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迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

あそびであそぶ。

2017-03-14 15:33:50 | 浮世見聞記
房州佐倉の国立歴史民俗博物館で、「見世物大博覧会」展を見る。


江戸時代、浅草や両国では“見世物”といふ大衆娯楽が全盛だった。


魚の干物を使って見立てた「三尊仏」や、鮑貝で拵へた伊勢の「二見ヶ浦」、そしてそれを眺める椎茸と昆布で見立てられた旅人―

当時の記録をもとに復元されたそれら“細工見世物”は、現代の目で見ると見世物の域をはるかに超えた、高水準にしてわかりやすい芸術作品(アート)そのもの、と言へる。

これこそが、江戸時代といふ泰平の世がもたらした、“心のゆとり”だ。

ゆとりがあるから、かうした遊び心に富む文化が生まれる。

だから、いつ、誰が見ても、楽しい。

さうしたものを目にしてゐた江戸庶民の文化水準は、なかなかのものだ。



作り手と、見る者の双方が共に楽しめて、娯楽文化は成立する。


人にものを見せやうといふ人間は、それを忘れてはならぬ。
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