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TV観戦 天皇杯 第104回全日本サッカー選手権大会3回戦 柏レイソルvs筑波大学サッカー部

2024-07-12 16:47:50 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

  • 柏ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。

前回の天皇杯の記事 -2回戦・町田vs筑波大(1-1・PK2-4)


2回戦で、J1首位のクラブ(町田)を破るというジャイアントキリングを達成した筑波大。
それでもアマチュアの立場故に以降楽な試合は1つも無く、一戦必勝の構えで臨むトーナメント戦。
放映権を持っているNHKに対し、流石に連続で筑波大の試合を選ぶのはやり過ぎだと一言放ちたくなりますが、見所満載という触れ込み(プレゼンテーションによると、その主要因はOB・かつてのチームメイト絡み)なため納得せざるを得ず。

個人的な注目は、筑波大が柏・井原正巳監督の出身校という要因。
それにも拘らず、直近のリーグ戦(22節・FC東京戦、3-2)では体調不良で不在を余儀なくされ(栗澤僚一コーチが代行)、指揮が危ぶまれたものの何とか間に合う形に。
「古巣と戦うのは複雑な気分」というコメントが紹介されていたものの、既に2017年福岡の監督として天皇杯で相対していたため、一視聴者としてはそれを聞いて逆に複雑な気分になる事に。
というのも当時見事に筑波大に敗れる(1-2)結果に終わったため、そういった綺麗事云々よりは、何としてもリベンジするという執念に駆られていても不思議では無い。
そんな事を傍らから考えつつの視聴となりました。

前回の町田と比べ、遥かにアクセスしやすいスタジアム(三協フロンテア柏スタジアム)に部員が集結し、総出でゴール裏で声援を送る体制を作った筑波大。
しかし町田が「陸の孤島」と称される地理的なアウェイの色が強かったのに対し、ここ柏はとにかくスタンドの距離が近い、物理的なアウェイの雰囲気が齎されやすい場所であり。
ゴール裏以外全方位で柏サポーターの声援と怒号が近距離から飛ぶ(とはいえカップ戦故に集客は6,527人と今一つでしたが)、そんな中で巧く戦う事が出来るか、試される試合となりました。

お互いロングボールの蹴り合いで、中々好機が生まれないという入り。
しかし先んじて最終ラインから繋ぐ体勢に入る筑波大、前半4分に左からの前進をキャンセルしてGK佐藤に戻すと、プレッシャーを受けるなか佐藤はその間を通す縦パスを徳永に渡し。
中央から運ぶ状況を生み出したうえで、中に絞った左サイドバック・安藤のドリブルで好機を作ると、中央への横パスを同じく中へ絞ってきた角が右足アウトで合わせてのシュート。
しかしブロックで跳ね返り、拾った田村がミドルシュートを放つもGK佐々木がキャッチ
最初のチャンスが防がれたと思った刹那、柏は古賀のロングパスで前掛かりの裏を突いて一気にひっくり返しに掛かり。
左サイドに山本が走り込むも、GK佐藤がエリア外へ出て倒れながら(福井と縺れながら)もクリア。
これを拾った筑波大は、ボール保持から再びGK佐藤へ戻しプレッシャーを呼び込む立ち回り。
佐藤は今度はロングフィードで前線に運び、半代が胸で落として敵陣でパスを繋いだもののフィニッシュには持ち込めず。(角のクロスがブロックされコーナーに)
最初に好機が生まれた事で堰が切られ、1分の間に慌ただしい展開が描かれました。

筑波大が地上から繋ぐのに対し、柏はパワーサッカーの色が強い、悪く言えばアバウト・良く言えば効率の良い攻撃という立ち回り。
特に普段から「マテウス・サヴィオ頼みの攻め」と揶揄されがちなその攻撃パターンで、そのサヴィオがベンチスタートなため推して知るべしな状態。
筑波大の攻めを遮断しマイボールとなっても、その後の繋ぎが雑になり結局攻撃機会を得れずという、初見だとどちらが上のカテゴリか判らなくなる絵図も多々見られ。
熊澤のロングスローを手段に加えながら、とにかく攻撃機会を増やす事でプレッシャーを与えにいきます。

そしてそれが奏功したか。
12分以降好機が生まれないという流れに陥っていた展開で、16分に最終ラインでボール保持という慣れない状況となる柏。
試合を落ち着けたい思惑もあったのでしょう、ボールを触れに木下が降りて来た(パスを受けてすぐさまレイオフで古賀に返す)のもあり、まったりとする絵図に。
しかしその刹那、野田の縦パスで速度を上げると、それを受ける山本のフリックで喰い付いた福田の裏を取る形で木下が抜け出し。
先程降りてボールタッチしていた残像もあり綺麗にフリーとなって持ち運ぶ木下、そのままペナルティアークからシュートを放つと、GK佐藤は反応できずにゴール左へと突き刺さります。
緩急付けられた柏の攻撃に筑波大デイフェンスは成す術無かったという絵図で、スコアが動く事となりました。

その後、めっきり攻撃機会が少なくなった末に前半の飲水タイムへ。(23分)
改めて反撃体制を作らんとする筑波大ですが、24分に中盤でパスミスを犯してしまい、拾った鵜木が敵陣へ切り込み。
そして中央へ流れ溜めを作り、スルーパスがエリア内へ送られましたが熊坂が走り込めず。
25分にも山本が敵陣でパスカットしショートカウンター、その推進を福井のカバーで何とか防ぐという具合に、ビルドアップの乱れが大惨事を招きかねない流れに。

柏のしっかりとした守備対応(筑波大SBに、サイドハーフが下がってケア)により、ボールポゼッションを高めても中々好機を生み出せない状況に陥る筑波大。
救いは柏の右SB・川口の安藤への喰い付きが目立つという点で、この辺りは安藤が「偽SB」的な動きを混ぜ、左の2レーンを田村・安藤が流動的に請け負う立ち回りが効いての事でしょうか。

その弱点をカバーしながら良く守るものの、「良い守備から良い攻撃へ」という意識が、サヴィオ不在により実行できない柏。
その間に得点したい筑波大、この日スタメンとなった角が右ワイドに張るのを軸に攻め込み。
41分、ワイドで持った角が中央へ横方向への縦パスを打ち込むと、手前で半代のスルーを混ぜて中に絞っていた田村が受け。
そしてコースを探した末にシュートを放つも、野田のブロックに阻まれ同点ならず。

主体的な組み立てでの好機はこれぐらいで、そのまま前半も終わり際へ。
45分にはストーミング気味に、敵陣に押し上げた末にボール奪取してからの好機。
左ワイドで縦パスを受けた内野がカットインでポケットを取ってのシュート、しかしこれも野田がブロック。
右CKで継続し、クロスの跳ね返りを拾って再度左ワイドから切り込み、ポケットを取った田村のクロスをファーで諏訪間が合わせ。
しかしジャストミート出来ず枠外となり、結局前半のうちに得点は出来ませんでした。

1-0で折り返しとなり、ハーフタイムでの交代は無く後半開始を迎え。
キックオフの柏の初手は、サイド奥へロングボール→防がれるも熊澤がロングスローと、やはりアバウトな手に訴えるものでした。

相変わらず攻撃の形が見えない柏に対し、同点に向けての流れを構築したい筑波大。
後半2分に最終ラインから組み立て、一列前に付けるパスを受けた加藤は初手の切り返しで前に出た熊坂を剥がして前進開始。
そして右へ展開し、受けた角がポケットを突くスルーパスを送り好機到来となりましたが、走り込んだ半代のダイレクトクロスはそのままシュート気味に流れてしまい。
FW故にクロス精度まで求めるのは酷な部分があるか……そんな事を考えさせられるのを余所に、このプレーで加藤が足を痛めてしまう事態に。
今後が危ぶまれたものの、切り返しの所で熊坂と接触してのものらしかったのが幸いし、無事に継続し試合終了までプレーし続けます。

後半の筑波大は、町田戦の時と同じく3バック気味に可変。
池谷が最終ラインに残り、角と安藤がウイングバックのような立ち位置を取る形によるビルドアップで、目線を変えに掛かります。
しかし敵陣でのパスミスで好機を齎す事が出来ず、逆に柏のひっくり返すようなダイレクトプレイにより押し込まれ。
12分からCKが2本続き、GK佐藤が跳び出すもキャッチできず(クリアして凌ぐ)という際どい絵図も生まれる攻防に。

ここで柏ベンチが動き、一挙3枚替えを敢行。
鵜木・戸嶋・木下→山田・サヴィオ・細谷へ交代と、主力のサヴィオ・細谷を投入して勝負を決めに掛かるという采配を取ってきた井原監督。

直後に早速サヴィオはその期待に応え、敵陣へ切り込んでのカットインで中央に託し、チャンスエリアで持った熊澤が徳永に倒されて反則。
これにより好位置での直接FKとなり、当然サヴィオが狙うという意識を植え付けながら、蹴りにいったのは熊澤。
ゴール右を襲うこのシュートをGK佐藤がセーブし、(その後のCKも凌いで)何とか一矢を繋ぎます。

そして筑波大ベンチも動き、徳永→高山へと交代。(16分)
これ以降中盤はボランチが縦関係気味となり、加藤がアンカー・高山と田村のシャドー、というような攻撃時の配置に。
20分には左ワイドで田村が(熊坂に)反則を受けた事でのFK、キッカーは投入された高山。
(角のフェイクを交えて)右足でインスイングのボールを入れると、ゴールに向かう軌道となるもGK佐々木のキャッチで防がれ。
その後柏も再度CK攻勢に入るなど、セットプレーでの立ち回りを目立たせた末に後半の飲水タイムに入ります。(24分)

勝負の第4クォーター、長らくゴールが生まれない事により、文字通り次の1点が大きく左右するという局面に。
その通りに柏はチャンスと見るや果敢にゴールを目指し、28分に左スローインを受けた細谷がディフェンスに遭うも、熊坂が奪い返し。
そしてパス&ゴーで山本から受け直してエリア内を突く熊坂、右へ流れてブロックを振りきってのシュートを放ちましたが、ゴール上へと逸れてしまい決められず。
その後30分に川口が足を攣らせたため交代となり、同ポジションで関根を投入。(筑波大も同時に田村・半代→廣井・小林へと2枚替え、角が逆の左サイドに回る)
32分には細谷がプレスバックし自陣でボール奪取、そのまま中央を推進して高山の腕でのチャージを受けつつもパスを繋ぎ。
そして山田がダイレクトでスルーパス、関根が抜け出して決定機か……と思われましたがオフサイド判定に阻まれます。

1点差のまま耐え凌ぐ筑波大。
迎えた34分敵陣での繋ぎで、ストライカー・内野へのパスは悉くカットされるも、こぼれ球を確保し続けた末に左ポケットに持っていき。
そして放たれた安藤のシュートは関根がブロックして防がれるも、左CKで継続。
キッカー高山がニアにクロスを入れ、跳んだ小林には合わせられずも、その奥の古賀のヘッドでのクリアがあろう事かゴール内へ。
古賀にとっては小林が触れられなかった事で、「急にボールが来たので」という状況になってしまったでしょうか、反応が間に合わず当てるだけになってしまい。
まさかのオウンゴールでの同点により、試合の行方は全く判らなくなりました。

その後の柏は、熊坂が足を攣らせてしまう(39分、高嶺と交代)等、消耗によるダメージを先んじて露呈してしまう流れが続き。
前半から、ボールを落ち着けるという選択が中々取れずにいたのがここに来て影響してきた感があり。
それでも流れ的には、地力に勝る柏がゴールに迫り続ける展開に。
筑波大は、44分に諏訪間がボール奪取してすかさず縦パス、受けた内野のミドルシュートでゴールを脅かし。(ゴール上へ外れる)
一矢報いるような好機で、その後は角が最終ラインに降り5バックで凌ぐ姿勢を見せるなど、町田戦同様に同点の時間を長くした末の栄光を掴みにいきます。

突入したアディショナルタイム。
再び左ワイドからのFKを得た筑波大、キッカーは先程と同様高山が務め、放たれたキックも同じくクロスがゴールへ向かうというものになりGK佐々木がキャッチ。
この辺りもう一段階制度と工夫が欲しい所であり。

一方の柏は高嶺のボール奪取から、サヴィオが左サイドを持ち運んで一気に好機到来。
そしてパスを受けた山本が左ポケットへ切り込み、奥からグラウンダーでのクロスがブロックを掠めてニアサイドへ。
合わせたのは走り込んできたサヴィオで、ヒールでの合わせで強引にゴールへねじ入れにいきましたが、GK佐藤の脇で諏訪間がブロックと寸での所で凌ぎます。
最後に際どい攻防が生まれたという格好でしたが、スコアは動かず。
1-1のまま後半終了を告げる笛が鳴り、筑波大にとっては連続となる延長戦へ突入しました。

新たに一つ追加された交代カードですが、筑波大の方が3人・2度と選択の幅が大きい状況。
既に5人交代している柏ですが、延長前半(以下延前)早々の4分にそれを使用。
片山→ジエゴに交代と、早めに駒を投入する事で試合を動かしに掛かります。

そんな個の力の圧を掛けに来る相手に対し、これまで組織力を発揮してきた筑波大も、疲労度からか思うようにボールを繋ぐ事が出来ず。
5分に右スローインを直接ポケットに投げ入れ、ディフェンスに阻まれた事でCKへ移行と、それが伺えるような好機の作り方。

それ故に柏の格好の餌食となってしまったのは、ある意味必然だったでしょうか。
9分、サヴィオが溜めを作ったのち細谷のポストプレイを挟んでチャンスエリアへ推進。
その末に中央から放たれたミドルシュートこそ福井がブロックして防ぐも、右CKで継続すると、キッカー・サヴィオのクロスが中央へ。
そして細谷のヘディングシュートが放たれると、筑波大に防ぐ術は無くゴール左へと突き刺さります。
最終盤でようやく主力の本領が発揮され、勝ち越しに成功した柏。

キックオフでの再開前に、カードを切る筑波大。
角・池谷→小川・鈴木へ交代し、小川が最終ラインの中央に入った事で本格的な3バックへシフト。(WBが右=鈴木・左=安藤)

その後は、再三左サイドを上下動してきた安藤を活用し、何とか突破口を開かんとする攻撃。
しかし既に安藤も余力はあまり残っておらず、アーリークロスが精度を欠くという絵図も目立ちます。
一方の柏は、山本が足を攣らせるも既に交代枠は無く、気力を振り絞って最前線でブロックの姿勢に入る山本の姿が痛々しく。

結局そのまま延前は終了し、ラスト15分の延長後半(以下延後)へ。
開始前に筑波大は最後のカードを使うと、福井→竹内へと交代し再度4-4-2へと戻して延後に臨みました。(竹内は右SHに入る)

柏がバックパスでGKに戻すも、佐々木がキックを空振りしてしまいCKを献上するという入りになったその延後。
この右CK、キッカー竹内のクロスは跳ね返されるも、確保ののち再度竹内に回してのクロス。
これがライナーでファーサイドを突き、小林の下へピタリと収まるボールとなり絶好機が到来します。
しかし放たれた小林のシュートは、サヴィオのスライディングを避けて撃った影響かサイドネット外に終わり同点ならず。

これを逃したのは痛いの一言で、以降運気は巡って来ない筑波大。
5分、ゴールキックからロングフィード→細谷フリックと単純明快な流れでアタッキングサードに運ぶ柏。
走り込む山本を小川が倒してしまい反則、警告を受けたのみならず絶好の位置で直接FKを与えてしまう事に。
相手に好機ととに時間を与えるのが最もキツイという反則となり。
放たれたジエゴの直接シュートは左へ外れるも、その後も逃げきりに向かう柏に対し一向に好機は巡って来ず。

逆に10分、縦パスを高嶺にカットされ、サヴィオが左サイドから切り込むという具合にまたも柏の好機に。
中央の山本への横パスは遮断した筑波大ですがこれにより左CK。
しかもこの際に諏訪間が足を攣らせてしまい、長らく倒れ込んだため担架も持ち出されたため、ピッチ外へ出る事を余儀なくされ。
このセットプレーを10人で凌ぐという具合に、逆境が続く筑波大。

何とかGK佐藤がクロスをパンチングで跳ね返し、諏訪間がピッチに復帰するも既にCBを務める余力は無く。
最前線に回った諏訪間により、加藤がCB・竹内がボランチ・小林が右SHと玉突き的にシフトした残り時間。
一方柏も、野田が足を攣らせたためか最前線に回る事に。
こちらも関根がCB・山田が右SB・細谷が右SHと激しくシフトし残り時間を戦います。

お互いダメージが深刻という絵面で、最後のATへ。
筑波大は安藤が内野を狙ったロングパスを送り、クリアされるもセカンドボールを拾って最後の攻撃。
そして竹内がミドルシュートと、ゴール裏の期待と希望を乗せて放たれたこのフィニッシュも、ゴール上へと外れてしまい。

そして試合終了の時を迎え、2-1で柏が勝利。
2戦連続の奇跡は起こせずとなった筑波大ですが、まだまだ続く彼らのサッカー人生、幸の多いものとなる事を祈りたいものです。

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ABEMA観戦 UEFA EURO2024準決勝 スペインvsフランス

2024-07-11 16:01:46 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

  • スペインはル・ノルマン、カルバハルがこの試合出場停止。
  • 両軍の選手表記はyahooスポーツナビに準拠。

参考動画

前回のEUROの記事 -準々決勝・スペインvsドイツ(2-1)


いよいよ栄冠まで残り2戦、というセミファイナル。このブログでスペインの追っかけをしているような感じだが気にしない

カタールW杯以降、久々に見るフランス代表。
あれから1年半という月日を経ても、当然ながら当時の代表選手も大幅に残っています。
左サイドバックのテオ・エルナンデスや、ザ・アンカーというべきチュアメニ、やや特異な守備布陣のバランスを取るラビオといった名前を見るに懐かしさが先に立つ自分。
そしてそんな軍団の先頭に立つ男はやはりエムバペ(ムバッペ)ですが、今大会でいきなり負傷に苛まれて出鼻を挫かれる格好に。
鼻骨骨折という部位もあり、欠場は1試合のみ(グループリーグ2節・オランダ戦、0-0)と無理を押してその後も出場を重ねていますが、挙げた得点はPKによる1点のみという低調ぶり。
彼に引き摺られるように得点力不足に陥っている現在のフランスですが、貫禄をもってスペインの進軍を止める事が出来るか。

yahooスポーツナビでは、ロドリ・ルイスをドイスボランチとした4-2-3-1という布陣のスペイン。
その形はこれまでも大部分で使用しているものですが、この日は攻撃時にハッキリとした、ロドリがアンカーを務める4-1-2-3の形でボールを繋ぐスタイルに。
そして守備時は4-4-2へ可変という、最近のトレンドである4-3-3をなぞる体制を採りました。

スペインの最終ラインからのパスワークに、当然ながら対抗姿勢を取る守備時のフランス。
それはW杯の時と全く変わらない、エムバペが前残りしての4-4-2という、変則なブロックへの移行とシステム面でも自分だけに懐かしさを醸し出すものでした。
エムバペの攻撃力を存分に発揮させる手法ですが、同時に守備時にサイドハーフと化すデンベレとラビオ、特にラビオのバランス調整が大変なように映るシステム。

スペインにポゼッションからの好機を許す展開が続いていたものの、前半7分にオルモ→モラタへのスルーパスを遮断したのち、こぼれ球をGKメニャンが直接ロングフィードを送ってのカウンターに持ち込むフランス。
こちらもコロ・ムアニ→エムバペへのスルーパスが遮断されて終わりますが、これによりスペインのターンを終わらせ。
そして続く8分、エムバペとは逆の右サイドで前進する体勢から、デンベレのサイドチェンジにより託されるエムバペ。
そして左奥でナバスと対峙するなか、予備動作を殆ど見せず右足でクロスを送るエムバペ。
これに中央からファー寄りに位置を変え、センターバックのマークを絶妙に外したコロ・ムアニがヘディングシュート、ゴール右へと突き刺します。
直接の得点は無くともやはり左翼の矛は強力の一言、といった先制点に辿り着いたフランス。

追う立場となったスペイン、これが今大会2度目。
1度目はラウンド16(ジョージア戦、4-1)で、その際は格上らしく猛攻の末に逆転を果たす試合を演じましたが、相手が強豪だけにどうなるか。
やはり守備布陣に気を使うフランス故に、その要因であるエムバペのサイドの右から仕掛けにいき。
11分、右ワイドで持ったヤマルがエリア内へ「横パスと表現すべき縦パス」を打ち込むと、ポケットに居たオルモはスルーを選択するもディフェンスに当たり結局自分が持つ状態に。
すると今度は奥へ切り込む姿勢からのヒールパスと、変化を付けにいったオルモでしたが結局モラタには繋げられず。

こうして敵陣での細かなパスワークで打開を図ったものの、14分にはフランスの逆襲で、ラビオをスライディングで止めにいったナバスが削ってしまい反則・警告。(ラビオは治療を受けたのち起き上がるも、警告のためそのままプレー続行)
これにより直接フリーキックのピンチも招いてしまいますが、ここはエムバペの直接シュートを壁が防いで事なきを得ます。
しかしその後も、19分にエムバペにワイドから切り込まれてカットインを許しシュート(ナチョがブロック)、こぼれ球をデンベレが逆サイドからマイナスのクロス(クリア)と両翼に押し込まれる流れに。

そんな状態故に、こちらもウイングの力を発揮するのが一番という思考に落ち着いたでしょうか。
迎えた21分、ナチョの縦パスを受けたオルモを経由し中央からモラタに託すも、ディフェンスに遭いこぼれ球を拾ったのは右WGのヤマル。
するとカットインから果敢にミドルシュートを放ち、これが芸術的な弧を描き左ポスト内側を叩いてのスーパーゴールとなります。
これが大会史上最年少のゴールという事で、一躍スターダムへと躍り出たヤマル。

これにより、一気に上げ潮モードとなるスペイン。
先制点のように中央での前進を見せながら、右サイドのヤマルを使う事で、可変を強いられるフランスディフェンスは混乱気味に。
逆の左サイドでは、ウィリアムズが主に中央寄りでビルドアップの出口役を務め、自らの突破は控え気味とやはり肝は右サイドと踏んでいた感があり。

そして25分でした。
最終ラインからパスを受けたヤマルは、中央へ流れての縦パスを選択とここでも最初に中央を見せた事で、空いた右スペースを突き上がって受けたナバスがクロス。
クリアが小さくなった所を右ポケットでオルモが受けると、空中での絶妙なトラップでチュアメニを剥がして奥へ進入、そして斜めからシュート。
GKを抜いた奥でクンデがブロックに入るも、ゴールへ向かうボールの運命を変える事が出来ずにネットに突き刺さり。
最初はクンデのオウンゴールという記録も、のちにオルモのゴールに切り替わったこの逆転弾で、前に出たスペイン。

一気にビハインドとなってしまったフランス。
こうなるとエムバペを警戒されるのは明らかで、以降は逆の右からデンベレが仕掛ける攻撃を続けます。
その思惑通りに何度も右奥からマイナスのクロスを送るデンベレですがスペインに防がれ。
エムバペも31分に仕掛けたドリブルがナチョに止められるという具合に、依然今大会で本調子とはいかないというシーンを露呈してしまい。
ここでビルドアップまで停滞しては一巻の終わりといったフランスですが、こちらはチュアメニが最終ラインに降りる3枚での繋ぎにより何とか安定を保ち。

39分に再び右ワイドで持ったデンベレ、今度はカットインを選択すると、その初動でククレジャの足に引っ掛かって倒れ反則。
これでワイドからのFK→左コーナーキックとセットプレーが続く流れに入り、ショートコーナーからの繋ぎを経てエルナンデスのクロス。
ファーでサリバが合わせるもミート出来ずに終わると、流れたボールをスペインが繋いでカウンターに持ち込み。
ウィリアムズの前進から託されたのはヤマルで、先程と同様にカットインを経て中央からミドルシュートが放たれましたが、ここはエルナンデスのブロックで何とか防いだフランス。

結局、攻撃の流れ自体は悪くなかったもののゴールは奪えなかったフランス。
2-1で折り返し、ハーフタイムを挟んで後半を迎えます。

そしてスペインのキックオフで始まった後半、その通りボールを握りにいったスペイン。
しかしフランスが果敢にハイプレスを掛けた事で、ナバスのバックパスが乱れて辛うじてゴールライン際でナチョが掻き出しCKを防ぐというシーンで開幕。
これで得た左スローインから好機を作りたかったフランスですが、狭い局面での繋ぎは逆にヤマルのパスカットからスペインのカウンターが齎され。
こちらも細かな繋ぎを強いられるもロドリの縦パスで脱出に成功し、素早く逆サイドへ展開、広大なスペースへ送られたルイスのスルーパスにウィリアムズが走り込む状況に。
そして飛び出してきたGKメニャンに先んじて触れたウィリアムズですが、メニャンは身を挺してのスライディングでその推進を阻み、この危機を凌ぐ事に成功します。
この際に無理をした所為か足を痛めたメニャン、それを見たフランスベンチでサブGKの準備が行われるもその後も無事にプレーを続け。

フランスのハイプレスは、常時アンカーを切り、その脇に降りてくるルイスに対しカンテが付くという体制で行われ。
しかしそれも次々とかわしていくスペインのボール保持。

後半8分にようやく、降りて受けにいったウィリアムズに対しクンデが前を向かせず、監獄を生み出した末に奪ったクンデ。
そのまま上がってパスを受け直してクロスに繋げたクンデによりCKに持ち込むという具合に、このままボールゲインの流れを生み出せれば……というフランス。

しかしスペインも9分、センターバックの持ち上がりを使い、その期待通りにコロ・ムアニを剥がして敵陣へと運んでいったラポルテ。(その後敵陣でパスワークもフィニッシュには繋がらず)
ただのパスワークだけでは無いスペインの前進の前に、敵陣で奪ってショートカウンター……という手法もやり辛くなり。

こうなると残るは主体的な攻撃のみのフランスの道筋。
強力なWGが居るだけに、そこにどう出来るだけフリーな状態で託すかがカギとなり。
10分、遊びのパスでククレジャを釣り出した隙にデンベレに預けるというその通りの手法を発揮したものの、シュートには繋がらず不発。
直後の11分には、こちらもCBウパメカノの持ち運びを使い、その後スルーパスがエムバペに通り。
そして奥からのカットインでポケットに入ったエムバペですが、放たれたシュートはブロックの間を通すもののGKシモンが正面でキャッチ。

1点差故に気の抜けないスペインは、12分にナバスが足を痛めた事で先に交代カードを切り。
カルバハルの代役を何とか務めた格好となり退いたナバス、ビビアンを投入してCBに入れ、ナチョが右SBにシフトし穴を埋めに掛かります。
その直後に観客がピッチに乱入(放送席の談)というトラブルが発生するも、冷静さを保つ両チーム。

15分に自陣でボール奪取したデンベレから素早く縦に運び、スルーパスに走り込んだデンベレがダイレクトで奥からクロス。
これがシュートも取れるゴールに向かうボールになり、前に出ようとしたGKシモンの逆を突きましたが片手で何とかセーブ。
敵陣では奪えずも、スペインのポゼッションに対し何とか早めに奪いたいという思惑は変わらず。
直後にモラタのポストワークを倒してしまったチュアメニが警告を受けるものの、多少の被害は覚悟の上であり。
17分にベンチが動き、一挙3枚替えを敢行するディディエ・デシャン監督。
ラビオ・カンテそしてコロ・ムアニに代え、カマビンガ・グリーズマン・バルコラを投入。
そしてこれによりエムバペがセンターフォワードに回る(左WGにはバルコラ)という具合に、最後はエムバペの能力に頼る体制となり。

エムバペが居なくなった分、エルナンデスが前への意識を高める事となったフランス左サイド。
その通りに、20分・24分と2度前に出てボール奪取に成功したエルナンデスから好機を作るも、フィニッシュには繋げられず。
特に後者は、右へ展開してデンベレがカットインという状況に持ち込むも、スリップしてボールロスト(その後勢い余ってモラタを削り反則)と勿体無い終わり方。

ウイングの仕掛けが中心というフランスの攻撃パターンは、エムバペが不在となっても変わる事は無く。
それ故に中央で張るエムバペは相手へのプレッシャーとなっても、ボールが渡らずに能力を活かす機会が少なく。
31分、左サイドから前進していきグリーズマンが奥を突いてクロス、ファーサイド奥へ上がったボールをデンベレが足で折り返し。
マイナス方向へ流れるも拾ったカマビンガが左へ横パスを送り、エルナンデスがフリーの状態でシュート。
しかし利き足とは逆(右足)なためかふかしてしまい枠外と、エムバペのプレッシャーの外で作った好機も実りません。
直後にスペインベンチが動き、途中交代の定番となりつつあるメリーノ・オヤルサバルの2人を投入します。(オルモ・モラタと交代)

やはりエムバペの1トップ状態では厳しいと踏んだか、34分にジルーを投入したフランス。
デンベレと交代し、以降4-4-2に近い布陣で同点を狙いにいき。(サイドハーフは右にグリーズマン・左にバルコラ)

フランスの攻撃機会が続くも、然したるフィニッシュは生まれず時間が進み。
36分は逆にスペインの攻撃、左サイドでのパスワークから中央→右へ展開し、先制点を挙げたヤマルが再度カットインからミドルシュート。
これも先制点同様に強烈にゴール上部を襲うも、僅かに外れて追加点とはいきません。

しかし攻め疲れの様相も見せるフランスに対し、ポゼッションを高めてボールを動かす立ち回りの色を強め。
敵陣アタッキングサードまで運ぶも、戻して作り直しという絵図を何度も作り、諦めずに掛けられるフランスのプレッシングも物ともせず時計を進めていきます。

44分にククレジャをアフターチャージで倒してしまったカマビンガが反則・警告と、焦りを隠せないフランス。
それを見計らって続く45分、ついに打って出て戻さずにエリア内を突きに掛かるスペイン。
左ポケットへのオヤルサバルのスルーパスによりCKを奪い、同時にアディショナルタイムに突入。
攻めの姿勢を見せたスペインですが、この左CKからカウンターに繋げるフランスと一瞬の隙が生まれてしまいます。
グリーズマンのドリブルをヤマルが反則で止め、当然ながら警告が出たものの防ぐ事に成功。
それによるFKから、ウパメカノがヘディングシュートを放つも枠外と、どうしても決定打を放てないフランス。
(スペインは最後の交代、ヤマル・ウィリアムズ→トーレス・スビメンディへと2枚替え)

押し込み続けたいフランスですが、その後もバルコラのアーリークロスからのグリーズマンのヘディングシュート(枠外)のみに終わり。
単発で終われば、その分スペインのボール保持が待っているという具合に追い詰められた状況のAT。
結局それをひっくり返せないまま、2-1で試合終了の笛が鳴り響きました。

ついに決勝へと駒を進めたスペイン。
一方の相手も、その翌日にイングランドがオランダを破って(2-1)勝ち上がり決定。
果たしてどんな結末が待ち受けているのか。

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ABEMA観戦 UEFA EURO2024準々決勝 スペインvsドイツ

2024-07-07 15:02:37 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

  • スペインのホーム扱いの試合だが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • 両チームの選手名はyahooスポーツナビに準拠。

参考動画

前回のEUROの記事 -グループD3節・オランダvsオーストリア


始めに余談から入りますが、記事を書くにあたり、ドイツ代表のwikipediaのページを参照した時の話。
すると「ドイツ代表の衰退」の項目に、日本代表との戦いがメインとなって記述されている辺り、時代は変わったものだと実感させるものでしょうか。
カタールW杯から始まる、日本への敗戦続きの戦績はそれだけドイツ内で衝撃的なものだったか。

この大会で事実上の決勝戦と称されての戦いに挑むドイツ。
そんな汚泥塗れる経歴から見事に復権……という言葉を並べるのは、この一戦に勝ってからにした方が良いでしょう。
スペインが前回観た際から、ドイスボランチシステムに微調整した事により、お互い4-2-3-1の布陣で迎えたキックオフ。

早々の前半1分、ククレジャの反則気味のボール奪取から左サイドで前進するスペイン。
ウィリアムズのアーリークロスをニアでモラタがレイオフし、ペドリがダイレクトでシュートと流れるようにフィニッシュに結び付け。(GKノイアーキャッチ)

しかし、前回よりもボール保持:好機製造の割合が後者に傾いた感のあるその攻撃よりも、起点となったククレジャのプレーが呼び水となったでしょうか。
その後は両軍激しいデュエルと、それによる反則が膨らむ展開に。
その中で4分、ドリブルを仕掛けるペドリがクロースと交錯した際に足を痛め、1分程倒れ込んでしまう絵図が発生。
何とかピッチ外→復帰となるも、やはり駄目だったようで8分に再度倒れ込んで交代の運びとなってしまいます。
オルモを同ポジションで投入と、早くもアクシデントに見舞われたスペイン。

スペインの両翼(右=ヤマル・左=ウィリアムズ)の推進力は脅威の一言で、そのケアに精神を使うというドイツディフェンス。
相手が強敵・ドイツという事もあったでしょうか、後方での落ち着いたボール回しは影を潜め、ひたすらその両翼に仕掛けさせる事に比重が置かれたようなスペインの攻撃。
13分、中盤で奪ったヤマルは前進を経てパスを選択、右に開いたモラタを経由して中央からオルモが切り込む体勢に。
これを防ぎにいったリュディガー、一旦はアタックをキャンセルして構えるも、オルモの前進の前に結局はオブストラクションの形となってしまい反則。
これによりエリアからすぐ手前という絶好の位置で直接フリーキックを得たスペイン。
最初に蹴りにいったオルモのスルーを経て、放たれたヤマルのシュートは壁の下を通したものの、ゴール右へと外れて決められず。

左右だけで無く中央からの突破も加わり、キリキリ舞いにさせられるという感のあるドイツ。
しかし16分、右からのヤマルの突破をラウム・ムシアラの2人でサンドして奪い、そこから逆に左サイドを前進していく(スルーパスに走り込んだラウムがクロスもブロック)という具合に対抗姿勢。
守備からリズムを作ると、次第に攻撃でもボールを持てるようになるドイツ。
クロースが最終ラインに降り、センターバックもサイドに開く姿勢で行われるビルドアップで、敵陣では後方からそのCBがクロスを上げるというシーンも頻発させます。

ポゼッションで後塵を拝す流れになったスペインは、以降GKシモンのフィードをメインの組み立てに取り入れ。
しかし最初は中々形にならず、ドイツに頻繁にボール奪取され押し込まれ。
21分にはそのシモンのフィードをカットしたのち長らくポゼッションを続け、スルーパスを受けたキミッヒにより右からクロスが入ると、中央でハベルツがヘディングシュートを放ち。(GKシモンキャッチ)
その後も後方でのクリアミスも見られたり、反則によりドイツにセットプレーの好機を頻繁に与えてしまう等リズムが悪くなり。
そのため、スペインのビルドアップもドイツ同様に、ボランチの片割れが最後方に降りて組み立てる事が目立ち。

やはりこうした3枚の最終ラインに変える事は、ボール保持に安定感を齎すには必須な手法といった所でしょうか。
しかし反則が目立つ流れまでは変わらず、ドイツはラウムが・スペインはノルマンが警告を受けるなど被害も出始めます。
その後も31分に、スペインのカウンターチャンスでヤマルのドリブルをジャンが反則で阻止(カードは出ず)という具合に、反則が一つのファクターとなりつつある展開に。

35分、スペインはCBのラポルテがドリブルに入り、サネを剥がしてそのまま敵陣左ハーフレーンを推進。
そして中央→右へと展開しポケットを突かんとするもシュートには繋がらず。
ラポルテは23分にも、自ら切り込んでエリア手前中央からミドルシュートまで放つというシーンがあり、膠着状態の打破をCBの持ち上がりで果たさんとするスペイン。
それに従うように、以降前半終了まで攻撃権を独占する事となり。
惜しいシーンは39分でククレジャのボール奪取からのショートカウンター、拾ったオルモがドリブルからミドルシュートを放つも、GKノイアーのセーブに阻まれ。
その後も45分にヤマルがドリブルで、ターを剥がした末にミドルシュート(GKノイアーキャッチ)と、突破からの強烈なフィニッシュでこじ開けんとするスペイン。
しかしゴールを奪う事は出来ず、一方のドイツも35分以降全く攻撃機会が無いまま、前半終了を迎えます。

相次いだ警告の影響もあり、共に交代が交錯する事となったハーフタイム。
スペインはその警告が付いたノルマンに代えてナチョ。
ドイツは警告付きのリュディガー・ラウムこそ代えなかったものの、ジャン・サネ→アンドリッヒ・ビルツへと2枚替えを敢行します。

こうして始まった後半も、早々の1分にラポルテがビルツのチャージで痛み倒れるシーンで幕を開け。(無事に起き上がる)
しかし続く2分スペインは目の覚めるような攻撃、GKシモンが高い位置を取ったカルバハルへロングフィードを届けたのちの好機。
そしてカットインからサイドを変え、左ポケットを突いたウィリアムズはシュートでもクロスでも無い、逆のポケットへ山なりのボールを送って目線を変えて揺さぶり。
収めたヤマルから今度こそ中央へパスが入り、受けたモラタが反転しながらシュートしましたが枠を捉えられず。
GKのフィードから、敵陣で揺さぶるという攻めを形にします。

すると6分、今度は最終ライン→右へ展開からの縦突破というシンプルな攻めで、ヤマルがワイドからポケットを突いて中央へ横パス。
そして後方から走り込んだオルモがシュートを放つと、グラウンダーの軌道でゴール左へと突き刺さります。
攻撃の構築を果たしたスペインが、先手を取る事に成功しました。

追い掛ける立場となったドイツ。
地元で開催されている今大会なだけに、スタンドの後押しを受けて追い付きたい状況に。

前半に見せたボールポゼッションの姿勢から、サイドで前進するとともに全体もより一層押し込み。
前述のCBのクロスが際立つようになったのはここからで、ひたすらクロスがボックス内に入るもののフィニッシュには繋がらず。
逆に9分にスペインのカウンター(ウィリアムズ→オルモへのスルーパスをターが何とか遮断)を受けるなど、前掛かりな姿勢を突かれる危惧も高まります。
ベンチも早めに動き、12分にラウム・ギュンドアン→ミッテルシュテット・フュルクルクへと2枚替え。
ストライカーの番号(9番)を背負うフュルクルクがその通りにFWに入り、ハベルツがトップ下気味のポジションに降り。

それでもやる事は、敵陣で人数を掛けての攻撃なのは変わらないドイツ。
15分に全員敵陣に進入しての攻め、右サイド手前からリュディガーのクロスとそれを象徴する流れ。
クリアされるも、その後のスペインのクリア気味のパスをクロースがカットして継続、ワンタッチでの繋ぎの連続を経てビルツがミドルシュート。(ククレジャのブロックを掠めて枠外)
19分にはコーナーキックから、投入されたフュルクルクがヘディングシュート(枠外)と、ターゲットを活かしながら同点を狙います。
(スペインは18分にヤマル→トーレスへと交代)

防戦の色が目立ってきたスペインは、一層GKシモンのフィードを活用して時間と余裕を作る立ち回り。
1トップのモラタも、降りてそれを受ける姿勢が目立つという具合に、ターゲットへのロングボールを軸として落ち着かんとします。
22分にはシモンフィード→モラタフリックで抜け出しにいったオルモが、クロースに倒されて反則・警告。
再度被害も膨らみ始めたドイツですが、そんな多少のリスクは覚悟で打って出なければならない状況であり。
24分には細かな繋ぎによる前進の末に、ビルツが左ポケットを取ってのボールキープ。
ワイドへ流れての戻しを経てミッテルシュテットのクロスが上がると、ハベルツの折り返しで中央のフュルクルクに収まるボール。
そしてレイオフを経てアンドリッヒがミドルシュート、GKシモンがセーブして防ぐも、尚も右ポケットにこぼれたボールをハベルツがクロス。
これがブロックに入ったククレジャの腕に当たるも、反則の笛は鳴らず終わりモノに出来ません。

27分にはまたもフュルクルクのヘディングシュートが放たれるも枠外に終わり、得点出来ない焦りも膨らみ始める時間帯。
そして29分にスペインがそれを突くようにカウンター、ロドリのスルーパスを受けたオルモが右ワイドを推進せんとする所を、ミッテルシュテットが反則で阻止してしまい警告と被害覚悟で止める他無く。
これによる右ワイドからのFK、キッカー・トーレスのアウトスイングのクロスがゴールを横切るボールとなり、跳んだGKノイアーを越えたその奥でラポルテが足で折り返し。
際どい絵図が生まれるも、フィニッシュには繋がらず。

スペインはGKシモンのみならず、ロングボールでの前進の割合を増やし、前掛かりなドイツの裏を突かんとする意識を強め。
しかしそれが仇となったのが32分で、スペインの攻めをGKノイアーが抑えて切ると、素早い運びを選択してロングボール→押し上げにより間延びしたスペインディンフェンスを突き。
キミッヒスルーパス→走り込んだビルツクロスと手数の少ない攻めでボックス内を突き、グラウンダーで入ったボールをフュルクルクが合わせシュート。
ナチョのチャージにより倒れながらも脚で合わせたそのフィニッシュは、右ゴールポストを直撃と惜しいものとなります。
その心中は後一歩まで迫れた事による光明か、決定機を逸した事による狼狽か。

34分にスペインはウィリアムズ・モラタ→メリーノ・オヤルサバルへと2枚替え。
これにより前回観た際と同じ、ロドリがアンカーとなった4-1-2-3へとシフトし、トーレスが右ウイング・オルモが左ウイングに。
その直後にドイツも動き最後の交代、ター→ミュラーに交代。
CBを退かせた事でアンドリッヒがその穴に入り、以降4-1-4-1という布陣で最後の攻勢に賭ける事となります。

逃げきりでも良い状況のスペインですが、その意識が危機を招いてしまったか。
37分にはゴールキックの際、遅延行為でGKシモンに警告が付き出され。
それによりその盤石といえたフィード力も鈍りを見せ、直後に蹴られたフィードは低く短くなってしまい、ラポルテが収められずこぼれた事でドイツのチャンスとなり。
そしてそのボールに走り込んだハベルツがダイレクトでシュートしますが、ゴール上へ外れてしまい何とか命拾い。

何とか勢いを持って攻めたいドイツ。
守勢の状態から脱出せんとするスペインのクリア気味のパスも、ポストプレイを潰して強引に奪うという具合にそれを果たさせず攻勢に持ち込みます。

そして迎えた44分、クロースのミドルパスから右サイドで細かく繋ぐ流れとなり、選んだのはやはりCBリュディガーの手前からのクロス。
中央でハベルツの胸での落としをビルツが拾い、好機到来と思われましたが戻しを経て左からミッテルシュテットが再度のクロス。
ファーでのキミッヒの落としから、今度はダイレクトでビルツのシュートが放たれると、ゴール左へと突き刺さります。
終了間際の起死回生のゴールに、沸き上がる大観衆。

その後はスペインが攻勢に入るも、試合の流れは再度選手が倒れる絵図が目立つものに。
ドイツの選手が前線で倒れた際、にも拘らずスペインが攻めを継続した(その攻撃もオヤルサバルがクロースに反則気味に倒され終了)事で異議を飛ばすドイツサイド。
そしてそれにより、ベンチメンバーのシュロッターベルグが警告という具合に、試合に出ていない選手にも齎される被害。
それだけ白熱した試合展開といえますが、ここまでに出た警告が総計9枚というのは褒められたものでは無く。(まあ審判団のコントロールの問題もあるでしょうが)

結局1-1のまま後半終了を迎え、試合は延長戦に。
ドイツは最後の交代が攻撃に舵を切ったものだったのもあり、すかさず補充されたカードでハベルツ→アントンへと交代。
CBのアントンを補充してアンドリッヒがボランチに戻り、4-2-3-1へとシフトします。
2列目はミュラーが右・ビルツが中央・ムシアラが左というのが基本姿勢ながら、流動的に動き回り判別がつき辛く。

幕を開けた延長前半(以下延前)、その1分にオルモの切り込みによるスペインの攻撃からスタート。
それに対しドイツもカウンターで応戦、延前2分にクリアボールをムシアラが拾って前進体勢に入り、フュルクルクのスルーパスを受けたビルツがグラウンダーでクロス。
そしてファーサイドにミュラーが走り込むという綺麗な流れを作るも、その手前でクリアされて実りません。

何処でチャンスがフィニッシュ、そしてゴールに結実するかという延長戦の展望。
しかしそれを余所に、4分のスペインの攻撃で左サイドをオルモが切り込むも、その手前のオフザボールの所でククレジャがビルツに倒され。
これが反則ならびにククレジャに警告が付き出された事で、以降も反則・負傷塗れの流れを余儀なくされます。

8分にルイスがアンドリッヒと交錯して反則となると、痛むルイスの横で、反則した側のアンドリッヒも足を攣らせて倒れ込み。
ここでは幸い両者無事に継続するも、ルイスはその後12分に限界が訪れ、交代の運びとなってしまいます。
2度目のアクシデントという形ですが、こちらの方は疲労も重なる時間帯故にある程度仕方ないものだったでしょうか。
ホセルに交代し、こちらも9番を付けた選手がセンターフォワードを務める流れとなり、それに伴いオヤルサバルがインテリオールに降り。(尚スペインは守備時は4-4-2で、FWへと上がる役割がメリーノ→オヤルサバルへと変わる)

その後、14分にスペインはオヤルサバルが右からのカットインを経てミドルシュート。(ゴール左へ外れる)
アディショナルタイムにはドイツが、アントンの縦パスを受けたミュラーが左ポケットへ切り込んでマイナスのクロス。
そしてこれをビルツが合わせシュート(ゴール右へ外れる)と、ともにゴールに迫るも勝ち越しはならず。

試合は同点のまま延長後半(以下延後)へ。
そして早々の延後1分、ドイツの攻撃で物議を醸すシーンが生まれ。
ミュラーのエリア内へのミドルパスを胸トラップしたフュルクルク、そのままレイオフというターゲットの役割から、ダイレクトで放たれたムシアラのミドルシュート。
これがエリア内でククレジャがブロックするも、その左腕をモロに直撃した事で一斉にハンドをアピールするドイツサイド。
しかしVARチェックもあっさり終わり、結局反則無しとなります。
ククレジャの腕は開いていたものの、戻す動作の最中に当たったと判断されノーハンドの判定が下されたでしょうか。

そんな疑惑のシーンも、焚火へのくべとしながら勝ち越しを目指すドイツ。
4分にはスペインのCKからのカウンターで、ビルツがドリブルで切り込み、ククレジャのアタックもいなしながらペナルティアークに。
そして横パスを受けたフュルクルクがエリア内を突いてシュートを放ちますが、ふかしてしまい決められず。

しかし延長戦を戦うなかで、足を攣らせるというリスクも加わる事で尚も頻発する選手が倒れ込むシーン。
それに対し、主審も直ぐに試合を止めない絵図が目立つため試合は荒れ模様に。
そのため、ドイツはまたしもベンチから異議を飛ばしたウンダブが警告を受けてしまう状況を作る破目となります。
スペインサイドも、延前10分にカルバハルが、延後5分にロドリが警告と蔓延が止まらないカードトラブル。

疲労と荒れ狂う展開により、試合は一発で仕留めたい流れに。
その好機は12分にドイツに訪れ、キミッヒのアーリークロスを、まさに点で合わせるという表現をしたくなるようにフュルクルクが合わせ。
フリック気味に放たれたシュートがゴール左を襲うも、GKシモンがファインセーブでこれを防ぎます。

仕留めきれなかったドイツは、14分にその影を落とすように、自陣での空中戦から収めかけたクロースがボールロスト。
これによりスペインの攻撃へ移り、右サイドでの密集をカルバハルの横へのミドルパスで脱出し、オルモの左手前からのクロス。
これを身体全体での跳躍で合わせたのはメリーノ、渾身のヘディングシュートがゴール左へと突き刺さります。
PK戦突入の可能性が高まった中で、とうとう生まれた勝ち越しゴール。

スペインの歓喜の渦が生まれ、それにより再開が長引いた影響もあり、既に交代となったルイスが警告を受ける事に。
最後までカードトラブルが尽きない、という言葉を発するにはまだ早く。

CB2人も前線に上がり、ドイスボランチ(クロース・アンドリッヒ)が最後方から放り込むという、パワープレイの体制に賭けるドイツ。
しかしフランスもカウンターで好機を作り、トーレスが完全に抜け出してエリア内でGKと一対一に。
ループシュートでGKノイアーの左を抜かんとしますが、逸れてしまい決められず。

以降もフュルクルクのヘディングシュートが生まれる(ゴール右へ外れる)など、最後まで可能性を持って攻めるドイツ。
その姿勢に対しスペインも後手に回ってしまったか、最後の最後で左サイドをドリブルするムシアラに対し、抜かれたカルバハルが後ろから腕で倒す格好での反則。
当然ながら警告で、これで2枚目による退場を強いられます。
しかしドイツもラストワンプレーで殆ど影響は無く、ほぼ退場覚悟といったカルバハルの姿勢。

このFK、GKノイアーも前線に加わり何とかモノにしたいというドイツ。
しかし上がったクロスを、合わせにいったフュルクルクの前で直接GKシモンがキャッチ。
スペインが防ぎきったその刹那、試合終了を告げる笛が鳴り響きます。

激戦を制し、準決勝へと駒を進めたスペイン。
警告塗れの試合により、次の試合の出場停止者を2人出す事となりましたが、まずは120分戦った疲れを癒したい所でしょう。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第19節 FC今治vsカマタマーレ讃岐

2024-07-04 16:01:32 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

  • 今治ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • その今治の布陣は、DAZNの予想では三門アンカーの3-3-2-2(3-1-4-2)、yahooスポーツナビでは新井・山田のドイスボランチの3-4-2-1。実際には、山田が前に出ている事が目立ったので3-5-1-1と表記する。

3バック・4バックの間で……だけで無く、フォーメーションが色々と揺れている今治。
相手に合わせての戦いに完全にシフトしたらしく、4-1-2-3や3-3-2-2など様々な変更が行われ。
そしてこの日採った布陣は、ドイスボランチかアンカーか区別しづらいものとなりました。

オリジナルフォーメーションとしては、yahooスポーツナビの予想の方の3-4-2-1の方が正しいようであり。
しかしボランチの片割れと予想された山田は攻撃時・守備時ともに一列高い位置を取り。
どうやら山田は、讃岐ボランチの前川に対しマンマークの姿勢を保っているようであり(攻撃時もその流れで、ヴィニシウスのポストワークを盾に最前線に抜け出す事が多かった)、相手のゲームメーカーを消しに掛かるその体勢はまさに「相手に合わせるスタイル」を象徴しているようでした。

そんな今治の勝負に拘る姿勢がヒシヒシと伝わって来る試合。
立ち上がりからお互いロングボールの応酬で、それぞれ1トップのヴィニシウス・赤星をターゲットとして蹴り込み、主導権を確保しにいきます。

讃岐は前半3分に、そのヴィニシウスとの競り合いを余儀なくされた奈良坂が痛んでピッチ外→復帰と、早速そのバチバチ感の副産物である負傷の危惧に晒され。
そんな中で8分決定機に辿り着き、奈良坂ロングパス→赤星フリックという定番の流れを経て、左ポケットから冨永クロス→クリア→繋いで右ポケットから内田クロスと左右から強烈に攻め込み。
そして跳ね返りをエリア内で長谷川が拾い継続、吉田陣がエリア内中央やや右から放ったシュートをGKセランテスがセーブ。

お互いアバウトな攻撃ながら、上記のシーンのように讃岐の方が敵陣で形になるという優勢な流れ。
しかし12分今治はカウンターに持ち込み、横山のドリブルが長谷川の反則ディフェンスで止められるも、ヴィニシウスが拾った事で継続。
そのヴィニシウスもドリブルで突き進み、エリア内を突いたもののタッチが大きくなった所をGK今村に抑えられ。
直後の13分にも、山田が倒されながらパスを繋いで今治の好機(ヴィニシウスのポストプレイを経て横山がミドルシュート、GK今村キャッチ)と、やはり奈良坂が痛んだシーンは反則スレスレの絵図の応酬という号砲だったようでした。

そんなデュエルの応酬から、14分今治はGKセランテスからの地上での繋ぎへと切り替え。
それが奏功したか、山田のミドルパスで敵陣へ運んだ所ディフェンスで途切れるも、右スローインから梅木のロングスローがクリアされて左コーナーキックと繋がる攻撃。
右→左とサイドを移したセットプレーが影響したか、ショートコーナーを選択した今治に対し讃岐は無警戒で、横山がフリーでクロス。
ニアサイドを低目に付いたそのボールを、ヴィニシウスが頭で跳び込んで合わせると、GK今村の腕を掠めてゴールに突き刺さります。
ハイテンションな展開を得点で締めた今治、リードを奪いました。

尚も前向きな姿勢を隠さない今治ですが、17分にスローインの判定に異議を唱えた山田が警告を受け、これで次節サスペンドと空回り。
続く18分の讃岐の攻撃では、左サイドをドリブルする吉田源に対し前掛かりで止めにいった結果、4人で囲むという状況になったうえそこからスルーパスで逆を突かれ。
そして走り込んだ冨永のマイナスのクロスを赤星が合わせシュート(枠外)と、一歩間違えれば……という絵図を生んでしまいます。

スコアが動いた後も、概ね讃岐の優勢は変わらず。(24分に飲水タイム)
やはり赤星の空中戦の勝率(54パーセント、放送席の談)は大きな武器となり、彼の落としから冨永の抜け出しという脅威が襲い掛かり。
前川に対するマンマークでその地上からの繋ぎを抑制しにいった今治ですが、裏を掻かれた格好で何度もゴール前に迫られ。

そんな讃岐の攻勢を凌ぎつつ、デュエル勝負に持ち込む今治。
31分から5分間、そのぶつかり合いの連続で途切れ途切れの展開になり、そこから乱戦気味に流れを掴まんとします。
しかしそれは果たせず、讃岐は39分の右CKからまたも決定機、キッカー前川のクロスは流れるも拾った吉田源が逆の左からクロス。
これを中央で冨永が合わせ、ヘディングシュートがゴール右を襲ったものの惜しくもポストを叩いて同点ならず。
押され気味な今治は、デュエルという点でも、近藤が森との競り合いで痛んで顔から出血してしまうという具合に被害の方が目立ち。

終盤に突入し、いくらここまで優勢でも、リードを奪われているという事実を抱えている讃岐に焦りが見られる時間帯。
それを突くように、今治は45分に中盤からのフリーキックでの放り込みで陣地を奪い、左スローインからの攻め。
横山の奥からのクロスが跳ね返されるも、尚も拾って左サイドで細かく繋ぐ体勢に入り。
そして小さい浮き球パス・ゴールに背を向けてのヒールパスと小技を使ってポケット奥に持ち込み、走り込んだ近藤がクロス。
これをブロックした吉田陣のハンドをアピールするもノーファウル、逆にこぼれ球を拾いにいった近藤が吉田陣を倒した事での反則を採られ。
この乱戦からの好機が影響したか、アディショナルタイムはお互い敵陣でのボール奪取からのショートカウンターが1度ずつ。
そして讃岐は森のミドルシュート(GKセランテスキャッチ)、今治は横山のミドルシュート(GK今村セーブ)でゴールを脅かすも、スコアは動かず1-0のまま前半終了となります。

前半の終盤、今治にとって狙い通りというべきか、讃岐の流れを止めたという格好に。
その影響か、後半立ち上がりは今治の攻勢へと移り変わります。(ハーフタイムでの交代は共に無し)

キックオフからの攻撃、ロングパスによる前進を経て横山のボレーシュートにまで繋げる(枠外)と、続く後半2分はこぼれ球を右サイドで新井→山田→ヴィニシウスと繋いでいきヴィニシウスがドリブルに。
そして斜めに切り込んでポケット奥を取り、マイナスのクロスが中央まで流れた所を新井が合わせシュート。
ゴール右を襲うも、そのゴール前で奈良坂のブロックに阻まれ惜しくも2点目はなりません。

今治はあまり機能しなかった山田のマンマークシフトを取りやめたようで、後半から三門・新井をドイスボランチとして、山田が右シャドーに。
ハッキリとした3-4-2-1へと変更したようでした。
このマイナーチェンジもあり、出方を窺う讃岐をひたすら押し込む展開に持ち込み。

しかしそれも10分と経たずに終わり。
守勢の讃岐は8分、吉田源のラフなロングパスが文字通り窮地を脱するような一本となり、走り込んだ赤星の前でクリアされるも森が繋いで赤星の足下へ。
そしてドリブルに入る所を加藤に倒されて反則・警告となり、FKにより後半初の好機に突入します。

このFKからまたも選手の負傷シーンが発生する事となり、二次攻撃で左から上がった吉田源のクロスに、ファーサイドで合わせにいく赤星の前で跳び出したGKセランテスが何とか弾き。
しかしそのまま着地出来ず叩きつけられるセランテスを尻目に、讃岐は森のダイレクトシュートで追撃するもブロックに阻まれ。
尚もボール保持する讃岐に対し痛みを堪えて守備に入るセランテス、パスワークの末に右から上がった森のクロスをまたもパンチングで防ぎ。
そしてこれがゴールラインを割った所で、痛みをアピールしながら「何で止めてくれないんだ」というアピールを主審に行う事となりました。
おまけに、このCKからの好機も、吉田陣が2連続でシュートを放つ等再三攻め込まれ。
その末に、今度は本格的に痛み倒れ込んでしまうセランテス、治療を受ける事に。
その甲斐あって何とか継続の運びとなり、その間に今治ベンチは山田→日野と別の所で動いてきました。

そんな流れもあり、ロングボール攻勢の交錯も考え物といった結論に達したでしょうか。
19分、左サイドから攻め深めまで進入した今治の攻撃ですが、一旦最終ラインへ戻して中央→右へ展開と地上での繋ぎを続け。
そしてスルーパスを受けた梅木が奥を窺う姿勢から中央へとマイナスのパス、受けたヴィニシウスがエリア内を突いてのキープを経てシュートを放ちましたが、ゴール左へと外れ。
折角のポゼッションによる攻撃も実らず、中々1-0から動かないスコアにリードしている側も苛立ちを隠せなくなったでしょうか。
尚、直後に讃岐もカードを切り前川→江口へと交代、システム的な見所の山田・前川がともにピッチを去る事となり。

そしてそれが噴出する事に。
20分の讃岐の右CK、江口の二度目のクロスを奈良坂が折り返し、赤星が反転しながらボレーシュートの体勢に。
しかし結果はクリアにいったヴィニシウスを蹴ってしまうものとなり、当然反則・警告で終わってしまい。
すると直後の21分、GKセランテスのロングフィードに合わせにいったヴィニシウス、その腕が奈良坂の頭部に入って反則。
そして奈良坂は頭部から出血(ユニフォームにも鮮血が染みる)と、ついに目に見えた被害が現れるようになってしまったデュエル合戦。
そのままピッチ内で止血が行われ、3本ほどに及んだのち奈良坂はピッチ外→復帰。
その間に讃岐はさらに交代カードを切り、森・冨永→川西・下川へと2枚替え。

奈良坂が負傷させられ、ビハインドを跳ね返さんとさらに押し込みを掛ける讃岐。
敵陣に(GK以外)全員が入り込んでパスを繋ぐ状況も何度も作り、ロングスローも交えてエリア内でのプレーを繰り広げるも、1点が遠く。
手負いとなった奈良坂も、30分には同様のシチュエーションで逆にヴィニシウスに反則を犯してしまうという具合に、ぶつかり合いで決して引けを取りません。

キックの名手・江口を使ったセットプレー、主にCKも幾度も得る讃岐。
それに対し、GKセランテスも豪快に飛び込んでパンチングで跳ね返す(37分)など、負傷の影響を感じさせないプレーでスタンドを沸かせます。(ピンチの状況なので悲鳴ともいう)

主にミドルシュートでゴールを脅かす姿勢の讃岐ですが、どうしても点が取れず。
そして39分に最後の交代を敢行し、深港→岩岸へと交代。
センターバック1枚を削った事で4-4-2へシフト、下川・岩岸ががそれぞれ右・左のサイドハーフとなり、赤星・川西の2トップ(川西はトップ下かも……)という布陣に。

直後の40分に、内田の右からのクロスが跳ね返され、二次攻撃を仕掛けようとした所を川西が市原に倒されて反則。
これで絶好の直接FKに持ち込んだ所で、今治は最後のカードを切ります。
梅木・新井→白井・阪野で、壁形成のために長身・阪野をこの段階で投入した節があり。
そしてキッカー江口が放った直接シュートは、その壁を越えるもゴール左へ惜しくも外れてしまいます。

セットプレー守備をやり過ごした今治、市原が右ウイングバック・楠美がボランチへと回り、阪野が左シャドーという具合に3-4-2-1は変えず。
44分に吉田陣が白井に倒された事で再び直接FKの好機が巡ってきた讃岐ですが、今度の江口のシュートはGKセランテスが正面でキャッチ。

負傷シーンの多発もありATは9分と、ドラマを予感させる長丁場に。
攻撃権は当然追い掛ける立場の讃岐で、ロングボールを駆使するパワープレイのように、最後の局面に賭ける体制を採ります。

しかしそれが仇となり、今治のクリアボールを阪野が合わせ、そのまま収めてボールキープの体勢に。
それに対し奈良坂が喰い付いた所に、すかさず裏へのミドルパスが選択されると、抜け出して受けたのは日野でそのまま前進。
そして吉田源のアタックを物ともせずボール確保した末に、エリア内に進入して放たれたシュートがゴールネットを揺らします。
即時奪回を狙った讃岐の逆を突いた、試合を決定付ける(と思われた)追加点で歓喜の渦が形成される今治のホーム・アシックス里山スタジアム。

それでもまだまだ続く長いAT。(日野のゴールは90+2分)
諦めずに讃岐は攻め上がり、何度もCKに持ち込む流れは継続。
2失点目後2度目の左CK、キッカー江口のファーへのクロスを赤星がバックヘッドの形で合わせると、跳び出したGKセランテスの裏へふわりと上がり。
そして下川が押し込みゴールネットを揺らし、ようやく1点か、と思われた刹那オフサイドを告げる笛が鳴り響き。

折角ゴールに突き刺したのに……という思いもそこそこに、尚も攻撃体制に入る讃岐。
最終ラインに対しヴィニシウスが果敢にプレッシャーを掛けるも、終盤故に単騎突撃となり。
それをいなし、フリーの状態で奈良坂から上がったロビングを、赤星がフリックで落として右ポケット奥を突き。
そして角度の無い所ながら、走り込んで放ったシュートでゴールに突き刺したのは川西。
今度はオフサイドも無く、正真正銘の1点を挙げてまだ判らないという空気に戻します。

そしてキックオフの際、中々蹴り出さずに遅延行為でヴィニシウスが警告と、余計なミソ(こちらも4枚目で次節サスペンド)を付けてしまう今治。
讃岐は再びヴィニシウスの単独プレッシャーをいなしてのロングパスで敵陣に持ち込み、そこからロングスロー→右CKとセットプレー攻勢持ち込み。
このタイミングでGK今村が上がる(正直、先程のCKから上がり始めるかと思っていた)というまさに最後のチャンス、江口のクロスが中央に張ると、合わせたのはこの日ずっと1トップで奮闘していた赤星。
しかしこの渾身のヘディングシュートは、ゴール右へと外れてしまい万事休すとなると、そのまま試合終了を告げる笛が鳴り響きます。
2-1で、次節出場停止を2人も出しながら辛くも勝ち点3を得た今治。

これでJ3も丁度折り返しとなり。
他のカテゴリーとは打って変わって、大宮の独壇場という展開となりましたが、その分残りの昇格枠・あるかもしれない降格の争いは今後も盛り上がる事でしょう。

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ABEMA観戦 UEFA EURO2024グループD第3節 オランダvsオーストリア

2024-06-28 18:16:53 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

参考動画

前回のEUROの記事 -グループB第2節・スペインvsイタリア


前半のキックオフから30秒と経たないうちに、ボール確保に成功したオーストリアが保持に入る。
普段Jリーグしか観て無い者としては、そんな普遍的なものがとても凄い偉業に見えてしまう。
そういった、軽いカルチャーショックを覚えるような幕開けとなりました。

予選通過が決まっていないグループは死闘必至の3戦目。
この試合は、勝てば通過決定という解り易い一戦となり。
引き分けが許されるのが、フランスが敗戦した場合のオランダの方ですが、既に敗退が確定しているチーム(ポーランド)をアテにする訳にもいかず。
当然勝利を目指すもので、熱い戦いが期待できるカードと思い視聴しました。

さて、試合の頭からボール保持するオーストリア。
何としても勝利しなければならない立場で、その姿勢は落ち着いたものでありながら、素人目には「早く得点を目指すべく攻勢に入らないと……」と一言放ちたくなるようにも映り。
立場上有利のオランダがそれに対してプレッシングを掛けず、ミドルサードで4-5-1のブロック構える体勢なのもそれに拍車を掛け。

試合が動いたのが前半6分、オーストリアの最終ラインに対し、1トップのデパイが単騎でプレッシャーを掛けにいくオランダ。
しかしラインハートが切り返しでそれをいなした事で、オランダの整然とした(様に見える)陣形に乱れが生じ、中央から前進ののち(サイバルトが)右へロングパス。
ボッシュはこれを収められずも、ルーズボールをすかさず拾うと狭い局面での攻防へと変わり、パスワークで前進に成功し右奥を突くというオーストリアの攻撃。(アルナウトビッチがクロスも合わず)
すぐさま再びボール権が訪れると、またもラインハートが持ち運びののちに縦パスとビルドアップの起点となり、中央で収めたアルナウトビッチが左へ展開。
そして受けたプラスが左ポケットを突いてグラウンダーでクロス、中央に入るその手前で足から跳び込みクリアにいったマレン。
これが綺麗に合わせてのシュートのようになってしまい、そのままGKのニアを破るという、鮮やかにも映るオウンゴールに。
早々のボール確保に続くように、早々の先制点を挙げたオーストリア。

追う立場となったオランダ、当然ながら前線の守備を強めに切り替えて反撃体制に入り。
14分には最終ラインから縦パス→ポストプレイの連続で前へ運び、左ワイドからガクポがポケットを突き。
そして送られた中央への横パスに、フリーのラインデルスが合わせるという綺麗なフィニッシュまでの流れを築きましたが、当たり損ねてゴール右へと外れてしまい同点ならず。

オランダは自身でのビルドアップは、殆ど可変を見せず。
サイドバックは前進を果たすまでは後方に残り、ウイングは前線に張ったままという、これも普段Jリーグしか観てない者としては物珍しいスタイルであり。
その後方のSB→前線のウイングへの橋渡しとなるべく、インサイドハーフの動きが逆に活発で、流動的にボールを受ける体勢。

つまりはIHのスカッドが大きそうなサッカーで、ビハインドとなった事で守備面でもそのウェイトは重くなり。
20分のオーストリアのGKを含めた最終ラインでの繋ぎに対し、ラインデルス・フェールマンの2人が前に出るハイプレス。
しかし距離感の長いパスワークであっさりプレス回避され、左(オランダから見て右)から運ばれてしまい。(その後敵陣でサイドを変えて繋ぐも戻して作り直し)

ハイプレスへの切り替えが馴染んでいないようでしたが、その後はオーストリアにロングボールを蹴らせるシーンを頻発させて攻撃権を確保。
23分、そのロングボールの跳ね返しをデパイがレイオフ、拾ったラインデルスのスルーパスで一気にエリア内を突き。
そしてそこにマレンが抜け出すという決定機が生まれましたが、放たれたマレンのシュートは先程と同様にゴール右へ外れる結果に終わってしまいます。
「自分のゴールには決めたのに、相手のゴールには決められないのか……」と、思わずマレンに言い放ちたくなるような流れに。

その後はオーストリアが、オランダのビルドアップを遮断していくシーンを目立たせるも、その際も無理なショートカウンターは仕掛けず。
試合の入りに見せたような、重厚なボールポゼッションを駆使するリードを活かす立ち回りを展開していきます。
このままではいけないというオランダは、前半のうちに早くもベンチが動く事に。
34分にフェールマン→シモンズへ交代しましたが、その直後に飲水タイムが挟まれるという、何とも言えない試合絵図。

ブレイク明けも、ボール保持の色を保つオーストリア。
37分にパスワークの最中に(プラスの)縦パスが主審にぶち当たるという絵図が生まれるも、こぼれ球を拾い直して継続させる泰然自若ぶり。
その攻撃を左コーナーキックに繋げると、ショートコーナーを選択し左ハーフレーンで受けたザビッツァーがミドルシュート。
GKフェルブルッヘンがセーブするも左奥でシュミットが拾い継続し、そのままポケット→中央へと繋いだ末に今度はグリリッチュのシュート。
ファンダイクがブロックしたこぼれ球が最終ライン裏へ流れ、そこにアルナウトビッチがシュートにいく決定的な絵図となりましたが、このフィニッシュはジャストミートせず。
しかし虚を突かれたGKフェルブルッヘンも小さく弾く事しか出来ず、さらにアルナウトビッチが拾ってキープする所を、腕を伸ばして掻き出したフェルブルッヘンにより今度こそピンチを脱します。

その後40分にカウンターを展開した(シュートには繋がらず)事で、オーストリアの猛攻を凌ぎつつ……という流れにもなってきたオランダ。
41分にラインデルスのスルーパスで右ポケットを突き、走り込んだガクポのクロスをデパイが合わせヘディングシュート、という流れるようなフィニッシュ。
しかしこれも左ゴールポストに当たって跳ね返り、GKペンツがそれを抑えるという決定機逸となってしまい。
結局この後は再度オーストリアに攻撃権を握られた末に、0-1まま前半終了を迎えました。

早めに追い付かなければ……という思いが降り注ぐ状況のオランダ。
しかしオーストリアも、引き分けが絶対許されない以上1点差では……との思いに駆られても仕方ない状況であり。

そんな両者の思惑が交錯する入りとなったでしょうか。
訪れた最初の攻撃機会(後半2分)は、それを象徴するような流れを描いた末にスコアが動く事となり。
敵陣右サイドで奪ったシュミットからボール保持に入るオーストリアですが、中盤の底へ戻した所でグリリッチュがヘールトロイダに奪われ。
すると一転オランダのカウンターとなり、こぼれ球を拾ったシモンズがドリブルで突き進んだ末にエリア内へスルーパス。
そして左ポケットで受けたガクポが、ワントラップからのシュートでゴールに突き刺します。
早期に追い付くという、オランダにとって理想的な展開で後半が幕を開けました。

この場面で気になったのが、右SBのヘールトロイダが何故中央でボール奪取にいったのかという事。
しかしその後オランダのボール保持になった際にその謎は解け、ヘールトロイダが中央に絞り、ボランチの位置への可変を見せるようになり。
その形からのトランジションでの流れで、そうなったと理解出来ました。

この、J3・沼津の安在が思い出されるヘールトロイダの可変により、オーストリアの目線を変えて攻撃権を支配するオランダ。
同点になった勢いにも助けられ、次々と好機を作り。
しかしその内容は主に右からのマレンの突破で、前半の失態を取り返すべくここで跳梁を見せるマレン。
プラスとの対峙という個人の勝負も制しながら、勢いを齎しに掛かります。

しかし9分のオランダのCK攻勢で、(デフライの)GKへの反則で途切れた際にそのGKペンツが靴紐を結び直す事で(キーパーグローブを脱ぐ→嵌め直しの動作も加わるため)やや長いブレイクが取られ。
それによりオランダの熱量も低下を余儀なくされてしまったでしょうか。

結果的に、オランダの猛攻を凌ぐ事に成功したオーストリアが再度仕掛け。
14分、後方からのロングボールの跳ね返りを確保するビマー、自ら裏へ蹴り出して拾い直すというやり方で左奥へ切り込み。
そしてポケット脇でのパスワークを経てプラスのスルーパスが奥を突き、走り込んだグリリッチュのクロスを中央でシュミットが合わせるという綺麗な崩し。
放たれたヘディングシュート、ゴール寸前でのデフライのブロックも弾ききれずにゴールに突き刺さりました。
中央に張るアルナウトビッチに対しデフライ・アケの2人が監視するという体制が仇となり、フィニッシュを許してしまったオランダ。

再度リードしたオーストリアを、またも追わなければならなくなったオランダ。
16分に再び右サイドからマレンが仕掛けるも、奥で切り返した所をプラスに奪われてしまい今度は個人勝負で敗北する形に。
その直後にオーストリアベンチが動き、ラインハート・グリリッチュ・ビマー→ケルフェルト・ライマー・バウムガルトナーへと一挙に3枚替えを敢行します。

一方のオランダも、20分にアケ・ラインデルス→ファンデフェン・ワイナルドゥムへと2枚替え。
その後、先程の絵図の影響か自ら仕掛けるシーンが目に見えて減ったマレン。
主に2列目の位置で何とか好機を作らんとしますが、その中で24分にアクシデントに襲われ。
ボールキープの際にプラスのチャージを受けて倒れ、反則となったものの足が曲がってしまったのか、痛んで動けなくなってしまいます。
そして交代措置が採られ、名誉挽回を果たせぬまま無念の交代となり。(ウェフホルストを投入)

そうした不穏な展開の中でも攻め続けるオランダですが、肝心のフィニッシュそして得点には一向に辿り着けず。(28分にシモンズが遠目からシュートも枠外)
迎えた30分、オランダの攻撃をデパイの突破を止める事で切ったオーストリア、プラスの持ち運びですかさずカウンターへと突入します。
試合が動きそうな絵図であり、実際その通りとなったものの結果はその時の雰囲気とは逆になり。
プラスのスルーパスを遮断したオランダ、一旦最終ラインで落ち着けてからの反撃に入り。
そして中央からの攻めを選択し、縦パス→浮かせるフリック→落としというダイレクトプレイの連続での運びを経て左へ展開、ガクポのボールコントロールからのクロスがファーサイドへ。
代わって投入されたウェフホルストの落としを胸トラップで収めたデパイ、そのままボレーシュートにまで持っていきゴールに突き刺します。
しかしネットが揺れたその刹那反則を告げる笛が鳴り、デパイのハンドという判定を示した主審。
これにVARチェックが挟まれる事となり、OFRにまで発展すると、映像で可視された結果デパイの腕には当たっていない事が判明します。
即ちゴールへと判定が変わり、正真正銘の同点弾で再び追いついたオランダ。

またも得点が必須の状況へと追い込まれた格好のオーストリア、キックオフの前にアルナウトビッチ→グレゴリッチュへと交代。
長いVARチェックというクールダウンに加え、前線の駒を代える事で流れを変えに掛かります。

オランダは尚も攻め上がり、35分に左スローインとなるとすかさずデパイが素早く奥へと投げ入れる、勢いのままに3点目を採りにいく姿勢。
しかしそれが賛否分かれるものとなってしまったでしょうか。
走り込んだガクポのクロスがブロックされて左CKになると、クロスを直接キャッチして抑えたGKペンツから反転攻撃に入ったオーストリア。
左に投げられたボールから縦に速く運んだ末に、バウムガルトナーのエリア内へのスルーパスにザビッツァーが走り込み、一瞬溜めた事でファンデフェンのブロックをやり過ごした末にシュート。
ゴールネットが揺れ、三度リードを奪う運びとなったオーストリアですが、またも今度はオフサイドかどうかを確かめるVARチェックが最後の防衛ラインに。
今度は失点シーンで判定が覆る事を祈るオランダでしたが、ザビッツァーの抜け出しはオンサイドという事が判明。
結果判定は変わらず、オーストリアに3点目が齎されました。

いくら追い付いても、追い越す事が出来ないというオランダ。
その焦りを見せる相手に対し、その後も3点目に繋がったスルーパス主体で背後を脅かすオーストリア。
38分に左スローインからの繋ぎで、ライマーの逆向きのヒールパスによるスルーパス、ポケット奥で受けたバウムガルトナーがカットインを経てシュート。
角度の無い所からでしたが見事にネットを揺らし、4点目かと思われましたが、今度はオフサイドの判定に阻まれ。

40分を過ぎ、試合は終盤戦を迎えた事で後が無くなるオランダ。
中盤の底に位置するヘールトロイダのパス出しから、敵陣でサッカーを展開し続けて同点に追いつかんとします。
41分にはそのヘールトロイダが右からアーリークロスという本来のSBの働きから、ウェフホルストが中央でヘディングシュートを放ちましたがゴール上へ外れ。

左右から繰り広げられるオランダのクロス攻勢を、ひたすら凌ぎ続けるオーストリア。
既に前半のようなボール保持を続ける余裕は無く、どう逃げきるかという展開へと突入。
アディショナルタイムで残っていたカードを使い、シュミット→バイマンへと交代します。
それでも状況は苦しく、オランダが右奥からシモンズがクロスを連続で入れ、GKペンツが弾くものの今度は左からの攻め。
ポケットへのスルーパスに走り込んだファンデフェン、シュートと見間違うような鋭く低いボールを入れ、これもGKペンツがセーブして防ぎ。
するとファンデフェンのクロスを防がんとしたケルフェルトがゴールライン際で足を痛めてしまい、動けなくなり。
治療のためピッチ外への退場を主審に促される事となり、それを拒否したためか警告を受けるという具合に被害が膨らみ、結局ピッチ外に出たケルフェルト。
それを尻目に左CKで再開と、ひたすら専守を強いられ。
このCKからも、2度目の右からのクロスが流れた所を拾ったデパイがシュート、これをボッシュがブロックと際どい凌ぎ。

しかし凌ぎに成功したオーストリア、最後はウィニングランのように、空中戦を経て敵陣でボール確保に成功。
そして右奥を突くパスワークの最中に笛が鳴り響き、保持しきっての試合終了を迎え。
3-2で勝利し1位で突破となったオーストリアを尻目に、フランスが引き分けたため勝ち点1の差で敗退が確定したオランダ。
天国と地獄、という典型的な試合後の一幕となりました。

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