先月 久しぶりに百貨店に行った。百貨店の食品売り場にはスーパーでは見られない珍しい食品が沢山並んでいる。
外国から輸入したらしいお菓子や飲み物に交じって目に飛び込んできたのは「はったいの粉」だった。
小さかった頃、このはったいの粉をお椀に入れほんの少し砂糖をいれお湯で練って食べたが、私はこの食べ物があまり好きではなかった。
戦後まもなくできっと食べるものも今のように豊富でなかったからだが、病弱だった私に母は重湯やはったいの粉をよく作って食べさせてくれた記憶がよみがえってきた。
懐かしくて買って帰った。同じようにして食べてみたら随分変わっているように感じた。粉の色も昔は黒っぽくてざらざらした感じだったが、買ったのは真っ白ではないが少し白っぽかったし味も滑らかなように感じた。
それでも母を思い出しながら口の中で味わった。
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