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映画や歌舞伎、音楽などのアブクを残すアクアの日記。のんびりモードで更新中。

6月歌舞伎鑑賞教室「国性爺合戦」

2006-06-24 23:31:30 | kabuki
午前の部の歌舞伎鑑賞教室に行って来ました。
半蔵門の駅を出るときから、高校生、高校生、高校生!!1階席の大半は高校生で埋まっていたんじゃないかしら。
私の座った3階の後方はガラガラでした。

解説「歌舞伎のみかた」は亀三郎さん。淡々と解説されていましたが、結びの「先入観を持たずに、笑いたかったら笑い、感動したら拍手して、楽しんでください。」と力強く話していた言葉に、歌舞伎への愛を感じました。

さて、「国姓爺合戦」は「日本のシェークスピア」ともいわれる(らしい)近松門左衛門作で、初演で17ヶ月もロングランされるほどの人気だったそうですが、本来の面白さであるスペクタクルあふれる壮大な物語の部分が、今回の短縮して上演される中で、ごっそりと損なわれてしまったように感じてとても残念でした。
亀三郎さんが解説でおっしゃっていたように、鎖国中の日本では隣国の状況も分からなかったんでしょうから、中国を舞台としたお芝居ということでも人気が出たんでしょうね。

そんな中で、ずば抜けて凄かったのが右之助さんの和藤内母・渚。
獅子ヶ城甘輝館の場での、後手に縄で縛られた姿で錦祥女(芝雀さん)と錦祥女を殺そうとする甘輝(信二郎さん)の間に割って入り、決して殺させまいと体を張って止める右之助さんからは、母としての深い愛と日本の誇りが内から内から溢れ出て、小柄な右之助さんの毅然とした姿に見入ってしまいました。
それは、強靭な精神力と体力とがあってからこそのお芝居だったんでしょう。
甘輝から刀を喉元に突きつけられて膝を突いて仰け反る形の美しさ。甘輝を、錦祥女を、歯で袖を噛んで引き止める、笑いさえも起きかねない状況を一蹴する気迫。
お終いの、錦祥女に重なるように息を引き取る場面でも、うつ伏せに倒れながらも顔は錦祥女の着物に触れずぴくりとも動かない姿に、最後の最後まで渚を体現する右之助さんの歌舞伎役者としての尊い信念のようなものを感じました。
ほんと、右之助さんの渚を観られてよかった

獅子ヶ城紅流しの場は有名ですね。
錦祥女の合図を待ち舞台の真ん中の橋の上に立った和藤内(松緑さん)が、川面が赤くなるのを見て「紅が流れた」と叫びます。
このシーンが、むかしの芸者さんたちの間での「和藤内」の隠語につながったそうですよ!これ、分かります?コチラで探してみてくださいね

6月歌舞伎鑑賞教室チラシ ウラ


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
右之助さん (いーづ)
2006-06-25 12:44:00
こんにちは。

わたしもやっとこ金曜日に観に行けました。

本当に右之助さんの渚はすばらしかったですね。

鑑賞教室ではなく本舞台で観たいと思いました。
右之助さん!! (アクア)
2006-06-25 21:47:23
こんばんは、いーづさん。

「国姓爺合戦」鑑賞じゃなくて、右之助さん鑑賞のような内容でしたね、この記事。でも、ほんとに右之助さんが素晴らしくていーづさん同様涙が滲んでしまいました

右之助さんって名前しか存じ上げなかったんですが、これから要チェックです
Unknown (hu_ka)
2006-07-02 09:41:57
はじめまして!今日はhttp://blog.goo.ne.jp/img_emoji/hiyoko_cloud.gif

右之助さん、ほんとうによかったですね。

いままで、気づかなかったけど、歌舞伎座でも活躍なさっていたのかしら?

これから、ちゃんと観なくちゃ!

私は夜の部の社会人教室でしたが、

かけ声が面白かったです。「すばらしい!」とかなんとか、

でも右之助さんに、ではなかった!

じっくり、すばらしかったーと感動する、そんな渚でした。



はじめまして、hu_kaさん。 (アクア)
2006-07-02 23:54:00
国姓爺合戦、右之助さんの渚以外の記憶があまり無いんです…いったい、何を見ていたんでしょう?ま、右之助さんがあんまり素敵だったからヨシとしたんですけど。

「すばらしい!」って掛け声、なんだか嬉しいですね。高校生なんかが思わず掛けてしまったとしたら、尚更嬉しいです

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