まずは京王杯スプリングC。勝ったのは、アイルハヴアナザー産駒の5歳牡馬ウインマーベル。好スタートから4番手追走へ。逃げたメイショウチタンの前半3ハロンのラップは34秒8と超スローの流れに。直線に入ると、少しずつ前を詰めて残り200mのところで先頭に立ちますが、大外からロードカナロア産駒レッドモンレーヴが猛然と襲い掛かり一度交わされます。しかしゴール前で差し返してハナ差で勝利。良の勝ちタイムは1分19秒7。2着レッドモンレーヴから2馬身差の3着には、7番手から差してきたサトノダイヤモンド産駒スズハローム、さらに3/4馬身差の4着には、中団から追い込んできたロードカナロア産駒ダノンスコーピオン。
勝ったウインマーベルは、これで重賞4勝目。GⅠスプリンターズS2着がある短距離の実績馬ですが、やはりベストは芝1400mの舞台。日本にはGⅠレースがないので、次は豪州あたりのGⅠレースを目指して欲しいところ。
2着レッドモンレーヴは、スローの流れを最後方から差してきて、上り3ハロンは32秒2の鬼脚。この馬も芝1400mがベストですが、マイルの舞台でもスローの瞬発力勝負、しかも府中ならばGⅠもチャンス有りと思います。まだ4歳なので、短距離路線での活躍が期待できると思います。
そしてマイル女王決定戦、GⅠヴィクトリアM。勝ったのは、6歳牝馬のエピファネイア産駒テンハッピーローズ。中団後方待機で脚を溜めます。逃げたコンクシェルの前半3ハロンのラップは33秒8と平均ペースの流れ。直線に入るとまず、残り300mのところでディープインパクト産駒フィアスプライドが先頭に立ちます。これを目掛けて大外からテンハッピーローズが迫り、これを交わします。そのまま1馬身1/4差をつけて完勝。良の勝ちタイムは1分31秒8。2着フィアスプライドからクビ差の3着には、7番手から内を差してきたルーラーシップ産駒マスクトディーヴァ、クビ差の4着にはドゥアイズ、さらに1/2馬身差の5着にルージュリナージュ。
勝ったテンハッピーローズは、重賞初勝利をGⅠ制覇で成し遂げました。2歳時のアルテミスSでソダシの3着となった実績はありますが、この舞台で持ち味の差し脚を爆発させました。また鞍上の津村明秀騎手は21年目にしてGⅠ初勝利。14番人気の馬を勝利に導いたのですから、お見事の一言。
2着フィアスプライドも大健闘と言えます。ここにピークを合わせた国枝栄調教師の手腕と、好位3番手から長く良い脚を使わせたCルメール騎手のファイン騎乗が目立ちました。3着マスクトディーヴァは直線で前が塞がり、外に出せなかったことが痛かった。それでも内を突いて3着まで確保したのはさすがでした。
2番人気で8着に敗れたナミュールは、確かにスタートの出遅れは痛かったですが、それにしてもラストの伸びがなかったあたり、精彩を欠いていました。やはり、ドバイターフのあとでピークを維持するのが難しかったと思料。果たして安田記念までに立直しが図れるのか?