「三河島事故」
『戦後、国鉄(当時)常磐線で起きた列車の大衝突事故』-その程度の知識は、小学生の頃より私にもあった。
確か、父の勤めていた企業が発行した記念誌を暇つぶしに何となくめくっていたら、社会的事件のページに写真入りで紹介されているのを、見たのだと思う。
めちゃくちゃに壊れた電車が横転している様子は、子ども心にも衝撃的だったと記憶している。
北村薫の小説「リセット」のなかにも、この大事故をモデルにしたシーンがあったはずだ。
この大惨事がいかにして発生したのか、ひょんなことから詳しく知ったのは、つい先月のこと。
上段写真は、常磐線三河島駅の先端より、事故が起きた下り方向を撮影したもので、左端の線路が田端操車場からの貨物線、その右隣が、上野からの下り本線。
ここより350㍍先で、貨物線は下り本線に合流するわけだが、停止信号を見落とした貨物列車のSLは、隣を並走していた下り電車とここのポイントで側面衝突、電車は上り線路を塞ぐようにして脱線、事故を知らされていない上り電車が間もなくやって来て、急ブレーキも間に合わず、正面衝突したのである。
詳細を知って以来、何故か私は、この大事故が頭から離れなくなった。
そしてついに今日、意を決してかつての事故現場を訪ねてみることにした。
事故現場の住所は、かつては「三河島町」と言ったそうだが、事故後はマイナーなイメージを払拭するために「東日暮里」と改められ、その2丁目3番地あたりが、現場にあたる。
現在ではマンションが築堤上の線路ギリギリまで建っているため、ガードを潜り抜けた反対側、荒川3丁目16番地よりかつての現場を望む。
実は、地図を見ていながらも初めは現場の見当がなかなか付かず、はて?と首を傾げていたら、折りから貨物列車が通り掛かり、すぐ上でポイントを通過する音が聞こえて、ここなのか!と知った次第。
なんだか、天の“お導き”があったような気がした。
現場で黙祷を捧げてから、三河島駅より程近い浄正寺にある犠牲者慰霊塔へも、お参り。
明日を向いて生きるということは、過去にどんなことがあったのかをしっかりと認識することから始まる-そんな気がした。
そしてもう一つ。
今日訪ねるにあたり、改めて資料を調べたところ、事故発生は昭和37年5月3日の21時40分頃。
つまりあと3日で、事故から50年の節目を迎えるわけである。
いまこの時に私が現場を訪ねようと思い立ったのも、やはり何かの因縁なのだろうか…。
『戦後、国鉄(当時)常磐線で起きた列車の大衝突事故』-その程度の知識は、小学生の頃より私にもあった。
確か、父の勤めていた企業が発行した記念誌を暇つぶしに何となくめくっていたら、社会的事件のページに写真入りで紹介されているのを、見たのだと思う。
めちゃくちゃに壊れた電車が横転している様子は、子ども心にも衝撃的だったと記憶している。
北村薫の小説「リセット」のなかにも、この大事故をモデルにしたシーンがあったはずだ。
この大惨事がいかにして発生したのか、ひょんなことから詳しく知ったのは、つい先月のこと。
上段写真は、常磐線三河島駅の先端より、事故が起きた下り方向を撮影したもので、左端の線路が田端操車場からの貨物線、その右隣が、上野からの下り本線。
ここより350㍍先で、貨物線は下り本線に合流するわけだが、停止信号を見落とした貨物列車のSLは、隣を並走していた下り電車とここのポイントで側面衝突、電車は上り線路を塞ぐようにして脱線、事故を知らされていない上り電車が間もなくやって来て、急ブレーキも間に合わず、正面衝突したのである。
詳細を知って以来、何故か私は、この大事故が頭から離れなくなった。
そしてついに今日、意を決してかつての事故現場を訪ねてみることにした。
事故現場の住所は、かつては「三河島町」と言ったそうだが、事故後はマイナーなイメージを払拭するために「東日暮里」と改められ、その2丁目3番地あたりが、現場にあたる。
現在ではマンションが築堤上の線路ギリギリまで建っているため、ガードを潜り抜けた反対側、荒川3丁目16番地よりかつての現場を望む。
実は、地図を見ていながらも初めは現場の見当がなかなか付かず、はて?と首を傾げていたら、折りから貨物列車が通り掛かり、すぐ上でポイントを通過する音が聞こえて、ここなのか!と知った次第。
なんだか、天の“お導き”があったような気がした。
現場で黙祷を捧げてから、三河島駅より程近い浄正寺にある犠牲者慰霊塔へも、お参り。
明日を向いて生きるということは、過去にどんなことがあったのかをしっかりと認識することから始まる-そんな気がした。
そしてもう一つ。
今日訪ねるにあたり、改めて資料を調べたところ、事故発生は昭和37年5月3日の21時40分頃。
つまりあと3日で、事故から50年の節目を迎えるわけである。
いまこの時に私が現場を訪ねようと思い立ったのも、やはり何かの因縁なのだろうか…。