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迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

あまりにくるしうそうろうほどにこのところにやすまばやとぞんじそうろう。

2015-04-25 21:55:49 | 浮世見聞記
喜多六平太記念能楽堂で、金春流の「融」を観る。


この曲は全篇を通して、左大臣源融の邸宅跡-「六條河原院」が舞台である。

しかも今やそこは、主人亡きあと相続する者がいなかったため、すっかり廃墟と化している。


背後に松が描かれただけの能舞台に、その無情さが観る者の心に描けるかどうかで、この能はだいぶ味わいが違ってくる。


もっとも、廃墟ならいまのご時世、いたるところに展開されている。


ニンゲンが密集しているといふだけで心の通いあっていない、

そのくせ他人のやることに無関心ではいられない、

渇き果てたニンゲン廃墟。


月下でそれは、

愉快に映える。

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