Daily Bubble

映画や歌舞伎、音楽などのアブクを残すアクアの日記。のんびりモードで更新中。

サンキュー2006

2006-12-31 23:39:44 | music
今年もあと少しで終了です。短かったような長かったような一年(いつもそう思うものだけど)。
ここ数年、年末はカウントダウンイベントやライブ、忘年会やらで家を空けていたんですが、今年は家でぬくぬくと紅白やらフィギュアやらを見ております。スガさんは見逃したけど、美川憲一はバッチリ見ましたよ!衣装というか舞台というか、ゴージャスな(まさかダンサーが入ってるとは思わなかった…)ステージに笑わせていただきました。そして!小林幸子さんの登場に爆笑ですよ。すごいよ、さっちゃん。どこまで伸びるのさ。一体、歌と衣装(美術?)の関連性って?やっぱり、紅白は生に限りますね!
ところで、年々紅白に出場するミュージシャンたちが分からなくなりつつあります。で、勝手に選ぶ今年の紅白歌合戦♪

*EL PRESIDENTE WITHOUT YOU*
まずは白組。今年の前半によく聴いていた(というか歌っていたというか)エルプレ。懐かしいなぁ。

*BONNIE PINK LOVE IS BUBBLE*
続く紅組はボニーちゃん。紅白では"A PERFECT SKY"を歌ってたけど、映画『嫌われ松子の一生』でも歌っていたこっちを。カラオケでも歌いやすいし(笑)。

*BENT FABRIC JUKEBOX*
ゴキゲンでカッコイイ81歳のピアニスト、ベント・ファブリック。枯れないお爺さんってやっぱり素敵です。ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのルベーン爺さんは亡くなってしまったのよね(泣)。ベント爺さんにはますます頑張って欲しい。

*MADONNA HUNG UP*
トリノオリンピック・フィギュアのエキシビジョンのラストに選手全員で踊った"HUNG UP"!トリノのおかげでフィギュアの楽しさを知りましたよ。今年は日本へも来ましたね、マドンナ姐さん。PVのレオタード姿が強烈でした。

*SCISSOR SISTERS I DON'T FEEL LIKE DANCIN'*
マドンナに対するのは、虹色ナイト・クラブ・バンド、シザー・シスターズのときめきダンシン!あっちこっちでこの歌聴きましたね。ちょっと疑問なのは、白組でいいのかってこと。やっぱ、紅組ですかね?

*ohana 予感*
こちらも白組か紅組か迷うところですが、2対1で白組に。今年いちばんハッピーで素敵でたくさん聴いたアルバムは『ohana百景』だったかも。とても個人的なセレクトでしたね、はい。

*UA×菊地成孔 嘆息的泡*
"cure juzz"もまたよく聴いたアルバムのひとつでした。どの曲も極上のデザートのように美しくて甘くてひとつだけ選ぶのは難しかったので、「泡」繋がり(このブログのタイトルは"Daily Bubble"ですよ、笑。)でこの一曲を。

*Sly&The Family Stone Dance To The Music*
クリスマスに亡くなったファンクの帝王ジェームズ・ブラウンをリスペクトして(?)ファンク界から(JBはよく知らないのです、ごめんなさい)。リ・スライもまたよく聴いてました。今は、ベイカーブラザーズがゴキゲンですよ!

今年前半はぐんぐんと音楽熱が上昇していましたが、後半は急速に減速してしまいました。そんなラインナップです。
たくさんの音楽に、たくさんハッピーをもらいました。来年もまた多くの幸せな音に包まれておだやかに過ごせますように。そして、世界中のみなさまにあたたかで健やかな新年が訪れることを心よりお祈り申し上げます。
素敵な一年を

2006年歌舞伎の旅

2006-12-27 23:41:47 | kabuki
もういくつ寝るとお正月~♪今年もクリスマスを過ぎて、後は大掃除を残すのみ(それが一大事だったりしますが…)。
昨日で歌舞伎公演も終わってしまいました(『朧の森に棲む鬼』のプレビュー公演なんて変化球はひとまず置いとく)。そんなには観ていませんが、今年拝見した歌舞伎を振り返ってみようと思います。歌舞伎遠征などしたことないので、すべて東京公演ばかりですが

1/13 浅草歌舞伎 夜の部@浅草公会堂
    仮名手本忠臣蔵 五段目・六段目
    蜘蛛糸梓弦

   寿初春大歌舞伎 夜の部幕見(島の千歳、関三奴)@歌舞伎座

1/22 坂田藤十郎襲名披露 寿初春大歌舞伎 昼の部@歌舞伎座
    鶴寿千歳
    夕霧名残の正月
    奥州安達原
    万才
    曽根崎心中


2/12 二月大歌舞伎 昼の部@歌舞伎座
    春調娘七種
    陣門・組打
    浮塒鴎
    幡随長兵衛


3/18 三月大歌舞伎 昼の部@歌舞伎座
    吉例寿曽我
    吉野山
    道明寺


3/19 3花形若手歌舞伎公演 猿之助十八番の内「當世流小栗判官」第1部・第2部@国立劇場

3/30 渋谷・コクーン歌舞伎 東海道四谷怪談<北番>@シアターコクーン

*春歌舞伎(1~3月)*
1月は、浅草の亀次郎さん(「蜘蛛糸梓弦」)のサービス精神旺盛で迫力のある踊りと、浅草から梯子した歌舞伎座の福助さん(「島の千歳」)の美しく格調ある踊りが面白かった!
2月は吉右衛門さんの「播随長兵衛」のカッコヨサですね。夜の部の「二人道成寺」の評判がよかったようですが見逃してしまったので、年明けに東劇に行ってきます。
そして、コクーン歌舞伎の勘三郎さんの四谷怪談。串田さんの演出に驚かされて、非常に面白い舞台でした。南番が見られなかったのが残念。もうひとつの残念は、三谷歌舞伎「決闘高田馬場」を観られなかったこと。WOWOWで放映されるようですが、WOWOWも加入してない。友達に頼まないと…。

4/2 六世中村歌右衛門五年祭 四月大歌舞伎 昼の部@歌舞伎座
    狐と笛吹き
    高尾
    孤城落月
    関八州繫馬


4/16 六世中村歌右衛門五年祭 四月大歌舞伎 夜の部@歌舞伎座
    井伊大老
    口上
    時雨西行
    伊勢音頭


   シネマ歌舞伎「鷺娘」@東劇

5/4 五月大歌舞伎 夜の部@新橋演舞
    石川五右衛門
    京鹿子娘道成寺
    松竹梅湯島掛額


5/14 五月大歌舞伎 昼の部@新橋演舞場
    ひと夜
    寿式三番叟
    夏祭浪花鑑


5/24 團菊祭 五月大歌舞伎 昼の部幕見(江戸の夕映、雷先頭、外郎売)@歌舞伎座

   五月大歌舞伎 夜の部@新橋演舞場

6/24 歌舞伎鑑賞教室 解説「歌舞伎のみかた」/「国姓爺合戦」@国立劇場

6/26 六月大歌舞伎 昼の部@歌舞伎座
    君が代松竹梅
    角力場
    藤戸
    荒川の佐吉

   六月大歌舞伎 夜の部幕見(暗闇の丑松)@歌舞伎座

*夏歌舞伎(4~6月)
この時期、加速してきた歌舞伎熱。5月の吉右衛門さん祭(?)が楽しかったですね。中でも「夏祭浪花鑑」の吉右衛門さん(団七九郎兵衛)が凄まじかった。そして、やっぱり「京鹿子娘道成寺」。ハートを射抜かれてましたね、私(笑)。でも、「ひと夜」も好きでしたよ。
6月の「荒川の佐吉」の仁左衛門さんも素敵でした。歌舞伎であんなに涙を流したのは初めてでしたよ。

7/17 七月大歌舞伎 昼の部@歌舞伎座
    夜叉ヶ池
    海神別荘


7/29 七月大歌舞伎 夜の部@歌舞伎座
    山吹
    天守物語


8/13 八月納涼歌舞伎 第二部、第三部@歌舞伎座
    丸橋忠弥
    近江のお兼
    たのきゅう
     *
    吉原狐
    団子売、玉屋、駕屋


8/20 八月納涼歌舞伎 第一部@歌舞伎座
    八犬伝

9/9 初代中村吉右衛門生誕百二十年 秀山祭九月大歌舞伎 昼の部、夜の部@歌舞伎座
    車引
    引窓
    六歌仙容彩
    寺子屋
     *
    菊畑
    籠釣瓶花街酔醒
    鬼揃紅葉狩


9/26 初代中村吉右衛門生誕百二十年 秀山祭九月大歌舞伎 夜の部@歌舞伎座

*秋歌舞伎(7~9月、秋とは言えないかもしれませんが…)
この時期も、かなり面白い舞台が続きました。
玉三郎さんの鏡花4作は、歌舞伎という括りを外して観た方が純粋に楽しめましたね。この中では「天守物語」がいちばん歌舞伎らしくて好き。
納涼歌舞伎の一番は、「吉原狐」でしょうか。「たのきゅう」と迷うところです。染五郎さんのおろちがオバカで可愛かったんですが、福助さんと三津五郎さんの親子がとても素敵でした。
そしてそして、秀山祭。こちらはなんといっても「籠釣瓶花街酔醒」。吉右衛門さんの次郎左右衛門の怖さ、福助さんの八ツ橋の切なさが凄く印象深かった。タイトルも凄いですよね、核心突いてる。

11/5 花形歌舞伎 昼の部@新橋演舞場
    番町皿屋敷
    勧進帳
    弁天娘女男白浪


11/17 吉例顔見世大歌舞伎 昼の部 夜の部(鶴亀、二月堂)幕見@歌舞伎座
    伽羅先代萩
    源太、願人坊主


12/10 十二月大歌舞伎 昼の部幕見(将門)、夜の部@歌舞伎座
    神霊矢口渡
    出刃打お玉
    紅葉狩


*冬歌舞伎(10~12月)
ちょっと一息つきました。国立劇場の「元禄忠臣蔵」のチケットを取り損ねたことが、歌舞伎熱が低下した原因ですね、きっと。10月はまったく歌舞伎を観なかったんでした。海老蔵さんの定九郎、観たかったな。
11月の歌舞伎座は三津五郎さんが大活躍でしたね。「先代萩」の仁左衛門さん、三津五郎さん、菊五郎さんの女形対決が面白かった。ん?対決といったら、仁木弾正(團十郎さん)と細川勝元(仁左衛門さん)のはずだけど、どうも團十郎さんの悪役がハマらなかった気がした。どんなに悪者の拵えをしても、いい人オーラが見える感じなのよね。
12月は海老蔵さんの「紅葉狩」に度肝を抜かれたけど、「出刃打お玉」の菊五郎さん・梅玉さんコンビが良かった。人生の紆余曲折を考えさせられる脚本とともに、二人の変わりようが面白かった。特に、梅玉さんのエロオヤジっぷりがガッカリするほど合っていて(変な日本語…)かなり驚かされました。


振り返ってみると、あれも良かったこれも良かったとキリが無いんですが、無理矢理に一番を付けるとすると、吉右衛門さんと福助さんの「籠釣瓶花街酔醒」でしょうか。とにかく舞台から目を離せませんでした。
来年5月の新橋演舞場五月大歌舞伎の演目がもう出ていますね。「鬼平」も「法界坊」も楽しみですが、「妹背山」も以前から見たいと思っていた舞台なので今から5月が待ち遠しいのです。歌舞伎の面白さは、脚本や役者さんだけじゃなく舞台美術の魅力も多分にありますよね!

今年は勘三郎さんが襲名巡業のため歌舞伎座では拝見できなかったんですよね。『和楽』1月号の特別付録「中村勘三郎-あったかい芝居小屋」(全撮影:篠山紀信)を見て、勘三郎さんの息づかいが感じられるような芝居小屋での巡業を羨ましく思いました。
また、こんな↓ニュースも。きっと、行くことは叶わないだろうけど、成功を祈ってます。

勘三郎 来年7月2度目のNY公演(スポーツニッポン) - goo ニュース

M-1グランプリを見る。

2006-12-24 22:59:44 | news
短い髪をさらに短くしたのは、先日観た『トニー滝谷』の宮沢りえ(トニーの奥さんが死んだ後に、面接に来る方の)の短い前髪が可愛かったせいです。さすがに短すぎるかなぁとも思ったけれど、帰宅した私に妹の一言。
「小学生の男の子みたいだね。あ、そういえばM-1グランプリにフットボールアワーが出るみたいよ」
最近はお笑い番組を見ないので(テレビ自体を見ていない…)、なんでフットなのかよく分からないでいると、
「お姉ちゃん見て、岩尾を思い浮かべたよ」だって。
そうか、岩尾か、と少し落ち込んで、M-1グランプリを見てみました(笑)。

残念なことにフットボールアワーは間に合わなかったんですが、麒麟から拝見。
最近のお笑い番組は全く見ていないので、ほぼ全コンビのネタを初めて見ました。まずは麒麟。凄いインパクトのある二人ですね~。川島さんのへんてこな暗さが気に入りました。ボクシングネタ、面白かった!
次が、妹オススメのトータルテンボス。渋谷系お笑いとかって紹介されていたけど、ちょっと古いタイプのお笑いという印象を受けました。言葉で笑わせるってのは難しいんだろうなぁ。
続いてチュートリアル。初めて見るコンビでしたが、面白かった!徳井さんのめちゃめちゃきれいな顔で、普通のことをどこまでも妄想していくのが凄く変でよかった!福田さんが買った冷蔵庫に対する妄想が凄い。
次が噂の変ホ長調。普通のOLの会話みたいなてれてれしたやり取りなのに、ときどき凄く正しい毒を吐いていて、それが妙なツボに入りひくひく笑ってしまいました。もう出ないのかな?
笑い飯の笑いって、とても考えられているし面白いと思うんだけど、ただ単純に笑うということが出来ないんです。たぶん、私の性には合わないんだろうな。
敗者復活は、ライセンス。オトナのドラえもん、素敵だったけどネタ的に新しいものではなかったのかな。

決勝の結果は、1.チュートリアル、2.フットボールアワー、3.麒麟。
最終決勝は審査員全員一致でチュートリアル。
勢いが凄かったですね、チュートリアル。自転車のベルが盗まれたことから、行きずりの女と寝たり、インドに行ったり(2日だけ)と、あり得ない妄想の世界に入っていくのが面白くて、文句なしの優勝!
フットボールアワーは居酒屋ネタでしたが、うーん今ひとつだったかな。
麒麟は探検隊ネタ。面白かったけど、ところどころでカミカミなのが痛かった。

クリスマスイブに家族でテレビを見るってのも、ちょっと痛いかな。まいっか。

チュートリアルが優勝 漫才のM―1グランプリ(朝日新聞) - goo ニュース

女性映画時代

2006-12-22 23:29:28 | cinema
おかしなタイトルだとお思いでしょうが、最近観た映画(DVD)はなぜか女性をテーマにしたものが多いのです。どれも非常に面白かったので、忘れないようにメモメモ。

『オール・アバウト・マイ・マザー』
1998年のスペイン映画。『トーク・トゥー・ハー』のペドロ・アルモドバル監督。
人間の欲望というのは、なんなんだろう?妻と子を持つ男でありながら、乳房を付け男も女も愛する、ということを受け入れる寛容さを持ち合わせない私は、度肝を抜かれそしてうーんうーんと考えてしまいました。すべてはこの男(エステバン)から始まっていて、強烈で異様な存在でしたね。
でも、図太く逞しく生き抜いていく女の強さがより濃く描かれていました。
女性であることのいちばんの個性はやっぱり子を産むということよね。乳房を付けて男を愛しても、子を産むことはできないものね。監督は、女性ではなく母に憧れたのかな。
今までまったく思わなかったことだけど、この映画を観て子供が欲しくなりました。そして、ちゃんと生きていこうと思いました。
女優たちが素敵でね、主役マヌエラ役のセシリア・ロスと女優ウマ役のマリサ・パリデスが高潔な印象でよかった。また、ベネロペ・クルスの尼僧姿がとっても清らかで可愛いのに驚かされました。
最初から最後までガツンガツンと心を揺さ振られますよ。

『めぐりあう時間たち』
1923年ロンドン郊外、1951年ロサンゼルス、2002年ニューヨークと3つの時空間とそこに生きる3人の女性を描いた映画。
とにかくなんと言ってもニコール・キッドマン演じるヴァージニア・ウルフが凄い。知性と狂気を併せ持つウルフを冷たくて透明な硝子のように演じていました。ニコール・キッドマンのイメージは、『アイズ・ワイド・シャット』のアリスのようなミステリアスでゴージャスな美人だったけど、そのイメージを覆されました。瞬間瞬間で、ニコール・キッドマンであることが分からなくなるんですね。不勉強な私はウルフについての知識なんてほとんど無いんですが、でも「これはヴァージニア・ウルフだ」と思いました。後で、ニコール・キッドマンがこの映画でアカデミー賞主演女優賞を受賞したと知って、とても嬉しくなりました。
さて、お話は3つの時間の3つの場所で、3人の女がそれぞれに悩み苦悩しているんですが、『ダロウェイ夫人』で繋がっているんですね。その不思議な繋がりが現代(2002年)のニューヨークで明らかになるんですが、その暗さが悲しかったです。
この映画にもジェンダーを飛び越えた人たちが多く登場します。映画に落ちた影は、そのことによるものなのか否か、経験値ゼロの私には判断できませんでした。

『女はみんな生きている』
先日、ちょこっと書いたフランスの女性監督コリーヌ・セローによる2002年の映画。前2本に比べたら、ジェンダー的には大分普通のお話です。
普通の主婦が事故に遭遇し、その被害者の娼婦を看病し事件に関わっていく。
アウトラインも面白いんですが、男たちの駄目っぷりとかっこいい女たちの対比が最高です!主婦エレーヌの夫ポールと息子ファブリスのお馬鹿な駄目っぷりが可笑しいの。二人とも家事も恋も散らかし放題でメチャメチャなのね。それを全部分かっているエレーヌとポールのママが素敵でしたね。
娼婦ノエミ(ラシダ・ブラクニの吸い込まれそうな瞳が印象的)もかっこいいんだけど、彼女は相当に男を信用していないのね。その頑なさがもったいないなぁと中途半端な女は思いました。

『メゾン・ド・ヒミコ』
親と子、男と男、男を愛する男と女、死に行く者と生きていく者、いろんな繋がりを包む老人ホーム「メゾン・ド・ヒミコ」は、美しくて哀しくてとても優しかった。
ゲイのための老人ホームで、父と娘と父の恋人が暮らすなんてエキセントリックなお話だなぁと思って観たのに、人間の根本はとてもシンプルで愛おしかったのです。
誰にも平等に老いはやって来て、一人じゃ怖いから仲間といるのに、それでも死の影は消すことができないのね。より一層怖くなる。
でも、人生は割かし大きな寂しさと日々の小さな幸せで成り立っていて、幸せをつむぐメゾン・ド・ヒミコの人たちはみんな愛おしくて素敵でした。
オダギリジョーと柴崎コウの不器用な恋も可愛いよ。二人を繫ぐ専務(西島秀俊)が効いてましたね。オダジョーと寝てあげなよ、柴崎コウのためにさ、って勝手に応援してました。
細野晴臣さんの音楽が優しくて穏やか。

クリスマスタイム

2006-12-19 22:51:38 | flower
クリスマスが嫌いなときがありました。
街も人も浮かれてキラキラと光っているのに、私だけひとりぼっちでキラキラに入れないような疎外感を抱き、早くクリスマスが過ぎればいいのにと思っていました。
年を取り、面の皮も厚くなった今は平気です。
キラキラを素直にキレイだなって思えるようになりました。ひとりのときも、ひとりじゃないときも、クリスマスは楽しい。ついうっかり、クリスマスカラーのワンピースを買ってしまうくらい楽しい。

今年もまたクリスマスのリースを作りました。
氷室杉をぐるぐるぐるぐる巻きつけて、リボンとオーナメントで飾りつけ。りんごやベルや天使やロウソクをぺたぺたぺたぺた。仕上げに先月作ったドア飾りをセットしたら出来上がり。



クリスマスまであと5日。クリスマスタイムを楽しみましょう♪

エキストラ出演してみる。

2006-12-17 21:25:57 | 
先日見た映画『女はみんな生きている』のDVDに付いていたメイキングフィルムがとても素敵だったのです。
さすが美食の国、おフランス。ロケーション先にケータリングカーが同行して食事を作るんですが、お天気のいいときはロケ先にテーブルと椅子とパラソルを出して揃って食事するんです。テーブルには大きな花瓶にたくさんのお花、そして温かで美味しそうな料理。
スプリクターの女性も魅力的でした。小さなリュックを背負って現場を駆け回る。とても神経と体力を使う仕事のようでしたが、常にスタッフやキャストに笑顔を振り撒いている。
完成された映画には、美しかったり美しくなかったりする俳優さんや脚本や衣装や音楽や映像しか表れないけれど、その裏側にはほんとうにたくさんのたくさんの人たちの労働と情熱と愛があるんだなぁ、ということを知ったのでした。
映画も面白くて、特に女性にはオススメ。ぜひご覧ください→公式サイト

そんな訳で、映画の裏側を見てみたいなぁと思っていたところに、私の住む茨城の片田舎でロケーションがあったのでエキストラとして参加しました。
映画は『魍魎の匣』『姑獲鳥の夏』の続編のようです。映画は見てないし、小説は『陰摩羅鬼の瑕』までしか読んでないんですよね…。そして『魍魎』のあらすじも忘れかけている…。

朝8時、集合場所で会った同僚は、完璧に昭和の人でした。
グレーのニット帽(決してニットキャップではない)を被り、白いワイシャツに胡散臭げな茶色のジャンバー(決してブルゾンではない)をはおり、黒のコールテン(決してコーデュロイではない。しつこかったですね、ごめんなさい)のパンツにこれまた時代がかった手提げ。
「着替える必要ないですね!バッチリ昭和20年代の人ですよ。」
なんて笑っていたのに、衣装チェックの結果私も着替えなくていいとのこと…。しかも、ヘアメイクも時間が無くて「自前でオッケー」ってことに。私も地で昭和の女でした。。。

さてさて、ロケ現場は映画館。
最初の撮影は、映画館の中から外の風景を入れて撮るというもので、私は通行人として参加。自前の洋服に昭和テイストのオーバーコートを着てふらふらと歩きました。
私なんぞてれてれと歩くことしかできないんですが、中にはプロのエキストラ(?)の方がいらっしゃって、見ず知らずの私にもまるで友達のように話しかけたり手を触れてきたりするのに、最初は引き気味でしたが次第にペースに飲まれていきました。

それにしても、映画作りってとても大変です。ほんの1カット・数秒を取るのに、5回くらい歩いたでしょうか。
ヘアメイク、衣装、録音、照明、カメラ、小道具、大道具…。その他に通行人や車両を停めたり、お弁当を受け取ったり(笑。『女はみんな』とは違い、ケータリングではありませんでした)、エキストラを指導したり。もちろん、映画館では俳優さんが芝居していたんでしょうし(見えなかった…)。

道路での撮影が終わると、お昼休みを挟んで映画館の中での撮影でした。
今度は客席に座ることができるので、足は楽だけどとにかく寒い!エキストラの方にいただいたカイロを背中に当てていましたが、足と手の指からじわじわと冷えてきて、ひたすらに寒さを我慢していました。
1シーンを撮るのに後ろからと前からと2回撮影し、それぞれ5回くらいを繰り返しました。
こちらは俳優さんが入るので、ちょっと映画の雰囲気です。木場役の宮迫さんと青木役の堀部さん。堀部さんのとぼけた味が好きなんだけど、コートに帽子を被った姿が昭和の俳優!って感じで素敵でしたよ。
ちなみに出来上がった映画では黒木瞳さん演じる絹子主演の映画が上映されるそうですが、モノクロの活劇を見ながらの撮影でした。
私たちエキストラには、昔の映画館のように拍手したり掛け声を掛けたりするようにと指導があり、何人かのエキストラが見えない絹子に向かって「よっ、日本一!」とか「絹ちゃんっ!」などと声を上げていました。素人の私はちょこっと拍手。
最後に音を撮って長い長いエキストラの一日が終わりました。
私たちエキストラの出番が終了した後も、映写室での撮影が続いていたようです。

ちょっとした興味から応募したエキストラでしたが、映画の裏側は思った以上に大変で、この苦労を毎日繰り返している映画の人って凄いなぁと脱帽しましたよ。
音をひとつ取るのにも役者さんの上に長い棒のようなものの先に付いた大きなマイクをスタッフが支えなければならないし、照明も四方から調整しながら当てなければならない。どんなにデジタルな世の中になっても、人の力ってやっぱり大きいんですね。
それでも、こんな困難を乗り越えて幾つもの素晴らしい映画がこの世に送り出されているって、映画の力って凄い!
これからは、もっと大切にもっと真摯に映画を観なくちゃね。

『プラダを着た悪魔』

2006-12-14 23:14:09 | cinema
女の子はたいていオシャレ好き、と思いがちだけど実はそうでもない人もいて、でもオシャレを楽しまない人=真面目で頭が良くて性格の優しい人だっていう考え方はかなり偏っていて全然オシャレじゃない!と思っているので、そのことについてだけはソリが合わなかったけれど、それ以外は堪能した映画でした。しかし、それが軸になってしまっているから、『プラダを着た悪魔』の残像はあまりシャープじゃなかった(つまり、オシャレじゃない!)。

俗物人間の私はもっともっともっともっとオシャレをしたいけど、現実は厳しく、理想のファッションとお財布の中身はまったく釣り合わないために、妥協に妥協を重ねた毎日を送っています。
毎日クールにエレガントにピンヒールをコツコツ鳴らして出勤する”サイズ2”の女性たちを映し出す冒頭から、引き込まれていました。アン・ハサウェイもメリル・ストリープも素敵だったけど、なんと言ってもご馳走は女性たちの纏う洋服たちでした。
頭はいいけど野暮ったいアンドレア(アン・ハサウェイ)が、ブランドに身を包んで変身するカットの素敵さ!白いコートに男の子みたいなハンチング、可愛かったなぁ~。
ミランダ(メリル・ストリープ)が毎朝アンドレアのデスクに放り出すコートとバッグの数々…。バッグマニア(ブランドのじゃないけど)としては、ほんっとうにため息ものです。
服を着る、ということの半分は実用じゃなくて遊びだものね。たくさんのオモチャに囲まれたオンナたちはどうしてもキラキラと輝いて見えてしまうよ。

次のご馳走は、やっぱりメリル・ストリープでしょうね。意地悪でわがままで口の悪い女王様だけど、誰よりもファッションを愛する頭の切れる編集長で政治家でもあるミランダ役。
嫌味たっぷりなのにユニークで、アンドレアの側からしたら最悪な人間なのかもしれないけれど、私は好きです。だって、こんなに明快に自分と自分の仕事(と子供たち)を愛している人っていないでしょ。
メリル・ストリープの突き抜けていて繊細な演技が素晴らしい、と思いました。今まであまりいいイメージを持っていなかったけど、好きですね。彼女を見られただけでも、この映画を見る価値はあるのかも。

”サイズ6”のアンドレア、アン・ハサウェイのバタ臭い顔も嫌いじゃないけどやっぱり変身してからの方が素敵。
だから、アンドレアにはどこまでもミランダに着いていってほしかった。どろどろと渦巻くファッション業界の奥地に進んでいってほしかった。
いい人でいることより、ずぶずぶと悪魔の仲間入りをするのが見たかった。だって、他人の不幸は密の味、だもの。
結局、私はいい人じゃないのかしらね。

『プラダを着た悪魔』の感想を書くつもりが…

2006-12-13 22:28:31 | cinema
久しぶりに映画館に行きました。
早めに着いたのでロビーをうろうろしてチラシを漁ってきましたが、気になる映画がたくさん公開されるようです。

*犬神家の一族 12月16日公開
佐清(すけきよ)役が菊之助さんでしたね。で、佐清の母・松子役に富司純子さん。富司さん、最近しのぶさんとも親子共演してたよね?
子供の頃、親戚が集まる田舎の家のテレビで怖い映画を観るのが夏の楽しみでした。『犬神家の一族』『悪魔の手毬歌』の金田一さんシリーズや『鳥』『サイコ』のヒッチコックが定番でした。大人になった今、どんなふうに『犬神家』を観るんだろうな、と自分自身が楽しみでもあるのです。

*鉄コン筋クリート 12月23日公開
松本大洋さん原作のアニメ。二宮くんと蒼井優ちゃんが声の主演。最近漫画は読まないのでどんなお話なのか不明だけど、その分気になる。

*マリー・アントワネット 1月20日公開
ソフィア・コッポラがヴェルサイユ宮殿で撮影したマリー・アントワネット、マカロンカラーに仕上がっているそうで楽しみです。映画に出て来るスウィーツは、ラデュレのものだそうです(ラデュレでランチしたことがあるんですよ、とちょこっと自慢)。
映像も楽しみだけど、ソフィア・コッポラがマリー・アントワネットをどんなふうに描いているのか、に注目。

*ドリームガールズ 2月17日公開
音楽モノの映画って割りと好きです。『Ray』とか『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』とかが記憶に新しいかな。
『ドリームガールズ』はビヨンセ登場!です。イケイケなビヨンセにはそんなに興味は無いんだけど、60年代のダイアナ・ロスを演じる、ってのに惹かれます。モータウン・ムーブメントや60'Sファッションも楽しそう。予告を見たけど、かなりノレそうです。客席で踊りださないように気をつけなくちゃ。

*さくらん 2月24日公開
池波正太郎が原作なのかな、ってかなりズレがことを考えていました。。
監督・蜷川実花、原作・安野モヨコ、脚本・タナダユキ、主演・土屋アンナ、特別出演・市川左團次
蜷川実花さんの写真、好きです。坂田藤十郎さんの襲名の写真も華やかで素敵だったけど、あの写真の世界が動いたらどんなふうに回るのかな、と非常に楽しみ♪

映画の感想を書くつもりが、なにやら長くなってしまったので一度切ります。いつもながら、本末転倒です。反省

Cornelius"Sensuous"

2006-12-12 23:24:34 | music
小山田くんが、あのルックスじゃなかったら、ファッションセンスを持ち合わせてなかったら、コーネリアスというユニットの立場は大分違うものになっていたんだろうなぁと思います。そもそも、フリッパーズ・ギターというバンドが世の中にもたらした現象(渋谷系というコトバや裏原とかのカルチャー)は起きなかったんじゃないかしら。
まったく在り得ないことだけど、小山田くんがドランク塚地さんだったとしたら、絶対に今の立ち位置はなかったはず。塚地さんファンの方、ごめんなさい。コントは好きです、大好きです。ホントです。
あらかじめ、小山田くんの作る音楽はオシャレに決まってるって思い込んでいるからついうっかり忘れてしまっているけれど、小山田くんはとんでもないオタクでした。ホントです。

5年ぶりのコーネリアスの新譜は、小山田くんが大好きな音たちを集めて集めてさらにくっつけたり重ねたり削ったりして作られた非常にコアなコラージュでした。
コラージュというのは不思議なもので、どんなに素敵な素材を集めても糊付けの仕方によったら台無しになりかねないものだと思います。でも、なんてことない素材だったとしても取り合わせ次第でうーんと素敵な作品に変身する。
”Sensuous”は、小山田くんの糊付けの才能を存分に発揮させたとてもとても素敵なコラージュ集です。

専門的なことはよく分かりませんが、一音一音が冴えていて一方ではざっくりとした心地よさを感じます。
たぶん、オタク的な作業を繰り返して(でも、その作業の間も楽しんでいたんだろうな、と勝手な想像)コーネリアスというタグをくっつけたらすごくシックなアルバムのできあがり~♪
タグというのは不思議なもので、同じ中身だったとしてもくっつけるタグによって様々なものに変化する。もちろん、中身が駄目ちゃんだったら邪魔な厄介者になってしまうけれど。
コーネリアスというタグは最強にかっこよくて、それは小山田くんという才能を表しているんだわ。

前作”Point”もすごく好きだったけど、それよりも音の幅が広がっていて、でも表現されるものはもっとシンプルにぎゅっと凝縮されているように感じます。
ざくざくと鋭く切り取られた美しい音の作る形は、明るくくっきりとしたイメージを心の中に映し、どんどん膨らんでいきます。
あぁ、素敵。

冬の散歩道

2006-12-10 23:59:14 | diary
日曜日。昨日の雨が嘘みたいに上がって、青い空に遠い雲。
ぬくぬくした日差しに起こされました。
いそいそとお洗濯して、ぱたぱたとお掃除。お日様の威力は絶大で、干した洗濯物からたちまち上がる水蒸気。どんなに世の中が進歩しても、自然の営みは変わることなくちゃんとあって、それを享受できる私はシアワセモノよ。

かぼちゃのスープ、ブロッコリーとソーセージ、柚子のハチミツ漬けをたっぷり掛けたトーストの朝ごはん。たらふく食べて歯を磨いたら、お出掛けお出掛け。

カーステレオからは、ハナレグミ。
♪さぁ 始めよう
 音タイム 音タイム 音タイム♪
窓に広がるのは、白菜畑と針葉樹と空。冬の空気を窓から吸って、一日のハジマリ~。

♪キッチンにはハイライトとウイスキーグラス
 どこにでもあるような 家族の風景♪
どんなときでも、永積さんの声は素敵。
たとえ、コンビニに集結した暴走族の大軍団を見ようとも…。
黒煙を上げて走る汚れたトラックに書かれた「アフリか」の落書きを見ようとも、多分。

1時間ほど電車に揺られたら、東銀座。はい、『将門』を幕見。
滝夜叉姫の美しさと蝦蟇の可愛らしさにニコニコ。蝦蟇って言うより「カエルちゃん」と呼びたい雰囲気だったよ。
将門伝説について、ちょっと調べたくなりました。土御門家と将門ってどう繋がってるんだっけ?繋がってない?あれれれれ。。

昼ごはんをたっぷり食べたら、銀座をお散歩。


有楽町西武のクリスマスツリー。ホワイト×ブルーが素敵。


こちらはシャネル。№5のオーナメントが少しオトナかしらね。


で、ミキモト。赤、青、オレンジと変わっていくライトにどきどきしました。


ちなみに、三越のは高野槙でした。


そしてまた、歌舞伎座へ。
入り口でうろうろしてたら、見覚えのあるお顔が。あれ、と思わず立ち止まっていると「ジュッチー!」と呼びかける声。市蔵さんでした。
舞台の上と変わらない実直そうなお姿に、ニコニコ。

さて、夜の部。
それぞれに面白い幕だったんですが、海老蔵さんのエキセントリックな鬼女が凄かった!あんまり印象が強すぎて、他が薄れてしまったよ。
気が向いたら、感想を書きますね~(11月の歌舞伎座は面白かったのに、ブログはパスしてしまいました)。

茨城の夜は東京よりもすこし寒い気がします。
なんとなく、気分はくるりの「カレーの歌」。冬のカレーも悪くないかも。
おやすみなさい