御朱印をめぐる数々のトラブルにつひて、ラジオ番組で或るコメンテーターが、
「いまではタダのスタンプラリーになってゐる」
と喝破してゐたが、本當にさうだな、と思ふ。
もともとは粛々といただくものであったはずの御朱印が、何者かがエンターテイメントとしてけしかけてから、ただのポイント集めと同等の、俗臭漂ふイヤな印象がいっぺんに付ひてしまった。
煽る者がゐて、
煽られるがまま何の考へもなく、すぐに乗せられる有象無象がゐる。
詐欺被害が跡を絶たない根本も、このあたりにある。
もっともっとアタマを使って生きなアカンな、とつくづく思ふ。
だから、いざ事が起きると、簡単に引っかかる。
自分の心のなかで信じる神仏に、静かに手を合わせる──
その気持ちが、御印。
そこに人為など、
いらない。