金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【2023年 JRA顕彰馬投票】 アーモンドアイが顕彰馬に! コントレイル・キンカメは届かず

2023-06-07 01:24:34 | 競馬

 ダービーの前に、2回もしつこく主張させて頂きましたが、ついに、2023年のJRA顕彰馬選定投票の結果が発表されました。結果は以下のとおりです。

 

顕彰馬選定投票結果  アーモンドアイ

        (得票率96.6% 有効投票207のうち200票を獲得。得票率75%以上で選定)

 

  【馬 名】     【得票数】    【得票率】

アーモンドアイ      200      96.6%

コントレイル       155      74.8%(1票足らず!)

キングカメハメハ     136      65.7%

ブエナビスタ        58      28.0%

モーリス          35      16.9%

グランアレグリア      32      15.4%

ゴールドシップ       21      10.1%

ラヴズオンリーユー     16        7.7%

アグネスデジタル      15        7.2%

ヴィクトワールピサ     13        6.2%

シーザリオ         10        4.8%

ダイワスカーレット      9        4.3%

 

 

<以下省略>

 

 昨年は、まさかの『選定馬なし』という結果でしたが、今年はようやく、GⅠ9勝のアーモンドアイが顕彰馬に選定されました。まずは関係者の皆様に、お祝いの言葉を贈りたいと思います。本当におめでとうございました。

 ただし、これは、一般競馬ファンによる人気投票で行っても、得られた結果だと思います。むしろ、ファンによる投票ならば昨年に選ばれていたでしょう。

 

 今年の結果についても、言いたいことが山ほどあります。

 まずは、無敗の三冠馬コントレイルの落選について。有効投票207票のうち155票を集めましたが、1票足らずに落選となりました。今さら言うまでもありませんが、競馬はまず世代別に競争を行い、瞬発力やスピードの持続力そしてスタミナなど、さまざまな角度からその優劣を見極めるため、各馬1回限りの機会として三冠レースを行います。したがって、牡馬の三冠馬には、生産界を含めて最大級の敬意を払うとともに、その血脈の価値を讃えてきた歴史があります。だから、過去には、牡馬三冠馬で顕彰馬に選ばれなかった馬は存在しません。ましてや、今や日本の国内産馬の血脈は、欧州から豪州・南米に至るまで広がりつつあり、特にサンデーサイレンス⇒ディープインパクトの血脈は、世界の宝と評価されるに至っています。

 その世界の宝と評価されている、ディープ最大の傑作コントレイルが落選しました。もちろん、他にもっと好きな馬がいたのかもしれませんが、今年からコントレイルが顕彰馬の候補に加わることすら、忘れていた競馬記者も相応にいたことが予想されます。ただ、コントレイルは、まだ来年以降も選定されるチャンスが残っていますので、文句はここまでにしておきます。

 

 本当の問題は、キングカメハメハであります。現役登録抹消から20年という制限がありますので、キングカメハメハのチャンスは、今年を入れてあと2回しかない状況。確かに、キングカメハメハは怪我のため現役時代が短く、獲得したGⅠは日本ダービーとNHKマイルCの2つだけ。しかし、種牡馬としての実績は、日本競馬史上で燦然と輝く内容であります。2023年6月4日現在で、JRA通算勝利数2194勝、重賞勝利数137勝という実績は、サンデーサイレンス、ディープインパクトに続く、ダントツの史上第3位であります。日本競馬の発展に大きく貢献したキングカメハメハを顕彰馬に選ばずして、先にどの馬を選べというのか! 

 競馬の専門家あるいは見識者として投票権を持っているのなら、キングカメハメハに投票しなかった理由を、ぜひ公に示して欲しいと思います。しかも、昨年はアーモンドアイと同数の144票を集めていたのに、なぜ今年は136票に減っているのか? 毎年毎年、よく考えもせずに適当に名前を書いているのではないか? そんな疑いも持ちたくなる投票結果なのであります。 

 

 この顕彰馬投票は、記者1名当り4票連記ですので、普通に考えれば、1票はアーモンドアイに、もう1票はコントレイルに、さらにもう1票をキングカメハメハに入れるはず。個人的な考えを申し上げれば、最後の4票目は、産駒3頭が人気種牡馬となっている名牝シーザリオこそが相応しいと思いますが、確かに4票目は、いろんな考え方があっても良いでしょう。しかし、そんな常識が通用しない世界になっています。

 

 昨年も申し上げましたが、これはもう、207名の競馬記者の中には、その時々の気分で人気投票的に入れるものだと、思い違いしている人が一部に存在するとしか思えません。

 だとすると、この選定方式は機能していないと判断するべきだと思います。顕彰馬選定を、最初の「選定委員会方式」に戻すべきです。アメリカと同じような、記者クラブ方式は、残念ながら、まだ日本の競馬サークルには早すぎたのだと思います。

 

 


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