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迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

紅葉の味はたぶんほろ苦い。

2020-11-13 20:07:00 | 浮世見聞記
散歩途中に立ち寄ったリサイクルショップで、上村松園の「花がたみ」(大正4年)の繪葉書に出逢ふ。



同名の謠曲から取材したこの名画に、かつて國立近代美術館の特別展で初めて逢ったとき、口許から覗くお歯黒に艶めかしいまでの美しさを見て、しばらくその場から動けなかったものだった。


その狂女に、私は再び逢った。


原典の謠曲「花筺」では、狂女は愛する男性──天皇にておはします──との再會を果たし、狂亂はおさまる。



私自身は、さういふ劇的な再會など作品世界でしか知らない。



……だから私は、

思ひ出といふやつが嫌ひなのだ。






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