
台風十号が九州を通過した後も、日中の東京圏は相変はらず晴天と雨天が交互し、まったく落ち着きなし。
さりながら、夕方の晴れ間を狙って外出す。

まだまだ夏の續きなる日々なれど、手猿樂師として秋から先を見据へた“心の準備”に取りかかる。
この頃は支那發人災病菌の感染者數が減少傾向にあるやうだが、しかしそれが再び人前で手猿樂を舞へる契機となるものではない。
為政者の定めた防菌對策が何ら“護符”にもならぬことは、すでに數々の事例が示してゐる。
私は今はただ、引き續き我慢弱いヒト達を人体感染實験の検体に見立て、事態の推移を静観するのみである。
行く先の空に、うっすらと虹が現るる。

しかし、間もなくイヤミな鈍雲にかき消されり。
いまは、誰もがさういふ巡り合はせに在ることを識るべし。