迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

戰慄の本家茶番劇。

2021-06-29 10:21:00 | 浮世見聞記
ウガンダの件以前にも、二月に佛人、四月にエジプト人、五月にスリランカ人、今月にガーナ人のそれぞれ一名づつ、計四名の茶番大運動會の関係者が疫病感染のまま入國が發覺云々。


また、米國大統領も茶番大運動會のための来日予定は無いと表明云々。


このままでは、惡評高い1936年の第11回ベルリン大會に比肩する事態となりかねない、との記事を見かけて、何のことだらうと氣になり、ちょっと調べてみただけで戰慄する事實が出るわ出るわ、我が目を疑ふ。



それらを詳述してゐては長くなるので端的に云ふと、當時独國を統一したヒットラー率ゐるナチスは、8月1日~16日の大會期間中、反ユダヤ主義に象徴される人種差別政策を巧みに隠蔽し、いかにも“平和の祭典”を装ひ、世界各國を見事に欺き通した、と云ふことである。

もっとも、わずかな報道記者がナチスは五輪大會を軍事的政略のため巧妙に利用してゐることに氣が付いてゐた。

そんな彼らのイヤな予感は、大會の“成功”からわずか三年後に勃發した第二次世界大戰といふ形で、的中する。


チェコスロバキア、オーストリア、ハンガリー、ユーゴスラビア、ブルガリアと侵略して行った道順は、實は第11回ベルリン大會で初めて行はれた“聖火リレー”の順路を逆行するもので、そのことからナチスが聖火リレーを始めた本當の理由は、侵略予定國の道路事情を實地調査するためだった、と云ふのが現在では通説。

それが事實だとしたら、聖火リレーがいま日本國の至る所で物議を醸してゐる理由も、よくわかる。



そもそも、平和の理念に基づいて始められたものではないのだから……。


五輪大會を軍事的計画隠蔽のため、巧みに“平和の祭典”を装ひ利用したナチスの所業はまさに惡魔的で、これが本當に人間のやることなのかと、我が目と耳を疑ひたくなる。

決して許されない、筋金入りの茶番劇!


……それに比べて、いま強行されんとしてゐるトウキョウ大會の茶番ぶりはどうであらう。

なんら計画性もなく、理念も感じられず、惡魔的までに周到綿密な計画のもと遂行されたベルリン大會と比肩どころか、それすら下回る体たらくだ。



私は今度の茶番大運動會には全面的に反對であり、あくまで中止を唱へるものである。

もし強行──開催ではない──された場合、無観客であらうがなからうが、競技も選手も、情報を一切遮断する。


その徹底して無視する姿勢は変へないが、人災疫病による國難と云ふ観点から、このトウキョウ茶番大運動會がどれほどの歴史的汚点を記すものか、その事實だけは、物見櫓からしっかりと見届けおく。





この時代を振り返るであらう、近未来の自分のために……。






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