
横浜の日本新聞博物館“ニュースパーク”にて開催中の、「こんな時代があった 報道写真『昭和8年』1933」展を見る。
世界中が戦争に向かって不穏な動きを見せるなか、日本では東海道本線の丹那トンネルが開通し、築地市場が落成―
そして、今上天皇が誕生した。
私の師匠が生まれたのは、その三日前―そう、今日だ。
世界中が軍国色に染まろうとしてゐるなか、庶民はまだまだ平和な生活を送ってゐた様子は、のちに空襲ですべて破壊されることになる街並みの写真が、よく伝へてゐる。
―いつの時代も、歴史の犠牲になるのは決まって、庶民である。
なぜか?
それはいつだって、事実を知らされないからだ。
かつて世界中を戦争に巻き込んだのは、操作した報道で世間を熱っぽく煽った、これらマスコミたちでもあることを、忘れてはならない。
そしてわたしは、エドガー・アラン・ポーの推理小説「マリー・ロジェの怪事件」の一節を、再び思ひ出す。
『一般に、新聞紙の目的とするところは、真実を追究することよりも、むしろセンセーションをつくり出すこと―議論を立てること―だということは、憶えていなければいけないね。』
新聞社がいくつも存在し、伝へる“真実”にそれぞれ違ひがあるのは、つまりこのためだ。
新聞紙に書かれた見解は、あくまでその新聞社―及び記者―の考えであって、公論ではない。
それをよく踏まえなければ、
いざ事が起きた時、
私たち大勢は少数の何者かによって、
踊らされ続けることになる……。
世界中が戦争に向かって不穏な動きを見せるなか、日本では東海道本線の丹那トンネルが開通し、築地市場が落成―
そして、今上天皇が誕生した。
私の師匠が生まれたのは、その三日前―そう、今日だ。
世界中が軍国色に染まろうとしてゐるなか、庶民はまだまだ平和な生活を送ってゐた様子は、のちに空襲ですべて破壊されることになる街並みの写真が、よく伝へてゐる。
―いつの時代も、歴史の犠牲になるのは決まって、庶民である。
なぜか?
それはいつだって、事実を知らされないからだ。
かつて世界中を戦争に巻き込んだのは、操作した報道で世間を熱っぽく煽った、これらマスコミたちでもあることを、忘れてはならない。
そしてわたしは、エドガー・アラン・ポーの推理小説「マリー・ロジェの怪事件」の一節を、再び思ひ出す。
『一般に、新聞紙の目的とするところは、真実を追究することよりも、むしろセンセーションをつくり出すこと―議論を立てること―だということは、憶えていなければいけないね。』
新聞社がいくつも存在し、伝へる“真実”にそれぞれ違ひがあるのは、つまりこのためだ。
新聞紙に書かれた見解は、あくまでその新聞社―及び記者―の考えであって、公論ではない。
それをよく踏まえなければ、
いざ事が起きた時、
私たち大勢は少数の何者かによって、
踊らされ続けることになる……。