あったかい手

2010-01-08 07:46:10 | 日記・エッセイ・コラム

011

昨日は、時折陽の射す天気であったが空はご覧の通り鉛色の雲に覆われた寒い一日であった。



うちの親父の友達であり、私が37歳の時初めて町内役員の会計係を仰せつかった時の区長であったKさんのお見舞いに親父と共に行って来た。

今日が二回目である。

昨年暮れに脳梗塞で倒れ、病院に担ぎ込まれそのまま入院。

手術はしなかったが、左半身の麻痺で寝たきり状態が続いている。

最初は、意識もあまりなかったようだが徐々に回復、リハビリをするまでにこぎつけた。

元気な時の低音のよく通る声は聞くことが出来ず、呻くような絞り出すような声で我々と会話を行った。

会話が途切れると私の顔をじっと見つめ、少し涙を溜めておられた。

切なくなった。

百姓一筋の人生である。 まだまだやりたいに違いない。

身体が思うようにならず、無念なのだろう。

痛い程気持ちが伝わってくる。

しかし、リハビリ訓練次第で普段の日常生活には復帰出来るはずである。

帰り際 「ないか食いたいものがあるか?」 と聞くと、「ビール持ってこい」 と冗談で返してくれた。

「また来るいの (また来るからね)」 と 手を握り締めると暖かいKさんの温もりが伝わってきた。