2023年シーズン、岡田監督が率いる阪神タイガースが絶好調であります。
交流戦が始まってから2連敗はしたものの、その後は2連勝で佐々木朗希投手も攻略。快進撃のタイガースであります。その前には破竹の9連勝も成し遂げており、6月7日現在、35勝17敗で貯金18、勝率は6割7分3厘となっています。
何と言っても、岡田監督自身が「野球を楽しむこと」を忘れておらず、セコイ戦術に溺れたり致しません。また、不調な選手に対しても、懲罰的な使い方は一切ありませんので、選手も意気に感じて全力でプレーを繰り返します。このあたり、どこかの兎軍団とは真反対なのであります。
しかし・・。そんな絶好調のタイガースなのでありますが、長年このチームを応援している阪神ファンは、それでも心配なのであります。
え? 2位のDeNAには6.5ゲーム差をつけて、宿敵ジャイアンツには9.5ゲーム差もつけているのに、何を心配するの? だって⁉
そんな野次馬の声が聞こえるようですが、伝統的な阪神ファンの深層心理を、在りのままに言わせて貰えれば、
「6.5ゲーム差など、無いに等しい」
「最低でも15ゲーム差は必要。貯金も最低30くらい無いと、首位に立ったとは言えない」
この深層心理の背景には、あの忌まわしい2008年シーズンの記憶が残っているからなのです。2008年の阪神タイガースは、赤星、新井貴浩、金本、鳥谷という黄金メンバーを揃え、抑えには守護神 藤川球児がドンと控える強力な布陣でありました。開幕から快進撃が続き、7月9日時点では、同率2位の巨人と中日に対して13ゲーム差をつけて、貯金も28と積み上がっておりました。
なのに・・なのに・・ 9月以降のタイガースが失速、10月8日の巨人との直接対決に敗れ、10月10日には巨人の優勝が決定。まさかの優勝逃しとなってしまったのであります。
そして、この時の監督が岡田彰布。監督5年目の岡田監督は、この年のV逸の責任を取って、10月14日に退団発表となりました。
タイガースファンとしては、あの時のリベンジを、ぜひ岡田監督に! の気持ちが強くありますが、一方で、また、あの忌まわしい事態が再現されてしまうのでは? という不安も抱えている状態。
あの時の記憶を吹っ飛ばすようなシーズンになることを、切に願うばかりであります。