金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【将棋】 西山朋佳三段が奨励会退会 ジェンダー問題の奥深さ②

2021-04-16 07:11:57 | 将棋

 昨日の続きです。

 

 将棋の奨励会には、ルール上、一切の男女差別はありませんしかし、マイノリティには、マジョリティ側からは気づいてもらえない数多くのハンデが存在するもの。そのハンデを押しのけて闘い抜いた西山朋佳三段には拍手を贈りたいと思います。

 一方で、女流棋士は、三段リーグを勝ち抜かなくても、将棋で生きる道が用意されており、これは逆差別ではないか、という意見もあります。丁度、上場企業の取締役の3割を女性にせよ、と枠を作ろうとすることが「逆差別」でないか? とネガティブ意見が出るのと同じ。しかし、こうした意見を述べる方々には、マイノリティ側が日常、どれだけのハンデを負って闘っているのか?という洞察は皆無で、もっぱら自分が逆差別で被害を受けていることを主張したいケースが殆どであると申し上げておきましょう。

 

 少し毛色は違いますが、以下のような主張もあります。

テニスやゴルフでは、男女別々に大会を開催しているが、これは医学的に、筋肉量や瞬発力、あるいは持久力といったものに差があることが明白なため、大会を分け、それぞれのチャンピオンを決めている」

「同じように、男女には、脳の特長にも差があるはず。たとえば、地図が読みにくいのが女性、同時に複数の作業ができないのが男性など。したがって、どんな分野でも、同姓間での競争とすべき。そして、企業役員などは、人数比で按分して、男枠、女枠、設けるべきでは?」

 

 一方で、「もう、男女の区別をやめて、最初から全て同じ土俵で競争すべき。筋肉量や瞬発力ですら、鍛える機材やトレーニング方法の進化により男女差がなくなりつつある

競馬の世界では、もう何年も牝馬がチャンピオンホースになっている時代が続いている。2㎏のセックス・アローワンスが原因と言われており、ハンデ差をつけるならば、馬の体重別に差を設ける方が公平と言える」などの意見も出始めています。

 

 上記のとおり、ジェンダー問題は、マイノリティ側、およびマジョリティ側の双方から、さまざまな問題提起が為されている状況であり、更なる議論を期待するところであります。

 ただ、私個人の見方としては、やはり、ジェンダーの問題は、マイノリティにとって、マジョリティ側からは見えないハンデが本質の問題と理解すべきだと考えています。もし、マイノリティ側から見て、マジョリティ側が立ち塞がる状態や条件が解消した時、初めて、同じ舞台での競争が成立するのだと思います。


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