goo blog サービス終了のお知らせ 

迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

戀のオモカゲ。

2022-01-24 21:31:00 | 浮世見聞記


愛聴してゐるラジオ番組「ひるのいこい」で、1933年發表の“It’s Only a Paper Moon”が流れて、あっ! と耳をそばだてる。

この曲は私が好きな映画のひとつ「病院坂の首縊りの家」(昭和五十四年 東宝)で、山内小雪役の桜田淳子が米兵相手の野外ライヴのシーンで、吹き替へなしの生聲で歌ってゐる曲なのである。



當時はまだ二十歳。

映画ではおそろしいまでの美貌ぶりを魅せてゐる彼女が、件のライヴシーンではオリジナルに劣らぬ見事な歌唱力を聴かせ、本職の歌手としても面目躍如たるところを見せた名シーンだ。


後年の新興宗教云々は、ここでは別問題だ。


私はこの映画のなかの彼女に、

子どもの時に初めて逢ってから、

ずっと片想ひを續けてゐる。



“It’s Only a Paper Moon”とは、私にとっては“永遠に届かない”甘酸っぱい曲でもある……。













コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 儚きやくそく。 | トップ | 歌舞伎長唄三味線演奏家で人... »
最新の画像もっと見る