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迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

いのるさきにみえるのはなにか。

2013-10-25 19:13:45 | 浮世見聞記
横浜みなと博物館の企画展、「横浜港と関東大震災-震災からの復興-」を見る。


大正12年9月1日の関東大震災は、東京から“江戸”の名残りを壊し去ったように、横浜からも幕末開港以来の“異国情緒”と、それまで築き上げてきた東洋一の貿易拠点-港を、粉々に破壊した。

そして、震災6年前の大正6年に撮影された、桜木町駅から港にかけての遠望写真に、私はあの3月11日以前の日々と同じ、決してかえることのない“過去”を感じた。


被災した横浜市民たちは、港に停泊していた多くの船舶に救助され、結果2万人近くの命が助かったと云う。

展示パネルに記された現在判明している約50隻の船舶名とその救助人数に、人間の本質の一方が浮き彫りになっていて、胸の熱くなる思いがした。





文字通り一度は壊滅した横浜の港は、街は、昭和初期には完全復活を遂げた。


しかし、現在の日本国は、平成23年3月11日から、いまだ復活を遂げていない。


なぜか。




わたしはその答えを知った時、「価値」という言葉が含む冷たく厳しい一面に、暗澹とならざるを得なかった。

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