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迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

ほどうきょう。

2012-02-11 18:03:51 | 浮世見聞記
階段から頭が見えた時、

わたしはおや、とおもった。


あのひとは、

もういないはず。


立ち止まって戸惑うわたしのよこを、

知らぬ気に通りすぎる。


わたしは振り返る。

うしろ姿が見える。


消えてしまえ。


しかし。

またこの季節になれば、

必ず見えてしまうことだろう。



また見えてしまうことに。



わたしは手にしていたものを破り棄てる。



めでたいことじゃ。

めでたいことじゃ。



わたしは

どうやら

なにも

変わっていないらしい。
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