金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【金融】もし上海で大停電が発生したら? その3

2019-02-19 07:30:34 | 金融マーケット
 ここまで、完全なキャッシュレス世界では、想定外のインシデント発生時に、取り返しのつかない混乱が起こる可能性を提起してきました。
 それでは、そういう事態に陥らないためには、何を準備しておけば良いのでしょうか?

 まず第一に「常に現金の準備はしておくこと」。これは市民側だけでなく、行政側も商業側も、すべてがです。万一の時には、現金や小切手による決済も可能にしておくBCPが必要だということです。ちなみに米国では、デイビッドカード・クレジットカード・小切手現金の比率が1/3ずつのようです。インシデントを意識している訳ではないと思いますが、非常時でも安定した決済機能を堅持できる状態になっています。

 次に「キャッシュレス・ペイの主体は銀行にしておくこと」。これは万が一、経営不安説などが流れた場合、金融行政傘下の金融機関であれば、中央銀行による対応が即断実施できるからです。もし、アリババやテンセント、楽天・ソフトバンクをキャッシュレスの担い手にするのであれば、これらに銀行免許を取得させるべきです。すなわち、バーゼルⅢの規制下で業務を行ってもらうこと。これが、万一の備えになります。

 なお、ここからは余談ですが、日銀の幹部となった友人に、ここまでの妄想話をしたところ、「中国の中央銀行関係者にも伝えておきましたよ」とのこと。「コンチプランをきちんと作らねば‥」との反応だったそうなので、何かしら準備はしているのだと思います。ひょっとしたら、現金を大量に用意しておいて、大停電時にはバンバン市民に配るつもりかもしれません。暴動になるよりもマシですものね。

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