MLBの大谷翔平選手が結婚を発表して以来、ネットニュースでは連日のように「奥さんは誰なのか⁉」を詮索する記事があちこちで飛び交っています。
大谷翔平さんご本人の口から「今後は野球に集中したい」と言っているので、われわれも彼の意思を尊重して、この話題はもう止めた方が良いと思います。
しかし、週刊誌をはじめとする一部メディアは「国民の知る権利」を盾に、いろいろな手段を講じて探し回っている様子。
そして最終手続きとして、大谷翔平選手ご夫妻あるいは双方の家族に対して「ウラを取る」確認ののち、奥様の個人名を大スクープとして報じることになるのでしょう。その報道自体は、国民の多くが関心を持って、あらためて「祝福の嵐」が沸き起こるイベントになるのでしょうが、問題はそのあと。
第一報が終われば、スクープできなかったその他の週刊誌やメディアが、今度は奥様およびそのご家族の詳細な情報を、これでもかこれでもかと続報として報じることになります。その内容は、ご本人や家族のプライバシーなどを無視して、「元カレは誰だ」とか「親族には××な人がいる」とか、もう個人の機微情報のオンパレード。誹謗中傷にあたるような内容も珍しくはありません。
そうした過剰な報道姿勢が明らかだからこそ、「そっと見守っていて下さい」「普通の日本人です」「野球に集中させて下さい」と、あらかじめ大谷翔平選手は宣言しているのだと思います。
野球選手ですから、野球のパフォーマンスを見て、これを評価したり、また悪ければ非難されることは受け入れてくれると思いますが、プライベートな面について、あれこれと詮索されたり、余計な機微情報を垂れ流したりされることは容認できないということ。これは、いくら有名人だからと言って、絶対に譲れない点だと思います。当然であります。
にもかかわらず、日本の週刊誌メディアにそうした行動を許しているのは、その情報を腹の底で待ち望んでいる「一般市民=我々」の存在。我々自身が「大谷翔平選手の奥さんは誰なの?」なんて考えなければ良いのであります。要請しなければ良いのです。週刊誌メディアにとって「一般市民の知る権利」だけが拠り所なのですから、それを消してしまえば、彼らは「正義」を失います。
そうなれば、金を目当てに「如何わしい情報」を週刊誌メディアに持ち込むような輩もいなくなります。
同列に論じることはできませんが、羽生結弦選手の悲劇を繰り返してはいけません。あの事件において、週刊誌メディアは全く反省していないばかりか、むしろ責任を被害者である羽生結弦選手に擦り付ける報道すら見られます。何が起きても「自分たちは正しい」としか言わない連中です。
であれば、もう週刊誌を買うのをやめましょう。
ネットニュースをクリックするのも止めましょう。
それが最も効果的な対抗手段であります。