
品川區内でも住宅地色の濃い二葉でよく見る、「蛇窪」の二字が躍る垂れ幕に興味を覺えて、語源たる「蛇窪神社」に寄り道す。

鎌倉後期、雨乞い祈願の成功に感激した北條一族の旧臣たちの手によるとも、當地の豪農森屋氏の手による創建とも傳はる。

件の蛇は、今は無い境内の池に棲んでゐた白蛇様に由来云々、

令和元年に現在のミカドが即位したのを機に、社號をそれまでの「天祖神社」から、通稱だった「蛇窪神社」へと改稱云々、いらい地域活性化に助力云々。
いかにもそれらしく、なかなか廣くて綺麗な境内には、その方面が喜びさうな“パワースポット”が整備されてゐる。

その一隅に、幸運を招く石臼があって近寄り見れば、お初穂は「お氣持ち」と云ひながら、しっかり「弐百圓以上で」と金額を指定する強かさよ。

神の庭も、白蛇様の功力も、衆庶のフトコロによって維持されてゐる、さうした浮世の仕組みがよくわかる憩いの庭、やはり浮世は何事も、ゼニ次第じゃ。