迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

一調一生。

2024-08-26 20:00:00 | 浮世見聞記
ラジオ放送で、能樂の樂器と、謠ひとの“一騎打ち”を聴く。鼓、または太鼓(締太鼓)と謠のみで一曲のサワリを奏する形態を「一調」と云ひ、シテ方の謠と囃子方の樂器とが、日頃鍛練の技量をその一曲のなかでぶつけ合ふもので、“合奏”と云った仲良しこよしでないところが、ほかの音樂とは違ふ點か。聴衆は舞薹上における能樂師の、さうした真剣の妙を味はふ──のが、一調の樂しみのやうだが、見物人のはうにも謠ひや鼓の真剣な . . . 本文を読む
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