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ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第38節 ザスパクサツ群馬vsSC相模原

2021-11-11 16:08:27 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の群馬の記事はこちら(34節・京都戦、1-1)
※前回の相模原の記事はこちら(31節・大宮戦、0-1)

この日最後の開催にして、唯一のナイトゲームとなったのは過酷な残留争い同士の対決。

試合消化につれて様相を少しずつ変えている残留争い、降格圏に居る4クラブは、その一つ上の18位との勝ち点差が1勝分以上離れてしまっている現状。
相模原はその降格圏に属するクラブで、対する群馬はその一つ上のグループに居る、這い上がる側と蹴落とす側という判り易い構図となりました。
ひとまず安全圏という群馬も、この試合以降は上位陣との試合の目白押し(町田・京都・磐田)となるため、勝利出来るならばしておきたい状況でしょう。
前節はともに敗戦したものの、連戦によるターンオーバーを経てリフレッシュしてのぶつかり合い。

立ち上がりは群馬がボールを握り、後方からパスを繋いで前進する攻撃を繰り広げ。
一方の相模原の攻撃は最後尾からのロングパスが主で、それが繋がらずともボールを持った群馬に対してすかさずプレッシングを掛けるという、言わば「ストーミング」のような振る舞いを見せます。
しかし群馬優勢に見えたこの時間帯は、主に相模原の反則による群馬の直接フリーキックからの好機が目立ったのみとなり。
前半3分の左サイドエリア脇からのFKで、キッカー大前のクロスがファーサイドの畑尾に合った(枠外)ぐらいで推移。
相模原のプレッシングを、GK清水を巧く使ってかわす場面もありましたが、有効打は放てず終わります。

すると、今までのは様子見と言わんばかりに、相模原がボールポゼッションを高めて反撃に移ります。
従来の通り、センターバック3人の間にボランチの川上竜が降りる、ミシャ式の最終ラインを基本とするビルドアップでボールを握り。
センターバックのうち、主に右の藤原が前にいく形が目立ち、サイドに開いたシャドー(清原)とともに右サイドで数的優位を作る攻撃を仕掛けていきます。
またプレッシングも嵌るようになり、群馬のビルドアップを遮って攻撃権を支配。

双方のサッカーが垣間見えた段階で、19分の群馬の攻撃。
左サイドで畑尾がスルーパスを送り、走り込んだ光永がグラウンダーでクロス、ニアサイドで青木が合わせシュート。(相模原・白井がブロック)
一方の相模原は23分、敵陣で兵藤の出足の良いパスカットで反則を誘いFKの好機。
キッカー兵藤のクロスが跳ね返され、その後の川上のクロスもクリアされたのち、兵藤がダイレクトでミドルシュート。(枠外)
お互いゴールを狙う姿勢を見せた所で、飲水タイムが挟まれます。

しかし再開後は、ほぼ相模原の独壇場という試合展開。
巧く溜めを作ってのパスワークを基本としつつ、サイドチェンジありワンツーありという多彩な攻撃で揺さぶり。
その姿はとても降格圏に定着しているクラブとは思えない程で、群馬サイドを押し込んでいきます。
群馬はクリアボールを青木が収める事で攻撃機会を得るという苦しい状況。

そして39分、群馬のパスミスから決定機を得る相模原。
右サイドで拾った夛田が、清原とのワンツーで前進してクロスを入れると、ニアサイドで平松が落とし。
そして中央から清原がシュート、群馬・大武がブロックで防ぐも、こぼれ球を拾った川上がミドルシュート。(群馬・岩上に当たりゴール左へ外れる)
波状攻撃を必死で凌いだ群馬、しかしこのブロックで大武が痛んでしまい(腰との事)、担架で運ばれて続行不能となってしまう代償も支払います。(渡辺と交代)

アクシデントに見舞われた群馬に対し、尚も攻勢を掛ける相模原。
以降アディショナルタイムまで併せて4本もコーナーキックを得て、盛んにエリア内を突くものの、群馬ディフェンスを破る事は出来ず。
スコアレスのまま前半終了となります。

ハーフタイムに群馬は選手交代を敢行し、光永→吉永。
29節・甲府戦(0-3)以来の出場となった吉永を左サイドバックに入れ、テコ入れを図りにいきました。

後半が始まると、その左サイドから攻撃を仕掛ける群馬。
後半2分、岩上の左への展開から左サイドハーフ・加藤が仕掛けて、大前のダイレクトパスを受けた吉永がクロス。
低いボールがニアサイドを突くと、青木が入り込んでヘッドで合わせ、ゴールネットに突き刺し。
巻き返し策が見事に功を奏し、先制に成功します。

吉永投入で、副次的に加藤の動きが冴え渡り。
以降も左サイドでドリブルやスルーパスを披露し、攻撃を活性化させていく加藤。
相模原は反撃に出ようとパスワークで前進を図るも、中盤でカットされたりミスしたりで攻撃機会を得る事はままならなず、その群馬の左サイドの跳梁を許す事となります。

加藤は6分に相模原・夛田との交錯で足を痛めるも、大事には至らず。
迎えた14分、岩上のロングパスを左サイドで収めにいった青木、こぼれた所を拾った加藤がカットインでエリア内を突き。
そしてマイナスのクロスを中央の大前へ送り、カットに入られこぼれた所を自らシュートした加藤。
しかしGK三浦が足でセーブと、惜しい所で決められず終わります。(正直このシュートはもう少し威力が欲しかった)

ビハインドなうえに押し込まれるという苦難を強いられた相模原でしたが、15分過ぎ辺りから攻守交替、再度ボールを握る展開に。
最終ラインから繋ぎつつ、サイドチェンジを交えて敵陣を縦横に切り裂いていくも、フィニッシュは放てず。
惜しかったのは17分で、右サイドから夛田のサイドチェンジを受けた兒玉がボールキープから戻し、川崎の手前からのクロスをファーサイドで清原が折り返し。
そしてGKの眼前で平松が収めるも、シュートは放てずGK清水に抑えられてしまい。
この辺りからCB3人による最終ライン3枚という形も見られ、その際に右サイドで清原が降りてくるなど、ややマイナーチェンジ。
しかしこれを受けた群馬も前線での圧力を高め、連動したプレッシングに苦しむシーンも見受けられました。
停滞感漂う中、23分に最初の選手交代を敢行した高木琢也監督。(清原・兵藤→児玉・梅鉢)

投入された児玉(清原と同じ右シャドーに入る)はボールを受けに降りてくるシーンが目立つ、清原と同等の立ち回りを見せ。
そのためか中々好機が生まれない相模原。
飲水タイムが挟まれたのち、29分に群馬は再度青木目掛けたロングボールのこぼれを加藤が拾い、ドリブルでエリア内を突く場面を見せます。(シュートは撃てず)
このまま群馬有利かと思いましたが、ここから児玉が違いを見せ。
30分に中盤右サイドでボール奪取した児玉、そのままドリブルで持ち上がって押し込み、戻しを受けた梅鉢のクロスをファーサイドで平松がヘディングシュート。(GK清水キャッチ)

交代選手による有効打が放たれたのち、32分に双方選手交代。
群馬は中山・田中→細貝・内田へと2枚替え、相模原は松橋→安藤。
そして直後の33分、右サイドから攻め上がる相模原、平松のポストワークを経て夛田がクロス。
これを中央で安藤が合わせヘディングシュート、ゴールネットを揺らして同点に追い付き。
投入後1分で結果を叩き出した安藤。

1-1で終盤を迎えますが、どうしても勝利が欲しいのは、降格圏から脱出を図る相模原の方。
尚も圧力を高め、35分には群馬・細貝からボール奪取した児玉から、受けた安藤が中央でミドルシュートを放つもGK清水がセーブ。
直後の右CKからも川崎がヘディングシュートを放つ(枠外)など、攻勢をフィニッシュに繋げられるようになり、勝ち越しへの期待が高まります。

40分台を迎えても相模原の攻勢は止まず。
守備を固める群馬に対し容易にシュートは撃てなくなるも、盛んにサイドからゴールを脅かしていきます。
43分には左サイドを兒玉がドリブルで前進、パスを受けた安藤がディフェンスに遭い、エリア内にこぼれた所を拾いにいった兒玉。
しかし群馬・小島の決死のディフェンスで倒され撃てず。(反則無し)
主に右に児玉・左に兒玉という攻撃で押し込んでいく相模原。

ATを迎える直前、群馬は大前→白石に交代し、この日絶好調の加藤をFWへとシフトします。
その直後の中盤からのFK、キッカー岩上のロビングがエリア内に上がると、畑尾の胸での落としを受けた加藤がエリア内左からシュート。
しかし惜しくも左サイドネット外に終わり、采配成功とはならず。

引き分けOKという状況の群馬でしたが、前述の通り未来の対戦相手を考えると、勝利しておきたいのは相模原と同様。
前掛かりの意識がぶつかり合い、(相模原の)カウンターからの(群馬の)カウンターというシーンも生み出したAT。
群馬は左SHに入った白石の突破力に活路を見出し、相模原はカウンターの応酬という流れも影響したか、陣形無視で人数を増やしにかかる攻撃も見られ。
そして相模原が、右サイドで児玉からのスルーパスに安藤が走り込み、エリア内右からシュート。
しかし前に出たGK清水に防がれ、どうしても勝ち越し点は奪えません。

結局1-1のまま、最後は群馬のCKが防がれた所で試合終了の笛が鳴り。
確かに勝ち点1に終わったのは相模原にとって痛いでしょうが、下を見ると、J3では昇格圏の2位を宮崎がキープしている状況となっており。
J2ライセンスの無いクラブが入れば、19位でも残留という運びとなるので、降格圏内でも少しでも上位に居るのには意味があります。
残り4戦この日見せた攻勢を変わらず貫き、残留の芽を確保したい所でしょう。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第38節 FC琉球vsツエーゲン金沢

2021-11-10 16:09:27 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の琉球の記事はこちら(33節・甲府戦、0-1)
※前回の金沢の記事はこちら(32節・新潟戦、1-0)

28節からの7戦で1分6敗と、急転直下で完全に昇格争いから脱落してしまった琉球。
特に34節・愛媛戦での敗戦(0-1)は堪える物があったようで、樋口靖洋監督の解任劇にまで発展する事となりました。

前回観た際は、これまでの「ボール支配しての主体的な攻撃」がほぼ色あせてしまっていたようなサッカーが露呈。
ロングボールに傾倒・まだ崩しきれていないうちからのクロスという攻撃が目立ち、自身の持ち味が失われつつあったような出来でした。
キープしていた上位から段々と下落していく中、サッカーの質自体も低下していってしまったのが丸解りで、昇格が潰えたとあっては解任も仕方ない事だったでしょう。
事後処理というべき、今シーズンの残りを請け負ったのはコーチから昇格した喜名哲裕氏。
清水の突然の契約解除(規律違反との事)というアクシデントもありましたが、サッカーの建て直しを図るのに必死なようです。
就任後の3試合で警告7度(上記の7試合では6度)と、球際の強さを重視する傾向が成績からは目立ちますが、果たしてその実態は。

前半3分の琉球、岡﨑のロングパスが池田に通ってから右サイドでパスを繋ぎ、スルーパスに金井が走り込んでグラウンダーでクロス。
これがブロックされ右コーナーキックとなり、キッカー風間宏矢がニアサイドへクロス、こぼれた所を武田が拾ってエリア内からシュート。(ブロック)
続く5分は左サイドで作ったのち、富所がエリア内右へとロングパス、そこに走り込んだ金井が折り返しにいくもミート出来ず。
上下動激しいベテラン・金井の動きに、彼がこの試合のキーマンとなる予感がしました。

以降、ボールを支配し最終ラインから繋ぐ攻撃を展開する琉球。
その予感通りに注目する動きを見せていたのは右サイドバックの金井で、樋口監督時代には見られなかった、「サイドバックの片側(金井)が残る」最終ライン3枚の基本形を取ったうえでのビルドアップ。
今までとは斬新な形に、金沢サイドもプレッシングを躊躇する立ち上がりとなり。(2トップはボランチへのコースを切りつつ構える)
マークされるボランチを余所に、サイドハーフ(右=風間宏矢・左=茂木)が降りて受ける事で、余裕でボールを回す事に成功していました。

一方の金沢はそんな琉球の攻撃を凌ぎつつ、隙あらば縦に速い攻撃で反撃を試み。
12分には庄司のロングパスが直接エリア内を突き、走り込んだ大谷がシュートしますがGK田口がキャッチ。
ポゼッションとカウンターのぶつかり合いという様相で、平常運転の金沢に対し、失われていたものを取り戻したという格好の琉球。

それでも攻撃権を支配している琉球の方が、強みを発揮する場面が多く。
18分には右サイドで金井がスルーパス、風間宏矢が一旦は奪われるも取り返して攻撃継続し、彼のエリア内へのパスを受けた武田がエリア外へと戻し。
後方から富所がミドルシュートを放ちますが、惜しくもゴール左へと外れ。
そして21分、今度は左サイドで沼田がボールを持ち、一旦はパスがブロックされるも富所が繋ぎ。
池田のキープを挟み、フリーになった沼田がダイレクトでクロスを上げると、中央で風間宏矢が足で合わせシュート。
ここしか無いというピンポイントのクロスを、ゴール右隅ギリギリというこちらもピンポイントなシュートで、見事ゴールに仕上げた風間宏矢。
琉球が先制、と同時に前半の飲水タイムが挟まれます

こうなると主体的な攻撃を強いられるのが、リードされた金沢。
しかしブレイク明けは、プレスを嵌めるシーンを目立たせて逆に攻撃権を支配していきます。
28分には大橋のパスカットから、右サイドでエリア近辺を突くパスワークを経て、松田のクロスをファーサイドで丹羽がヘディングシュート。(GK田口キャッチ)

そして31分右サイド深めで丹羽がボール奪取して攻める金沢、エリア内右を突いた大谷が中央へ送り、平松が入れ替わってシュート。
これを琉球・金井がスライディングでブロックするも、シュートを止めたのは広げるように残された左腕という事で、ハンドの反則。
PKとなったうえ、シュート阻止による警告も受ける事となりました。
キッカーは丹羽が務めたこのPK、ゴール左に蹴り込まれたボールにGK田口は反応出来ず、同点に追い付いた金沢。

得点で勢い付く金沢、尚も35分に丹羽がドリブルで持ち込み、エリア手前右からシュート。(ブロック)
39分には左サイドでのパスワークから、後方から大橋の上げたクロスを中央で大谷がヘディングシュート。(枠外)
45分には大橋のスルーパスが右サイドの金子に渡り、彼のパスを受けた藤村がエリア内に切り込んでヒールパス、そして金子がシュート。(GK田口セーブ)

琉球の新たな形にも慣れを見せ、プレッシングを機能させていた金沢。
結局琉球はボール支配率で圧倒しながらも、フィニッシュの数で上回られるという、ポゼッションスタイルの負の形をデータ上で描く典型例となった前半。
1-1のまま終了となり、後半を迎えます。

ともに選手交代は無く火蓋が切られた後半戦、金沢が相手のパスミスを突いて先制攻撃。(後半2分)
大橋のミドルパスを受けた平松がエリア内左へ進入し、奥からマイナスのクロスを入れ、DFに当たった所を金子がシュート。(ブロック)
しかし以降は琉球がボール支配する流れとなり、6分には左CKから、クロスがクリアされた跳ね返りを拾った茂木がミドルシュート。(ゴール左へ外れる)

前半とは打って変わって、金井が最終ラインに留まる形は既に無く。
オーソドックスにボランチが降りる事で3枚を形成する体制へと変えていた琉球。
そんな中金井が再び注目の動きを見せたのは7分で、右サイドで受けると中央方向へと持ち運んで左へと展開。
その流れで左サイドへと動いてパスを受けるという、新たなムーブメントを見せた金井。
結局この攻撃はシュートに結び付きませんでしたが、後半も琉球の攻撃権支配に一役買ったでしょうか。

迎えた9分、ルーズボールを中央で拾った茂木がドリブル、前進とともに中央→左ハーフへとレーン移動。
彼から受けた富所も、左ハーフ→中央へと移動したのちに斜めの縦パス、受けた風間宏矢がエリア内右でキープ。
そして戻されたボールを、彼の兄である風間宏希が果敢にミドルシュートを放つと、豪快にゴールネットを揺らしたボール。
ハーフスペースをふんだんに使う、琉球らしい攻撃が戻りつつあったという印象の勝ち越しゴールでした。

以降も攻勢が続く琉球、12分にはCKから、ショートコーナーを受けた茂木が左ハーフレーンからミドルシュート。(GK白井セーブ)
13分にも右サイドのスローインからパスを繋ぎ、エリア内右を突いた風間宏矢のクロス、クリアされたのち富所がペナルティアークでボールキープ。
こぼれた所をまたも茂木がシュート。(GK白井キャッチ)
やりたい放題になってきた琉球の攻撃。
ビルドアップの形も最終ライン3枚の一列前に、中に絞った金井が(ボランチ1人と共に)張るなど、色々斬新なシーンが見られ。

流れを変えたい金沢は、上記の琉球のシュートの間の13分に金子→嶋田へと交代。
右SHに入った嶋田、以降右SBの松田との連携で好循環を齎し。
14分に細かいタッチで切り込む嶋田からスルーパス、走り込んだ松田がライナーでクロスを入れ、中央に走り込む大谷。
その前でGK田口がパンチングし、弾かれた所を丹羽がシュート。(枠外)
19分には右サイドで松田と嶋田がパス交換、最終ラインへと戻したのち再度受けた嶋田がエリア内へとロングパス。
裏を取った大谷、ダイレクトでシュートを放ちましたがゴールバーを直撃してしまい、惜しくもモノに出来ず。

一方の琉球は、17分に武田→シティチョーク・パソへと交代。
風間宏希・茂木然り、このパソや後に投入されるハモン然り(樋口前監督が)勝利を追及するにつれ、出番を減らしたり新戦力の発掘が疎かになったりしていた所を改善しようという采配が目立つ喜名監督。
投入されたパソのボールキープを起点に、金沢エリア内を突く攻撃を繰り返していく以降の琉球。
その一方で22分には風間宏矢が金沢・平松に対するスライディングで反則・警告を貰ってしまうなど、この日も球際の激しさが顕著なシーンも露わに。

25分に飲水タイムが挟まれ、少しでも勝ち点を得ておきたい金沢にとっては正念場の第4クォーター。
センターバックの庄司もドリブルで持ち上がるシーンを作るなど、全員で攻め上がり。
28分に大谷・平松→瀬沼・杉浦恭平へと2枚替えし、何とか同点を狙いにいきます。

琉球は32分にパソがシュートを放ったり(ブロック)したものの、以降受けに回る事を強いられる展開に。
金沢の右サイドの跳梁を阻止するべく、36分に沼田・茂木→鳥養・ハモンへと、左サイドの2人を揃って交代します。

以降も右サイドを軸に突破を図る金沢ですが、人数を掛けて守る琉球に対し中々有効打は放てず。
40分に左CKからの二次攻撃で、エリア内左奥から松田が角度の無い所からシュートを放つも、GK田口がキャッチ。
43分には右サイドで松田のスルーパスを受けた嶋田が低いクロス、ニアで丹羽が合わせるもシュートにはならず。
44分に最後の交代カードを切る(松田・丹羽→長峰・力安、杉浦恭がFWに回る)も、次第に得点の可能性は萎んでいき。(琉球は45分に風間宏矢→赤嶺に交代、池田が右SHに回る)

やはりボールを持たされる展開になると、サイド突破からのクロス攻撃ぐらいしか攻撃の手段が無い金沢。
アディショナルタイムに突入し、渡邊の左サイドからのクロスが直接ゴールを襲う(上へ外れ)場面もありましたが、最後までゴールは奪えず。
最後は直接フリーキックから時間を使う展開へと琉球が持ち込み、金沢陣内で試合終了の笛を聴く事となり。
2-1で無事に逃げ切り、勝利を挙げました。

これで琉球は喜名氏就任以降の4戦で2勝1分1敗と、何とか建て直し。
サッカーの内容やメンバー起用といった面でも修正が図られている様は、求められているものは軌道修正である節が窺えます。
来季に向けて……とは気が早いとともに、判で押したような表現ですが、好循環を持ってシーズンを終えたい所でしょう。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第38節 ファジアーノ岡山vsモンテディオ山形

2021-11-09 16:08:39 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の岡山の記事はこちら(33節・ヴェルディ戦、2-1)
※前回の山形の記事はこちら(30節・京都戦、0-2)

この試合とは無関係な、それもJ1のクラブの話になりますが、今季も下位で悪戦苦闘を強いられている清水。
とうとうミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の契約解除にまで繋がってしまい、前年同様に平岡宏章氏が暫定監督として残りを戦う事になりました。
空前絶後(?)の大補強を敢行したにも拘らず、ほぼ毎年のように残留争いに加わっているクラブの状況は変えられず。
もはや選手や監督どうこうでは無い、クラブないしは地域性の問題として根幹からの解決策を施さねば、この状態から抜け出せないという危惧が膨れ上がり。

そんなクラブの状況を、対岸の火事として見ている訳にいかないのが、レンタルで岡山に在籍している川本・石毛・GK梅田辺りでしょうか。
川本はミッチェル・デューク(彼も元清水……)の加入以降レギュラー陥落していますが、梅田・石毛はすっかり欠かせない主力として定着。
このままシーズンを終えた時に、清水に戻るのが幸せな選択となるのかどうかを熟考するオフとなるのは請け合いで、果たしてどうなるか。
特に年齢的に後が無い石毛にとっては、大事な時期になりそうですがさて。

さて試合に話を戻し、3連戦の最後という要素も考慮されたか、色々とメンバーを弄ってきた岡山。
その中で、全試合出場の上門がベンチ外となったのは気掛かりですが、目下8戦無敗(3勝5分)という好循環を継続中。
原動力となっている堅守に磨きがかかり、上位クラブにとって厄介な相手となっているのが後半戦の岡山であり、少々のアクシデントでは揺るがず。

この日も、最終ラインからボールを繋がんとする山形に対し、マンマーク主体のプレッシングで主導権を渡さない入りとなります。
いきなり山形・中原のパスミスでコーナーキックを得たのを皮切りに、敵陣でのボール奪取を成功させ続けて好機を量産。
ともに4-4-2(山形は4-4-1-1ですが)というフォーメーション故、人に付く守備を展開するのは容易であり。
特に相手ボランチ(藤田・南)に対して、白井・パウリーニョのボランチがしっかり付き纏い、回り思うようなプレーをさせないシーンが目立ちました。

しかし前半9分に山形がフリーキックを得てからは徐々に流れが変節。
この左サイドからのFK、キッカーのヴィニシウス・アラウージョのクロスが直接ゴールに向かうボールとなり、GK梅田が辛うじて右CKへ逃れるセーブ。
このCKでの二次攻撃、南のロビングを山﨑が左から折り返し、エリア内中央でヴィニシウスが受ける好機となり乱戦模様に。
尚も繋ぐ山形、左から山田康のクロスが上がり、ファーサイドで藤田が足で落とした所をヴィニシウスがシュート。
GK梅田がセーブするも、こぼれ球を藤田が中央へ送って熊本がシュートと、1点ものの場面でしたが井上のブロックで何とか防ぎます。

以降13分に岡山は、敵陣でパウリーニョが奪ったのち、デュークがカットインからシュート気味にボールを入れる(クリア)シーンを作るも劣勢に陥るのは止められず。
山形の主体的な攻撃の前に、カウンター狙いへと傾倒する事になります。
24分には右サイドへの展開から藤田が中央へ送り、南の縦パスが加藤には繋がらずも、これが疑似的なエリア内へのスルーパスになってヴィニシウスが走り込み。
GK梅田が前に出て何とかブロックで防ぐなど、早くも忙しい展開を強いられた梅田。

飲水タイムの後も、山形の攻勢は続き。
特に、南・藤田のボランチ2人が縦関係になる攻撃を多くした事で、岡山は容易にプレッシングで捕まえられない状態となります。
何とか自陣深くで相手の進軍を止めたり、クロスをクリアしたりという守備が増えていき。

一方の攻撃では、ロングボールを送り(主にFWの裏狙い)、そのセカンドボールを拾って展開する方法に活路を見出し。
山形サイドもプレッシングを強めにかかる中、これは有効に作用する事となり、徐々に流れを押し戻していきます。
40分にはGK梅田のロングフィードをデュークが落としてから、徳元がエリア内左を突いてシュート。(山形・半田がブロック)
41分には左~中央でパスを繋いでの前進から、白井が左ハーフレーンからミドルシュート。(枠外)

フィニッシュシーンが膨らんできた岡山、そしてその流れが先制に結び付きます。
45分、安部のサイドチェンジを受けた石毛がスルーパス、受けた山本のリターンを受けて再度短いスルーパスをエリア内右へ送り。
走り込んだ白井が低いクロスを入れ、ニアでデュークが待ち構えるも、ディフェンスに当たってズレた所を石毛が走り込んで押し込みゴール。
自身のチャンスメイクから果敢に前に出てシュートに繋げた石毛、清水時代よりずっと活き活きとしたプレーという印象の得点が生まれました。(これで10試合で4ゴール目との事)

先制されてしまった山形、直後のキックオフで再度主体的な攻撃を展開するも、逆に岡山のカウンターで押し込まれ。
そこからセットプレーも絡めての岡山ペースで前半を終えます。

この「山形の攻撃からのカウンター」の流れは、後半の入りもしばらく続く事に。
後半1分、山田康太のスルーパスに走り込んだヴィニシウスがヒールで繋ごうとするも、中原が奪われてそこから岡山がカウンター。
これはシュートに結び付かず、3分には山形が左CKを得るも、クロスがクリアされたのち再度カウンターを浴び。
白井が左からクロスを入れるも、山本には僅かに合わずという攻撃となり、冷や汗をかく山形。
何とか反撃体制を整えるべく、5分には山田康がエリア内へロングパスを入れ、裏へ走り込んだ加藤がシュート。(ブロック)
やや強引なやり方でフィニッシュに持ち込むも、その後も岡山のプレッシングからの出足の良いボールカットに苦しめられ流れは変わりません。

ついに交代カードに手を付けたのが15分で、中原・山田康→マルティノス・國分へと2枚替え。
しかし山田康が下がった事で、自陣で岡山のプレスに嵌められる事が増え、逆に押し込まれる破目となる山形。
岡山は敵陣でのスローインや、CKといったセットプレーで山形ゴールを脅かし。(18分に岡山は山本→木村へと交代)
18分には右からのスローインで、左へ展開ののち徳元がクロス、ファーサイドでデュークがヘディングシュート。(枠外)
23分には左CKから、クロスの跳ね返りを徳元が直接ボレーシュート。(枠外)
山形は得点どころか失点の危機に苛まれるという状態で、23分に飲水タイムが挟まれます。(その直前に加藤→林へと交代)

林投入により、本来右サイドハーフのマルティノスが左に回った山形。
以降、南が最終ラインに降りて組み立てるシーンが目立ち、左右くまなく使って攻め上がる流れを何とか作り上げます。
それでもゴール前では堅守の岡山に対し、強引にエリア内へパスを送る事しか有効打は撃てず。
27分には南の縦パスがエリア内右の林に渡り、ディフェンスに遭って右CK。
キッカー國分のクロスを、山﨑が合わせヘディングシュートするも枠を捉えられず。
31分には右サイド手前から半田がクロス、中央でヴィニシウスが合わせるも奥へ流れ、マルティノスが走り込んで折り返すも繋がらず。

それでも押し込まれつつあった岡山、32分に下口・石毛(木村投入後はFWに回る)→廣木・イヨンジェへと2枚替え。
久々の顔見せとなったイヨンジェは36分に河野のクロスの跳ね返りをエリア内右で拾い、そのままシュートする(GK藤嶋キャッチ)見せ場を作るも、以降も山形の攻撃シーンは続き。(35分に山形は藤田・山田拓巳→岡﨑・吉田へ交代)
直後にCK攻勢に持ち込んだ山形(この際に異議で岡山・パウリーニョが警告を受ける)、2本目の左CKからの二次攻撃。
右サイド奥で受けた山﨑はマイナスのカットインからのエリア内への縦パスを選択すると、林のフリックを経て混戦状態へ。
そして中央から岡﨑がシュート、ブロックされた跳ね返りを左へ繋いで國分がシュートと矢玉を浴びせるも、國分のシュートは枠外に。

押し込んだ末の好機を逸し落胆を隠せない山形、その直後のゴールキックで、戻りきらないうちに岡山のカウンターを浴びて逆にCKを奪われ。
これで運気を失った感があり、以降は左サイドでのスローインの連発で時間を稼ぐモードに入った岡山。
ロングスローが出来る徳元を中心に長短のボールを使い分け、相手に攻撃権渡さずにそのままアディショナルタイムへ。
ようやく山形がターンを奪い返し、何とか同点にせんと最後の攻勢へ突入します。

この日は逃げ切りモードに入っても、十八番である5バック(3-4-2-1)へのシフトを中々行わなかった岡山。
相手も4-4-2が基本である以上、マンマークを続ける意味合いもあったでしょうか。
ATで押し込まれた段階で、2枚替え(デューク・徳元→濱田・宮崎幾笑)とともに、5バックシステムへ変更する決断を採ります。
しかしその後、山形が一瞬の左サイド(岡山右サイド)でのギャップを突き、ライン際でマルティノスが抜け出して奥からクロス。
このこぼれ球をエリア内で岡﨑が拾い、半田が右から入れたクロスに対し中央で林が足で跳び込んで合わせ。
しかしこの渾身のシュートも枠を捉えられずと、モノにする事は出来なかった山形。
結局1-0のまま試合終了となり、敗戦とともに昇格の可能性がゼロとなってしまいました。

一方、無敗を継続する運びとなった岡山。
山形の多彩な可変に対しても怯まず、プレッシング主体で凌ぎきったのは大きな成長を感じさせました。
清水からのレンタル組がどうなるかは不明ですが、来季に繋げられるでしょうか。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第35節 FC町田ゼルビアvs栃木SC

2021-10-27 16:13:53 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の町田の記事はこちら(30節・長崎戦、3-3)
※前回の栃木の記事はこちら(33節・松本戦、0-1)

上位の座を保っている町田ですが、32・33節とホームで連敗を喫してしまい、昇格への望みは首の皮一枚という状況。
何か変化を付ける事で切欠としようと考えたのか、ランコ・ポポヴィッチ監督は、前節(秋田戦・2-0)から長谷川アーリアジャスールをレギュラーから外し。
ここに来て子分的な選手に対して断を下す選択を採り、代わって最も得点力に長けた存在の太田がスタメンに。
吉尾との両サイドハーフを確立させ、チーム得点王(8得点)である2人を揃って起用する事で僅かな可能性に賭ける、といった終盤戦でしょうか。

この日の相手は栃木という事で、放送席では「両チーム似たようなカラー」と語られており。
しかし今季の町田はボールポゼッションも高く、肉弾戦一辺倒からは既に脱却を果たしており、それが好調の要因でもあるでしょう。
そんな二つの長所を持つ町田に対し、愚直に「ストーミング」スタイルを貫く事で何とか勝ち点を重ねたい状況の栃木。

試合が始まると、町田は早速長所の片方であるポゼッションの方を重視するサッカーを見せ。
栃木は守備力にこそ定評あるものの、プレッシングの掛け方に難があり。
特に最近は、最終ラインが3枚のチームのビルドアップに対し巧くいかないシーンが目立ち、ゴール前で跳ね返す事に比重を傾けざるを得ない試合が増えてしまっている現状。
この日の町田は最終ラインを2枚と3枚、状況により巧みに使い分けるチーム。
その手法もGK福井が前に出たり、ボランチが間に降りたり脇に降りたりと多彩であり、下手なプレッシングは命取りになり易い。
そんな思考があったのか、試合当初からリトリートの構えで、町田の出方を伺うような体制を採っていました。

最終ラインからパスが出た所にプレスを掛けるという手法は見えましたが、町田は選手の距離感が遠く一つ一つのパスが長いため、後手後手となり前へ運ばれてしまうシーンが目立ちます。
前半5分の町田、GK福井のフィードを右サイドで受けた三鬼が中央へ縦パスを入れ、受けた平戸が倒れながらも繋いで尚も前進。
太田のポストプレイを経て佐野がミドルシュート(GKオビ・パウエル・オビンナキャッチ)と、持ち味を発揮して早速フィニッシュに繋げました。

開始から10分程までは町田が一方的に攻撃権を支配。
栃木は矢野が空中戦の競り合いで反則・警告を受けるなど、劣勢を強いられる状況。
そんな入りを経て以降プレッシングを強めに掛かる体制を採りましたが、FWの豊田が真ん中で構えつつ、もう一人のFWの有馬と両SH(右=矢野・左=谷内田)が前に出ていくというやや特殊な形。
大ベテラン故運動量に不安がある(と思われる)豊田の事を考慮してのスタイルだと思われますが、SHが前に出る事で、町田サイドバックへの道筋が空きがちとなり苦慮は否めず。
何処と無く、2年前に千葉がクレーベ(現横浜FC)の扱いに苦労していた様を思い出すスタイルでありました。

町田がボールを握って攻撃し、その合間に栃木がロングボールからのセットプレー(ロングスロー含む)でエリア内へ送る。
そんな展開が描かれ、23分に町田・佐野が栃木・柳との交錯で痛んだ所で飲水タイムが取られます。(佐野は2分近く倒れ込むも無事に復帰)

ブレイク明け、町田はボランチ1人を降ろした後ろ3枚で繋ぐスタイルを完全に基本路線とします。
それを見た栃木はプレッシングを諦め、中を固める守備体制で応戦。
若干の変化はあれど、試合展開はさして変わらず推移します。

33分栃木はGKオビンナのロングフィードを矢野が落としてからの攻撃、豊田のスルーパスでエリア内を突くも、西谷が右サイドへ叩いたのち黒﨑がクロス。
GK福井がパンチングでクリアも、こぼれた所を有馬がシュート。(枠外)
町田は35分、左サイドで佐野のボールカットから奥山のクロスが入ると、ニアサイドでバウンドした所を中島が収め。
そして戻されたのち、中央から三鬼がシュート。(枠外)
展開的に少ないフィニッシュを活かす攻撃が求められたものの、両軍枠を捉えられず終わります。

その後は町田がボールを握り、ひたすらにサイドを揺さぶって栃木のブロックを動かす攻撃。
それでもリトリートに徹した栃木、必死にスライドさせて対抗し容易に前に運ばせず、というせめぎ合いとなり。
とくに41~42分の町田の攻めは、24本パスを繋ぐも崩せずに深津がエリア内へロビングを送るという手段に切り替え。
エリア内左奥で中島が折り返すもクリアされ、結局シュートは放てず終わったという、そんな展開を象徴するようなシーンとなりました。
結局前半はスコアレスで折り返す事となりました。

共に交代無く後半開始を迎え、最初の攻撃は栃木。
左サイド奥でスローインを得て、溝渕がロングスローを投げ入れるというお馴染みの攻撃で、柳のフリックで中央へ入るもののシュートは放てず。
これを経てベクトルが前向きになったのか、その後町田の攻撃に対して再びプレッシングを強める体制を採ります。

そして6分、GK福井のスローを直接谷内田がカットしてショートカウンターのチャンス。
拾った溝渕がエリア内左へ浮き球を送り、豊田が走り込み合わせにいきましたが、GK福井が先に抑え。
すると交錯した豊田の脚が入ってしまう事態となり、溜まらず審判の笛が鳴り反則・警告を受ける破目となった豊田。
絶好の「ストーミング」による攻撃を見せられる場面でしたが、得たのは得点どころかイエローカードとなってしまいました。

やや失意した感のあった栃木、9分の町田の攻撃。
右サイドでの攻撃を一旦栃木がボールカットするも、中島が奪い返して継続し、平戸の中央へのパスをカットできず太田に渡り。
太田は躊躇わずシュートを放ったものの、戻った栃木・西谷がブロックで防ぎゴールならず。
この際に西谷が足を痛めて暫く起き上がれなくなり(その後復帰)、ダメージが拭えない状況が窺えました。
その後は町田が盛んに最終ラインの形を変えてビルドアップを行い。
それに対し栃木は、2枚になった途端にプレッシングを掛けるもかわされてしまい(14分)クロスに繋げられるなど、やはりリトリートに徹して必死のディフェンスを貫くしかないという状況に追い込まれます。
そんな状態故栃木ベンチが先に動き、18分に谷内田→大島へ交代。

攻撃権を支配する町田ですが、中央を固める栃木に対しエリア内でのシュートは早々望めないという、こちらも悩みを抱える状況となります。
19分には右→左への揺さぶりから、太田がミドルシュートを放ちますが枠を捉えられず。
後方で溜めてからの裏へのロングパスという攻撃も見せますが、実る事は無く。
攻めながらも、太田の得点力に活路を見出す他無いという手詰まり感も窺えつつ、後半の飲水タイムが挟まれます。(24分)

明ける際に町田ベンチも動き、平戸・中島→安井・鄭大世(チョンテセ)へと2枚替え。(同時に栃木も有馬→ジュニーニョに交代)
尚交代選手も肉弾戦上等という戦いに溶け込まれたのか、21分に栃木・大島が、30分に町田・安井がそれぞれ警告を受けてしまい。

31分に町田が好機、左サイドから高江のロングパスがエリア内へ送られ、走り込んだ鄭の落としを受けた太田がシュート。
しかし枠を捉えられずと、この日の太田は両軍少ないシュートの大部分を放っていくも、好機を活かす事は出来ず仕舞いとなりました。
その後栃木が自陣からのフリーキックを(GKオビンナが)エリア内に上げるなど、強引な好機の作り方を目立たせるも、やはりフィニッシュには辿り着けず。

38分に町田は太田を諦め、岡田を投入。
以降岡田の裏抜けによる攻撃に活路を見出しますが、オフサイドも取られる等で実らず。
それを受けた栃木は、41分に溝渕・豊田→山本・三國ケネディエブスへと2枚替え。
FWを削ってセンターバックを入れる采配で、フォーメーションも3-4-2-1へシフトと、スペースを消す措置を採った田坂和昭監督。

栃木の5-4-1のブロックを崩すべく終盤の攻勢を掛ける町田ですが、果たせずに時間も進んでいき。
そして45分、クリアボールをジュニーニョが拾って栃木の反撃、左サイドへと流れるドリブルを経て山本へボールが渡り。
ここに来て失点だけは避けたい町田、山本がカットインを仕掛ける所に深津が腕でチャージと、必死のディフェンスを見せましたが反則を取られてしまいます。
そして栃木の左サイドからのFKとなり(同時に町田は吉尾→長谷川アーリアへ交代)、キッカー・ジュニーニョのクロスに対しオフサイドトラップを選択した町田。(矢野が合わせにいくもGK福井が抑える・見た目的には完全にオフサイド)
守備でも前向きなベクトルの姿勢を見せ、1点を奪いにいきます。

そしてアディショナルタイムも進み、最後の町田の攻撃。
奥山がロングパスをエリア内に走り込む鄭に送り、クリアされるも佐野がヘッドで再度エリア内へ送ると、鄭のポストプレイでエリア内左に居た岡田へと転がる絶好機。
当然岡田はシュートを放ったものの、乾の決死のブロックに阻まれてしまいゴールを奪えません。
直後の左CKがクリアされた所で、町田にとっては聞きたくなかった試合終了の笛が鳴り。
スコアレスドローも、栃木は守り切る体制へとシフトしていたため、納得感で温度差が生まれる結果となりました。

ボール支配率は69:31と大差が付き、パス数に至っては町田677に対して栃木164。
ある意味喜劇的ともいえるスタッツを描きましたが、生まれた結果は周知の通り。
フィニッシュの少ない試合だったものの、チームの主義のぶつかり合いというサッカーの醍醐味が存分に発揮された試合といえたでしょう。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第35節 ジュビロ磐田vs愛媛FC

2021-10-26 16:14:24 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の磐田の記事はこちら(28節・松本戦、4-0)
※前回の愛媛の記事はこちら(32節・秋田戦、2-0)
※前回の両クラブの対戦はこちら(12節・愛媛 0-0 磐田)

J1復帰に向けて首位を快走する磐田。
その姿は他のクラブにとっては、かつての黄金時代のような「サックスブルーの恐怖」を思い出させるようであり。
再度J1定着するには別の課題が待ち受けていそうですが、ひとまずは目前に迫った最終コーナーを無事に曲がるだけ、といった所でしょうか。

そんな強度と安定感を併せ持った相手に挑む愛媛。
前節(琉球戦、1-0)は大ベテラン・山瀬の決勝ゴールで勝利をもぎ取り、降格圏脱出まで後一歩という状況。
上昇機運を持ち越すべく同様のスタメンを引き継ぎ、特別指定の小原も引き続きシャドーで出場となりました。

この日はヤマハスタジアムでは無く、エコパスタジアムでの開催。
兼用スタジアムという事で、何処と無く前回対戦時の愛媛ホームでの「田んぼサッカー」の記憶が蘇るのは気のせいでしょうか。
しかしこの日は天候面においては何の問題も無く試合開始。

パスワークが冴え渡る磐田の猛攻を前に、チーム力で劣ると思われる愛媛サイドはどう凌ぎ、どう反撃していくかが注目点。
前回観た際は、秋田の特異なサッカーに対抗すべく、ロングボール中心かつ肉弾戦の意識を強めたのが功を奏し。
しかし相手に合わせる事の意識が強い故かこの日はそうはならず、最後尾である程度組み立てるのを基本線としていました。
前半3分には小原のボール奪取から、拾った近藤がドリブルで持ち上がり陣地を回復したのち、後方に戻してパスを繋ぐ攻撃。
こうしたドリブル突破も絡めつつ、磐田ペースを削ぐように自身もボールポゼッションを確保する立ち回りを見せていた愛媛。

そんな相手に対し、攻撃機会を得てもフィニッシュに辿り着けないシーンを量産していた磐田の立ち上がり。
しかし徐々に牙を向き、16分には右サイドで鈴木雄斗のボールキープから、遠藤の浮き球のパスをルキアンが入れ替わりで受けてそのままエリア内へ進入。
そしてシュートを放つもGK岡本がキャッチ。
18~19分には逆に愛媛が長いポゼッションを経て、田中縦パス→小原ポストプレイで藤本に渡り、一旦奪われるも奪い返した藤本がそのままシュート。(ブロック)
ともにFWのシュートが生まれた事で試合が動き始める予感がしましたが、以降もともにボールを握りたいチーム同士がぶつかり合い。
愛媛の粘り強いディフェンスを前に、さしもの磐田も中々ゴールを脅かす事が出来ず、そのまま飲水タイムへと突入します。(26分)

しかしブレイクが挟まれた事で、磐田は首位チームらしい攻撃を展開するようになります。
29分にコーナーキックから、クリアボールを山本康裕が直接シュートするもルキアンに当たって枠外に。
31分には右サイドから、鈴木雄がルキアンのポストプレイを交えて前進、エリア内右へ進入してマイナスのクロス。
これを中央エリア外で山本康が合わせシュートするもGK岡本がキャッチ。
32分には右ハーフレーンからの遠藤のミドルパスをエリア内中央でルキアンが収め、そのままシュートを放つもゴール右へ外れ。
磐田のフィニッシュシーンの連続で、防戦を強いられる愛媛。

そして迎えた37分。
ここも遠藤の縦パスをルキアンが収めてから、右に展開しての攻撃。
鈴木雄が右サイドでキープするシーンののち、今度はカットインを選択してそのままミドルシュート。
愛媛・茂木が足を出してブロックするも、コースが変わってゴールに吸い込まれ。
茂木はシュートに対し正面を向けていたので、しっかり跳ね返したかったシーンであり、防戦一方だった故の破綻という要素が拭えずのゴールとなりました。

ともかく事前の予想通りに先制した磐田、以降もペースは離さずに攻撃を繰り広げます。
尚も守勢の愛媛は、やり返したいという感情を抑えて我慢、といった状態を強いられ。
41分にカウンターの機会を得るも、藤本のドリブルは磐田の素早いトランジションの前に突破出来ず、作り直しを余儀なくされてしまいます。(結局好機に繋がらず)

それでも終了間際の44分に右CKを得ると、キッカー内田は変化を付けてグラウンダーでクロス。
ニアサイドで茂木がポストプレイでエリア外へ叩いた所を、小原がシュートを放つと、中央に居た高木がコースを変えますが枠を捉えられず。
奇襲で脅かしたもののゴールは奪えず、結局1-0のまま前半を終えます。

ハーフタイムに共に選手交代が行われ。
磐田は大津→大森へ交代、愛媛は田中→山瀬へと交代。
前節ゴールを挙げた山瀬がこの早い段階から出場と、上昇機運を早速利用しにかかった愛媛・實好礼忠監督。

しかし最初の好機は磐田で後半1分、GK三浦のロングフィードからの攻撃。
ルキアンの落としからマイボールにしたのち、中盤から遠藤のミドルパスをルキアンがポストプレイというこの日黄金の連係を経て、山田のエリア内へのスルーパスにルキアンが走り込み。
そしてシュートを放ったルキアンでしたが、GK岡本にセーブされてゴールならず。
これで後半も磐田の圧力が襲い掛かる、そんな展開を想像させましたが、それは見事に裏切られる事となります。

ここから愛媛は主体的な攻撃を繰り返す事となり、前半の我慢が実ったという格好に。
サッカー的には、最後尾からのビルドアップの最中に小原が降りて来てボールを受けるシーンが目立ち始め。
それは故障離脱中の石井を彷彿とさせるプレーそのものであり、ボールを円滑に運ぶ役割を果たします。

それでも相手はチーム力で上回る磐田、愛媛の攻撃を凌ぐ一方でゴールを脅かし。
8分には右サイドで細かいパスワークから、山本康の裏へのミドルパスを受けた山田がエリア内右を突いてグラウンダーでクロス。
ニアでルキアンが跳び込むも合わず、ファーに流れた所にさらに松本が跳び込むも間一髪でクリア。
16分には松本が敵陣深めでボール奪取し、そのままシュートを放つもゴール右へ外れ。
相変わらず際どいシーンを作られる愛媛でしたが、同点を目指すには背に腹は代えられぬ、といった状況でしょうか。
17分にさらにベンチが動き、内田→忽那へと交代、高木が右ウイングバック→左WBへと回ります。

磐田陣内でパスを繋いで崩さんとするも、中々フィニッシュに辿り着けず、戻して作り直すシーンを量産させる愛媛。
守備面でもルキアンに深い位置でボールカットされた大谷が、その勢いのままに倒してしまい反則・フリーキックを与えてしまう(21分)など、磐田の前に屈する未来が見え始めます。

しかし試合を動かしたのは、磐田の一瞬の気持ちの途切れからだったでしょうか。
23分プレスでカットにいった磐田・山田が、左へパスを出した川村の足に引っ掛かって倒れると、反則をアピールする磐田サイドは足を止めてしまい。
そのまま前線に運んだ愛媛、一旦はディフェンスに阻まれるもスローインから再度繋いで攻撃、左サイドで長らくパスを繋ぎ。
ハーフレーンへと流れた茂木が縦パス、これを近藤がフリック気味にエリア内左へ送り、抜け出した川村がシュート。
GK三浦のニアサイドを破るゴールとなり、この日貫いていたポゼッションがとうとう実を結び同点に追い付きました。

同時に飲水タイムが挟まれ、キックオフから再度磐田が好機。
遠藤ロングパス→ルキアン収めるという黄金連係から、ルキアンがシュート。(ブロック)
後半頭と同じく、ルキアンがフィニッシュを放つシーンを作った磐田。
再び攻勢に入らんという意思を見せたものの、結果は全く逆のものに。

その直後の26分、自陣でのボール奪取から左サイドで小原が受けると、そのままドリブルで中央方向へ前進。
エリア手前で方向を変えて直進した小原、エリア内左を突いて果敢にシュート。
今度はGK三浦の右を破るシュートが右サイドネットに突き刺さり、逆転を果たした愛媛。
一人でドリブルからゴールまでやり切った小原、強烈な印象を与えた初ゴールとなりました。

電光石火の逆転劇を演じた愛媛でしたが、喜びも一瞬のものとなり。
29分の磐田、松本が左サイドを前進し、大森とのワンツーを経て奥へ進入してクロス。
ファーサイドで鈴木雄がヘディングで捉えると、ループ気味にゴール左へと吸い込まれ。
リードを奪われる屈辱を味わった磐田、首位の意地と言う他無い同点弾となりました。

しかし直後の30分、磐田のミスから忽那がドリブル突破、エリア内へのスルーパスに小原が走り込んでシュート。
ゴール左へ外れるも、まだ愛媛に運は残っているというシーンが生まれます。
この直後に磐田は2枚替え、山田・松本→金子・高野へと交代。

31分にも茂木が、左サイドで川村とのワンツーから中に切れ込んでシュート、ゴール右へ外れる際どいシーンを作った愛媛。
このままでは下位クラブ相手に敗れかねないといった磐田の状況ですが、35分を境にして展開は一変します。
地力の差というべきでしょうか、愛媛陣内へ押し込んで一方的に攻撃を繰り広げ。
CKも数多獲得して好機を作っていき、順位相応のゲーム内容へと変わり終盤へと突入。
個人的には途中出場の高野が効いていたという印象で、マリノスから今夏に移籍してきた選手らしい、「偽サイドバック」(この日はWBですが)のような動きで崩しに一役買っていました。

そして42~43分に長いポゼッションを経て、大森の浮き球パスを契機にエリア内で細かく繋ぎ、中央から金子がシュート。
ブロックで跳ね返った所を山本義道がダイレクトでミドルシュートを放ち、GK岡本を抜いたものの惜しくもゴールバーに当たってゴールならず。

冷や汗ものとなった愛媛、既に攻撃に転じる力は殆ど無く。
直後に小原を交代させ西岡を投入、右WBの忽那を小原が居たシャドーに上げ、西岡が右WBに入る体制で守備を固めます。
逆に磐田サイドも、ルキアンが愛媛・川村をアフターで倒してしまい反則・警告を貰ってしまう(次節サスペンドとの事……)と、直後にそのルキアンを交代させる措置を採ります。(ファビアン・ゴンザレスと交代)

攻め疲れを想像してしまう交代ですが、以降も大井を前線に上げて尚も攻め続ける磐田。
アディショナルタイムも終盤、交代で入ったゴンザレスに2度好機が訪れます。
左サイドから高野のクロスが上がり、エリア内右にこぼれたボールを鈴木雄が再度中央へ送り、ゴンザレスがヘディングシュート。
しかしゴール上へと外れてしまい。
最後の左CKでも、クリアボールを拾った山本康から再度クロス、エリア内右で伊藤槙の折り返しがこぼれた所をシュートしたゴンザレス。
しかしこれも際どくゴール上に外れ、頭を抱えてしまったゴンザレスとともに試合終了を告げる笛が鳴り。

首位・磐田相手に大金星、とはならなかった愛媛。
勝ち点1を得たのは上出来と言って良いでしょうが、次節も2位・京都が相手と難敵は続きます。
この日見せた意地を貫き通し、結果を得る事が出来るか。