Daily Bubble

映画や歌舞伎、音楽などのアブクを残すアクアの日記。のんびりモードで更新中。

S係長

2006-06-29 23:19:54 | diary
4月から、私の直属の上司となったS係長。
まぁ、どこにでもいるようなおっさんに見えるんですが、なかなかの切れ者なんです。
仕事上での質問はまず間違いなく回答してくれ、怠け者とおとぼけさんが多い我が部署で、S係長の存在はキラリと光っています。

そのS係長の特技(?)は記憶力。
仕事に関連することは勿論、どんなくだらないことでもよく憶えているため、こっそり人間ウィキペディアと呼んでます。
その守備範囲は多岐に渡り、しかも無料。S係長の尊敬すべきことの一つは、決して自慢したりもったいぶったりしないところで、そのために部下からも慕われる心優しき上司です。

今日は、有森裕子の元夫の名前が思い出せずにうーんうーんと悩んでいましたが、通りかかったS係長に聞いてみたところ…。
少しの間をおいて、
「ガブリエル」

仕事中に、有森裕子の話をしている私たちも私たちなんですけどね

六月大歌舞伎 昼の部’

2006-06-27 23:55:04 | kabuki
「荒川の佐吉(の仁左衛門さん)」があんまり素敵だったので、長々とした記事になってしまいましたので、それ以外をこちらにサクッとメモしておきます。

*君が代松竹梅*
翫雀さん、孝太郎さん、愛之助さんによる松竹梅の踊り(うーん、書いていて意味不明ですね。)。それぞれ手には松だの竹だのを持ち、平安貴族の装束で厳かに舞っていきます。
翫雀さんがさすがに奥行きのある踊りを見せてくれて、楽しかった。
豪華絢爛な衣装でしたが、平安の装束だとか踊りだとかって、どうもよく分からないのです

*双喋々曲輪日記*
「絶対に嫌いなはずだ」って決めつけていたお芝居でしたが、意外や意外面白かったですよ。
何が嫌いって、どうもお相撲さんが好きじゃないんです。本物のお相撲は嫌いじゃないけど、お芝居に出て来るお相撲さんの肉襦袢を着てすごく作りこんだ声を出すのがどうも好きになれなかった。お相撲さんだっていろいろいるのに、お相撲さんっていう決まり決まった役作りをすることに違和感を持っていたんですね。
で、高麗屋さん親子の角力場ですが、染五郎さんの若旦那・与五郎の「つっころばし」っぷりがとてもはまっていて◎。
さらに、幸四郎さんの濡髪と染五郎さんの放駒との対比が、非常に面白かった。お互いの言い分を勝手に言い合って争う訳なんだけど、それだけのことなのに不思議に面白かったんですよね。なんなんだろ?
連勝中の角界の重鎮・濡髪が、与五郎のために放駒を勝たせるっていうのは、相撲取りとしてどうなの?とも思うけど、それほどに与五郎が大事だったのかしらね?ま、あれだけ濡髪びいきな若だんなだったら、自分が負けてでも若だんなを幸せにしてあげたいと思うものなのかもねぇ。
対する放駒は、幼いほどに若くて可愛いんですね。濡髪に食ってかかる染五郎さんが素敵でした。
そうそう、高麗蔵さんの吾妻がまた色っぽくてよかった。

*藤戸*
吉右衛門さんの老婆は、お写真で見るよりもずっときれいでした。体の大きさをすべて隠すことはできないでしょうけど、それが気にならなかったのは、対する梅玉さんの佐々木盛綱が格調高く質の大きさを備えていたからでしょうか。
でも、楽しいのはやっぱり後ジテの漁夫の霊の吉右衛門さんの大きさですね。龍を頭に載せて舞台を暴れる吉右衛門さんと郎党たちとの戦い、動の吉右衛門さんと静の梅玉さん、これが楽しくて引き込まれました。
花道を引っ込む吉右衛門さんの穏やかで堂々とした大きさが、とても嬉しかったのです。
途中、浜の男(歌昇さん)と浜の女(福助さん)による踊りがあり、歌昇さんのキレのある動きと福助さんの可愛らしい色っぽさが贅沢でよかったです。このお二人の舞台、もっと見てみたい!

以上、駆け足の昼の部でした。
ところで、9月の秀山祭のチラシを貰って動揺しています歌舞伎座のメルマガで十分に動揺したんですけど
なんとか財政再建したい今日この頃なのに、こんな魅力的な演目は困りますよ、松竹さん

六月大歌舞伎 昼の部

2006-06-26 23:15:16 | kabuki
千穐楽の歌舞伎座に行ってきました。
今月の歌舞伎座は魅力的な演目が少なく、まぁなんとなくな感じだったんですが、ちょっとびっくりするくらい楽しみました。

*荒川の佐吉*
真山青果か、新歌舞伎かぁと全く期待しないで拝見(笑)しましたが、涙と鼻水で顔がべたべたになるくらい泣いてしまいました。

とにかく仁左衛門さんの佐吉がいい。15代目羽左衛門にあてて書いたお芝居だそうですが、長身で華のある仁左衛門さんにピッタリの役柄。
序幕の佐吉はまだまだヘタレなやくざだけど、群集の中から現れる仁左衛門さんの若さったら!友人の大工辰五郎役の染五郎さんとの違和感がまるで無い。着幅の短い縞の着物が似合います。
この場では、佐吉よりも段四郎さんの浪人郷右衛門の落ち着いた不気味さが鈍く光っていましたね。
次に佐吉が現れるのは、親分鍾馗の仁兵衛(芦燕さん)が落ちぶれて、孫で盲目の卯之吉の世話を頼まれるところだけど、甲斐甲斐しく卯之吉をあやし面倒を見る仁左衛門さんに、どことなくご本人と重なるイメージを抱き「いいおじいちゃんなんだろうなぁ」なんて感じてしまう。ただただ子供が大好きで、親分の孫だから、とか目が見えなくて可愛そうだから、とかじゃなくて生まれながらの子供好きなんでしょうねぇ。だから、滞在先の甲府でも麻疹をうつされてしまうんだわ。
この「子供好き」っていう設定はズルイよね。子供と動物が出てきたら、それだけで涙腺はゆるんでしまうよ。
それから6年(?)が経ち、卯之吉は大きくなり佐吉は辰五郎と一緒に貧しいながらも楽しげに暮らしている。ここでの佐吉は、貫禄が付いてきたけれど、まだ若くて下っ端なやくざ。
そこに、卯之吉の実父母から卯之吉を返して欲しいと使いの白熊の忠助(團蔵さん)がやってくるところから、ぐんっと急展開。
忠助が無理矢理に卯之吉を奪おうとするのを必死で止める内に、忠助を殺めてしまう。この初めての殺人が佐吉を本物の侠客にしてしまう。覚悟を着けてしまう。
で、親分仁兵衛の仇・郷右衛門を討つことになるんだけど、大親分の相模屋政五郎(菊五郎さん)、郷右衛門(段四郎さん)、佐吉(仁左衛門さん)が並ぶ舞台は3人の役者さんの個性がぶつかり合う豪華で迫力のあるものでした。佐吉は、もう2人の侠客と対等に渡り合える才覚を身に着けていて、今までの若い下っ端やくざじゃなくなっている。この佐吉の変化が面白くて、仁左衛門さんのきれいなだけじゃないハラのあるお芝居を観たように思いました。
郷右衛門を討ち、すっかり立派なやくざになった佐吉だけど、やっぱり卯之吉は可愛くて、だから盲目なのが可哀想で心配なのね。そこにまた、実母お新(時蔵さん)が卯之吉を返して欲しいとやってくる。
ここからラストまでずっと泣きっぱなしでした、私。。
己の勝手で子供を捨て、また欲しいというお新。でも、彼女にもそれなりの理由があるし、佐吉にしてみれば卯之吉の幸せがいちばんだし。
お新と政五郎を前にした佐吉の長台詞は、仁左衛門さん涙を流しながらの熱演でしたね。
結局、卯之吉をお新に返し、二代目仁兵衛を継いで欲しいという政五郎の申し出を断って江戸を離れる佐吉。
翌朝、桜の花の中を旅立つ佐吉はもう卯之吉と決別していて、すごく悲しいのに清々しくて美しい旅姿。一方で、染五郎さんの辰五郎は初めから変わらない町人の姿で、佐吉の変化をより鮮やかに見せてくれます。
仁左衛門さんの佐吉はそれはもう素晴らしかったけど、菊五郎さん、染五郎さん、段四郎さん、時蔵さんと脇を固める役者さんたちのイキもぴったりで、会場内の落涙率はかなり高い模様でした。
お話自体はそんなに好きじゃないけど、とにかく役者さんの芸の力に引き込まれてしまったのかしら、と思ってます。仁左衛門さん以外の「荒川の佐吉」ってちょっと想像できないわ…。

他の演目はまた明日~☆

永ちゃん!!!

2006-06-25 22:25:18 | music
ROCK IN JAPAN FES.の最終出演者発表がありましたね~。
私は最終日のみの参加ですが、大トリがナントナント矢沢永吉ですよ!凄いねぇ、一発変換できちゃうよ。<ソコかよ!と一人ツッコミ…。
一度、ライブゲストで生永ちゃんを見ているんですが(コチラが当時の記事)、ひたちなかの空の下で生の永ちゃん。ちょっと想像できないよ。

で、気が早いけど当日のスケジュールを組んでみました。
11:00~GRASS STAGE グループ魂
12:20~GS 木村カエラ
13:40~GS サンボマスター
15:10~LAKE STAGE ohana
16:20~LS 矢野顕子 featuringレイ・ハラカミ
17:30~LS CHARA
19:00~GS 矢沢永吉

ってとこかなぁ。前半は、ドリンク&お昼寝タイムになりそうな予感もするけど。
でも、去年やらなかったスネオヘアー(10:30~LS)も見たいなぁ。
吉井和哉(17:40~GS)も逃せない気もするし。イエモンの時のこのフェスでのライブは凄かった!雨と風の中で歌う吉井さん、かっこよかったよ!!
チャットモンチー(18:10~WING TENT)もちょっと気になるしね。
DJブースの中も、梅ちゃんのパフォーマンスは見たいんだけど、ohanaちゃんの前だから無理よね。。

ところで、1日目のトリはくるり、2日目はCOCCOなんですね。去年は岸田君もこっこちゃんも同じステージに立っていたのにね(@シンガーソンガー)。懐かしいなぁ。一年なんてあっという間ね。

去年の模様はコチラ。あ、シンガーソンガーは見てないけどね。

6月歌舞伎鑑賞教室「国性爺合戦」

2006-06-24 23:31:30 | kabuki
午前の部の歌舞伎鑑賞教室に行って来ました。
半蔵門の駅を出るときから、高校生、高校生、高校生!!1階席の大半は高校生で埋まっていたんじゃないかしら。
私の座った3階の後方はガラガラでした。

解説「歌舞伎のみかた」は亀三郎さん。淡々と解説されていましたが、結びの「先入観を持たずに、笑いたかったら笑い、感動したら拍手して、楽しんでください。」と力強く話していた言葉に、歌舞伎への愛を感じました。

さて、「国姓爺合戦」は「日本のシェークスピア」ともいわれる(らしい)近松門左衛門作で、初演で17ヶ月もロングランされるほどの人気だったそうですが、本来の面白さであるスペクタクルあふれる壮大な物語の部分が、今回の短縮して上演される中で、ごっそりと損なわれてしまったように感じてとても残念でした。
亀三郎さんが解説でおっしゃっていたように、鎖国中の日本では隣国の状況も分からなかったんでしょうから、中国を舞台としたお芝居ということでも人気が出たんでしょうね。

そんな中で、ずば抜けて凄かったのが右之助さんの和藤内母・渚。
獅子ヶ城甘輝館の場での、後手に縄で縛られた姿で錦祥女(芝雀さん)と錦祥女を殺そうとする甘輝(信二郎さん)の間に割って入り、決して殺させまいと体を張って止める右之助さんからは、母としての深い愛と日本の誇りが内から内から溢れ出て、小柄な右之助さんの毅然とした姿に見入ってしまいました。
それは、強靭な精神力と体力とがあってからこそのお芝居だったんでしょう。
甘輝から刀を喉元に突きつけられて膝を突いて仰け反る形の美しさ。甘輝を、錦祥女を、歯で袖を噛んで引き止める、笑いさえも起きかねない状況を一蹴する気迫。
お終いの、錦祥女に重なるように息を引き取る場面でも、うつ伏せに倒れながらも顔は錦祥女の着物に触れずぴくりとも動かない姿に、最後の最後まで渚を体現する右之助さんの歌舞伎役者としての尊い信念のようなものを感じました。
ほんと、右之助さんの渚を観られてよかった

獅子ヶ城紅流しの場は有名ですね。
錦祥女の合図を待ち舞台の真ん中の橋の上に立った和藤内(松緑さん)が、川面が赤くなるのを見て「紅が流れた」と叫びます。
このシーンが、むかしの芸者さんたちの間での「和藤内」の隠語につながったそうですよ!これ、分かります?コチラで探してみてくださいね

6月歌舞伎鑑賞教室チラシ ウラ

6月の読書日記

2006-06-23 23:41:02 | book
w杯、残念でしたね。あまり興味は無いと思っていたのに、やっぱり1次リーグで敗退ということになると寂しく感じます。
こうなったら、とことんブラジルを応援するしかないかしら?
今までの試合は落ち着いて観ることができなかったけれど、これからは客観的に楽しめそう

さて、そんなサッカーのせいで(?)少し疎かになってしまった今月の読書日記。

『ひなた』吉田修一
春、夏、秋、冬。
レイ、尚純、桂子、浩一。
4つの季節と4人の生活で構成されるお話は、少しいびつな関係を持つ家族の物語で、私にとっての「ひなた」を考えさせられました。
ひなたの在り処はひとりひとり異なって、その時々によっても変わるものなんでしょう。辿り着いた先にあるひなたが、じめじめとした場所なのかもしれません。
それぞれに、ひなたを求める登場人物たち(上記の4人以外も)の作る家族の風景はあやふやで小さいけれど、あたたかな匂いが漂ってきました。
ちなみに、私はお母さん・美鶴さんのしなやかな明るさに惚れましたよ。

『空中ブランコ』奥田英朗
『イン・ザ・プール』の続編なんですね。それから読めばよかった…。
精神科医伊良部先生の呆れるほど特異なキャラクターもすごいけれど、その病院に訪れる人たちの設定がまたまた普通じゃなくて、もう笑うしかない。
タイトルの「空中ブランコ」より、「ハリネズミ」と「義父のヅラ」が好き。先端恐怖症のヤクザに大爆笑です。
どの作品もトップスピードで走っているんだけど、最後にはほろほろっときれいに収まるのがいいですね。

『雪屋のロッスさん』いしいしんじ
感想は、コチラにございます。

『ぶらんこ乗り』いしいしんじ
この小説が、いしいしんじさんのデビュー作だったようです。
高校生の女の子が語る、弟のお話。主人公を意識しすぎたように感じる文体は馴染めなかったけれど、ストーリーは凄い!と思います。
ぶらんこを乗ることと指を鳴らすことが上手な、天才的に頭がいい弟が知ってしまったほんとうの世界。楽しくて可愛く見える世界は実はとっても怖いんだけど、その怖さを優しく包んだことがこの小説を童話のように感じさせるんでしょうか。
私には、この独特のタッチが段々と面白くなってきました。

『窯変源氏物語2』橋本治
若紫 末摘花 紅葉賀
末摘花でくすくすっと笑わせてくれて、その後に続く紅葉賀の美しく憂える様がとてもとても素敵でした。でも、やっぱりくすっとさせられてしまうんですけれど。

こんな感じの6月でした。
で、これから読みたいのはこちら。

『ポーの話』いしいしんじ
『ライオンハート』恩田陸
『うそうそ』畠中恵
『人形になる』矢口敦子
『幽界森娘異聞』笙野頼子
『窯変源氏物語3』橋本治

6月が男性作家さんばかりだったので、女性作家中心に。
さぁて、そろそろやる気を出さなくちゃね

スロー・ナイト スロー・ライフ

2006-06-21 21:29:46 | diary
夏至です。一年でいちばん夜が短い日。
gooブログのトレンドランキングでずっと上位にランクインされていたのに、無視していたコチラ↓のサイトに今さらながらアクセスしてみました。

100万人のキャンドルナイト
普段の慣れたでんきを消して、ゆっくりと暗がりを楽しむイベント。なかなかいい時間を過ごせそうです。

さて、私もロウソクを灯しましょうと探しましたが、ゆとりのない生活を送っている私の部屋に素敵なロウソクは見つかりませんでした。
そこで応急処置として、アロマキャンドルを使うことに
今週の初めから体調を崩し(「腸の風邪」ってやつかしら?)眠ってばかりの日々なんですが、ティートゥリーの清潔感あふれるクールな香りで気分もスッキリしてお腹の中からきれいになれそうな気がします。

もう少し元気になったら、綺麗なロウソクを求めて遊びに行きましょう。キャンドルナイトは、夏至だけのものじゃないものね。
ロウソクを灯す心のゆとりを、でんきだけに頼らない生活の知恵を、忘れずに持ちたいものです

六月博多座大歌舞伎@玉さん

2006-06-19 22:31:03 | kabuki
今月の博多座は勘三郎さんの襲名披露興行ですね(博多座HP)。玉さんから博多座の様子をコメントで教えていただいたので、私が独り占めするのは勿体無いと思いUPします。勘太郎さんがご活躍の様子~☆
以下、玉さんの六月博多座大歌舞伎の記事です。


『熊谷陣屋』
朝一の一幕目は橋之助さんの直実、扇雀さんの相模の「熊谷陣屋」。七之助さんの藤の方は贔屓目で見ても線が細すぎる・・・普通この芝居の中の義経って相当嫌な奴って思うんですが、勘太郎さんの義経は気品もあってなぜか憎めない。亀蔵さんの梶原景時はもっと分かり易く殺されてほしかったなー。
『連獅子』
もちろん中村勘三郎さん父子の三人連獅子です。
毛振りは観ててもこちらが緊張するほどの迫力。
ここでも勘太郎さん、頑張ってたなぁ!七之助さんもよかったけどもう少し頑張ってもらいたいたかったなー。
『人情噺文七元結』
昼の部の襲名披露狂言。勘三郎さんお得意の笑いあり涙ありのお芝居・・扇雀さんとの掛け合いは熟練の漫才コンビのようなぴったりの呼吸。やっぱり勘三郎さんうまいっ!
文七役の勘太郎さんが身投げするところを勘三郎さんが助けて50両を投げつけ「死んじゃぁいけねーよ、死んじゃぁいけねーよ」って花道を去っていく場面、さすがにいい味出てます。
勘太郎さんは「身寄りのない孤独な手代」の哀愁がとても良く出ていて頼りなげで綺麗で素敵!
扇雀さんからは、名前が大き過ぎる父上とはまた違う自分の居場所を見つけて真剣勝負している清清しさが伝わって来ました。角海老女郎の小山三さんも存在感ありました。
『弁天小僧』
夜の部、襲名披露口上のあとの演目。勘三郎さんは江戸っ子のべらんめぇ台詞が小気味よくって、まさに錦絵の世界。富十郎さん稲川の勢揃いの場では一人、背の低さが目立ってました。
『雨乞狐』
夜の部のトリにこの「雨乞狐」とはナイスチョイス。勘太郎さんが、野狐・巫女・座頭・小野道風・狐の花嫁の五役早変わりで踊るまさにワンマンショー。提灯お化けの踊りは清水大希くん改め鶴松くん、大きくなったな~。最後の野狐の登場は意表を突いてのイナバウアーもあってお客さんは大喜びでした。「勘太郎狐の名を賜り~」と言ってましたね。

とにもかくにも今月の博多座は昼夜通して勘太郎さんオンステージ状態。勘太郎さん、また一まわりも二まわりも大きく成長されてました。

博多座はこれまで経験したどの劇場より観やすいし、スタッフも気持ちのよい対応だし、ノベルティーグッズも充実してるし、最高でした。


私自身は、歌舞伎のための旅行ってしたことがないんですが、なかなかステキな様子の博多座。2月のラインナップに注目してみましょうか。

マイケル・ナイマン・バンド コンサート2006

2006-06-18 21:48:23 | music
マイケル・ナイマンと言ったら映画音楽ですが、映画がナイマンを呼ぶのか、ナイマンが映画を呼ぶのか、彼のかかわる映画はどれも不器用で美しく、私の心の隙間にすーっと入り込んでほろほろと涙を誘います。
現代音楽なんて難解極まりなさそうなものはさっぱり分からないんですが、映像とくっついてしまいそうな程の緊密な彼の音楽が大好きで、久しぶりにどきどきしながら行ってまいりました。

ナイマン・バンドについての知識など全く持たないままに席に着いたんですが、真っ黒いステージに真っ黒い衣装のメンバーが11人、最後にナイマンさん。スキンヘッド(と言うか…)率が高いように感じたのはご愛嬌(笑)?
コンサートは「ひかりのまち」から始まりましたが、ロンドンの街に散らばった光たちの映像が浮かび上がり、鳥肌が立つようなあの複雑な感覚が蘇りました。光たちは会場に散らばってそのカケラが心に突き刺さる。身動きも出来ないような空気に捉えられて、なんだかぐったりするほど幸せでした。
第1部は「ことの終わり」「めぐり逢う大地」「プロスペローの本」と続きましたが、前方左手の私の席はサックスさんたちの目の前で、彼らの刻む音が真っ直ぐにぶつかってくるのが凄く楽しかった。特に「プロスペローの本」のあの機械的な音の行進(あの繰り返す音のうねりをミニマリズムと捉えていいんでしょうか?)がなんとも言えない高揚感を与えてくれてすっごい楽しかった。

音響についてはちょっと残念なところもあって(スピーカーと生音との乖離が酷くて、スピーカーが煩わしく感じた)、もっときちんとした音響のホールで聴けたらさらに凄いんだろうなと思いました。

で、第2部。
ピアノソロの「ピアノ・レッスン」は、ぶっきらぼうに思えるような弾き方だったけれど、それが殊更愛おしかった。うーん、どうしようもないほどの美しい曲、と再確認させられてしまう。そういえば、ナイマンさんのしわくちゃのスーツは裏地のブルーが鮮やかで、おしゃれだったんでした。
メンバーが戻って「バードワーク」。凄かった。CDの100倍くらい凄かったよ。バラバラに鳴る音はまるで交わらないようなのに、会場を圧巻する大きなひとつのうねりになっていく。クラシックとかロックとかいうジャンルを超えた凄まじく狂おしい音楽、でした。これが、正確に整然と音を作るナイマンさんから生まれる音楽なんだから、凄いとしか言いようがありません。
続いて「数に溺れて」。この映画、観ていないんですがこれはもう絶対に観なくちゃ。
最後は中川晃教さんが出てきて「エレンディラ」。蜷川幸雄演出の舞台の曲のようですが、ミュージカルとかに疎い私には正直よく分からなかった…。

最高に幸せなコンサートでした。
バンドのメンバーたちもすごいキュートで、彼らの醸し出す暖かいオーラが伝わってきて、極上の音楽と絡まってそれはそれは幸せなコンサートでした。

あ、アンコールもありました。ピアノソロで「ひかりのまち」が始まると、溢れ出す涙を止められませんでした。
ナイマンさん、ナイマン・バンドさん、素晴らしいコンサートをありがとうございました。
そして、コンサートを紹介してくださったSaさん、ほんとうにありがとうございました。

transition/山崎まさよし

2006-06-18 21:26:02 | music
ちょっと前の記事で、雨の日曜日にはボサノヴァがよく似合うなんてことを書いたけど、特に予定の無い日曜日のドライブには山崎まさよしの”transition”もなかなかステキです。あ、一人ドライブ限定で(笑)。
普段着のまさやんが隣にいるような感覚のこのアルバムはMDに落としてあって、クルマに乗ってなんとなく指で探してこれに当たるととても嬉しくなります。

シングルの「Plastic Soul」が収録されているアルバムで、ちょっとクールな風を装ってもいるんだけど、でも肩肘の張らない楽曲が並んでいて、やる気も予定もない日曜日の朝がキラキラと明るくなります。
「手をつなごう」とか「愛のしくみ」なんかの可愛くてハッピーな曲、「明日の風」や「夏のモノローグ」などの爽やかで心地よい曲など、どこから聴いても楽しいよ。
まさやんの声やギターはいつも変わらず素敵で、その声に包まれたら楽しくない訳がないじゃない。
で、帰宅してライブアルバムなんか聴いて踊ったりなんかしています

今月28日には3年ぶりのオリジナル・アルバム「ADDRESS」が出るようです。うーん、ライブに行きたい!
ライブといえば、J-WAVE LIVE 2000+6にも出演するんですよね~♪まさやんの出る20日、くるり、ボニーピンク、元ちとせと揃っていてステキです!!この緊縮財政の最中、行くべきか行かざるべきか悩むところ…。