4月7日(日)の夜にNHKで放送された「NHKスペシャル=Last Days 坂本龍一 最期の日々」は、終活世代の我々には必見の番組でありました。
2023年3月に亡くなられた音楽家の坂本龍一氏。2020年の「余命半年宣告」から2023年3月に亡くなるまでの闘病生活と、最後まで創作活動に心血を注ぐ凄まじいまでの生き様。これを、ただただ坂本龍一氏の残された日常を静かに見せるだけで、観る者に鋭く突きつける内容でした。見始めたら、もうTVの前で全く動くことができず、背筋を伸ばして視聴させて頂きました。
ネタばれしますので、簡略にご紹介しますが、「余命半年宣告」直後に、うろたえる姿などは周囲には見せないものの、自身の心の中を綴った日記には、「死刑判決だ」「安楽死を選ぶか」といった動揺した本心が赤裸々に残されていました。ただ、闘病生活を続けるうちに、「音楽だけが正気を保つ唯一の方法かもしれない」と気づき、自分自身や、同じように死に怯えるむ誰かのために、自分の分身である「音楽を残す」べく、残された命を火に灯すように創作活動を続けていく。
同じ時期から闘病生活を続けていた盟友 高橋幸宏氏(2023年1月逝去)のお見舞いのために軽井沢の自宅まで赴きながら、高橋幸宏氏が入院したため会えなかったところは、涙なくしては見れないシーンでありました。
人間は、「もう長くは生きられない」と悟った瞬間から、「生きることに真っ向から向きあう」ことになる。
自分にも、そうなる瞬間が刻々と近づいていることを突き付けられた気がいたしました。