
三月末で終了してしまった、ニッポン放送の「高嶋ひでたけのあさラジ」の後継番組が始まり、一週間が経った。
しかし、三十七歳といふパーソナリティーが前年度まで夕方に担当してゐたニュース分析番組と、内容がなんら変わっていない。
見事に、あれをそのまま朝へ移しただけのしろものだ。
なによりも、彼の話しに幅が無くてつまらない。
高嶋ひでたけさんのやうに、自分の意見をズバッと言ったり、時には茶化して笑わせたりといった遊び心が全く無く、ただニュースの内容を延々と喋ってゐるだけ。
まるで愛嬌といふものがない。
聴ひてゐると、たちまち退屈になる。
ちゃうど、寄席でつまらない前座や二ツ目に出くわしたそれに似てゐる。
こんなものにとらはれてゐると、浮世の総てが人間味を喪った殺風景なものに思へてきてしまふ。
たしかに、ニュースが伝へる世界は、さうであらう。
幸ひ、他局に良い番組があったので、これからはそちらに切り替へる。
つまらない話しは聞かない。
つまらない人間も、見ない。
なにもかもが横並びの、不景気な顔をした輩など、見たところで何の面白味もない。
しかし、浮世に楽しみは、かならず転がってゐる。
ただしそれは、下に落ちてはいない。
前を向ひてぐるりと見回せば、
そこは浮世の大展望、
つまらないヒトやモノの陰に、それは隠れてされてゐる。
それを見つけ出すのが、
私の楽しみだ。
いつも俯ひてばかりの、
それしか出来ることのない、
そんな不景気な開き盲目にだけは、

なるまいぞ、なるまいぞ。
しかし、三十七歳といふパーソナリティーが前年度まで夕方に担当してゐたニュース分析番組と、内容がなんら変わっていない。
見事に、あれをそのまま朝へ移しただけのしろものだ。
なによりも、彼の話しに幅が無くてつまらない。
高嶋ひでたけさんのやうに、自分の意見をズバッと言ったり、時には茶化して笑わせたりといった遊び心が全く無く、ただニュースの内容を延々と喋ってゐるだけ。
まるで愛嬌といふものがない。
聴ひてゐると、たちまち退屈になる。
ちゃうど、寄席でつまらない前座や二ツ目に出くわしたそれに似てゐる。
こんなものにとらはれてゐると、浮世の総てが人間味を喪った殺風景なものに思へてきてしまふ。
たしかに、ニュースが伝へる世界は、さうであらう。
幸ひ、他局に良い番組があったので、これからはそちらに切り替へる。
つまらない話しは聞かない。
つまらない人間も、見ない。
なにもかもが横並びの、不景気な顔をした輩など、見たところで何の面白味もない。
しかし、浮世に楽しみは、かならず転がってゐる。
ただしそれは、下に落ちてはいない。
前を向ひてぐるりと見回せば、
そこは浮世の大展望、
つまらないヒトやモノの陰に、それは隠れてされてゐる。
それを見つけ出すのが、
私の楽しみだ。
いつも俯ひてばかりの、
それしか出来ることのない、
そんな不景気な開き盲目にだけは、

なるまいぞ、なるまいぞ。