ありゃりゃサンポ

近現代の建築と一日八千歩の散歩の忘備録。美味しいご飯と音楽と。
東京都全域を徒歩で塗り潰す計画進行中。

2024夏ドラマ Netflixな夏

2024年09月16日 | 映画とテレビ
今年の夏は暑かった。昼間外に出かけらんない! そしてこの夏は見るべき新作のドラマもほとんどなかった。
そこにたまたまコメントでお勧めされた「アンメット」を見るという目的もあったのでNetflixを契約して配信ドラマ三昧の夏になりました。

最初に地上波で見た数少ないドラマ


エンジェルフライト
様々な事情で不幸にも海外で亡くなってしまった人のご遺体を日本に移送して遺族に引き渡し葬儀をする国際霊柩搬送業者の話。
存在すら知らなかった未知のお仕事の世界ということで楽しく見ました。脚本:古沢良太にも期待したし。
米倉涼子演じる主人公伊沢那美がものすごく頭脳明晰で優秀という設定なんですが、ごり押しと土下座で問題解決という流れが雑でした。
★★★


新宿野戦病院
宮藤官九郎オリジナル脚本の医療ドラマ。新宿歌舞伎町の赤ひげ専制的な小さな町の総合病院に米軍でドクターをしていた小池栄子がやってくる。
朝ドラの「虎に翼」と余りにも役者が重なることで話題になりましたが、実力のある人気俳優が大挙出演。
春に見た「季節のない街」と同様にクドカンテイスト満載ながらどっぷり社会派。すごく面白く見ました。
2年後の近未来にルミナウィルスという未知のウィルスが世界に蔓延するという設定には驚きました。近過去と近未来を捻り倒すさすがクドカン。
初回放送後からさんざん言われていましたが、英語ネイティブの設定の小池栄子の英語の発音がやはり残念でした。
鎌倉殿で強い信頼があったし実際よくやっていたのも分かるのですが、もう少し英語が違和感なければもっとドラマに入り込めたのに。残念。
ここは英語が得意で「侵入者たち」「鎌倉殿の13人」の好演も記憶に新しい菊地凛子で良かったんじゃないかなー。
★★★★

ここからNetflix


最愛(2021) 脚本: 奥寺佐渡子; 清水友佳子
放映時、悩んだんですが暗そうで敬遠しました。美しい吉高由里子を松下洸平と井浦新が何十年も全力でお支えするというお話。
最初から最後までとても面白く見たのですが、なぜ二人の男はあそこまで人生をかけてひとりの女性を守ったのか。
もし主人公の真田梨央が平均以下の外見だったら、男二人はあそこまでがんばったんだろうか。
この疑惑は、「アンメット」でも「愛の不時着」でも終始感じることになりますが、恋愛ドラマってある種のルッキズム的側面があります。
★★★★


アンメット(2024)  子鹿ゆずる(原作)/ 大槻閑人(漫画)の漫画を朝ドラ「まれ」の篠﨑絵里子脚本
放送時に見なかったのは主人公が記憶喪失という設定だったので。ドラマの紹介で「天才〇〇」「記憶喪失」「不治の病」という単語があると避けることが多い。
アンメットは主人公の脳外科医が一晩眠ると前日の記憶がなくなるというということで、ガッキーの「掟上今日子の備忘録」を連想しました。
こちらも杉咲花の主人公が困難に立ち向かいますが、三瓶先生始めほぼ全ての登場人物が一丸となって彼女を守ります。
若干メルヘンではありますがその温かさは心地よい。最後の手術のハラハラからラストシーンへの流れは秀逸でした。若葉竜也ナイス。
自宅で発作が起きて救急で担ぎ込まれてすぐに手術という場面にさっそうと現れた井浦新。その場の全員が驚いていたけど、これって誰がいつ井浦新に連絡したの?
★★★★


全裸監督(2019 シーズン1) 原作:本橋信宏
1980年代に社会現象となったAV監督村西とおると、腋毛と独特の語り口調で一世を風靡したAV女優黒木香をドラマ化したもの。
以前から見たいとは思っていましたが、配信のみで性描写も多いのでなかなか機会がありませんでした。
「虎に翼」の花江ちゃん森田望智の体当たり演技と伊藤沙莉との共演シーンも見たくて視聴。80年代が思い出されて面白かったです。
★★★


地面師たち(2024) 新庄耕の原作を「いだてん」「エルピス」の大根仁が脚本&監督
他人の土地を所有者に成りすまして売買する不動産詐欺師「地面師」のドラマ。8年前の積水ハウス地面師詐欺事件がモデルになっています。
こちらも暴力描写と性的描写が多かった。配信だとテレビの規制に引っかからない表現ができるのかな。無駄な過激シーンは興を削ぎます。
ドラマとしては最後まで面白く見ました。伝説の詐欺師・豊川悦司がもう少し知的で綿密な作戦を立てるものと期待しましたがそうでもない。
少なくとも現場の手下にまったく信用のおけないチンピラを多数使っている段階で普通ならもっと早く計画が綻びそうな気がします。
★★★


サンクチュアリ -聖域-(2023) 脚本:金沢知樹 監督:江口カン
崩壊した過程で粗暴に育った不良がスカウトされて大相撲の部屋に入門。様々なトラブルを巻き起こしつつも徐々に相撲の世界にはまっていく。
こちらも序盤に過度な暴力シーンなど満載ですが、どこかで相撲に本気になると分かっているのでそれを楽しみに見続けられます。
相撲協会、相撲部屋の格差、タニマチ、新聞記者など背景も魅力満載。特に新聞記者の忽那汐里は良い仕事していました。
素行の悪い相撲取りと言うとちばてつや「のたり松太郎」が思い出されますが、類似点が多かった。
土俵下に座っている敵役の協会役員に向けて相手力士を押し倒すというシーンはそのまま「のたり」のパクリでした。
ラストシーンが賛否両論でしたが私は好意的に受け止めました。あれでいい。かっこいい。これだけはネタバレしたくないので書かないけど。
★★★★


舞妓さんちのまかないさん(2023) 2016年から少年サンデーで連載中の小山愛子の漫画をドラマ化。
舞妓になるために青森から京都の屋形に入ったキヨちゃんとスーちゃん二人の少女が主人公。
キヨちゃんは才能の限界から舞妓をあきらめて裏方のまかないさんとして料理を作って暮らしていくことになります。
テレ東深夜でよくある食べ物系ミニドラマだろうとと軽い気持ちで見始めたのですが。
ラストのテロップに企画・川村元気 脚本・総合演出が是枝裕和、美術・種田陽平、音楽・菅野よう子と日本を代表するビッグネームがずらずらで驚きました。
暴力、性描写、いじわる、謀略など一切ありません。種田陽平が作る美しいセットの前で全ての役者がのびのび演技をします。
飯島奈美の作る美味しそうな料理も〇
★★★★


0.5の男 脚本・監督が沖田修一。
沖田修一は名前を見てもピンと来なかったけど過去に「南極料理人」「キツツキと雨」「横道世之介」「滝を見にいく」「さかなのこ」と5本も映画を見ていました。
どの作品も脚本と監督をやっていてゼロから自分の世界を作る人です。ひねった視点が面白く外れなしの監督です。
0.5の男は仕事上の人間関係から引きこもりになって家でゲームをしている40男(松田龍平)が主人公。
所沢の実家で親子3人でひっそり暮らしていましたが親が2世帯住宅に建て替えて妹家族と同居生活が始まります。
引きこもりを扱っていてもほとんど悲惨さはありません。のほほんとした40男が松田龍平にぴったりでした。全5話と短いのですが面白い。
★★★★

以上9本。これプラス朝ドラ「虎に翼」「オードリー」と大河「光る君へ」、先に途中で紹介してしまった「愛の不時着」というラインナップでした。
現在進行中で見ているのは「団地のふたり」と「振り返れば奴がいる」です。

暑くて家にいる時間が多かったけどNetflixのおかげで意外と充実しました。
現在はnetflixの「広告つきスタンダードプラン 790円/月」で契約しているのですが、これだけ長く見ていてただの一度もCMが出てきたことがありません。
ありがたいことですがなんか間違ってないかな。790円で100時間くらいは見た計算になるので1話あたりで7.9円で楽しんだということです。
お得ね。
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2 コメント

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Bさん (moto)
2024-09-18 12:42:09
100時間!随分元が取れてますね。
しかも一度も広告が出てこないなんて。
こちらは、20〜30時間見た頃に一度だけ広告が出てきましたよ。
レンタルショップでビデオテープを借りる→TSUTAYAでオンラインで借りてポストに返却、などとしていた頃は遠い昔ですね。あの頃はおいくらくらいお支払いしていたのかしら。

アンメット、ストーリーはいろいろ思うところはありますが、雰囲気が良くってついお薦めしてしまいました。三瓶先生は若葉竜也以外考えられません。

新宿野戦病院も面白かったですね。
クドカンのドラマは1話目で判断してはいけないと言い聞かせて、2話3話と見ていくうちにじわじわはまっていきます。
仲野太賀はイヤな役はちゃんとイヤなやつになるのですごいなと思います。
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motoさん (B)
2024-09-18 15:46:16
100時間の内、24時間が「愛の不時着」でした。あれ、1本も長くて本数も多かった。
しかし、そもそもmotoさんがアンメットを勧めなかったらNetflixも契約していなくて、、、、、、
私の63歳最後の夏の100時間はmotoさんに奪われたと言えるような気もしてきました(笑)

アンメットは実はミヤビの方から先に三瓶先生にアプローチしていたっていうのは驚きました。
それと三瓶先生は職場であんなに不機嫌で不愛想に見えるのに飲み会にはちゃんと参加しているところも面白かった。
あれはミヤビを見守りたかったんですね、きっと。

クドカン・中野大賀といえばなんといっても「ゆとりですがなにか」での不良社員山岸ですね。
あれが大賀を認識した最初だったのであのやな奴のイメージから抜けるのに相当かかりました。
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