを狙い、更にブロックされたボールを古川がレイオフで繋ぎ。
そして後方から武井がシュート、これもブロックに阻まれますが怒涛の3連撃。
ラフプレーとその居直りを除くJ1・町田を彷彿とさせる、類まれな圧力によるフィニッシュ攻勢ですっかりペースを自分のものとするFC大阪。

しかし34分。
それをひっくり返すかのように、鳥取は再びFKでの素早いリスタート、普光院のロングパスが松木に渡った所を坂本に倒されて反則。
FKの連続ですが、今度はエリアからすぐ手前という絶好の直接FKとなります。
位置は右ハーフレーンでクロスを匂わせながら、普光院のフェイクを交えて温井が左足で直接シュート。
壁を越えたその後ろで坂本の頭を掠めた事で、軌道が変わった末に左ポスト内側を叩いてゴールネットを揺らします。
相手への対抗姿勢が実を結ぶ形で、先制点に辿り着いた鳥取。

苦労の末のリードでしたが、その喜びは一瞬のものでした。
FC大阪はキックオフから、後方のロングフィードにより右スローインに持ち込むと、久保が得意のロングスローを意識させて短く放り。
そこからの繋ぎによる澤崎のクロスは跳ね返されるも、鳥取がカウンターに持ち込もうとした所を(武井が?)奪い返した事で反転、さらなる好機に。
そして左ワイドを舘野が持ち運び、クロスかと思われたその舘野のキックは直接ゴールを襲い、GK櫻庭の上を越えてそのまま豪快にネットを揺らします。
その堅守が破られながらも、まったく気落ちを見せずといった同点弾となりました。

他方ショックを隠せない鳥取を尻目に、今度は左サイドからスローインに入るFC大阪。
こちらも舘野がロングスローを投げられるとあり、42分にまたもそのフェイントで短く放り、返しのパスを受けた舘野のクロス。
ファーでの坂本の落としを古川が拾い、密集でのキープを経て右へ叩き、林田がシュートするも右サイドネット外。
その後もロングスローあり、鳥取の攻撃を切ったのちのカウンターありと、堅守を盾にしての効率良い好機を続けた末に前半を終了させました。

先制したとはいえ、結局そのリードを直ぐに失ってしまった鳥取。
全体の内容もFC大阪に押され気味という印象で、巻き返しを図りたい後半。(ハーフタイムでの交代は無し)

その後半2分、自陣で浮き球をコントロールした大城、そのまま持ち運びを選択して敵陣右サイドを推進。
しかしFC大阪は一瞬度肝を抜かれたものの直ぐに対処、舘野のボール奪取で反転させてセンターバック不在(一応世瀬が最終ラインを埋めていたが)の隙を突かんとします。
そして久保が中央をドリブルの末にミドルシュート(枠外)と、ロングスローのみならず本来の推進力を発揮し始め。

6分にも、アタッキングサードに持ち込んだ鳥取ですが、右ポケットで縦パスを受けた東出のマイナスのクロスを富樫がスルー。
しかしその奥には誰も居らず、こぼれ球を拾った久保がドリブルでカウンター発動と、泣きっ面に蜂といった絵図に。
ここでは何とか遅らせて戻して作り直しに持ち込ませたものの、前半同様にFC大阪の強さに難儀するような展開は変わらず。
そしてこの後半はこれまで使わなかった手法を絡めたものの逆効果、という感じでした。

好循環を掴みたい鳥取、9分に持ち味のボール保持による攻撃で、普光院が右→左へのサイドチェンジを通した末に世瀬がエリア手前・左ハーフレーンからカットイン。
そして中央寄りから放たれたミドルシュート、グラウンダーの軌道でゴール左を襲いましたがGK永井のセーブに阻まれ。
一つ形を作り、尚も左CKで継続して余勇を振るう所でしたが、ここはクロスを抑えたGK永井のスローを妨害した温井が警告と余計な被害を生んでしまい。

堅守が光るFC大阪ですが、そのスタイルは組織的守備という程のものでは無く、守備でも町田に近いマンマーク基調からなる激しい寄せを軸としたものであり。
それ故に体力の消耗も激しさが伺え、優勢ながらも先にベンチが動くに至ります。
14分に増田→芳賀へ交代し、更に20分にも澤崎・古川→下澤・西村へと2枚替え。

徐々にボールを握れる時間が増えて来た感のある鳥取。
23分ついに試合の分岐点が訪れ、右サイドでパスを繋ぎ、最終ラインから抉る姿勢→大城に戻すの繰り返し。
しかしこれによりFC大阪ディフェンスも上下動の繰り返しを余儀なくされ、3度目に大城が持った所にプレッシャーを掛けるも、間を縦パスで通されて東出ポストプレイ→田中恵クロスでついに好機に持ち込んだ鳥取。
ニアで足から跳び込んだ松木は合わせられずも、その奥でワンバウンドした所を富樫がヘディングシュート。
これもGK永井のセーブに阻まれますが、今後の期待感が一気に膨らむ能動的な崩しが綺麗に決まり、CKで継続する事に。

しかしこの左CKから齎された結果はあまりに非情なものでした。
キッカー普光院の跳ね返りを同サイドで小澤が拾い二次攻撃、という所でしたが、カットインを仕掛けた所を久保に詰められてボールを奪われてしまい。
そして久保は左スペースへイーブンなパスを送り、防ぎにいった温井に先んじて先に触った美馬が独走態勢という、決定的なカウンターに繋げられてしまいます。
そのままエリア内へ切り込んだ美馬、最後はGK櫻庭と一対一という状況で右へ横パスを送り、走り込んだ舘野のシュートが無人のゴールに突き刺さり。
好機の流れを得たはずが、まさかの逆転弾を招く事となってしまった鳥取。

たまらずベンチも動き、キックオフ前に東出・富樫→三木・田中翔太へと2枚替え。
何とか正気を保たんとしますが、FC大阪はその動揺を見逃してくれるほど甘くなく。
キックオフ直後の攻撃が途切れると、FC大阪はラフな蹴り出しにより好機に持ち込み、島田のポケット奥へのスルーパスに走り込んだ久保がクロス。
誰も触れずにエリア外へ流れた所、後方から舘野がミドルシュートを放ち。
クロス同様に誰も防げないといったフィニッシュですが、ゴール前に居た田中恵がブロックと辛うじて防ぎます。(その後の芳賀のシュートは枠外)

舘野のハットトリックは何とか阻止した鳥取、再度反撃の流れを作りたい状況に。
27分、田中恵によるプレッシャーでFC大阪は最終ラインの繋ぎをミスし、ゴールラインを割って鳥取の右CKに。
ここから3本続けるCK攻勢となりましたが、3本目が防がれるとまたもFC大阪のカウンターが発動します。
今度は浮き球を互いに跳ね返し続ける流れでしたが、結局は久保が回収してドリブルに持ち込み、彼のラストパスを受けた西村がエリア内へ切り込み。
必死で戻ってきた鳥取ディフェンスに囲まれ、こぼれた所を島田がシュートし、ブロックするも尚も拾った島田がGKと正対する状況に。
ここでもディフェンスに入られるも、こぼれ球がGK櫻庭の後ろへと流れゴールへと転がる所、大城がクリアと再び際どい凌ぎとなります。
度々訪れる被決定機に、既に反撃どころでは無いといった鳥取の流れ。

30分にFC大阪の美馬が足を痛めた事を契機に(美馬は無事だったもののベンチが交代を選択)、双方ベンチワークが交錯。
32分に美馬・武井・禹相皓(ウサンホ)・堤へと2枚替えしたFC大阪、一方の鳥取は松木→東條。

その後はリードを守るべくの体勢、つまりリトリートの色を強めるFC大阪に対し、鳥取がボールポゼッションを高めるという展開に。
しかしそれは「ボールを持たされる展開」への当然の回帰に他ならず、攻撃でも守備でも苦しいという鳥取の立ち位置は変わりません。
ボールを繋ぐなか、何とかポケットを取りたいという意思は現れていたものの、それが果たせた機会は極少に終わり。
41分に世瀬が左ワイドに流れながらのキープを経て、左ポケットへ浮き球を送った所に東條が走り込み。
そして入れられたマイナスのクロスを、ニアで田中翔が合わせたもののシュートはゴール左へと外れ。
こうした好機を頻発させれば望みはありそうでしたが、結局決定機はこの場面のみに終わります。
かといって攻撃機会を増やすべく、クロス攻勢に舵を振れば単調に終わるばかりか、FC大阪のカウンターも脅威となり得る状況であり。

そうした精神力が試される状況で、ついに途切れてしまったか。
44分に禹のボール奪取からカウンターに持ち込んだFC大阪、またも久保が強烈なドリブルで敵陣左ハーフレーンを持ち上がり。
エリア手前で切り返しを匂わせるも、そのままポケットに進入して放たれたシュートはゴール上へと際どく外れ。
専守の姿勢となっても、鋭く突き出される矢理は依然として脅威となりました。

そのままアディショナルタイムに持ち込み、FC大阪が敵陣左サイドでのセットプレーの連続で時間を使う体勢に。
その最中に遅延行為で芳賀が警告を受け、さらに鳥取最後のパワープレイのなかで反則を犯した西村に警告。
余分といえる被害を膨らませたものの、無事に逃げ切りを果たしました。

かくして2-1で試合終了と、本来のホーム以外での試合もしっかりモノにする運びとなったFC大阪。
混戦の2位争いを引っ張る存在として、残る目標は前年認められなかったJ2ライセンスの取得、といった所でしょうか。

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TV観戦 天皇杯 第104回全日本サッカー選手権大会2回戦 FC町田ゼルビアvs筑波大学サッカー部

2024-06-14 16:37:18 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

今年も始まった(とはいっても先月に1回戦をやっている)、ジャイアントキリングの期待感を漂わせる天皇杯。
今季からJリーグ全クラブが参加する事となったルヴァンカップによる、その価値が希薄となる危惧も、アマチュアチームの立場では全く変わらないものであり。
格下相手に負ける姿が全国に晒される危惧、即ちNHK・BS1による生中継が選んだのがこのカード。
よりによって目下J1首位のクラブという、傍らから見て可能性が低いと思われる対戦が選ばれる事となりましたが、蓋を開ければそれが大正解という結果に。

町田は、代表ウィークによりメンバーを揃えられず(A代表でGK谷、アンダー代表で平河・藤尾、韓国代表でオセフンが離脱中)という逆風を試合前から浴びている立場。
それでも開幕前の大補強によりとにかく選手は揃えており、リーグ戦で出番の無い選手による渇望感溢れるサッカーが観られれば、それほど戦力的に変わるものでもない。
やっているサッカーもシンプルなものなので尚更です。

しかし入りは、その渇望感が空回りする結果となったでしょうか。
町田はキックオフで、ロングボールを使わずに中央を縦パス攻勢で前進と意表を突く立ち回り。
しかし高橋のドリブルタッチが大きくなった所をクリアされると、勢い余って池谷を倒してしまい反則に終わり。
いきなりのラフプレーに近い絵図で、その後の試合の流れ、つまり反則チャージが当たり前という内容が決定付けられるに至ってしまったでしょうか。

そしてその弊害が町田に襲い掛かり、前半4分に浮き球をヘッドでクリアにいったチャンミンギュが、足でトラップにいった内野と交錯して筑波大の反則に。
これにより下敷きになって倒れた結果左肩の部分を激しく痛めてしまったチャンミンギュ(試合後に鎖骨骨折と判明)、自力で起き上がったものの、ここで無念のリタイアを強いられてしまいます。
早くも守備の要を失ってしまった町田、リザーブにもセンターバック不在な状態で、フィジカルに定評あるサイドバック・望月ヘンリー海輝を投入して穴を埋める選択を採り。

J1首位の町田ですが、そのサッカーの内容は、とにかくフィジカル勝負のパワーサッカー命というもの。
そのため、前回観た新潟戦のように、主体的な攻撃を強いられる状況では途端に見るべきものの無いサッカーとなり。
つまりは結果主義に近いもので、それが並居るJ1クラブ相手に反骨精神を高めて破り続ける原動力となって来ましたが、こうした格下の立場が相手ではそれは盛り上がらず。
むしろ逆に、筑波大の長短交えて前進していくそのサッカーを冴え渡らせる事に繋がった感がありました。

実際、10分台は筑波大が攻撃権を独占する時間帯に。
左SBの安藤を高い位置に置く、所謂左肩上がりの布陣を軸として何度も攻め上がり。

それでも先制点に辿り着いたのは町田で21分、「らしくない」といえる地上での繋ぎによりサイドを振り続けた末に、右から芦部がドリブル。
そして高橋のポストプレイを挟んだのちポケットへ進入、デイフェンスに遭うもこれで右コーナーキックと、得意のセットプレーに持ち込みます。
キッカー鈴木準はグラウンダーでのクロスと変化を付け、いち早く降りた高橋がポストプレイとサインプレーを選択。
そして後方から走り込んだ安井のシュートが放たれ、これを綺麗に結実させてゴールゲットしました。
しかし喜びも束の間、シュートを防ぎにいった諏訪間のスライディングをモロに受ける格好となった安井、そのまま倒れ込んで動けずとなり。
先程のチャンミンギュ負傷のような不可抗力では無く、ラフプレー色が濃かった(シュートブロックでは無く明らかにレイトタックルといった絵図)ため流石に諏訪間に警告が付き出されるも、それで負傷交代への流れは止まる筈も無く。
結局担架で運ばれてそのまま交代となってしまった安井(仙頭を投入)、これで早くも前半で2回の交代機会を使う破目となった町田。

リードを奪われ、かつ長いブレイクとなった事で好循環を失う筑波大、その後の初の攻撃機会は32分とかなり遅れ。
地上での繋ぎで、右サイドからと見せかけて中央からの前進を選択、加藤→半代→田村と経由してストライカーの内野に渡り。
稲葉のディフェンスに遭いこぼされるも、すかさず自ら拾ってそのままミドルシュートに繋げましたが、GK山口がキャッチ。
本来のメンバーでは無い(かつアクシデント続きの)町田故に、中央もそれなりに使える隙が見られたでしょうか。

しかしパスサッカーを貫くには高い技量が要るとばかりに、その後パスミスで町田に奪われるシーンを頻発させてしまい。
34分にはよりによって最前線のデュークにカットされるも、そのまま放たれたミドルシュートは小川がブロックした末に、こぼれ球をGK佐藤が抑えて難を逃れ。

リードした町田は、地上で繋ぐ局面が多く見られるようになったものの、そこから大きな見せ場を作る事は無く。
これによりお互い地上からの攻撃は停滞感が漂う状況に。
そのため筑波大も裏狙いのロングパスを増やしていきますが、オフサイドを取られるなど実る事は無く、ただ時計の針が進むばかりとなり。

アクシデント続きで長くなったアディショナルタイム。
しかしそこでも、デュークとの空中戦となった池谷が(デュークが競らなかった事で)着地出来ず激しく地面に叩きつけられる危険なシーンが生まれ。
結果反則・デュークの警告となり、物議を醸すシーンは枚挙にいとまが無いという絵図の町田戦。
結局フィニッシュが生まれないまま、目安時間はあっという間に過ぎて前半終了となります。

既に2人交代している町田ですが、回数消費の無いハーフタイムを利用しない手は無く。
芦部→バスケス・バイロンへと交代し、サイドアタックをさらに強力なものにせんとします。

早めに試合を動かしたい筑波大。
前半に基本である左肩上がりの布陣を下に、守備時には時折鈴木遼が最終ラインに降りた5-4-1でのブロックを敷く場面が見られ。
そして後半になるとそれを昇華させ、右から池谷・小川・諏訪間の3バックという布陣へと固定化します。

これにより地上からの繋ぎはやり易くなり、後半5分に左→右へのサイドチェンジを鈴木遼が収め、その後のパスを受けた半代が中央へ斜めの縦パス。
これを田村がスルーしてエリア内へ流れると、フリーとなっていた安藤がダイレクトでシュートと、完全に相手の裏を突きましたが枠を捉えられず。
8分には後方からのロングパスを受けにいった高山が仙頭に倒されて反則、すると素早くリスタートを選択。
加藤の右からの低いクロス、跳ね返されるもエリア内で内野が収めて、ストライカーにチャンス到来。
しかし放たれたシュートはヘンリーがブロックと、本職を失っても最後の硬さは健在であり。

9分に早くもベンチが動き、鈴木遼に代えてアタッカーの角を投入。
角はサイドアタッカーの役割通りに、角度の付いた所からクロスを上げる役を務め。
しかし17分に二度目の交代、安藤・高山→沖田・徳永に2枚替えが敢行されると、角は左へとサイドを移し。(沖田が右に入る)
ここから逆足となった角と、田村の2枚で左から崩す体制となります。
19分には先程と類似した、角斜めの縦パス→田村スルー→内野という流れを左サイドから作るも、内野は撃てずに終わり。

一方の町田、粘り強い守備力を発揮しながら、ロングボール中心の攻めで決定機を作り上げるサッカー。
9分にヘンリーが右→左へと対角線へ送ったロングパスを、左最奥で藤本が受けて一気にアタッキングサード攻略に入り。
パスワークを経て奥山政がポケットへのパス、受けた仙頭が中央へライナーで縦パスを送ったものの、デュークのダイレクトシュートは枠外となり決定機をモノに出来ません。

中盤からのFKでも放り込みを選択する、普段のスタイルさながらにひたすらボックス内で力強くゴールを狙う姿勢を貫く町田。
29分には右からロングスローの体勢を作り、鈴木準はフェイントで近くに送り、戻しを経てのクロス。
これが低い弾道でニアを突き、デュークが合わせにいくも流れた所を池田がシュートしましたが、これも枠を捉えられず。

理想に近い流れになるも点差を広げられず。
町田にとっては「悪足掻きしやがって……」と悪態をつきたくなるような展開(勝手な想像です)ななか、再度アクシデントが襲います。

既に26分に、最後の交代を敢行(藤本・高橋→ナサンホ・荒木)してカードを使いきった町田。
しかし33分、筑波大は裏へのミドルパスに走り込んだ角、左奥からのクロスで(ブロックされて)左CKに持ち込み。
そしてクロスによる空中戦の最中、ボールから離れた所でナサンホが諏訪間と交錯し、そのまま痛んで倒れ込み。
足を捻ったか事態は深刻なものとなり、起き上がり片足のまま自力でピッチ外へと出たナサンホですが、再度倒れ込むその姿に続行不可能という危惧が現実のものとなってしまいます。

即ち以降10人での戦いを強いられる町田。
こうなると専守の体勢を敷く他無く、5-3-1へとシフトし3バックは右から鈴木準・ヘンリー・池田という並びに。
バイロンが右WBを務める事となり、窮地を乗り越えに掛かります。
それを見た筑波大は、40分に最後の交代(小川・半代→清水・小林)とともに、再度4-4-2へと戻して攻撃体制を採り。

攻勢の流れを作りたい筑波大を余所に、町田は持ち味のスローイン→CKといったセットプレーの連続に入る事で時間を進め。
その中で44分に得た右ワイドからのFKで、キッカー鈴木準はニアサイドへ低いクロス。
これにデュークがヘッドで跳び込むも合わず、ファーに流れたボールに対しては池田が足から跳び込むもこれも合わずに終わり。
決定的な追加点を得られないまま、とうとうATへと突入します。

すると筑波大も腹が据わり、中盤でのパスワークを経て右から沖田がアーリークロスと早めの仕掛け。
これを中央エリア手前で小林が胸で落とした所を、ダイレクトで内野がシュートを放つと、グラウンダーの軌道でゴール左へと突き刺さります。
手数の少なさによる起死回生のゴールに、沸き立つ筑波大メンバー。

これで一転有利な状況となりましたが、このまま後半終了を迎えると、延長戦故に交代カードが追加される事となり。
即ちナサンホを交代させる事で、町田が11人に戻る事を意味するため、出来ればこのAT内で決めてしまいたい。
そんな思惑からか尚も攻め上がる筑波大、角が左からのカットインシュートがゴールを襲う(GK山口キャッチ)など、終了間際でもその威力は健在であり。

しかしその直後、最終ラインでのパスミスによりバイロンが右サイド深めで拾い、そのままポケットへ切り込んで横パス。
中央で荒木が受けてシュートチャンスという決定的なシーンを作られますが、GK佐藤が果敢に前に出てこれをブロック。
終了間際の1点もののシーンを防いだ事で、さらに盛り上がりを見せる筑波大サイド。

結局1-1のまま終了を告げる笛が鳴り響き。
延長戦突入の運びとなり、当然ながら町田は直ぐに交代を敢行しナサンホ→エリキ。
これにより再度4バックへ戻し、デューク・エリキの2トップとして残り30分に挑みます。

インターバルが取られたとはいえ、体力消耗の影響は隠せない戦い。
中々攻撃が形とならず、延長前半2分に鈴木準のロングスローによる町田の攻撃ぐらいと大人しめな展開に。

しかし5分の筑波大、最終ラインからの組み立てを経て敵陣右サイドで細かく繋ぎ、沖田がカットインからパス→小林ポケットへスルーパスという激しい動きで目線を攣った所に沖田が走り込み。
するとエリアに入り込む寸前で奥山政に倒される沖田、反則を告げる笛が鳴り、惜しくもPKにはならずも絶好の位置でのFKを得ます。
横軸は右ハーフレーンで、クロスも直接も考えられる状況で町田の壁は3枚。
対する筑波大は、既に左利きの選手が不在という選択肢が限られるキックとなりましたが、清水のフェイクを経て角がグラウンダーで壁の下を通すシュート。
これが足下を掠めてこぼれた所に、走り込んだ沖田がヒールで合わせシュート。
GK山口がセーブした跳ね返りを、小林がヘッドで詰めてゴールネットを揺らします。
値千金の勝ち越し弾……という絵図も束の間、(沖田の時点で)オフサイドの判定に阻まれ残念ながらぬか喜びに。

町田の攻めは、既に余裕も失われた影響か、デュークがターゲット・エリキが裏抜けというロングボールの二択にほぼ限定化。
それでも2トップをフルに生かす脅威は健在……と思われましたが、それに全振りした影響か。
10分近くになってデュークが筋肉系トラブルか、足を引き摺りながらのプレーを余儀なくされてしまいます。
それでも再度の数的不利を避けるべく、気力を振り絞ってピッチに残るデューク。

止むを得ず地上からの繋ぎを交える町田、15分にバイロンが右サイドをドリブルで持ち込み。
ディフェンスに遭うも右CKとなると、キッカー鈴木準のニアへのクロス、ヘディングで合わせたのはデューク。
これがフリック気味にゴール左を襲うも、惜しくも外れてしまい勝ち越しならず。
痛みに堪えながらも放ったデュークのフィニッシュでファイティングポーズを保つ町田。
直後に延前終了の笛が鳴り、勝負の延長後半へ。

地上での組み立てを余儀なくされる町田は、最終ラインに稲葉が降りて3枚による繋ぎの体勢を作り。
急造的ながらも、迎えた延後2分にその稲葉の右への展開からヘンリーが裏へミドルパス、受けたバイロンが奥を取ってのボールキープ。
溜めを作っての戻しを経て鈴木準のクロスがファーに上がり、奥山政の折り返しが中央に出来たスペースへ。
そして荒木が跳び込んだ所に、クリアにいった徳永の足が入ってしまう絵図が生まれると、すかさず反則を告げる笛が鳴り響きます。
エリア内でありPK、ならびに危険なプレーによる警告が徳永に突き出され。
しかし当然ながら与PKの方が何より甚大で、時間的にも絶体絶命という状況に追い込まれた筑波大。

既にデュークは蹴れる状態で無いためか、キッカーはエリキ。
最後に立ちはだかるのはGK佐藤のみというその状況で、入念に軸足を右へ向けたうえでゴール左へとシュート。
しかし佐藤は惑わされず、信じて右へ跳んだ結果見事にセーブしきります。
こぼれ球を尚もボックス内で拾ったエリキにより継続するも、最後は右からの鈴木準のクロスが流れ、PK失敗という結果に終わり。
モノに出来なかった町田を尻目に、またも瀬戸際を凌いだGK佐藤により息を吹き返す事となった筑波大。

さらに追い打ちをかけるように、9分についにデュークが限界を迎えて倒れ込み。
スタッフに支えられてピッチを後にした結果、またも10人での戦いを強いられる町田。

再びの数的優位という好機を掴みたい筑波大ですが、既にこちらも体力は限界が近く。
交代で入って以降、その威力を発揮し続けた角の存在も、入れられるクロスが精度を欠くなどフィニッシュを齎せず。
そして14分には田村が足を攣らせ、残していた6人目の交代を使う事となります。(浦部を投入)

同点のままATを迎えると、町田が最後の押し込みを掛け、バイロンの右ワイドからのカットインを角が倒してしまい反則。
これにより最後の攻撃は町田のセットプレー、しかも直接狙える位置でのFK(先程の筑波大のFKとほぼ同じ)となります。
当たり続けているGK佐藤の指示の下、入念に6枚(GKから見て右に2・左に4)の壁を作り、この危機を防ぎに掛かる筑波大。
そして放たれた鈴木準のシュートは、ゴール上部に外から突き刺さるという僅かに上へ外れる結果に終わります。

そして延後も終了の時を迎え、同点により勝負の行方はPK戦に託される事となり。
コイントスにより筑波大が先行、町田ゴール裏サイドのゴール使用が決定します。
それに伴い町田サポーターは一斉にゴール真後ろへと位置を変え、筑波大キッカーに多大なブーイングを浴びせてプレッシャーを掛ける体制に。(正直、子供サポーターがブーイングを浴びせる姿を映像で流すのはどうかと……>NHK)

そんな逆風にも負けず、1本目のキッカー内野は右足でゴール右へと蹴り込み成功。
対する町田も、エリキが先程の失態を再現する事無くゴール右へと突き刺し。
ストライカー同士の1本目はともに成功し、幕を開けました。

続く2本目、筑波大は120分間中盤の底でチームを支えてきた加藤がキッカーに。
内野と同様に右足で右へとシュートし、GK山口はこれを読んで跳び付くも触れるだけに終わり、ゴールに突き刺さり。
一方町田も、120分間戦い抜いたプレースキッカー・鈴木準が2本目を務め。
ゴール中央やや左寄りへしっかりと決め、互角の絵図を維持します。

そして3本目、筑波大は途中出場の沖田。
前2人とは異なる立場で、そのキックも異なりゴール左へのシュート。
GKの逆を突き、ゴールバー内側に当たりヒヤリとさせるも成功。
一方の町田は120分戦った稲葉を選択。
その稲葉、中央へのシュートを選択と変化を付け。
これで意表を突いたつもりだったでしょうが、右へ跳んだGK佐藤は足を残しておりこれをセーブ。
この結果リードを奪った筑波大。

迎えた4本目、優勢を保つべくのキッカーは途中出場の小林。
長身FWで、そのピッチ上でもポストプレイが一際目立っていた存在だっただけに、足下はどうかという事が試されるキックに。
そして先程の沖田と同様に左へシュートを放ちますが、ふかしてゴール上へと外してしまいます。
懸念が現実のものとなる格好で失敗となり。

これを突きたい町田、荒木が4本目を務め。
しかしゴール左を狙ったシュート、読みきったGK佐藤が跳んだその先を掠めるように、枠の左へと逸れてしまいます。
ここまで全員が右利きのキッカーだったため、当たっている佐藤にとっては読み易くもあった状況に映りました。

そして勝負を決するべき5本目、筑波大はアタッカーの角。
これまでの全員と同様に右足で蹴られたシュートは、GK山口も動けない程のキックとなってゴール右へと突き刺さります。
この結果勝利が確定し、沸き立つ筑波大メンバー。
かくしてJ1首位のクラブを破るという、只のジャイアントキリングからさらに昇華させた結果を残すに至りました。

一方一敗地に塗れた町田、負傷者も続出する等その被害は甚大という格好に。
試合後の黒田剛監督のコメントで、ネット上はさらに過熱する事態となりましたが、後味が悪過ぎるため自分の立場としては黙秘を貫くに尽きるでしょうか。
(一言述べるならば、これまでの立ち振る舞いによる因果応報という事が相応しいかと)

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