Daily Bubble

映画や歌舞伎、音楽などのアブクを残すアクアの日記。のんびりモードで更新中。

『サンキュー』PIZZICATO FIVE

2005-03-29 21:57:12 | music
いつ、どんなふうにピチカートファイブと出合ったのか全く憶えていないけど、初めてのピチカートはアルバム『女性上位時代』でした。
リアルタイムでは無かったはずだけど、まだまだお子様だった私にとって衝撃的な音でした。

とびきりポップでキャッチーな楽曲に(当時はキャッチーって言葉の意味も分からなかったはず)、非現実的な声と無意味で大人にかっこいいリリック。
当時の男二人&女一人という構成もよかったし、なんといってもビジュアルとアートワークの凄さはナンバーワンでした。

『女性上位時代』は私の鼻歌ナンバーワンアルバムで、気づくと『大人になりましょう』『トゥイギー・トゥイギー』、そして『サンキュー』を口ずさんでしまうのです。
 ♪サンキューご機嫌なキスしてくれてサンキュー
  憂鬱な気分で死にたいけど♪
明るく軽く倦怠感を歌う野宮さんは、憧れのヒトでした。
憧れは憧れのままで終わり、野宮さんには近づけないまま当時の野宮さんの年齢になってしまいました…。

映画『プレタプルテ』で『トゥイギー・トゥイギー』が使われたときは嬉しかったなぁ

『甘い生活』

2005-03-27 23:59:59 | cinema
イタリア映画『甘い生活』を観る。
日曜日の午前中に観る映画じゃないね。ニーノ・ロータのせいか、イタリア語のせいか、モノクロのせいか、うとうとと舟を漕いでしまう。

文学的にも世俗的にも属し切れない新聞記者マルチェロ(・マストロヤンニ)の怠惰な生活。
マルチェロを取り巻くのは、大富豪の娘マッダレーナ、アメリカの女優シルビア、同棲中の婚約者エンマ。
キリスト像を運ぶヘリコプター、安アパートでの情事、廃墟でのパーティー、トレビの泉、聖母の「奇跡」、堕落した貴族たち、文学者の友人の死、めちゃくちゃな日々は果たして甘いのか?
廃頽の末のパーティーもめちゃめちゃで、朝の海はマルチェロたちに冷たい。
海辺に打ち上げられたエイ(マルチェロを暗喩してるんだよね?)と少女(マルチェロには無い清廉なイメージ?)との距離は遠い。

3時間10分はとにかく長かった。
映像はいいし、エピソードはひとつひとつが凝っているし、マストロヤンニは素敵だ。
女優たちも魅力的だし(アヌーク・エーメがよかった)、イタリアならではのコクもある。
ローマが舞台というところもいい。古代のコロッセオがアパートの隣にある街、ですもんね。
映画の混沌としたイメージがローマにぴったりだわ。
でもねぇ、眠くなる。
もういちど、今度は眠らずに観てみましょう。

本日の感想:都市に住む不良な大人の俯瞰図は、今も世界中に描かれているんだろうな。
45年前にこんなにリアルに喧騒・廃頽・絶望を撮ったフェリーニは凄い!

甘い生活 (1959) LA DOLCE VITA LA DOUCEUR DO VIVRE [仏]
185 分 イタリア/フランス

『シベリア超特急5』を見てしまう。

2005-03-23 23:48:44 | 
ついに、見てしまった『シベ超5』。
宇都宮テアトルで、2005マイク☆地球博&シベ超祭(どちらもよく分かりません…)を開催というのを見つけて気になっていたところ、代休を取れることになったため意を決して行ってみた。
ほんとのところは、13:20~の『シベ超2』(本日のみ上映!)を見たかったのですが、着いたのは映画も半分以上が過ぎてからだったので、断念。
劇場は、意外にも普通の映画館(笑)。
平日のせいか、お客さんは5、6人。女性は私一人でした…。

さてさて、お話は。
期待を裏切ることなく『シベ超』です。
ストーリーや解説は、こちらにもれなく書いてあるので、割愛。ここまで親切な(?)サイトって無いですよぉ。

お話は映画館から始まるのですが、その観客がある意味凄い!
客席にいるのは、愛之助さん(主演)、進之介さん(愛之助さんの相棒)、福助さん(中村福助役)。
映画館から出て来るのは、我當さん(菊地冠役)、秀太郎さん(永井歌風役)、オーケン(芥川龍太郎役)。う~ん、いちいちどうでもいい役名をつけるところもシベ超ならではなのか?
『望郷』の上映が終わり、淀山長秋役(明らかに、淀川さんですね)のぼんちゃんのカラミ、笑わせます。
愛之助さんと進之介さんには、「歌舞伎役者みたいにカッコイイ」とか。
ラストシーンに感動して女優さんがキレイという福助さんには、「女形の福助さんの方がキレイキレイキレイ」だって。
普通に演じている(?)福助さんってえらいなぁと妙な感心をしました…。

もう全編がいちいちオカシイんですが、中でも笑わされたのはガッツ率いる満州浪人(?)達と愛之助さん達のアクションシーン。絶対的にありえません。
オープニングの至福の12分長回しも魅せますが、やっぱり万里の長城での階段落ち笑うしかないです。
マイク水野のやりたいことを詰め込んだ、マイクにとってはたまらない映画なんでしょうね。
どことなく、エド・ウッドを思い起こしました。
愛之助さんも進之介さんも、演技とかいう以前の問題だと思うんですが、そんな細かいこと(!)はどうでもいいほど突き抜けてます!
愛之助さんも、よく引き受けたものです。

ラストには、なんと松助さんも登場です!
進之介さんとの出会いは、歌舞伎座で偶然二日続けて隣の席だったとか…。
ラストのラストも、やってくれます。
ま、広い心でいろんな趣味の世界を覗く気分で見れば楽しめますよ、きっと

三月のオザケン

2005-03-22 22:36:13 | music
三月は、オザケン。
数年前に友達がくれたMDがある。
その頃オザケンはもう日本にはいなくて、でも私にはオザケンが必要だった。
友達が作ってくれたMDは、キラキラと光っている永遠の王子様が春の光を浴びて歌っている。
キラキラなプリンスはキラキラなだけじゃなくてしんみりと切ない気持ちも思い出させてくれるから、三月のクルマにはそのMDを載せる。

1.強い気持ち・強い愛
2.それはちょっと
3.戦場のボーイズ・ライフ
4.さよならなんて云えないよ
5.痛快ウキウキ通り
6.流れ星ビバップ
7.夢が夢なら
8.Buddy
9.恋しくて
10.恋ってやっぱり
11.back to back
12.ダイスを転がせ
13.指さえも
14.ある光
15.春にして君を想う

オザケンの声は甘くて色っぽくて、私は幸せで満たされる。
ほんとうの王子様はぜんぜんキラキラじゃないし、私も仔猫ちゃんじゃなくてドラ猫ちゃんで、それでもオザケンは私をいちょう並木へ導いてくれる。
三月だけは、通勤時間がもう少し長くてもいいのになぁ
(「カローラⅡに乗って」も、最近歌ってない…。今度、ランチカラオケで歌ってみようかな♪)

家族の風景

2005-03-20 23:59:59 | diary
久しぶりに家族揃っての夕食。
家族と言ったって大人四人の食卓だから、会話もそうそう弾まない。
話題は自然にテレビネタに。

父:今度、NHKで『君の名は』をやるらしいぞ。
妹:ふーん、何それ?
母:メロドラマでしょ。
父:純愛ドラマだ!メロドラマなんかじゃない!!
(なぜか、父は『君の名は』の熱狂的なファンだったらしい…。)
私:「真知子巻き」とかが流行ったってやつでしょ。
妹:誰が出るの?
父:田中美里。なんかギスギスしていて良くないよなあ。
母:『あぐり』の女優さんでしょ。いいじゃない。
父:ああ、『あぐり』の子か。いいなぁ。
(父よ、誰と勘違いしていたんだ。まさか、田中美佐子じゃないよねえ。)
妹:相手役は誰なの?
父:萩原なんとか…。
母:あら、もうテレビ出られるの?
私:いや、ショーケンじゃないでしょ!どう考えても。
母:じゃあ、あのりゅうこう…
私:ナガレじゃないから!
母:あの人、ナガレさんって読むの。
妹:違うから!!そうだけど、ナガレは出ないから!!!
母:じゃあ、この前2階から飛び降りた…
妹:それも違うから!しかも2階じゃないし。それは窪塚だから!
父:だから、萩原なんとか…。
私・妹:萩原聖人でしょ。
妹:和久井映見の本旦那だよ。
母:あら、和久井映見ちゃんって結婚してたの?
私:もう離婚してるから…。

しかも、テレビドラマじゃなくてラジオドラマだし。
もう、明日で終わってしまうらしいし。
我が家の家族の風景はとてもカッコ悪い

昼間の月

2005-03-19 23:59:59 | ibaraki
久しぶりに温泉に行った。
仕事を早々に切り上げて、ご近所のあけの元気館へ。
温泉は塩化物泉でサラサラと肌に優しい。

あまり時間も取れなかったためサウナは諦めて、露天風呂でぼーっとする。
ここの露天風呂は二種類あって男女入替制になってるんだけど、本日は岩風呂でした。
すこしだけ春の空気が漂う優しい水色の空には、白い月。
いつの間にか冬も溶けているんだなぁとぼんやりぼんやり。

昼間に入る温泉はとても贅沢だと思った。
京都の鞍馬温泉で入った日焼けしそうに暖かなお湯。
新潟の舞子温泉で、一日に3回くらい温泉ばかり入って、ずたずたの身も心も癒された日々。
和歌山の白浜温泉・崎の湯での海を感じて自然に融ける感覚。
雪を見ながらの温泉もいいけど、緑の季節の温泉も捨てがたいよね。
初夏には、どこか遠くへ旅立ちたいなぁ

『図書室の神様』瀬尾まいこ

2005-03-17 22:54:53 | book
『幸福な食卓』を読もうとしたけれど、なんとなく『図書館の神様』を手にした。
とても可愛い小説です。

きっと、誰にでもある人生の休憩時間。
進む道が見つからずぼんやりと過ごす日々は、そんなに辛いばかりじゃないと思う。
主人公・清ほど悲劇的なことはないけれど、清の生活は多くのOLが共感できるんじゃないかな。

清の休憩時間には、すてきな男の子がやってくる。
たった一人の文芸部員・垣内君と海にあこがれるちょっと不思議な弟。
垣内君もたぶん休憩時間中なんだけど、清と過ごすうちにだんだん休み時間に別れを告げるのね。
垣内君と清の、弟と清の、間の描き方が明るくて救われる。
等身大の青春小説ですね♪
初めて読む瀬尾まいこは、好印象でした。

ひとつ気に食わなかったのは、不倫中の恋人。
取ってつけたような存在に思えてしまい、ちょっと邪魔…。

イースターフラワー

2005-03-15 23:59:59 | flower
今年のイースターは3月27日だそうです。
その頃には、ずっと春めいてきてるんでしょうね♪
先日のフラワーアレンジメントのテーマはイースター。
キラキラなことりちゃんが可愛いでしょ
お花は、ラナンキュラス、スイートピー、ミモザ、モルセラ、ヤツデ、ゲイラックス。

職場の同僚はなぜか3月生まれが多く、バースデーパーティーにお花をアレンジしてみる。
パーティー会場はお好み焼き屋で、パンケーキを焼いてロウソクを立てた。
隣のお客さんにはかなり白い目で見られてしまった…。


こちらはイエローベース。
クリーム色のガーベラと黄色いスイートピー。
春色でなかなかいい感じ(自画自賛!)。



ピンクベースです。
甘くなりすぎるのは恥ずかしいので、すこしシックに。


ゴージャスな赤!
のつもりが、クリスマスカラーに
くぅぅ、お花のセンスないのかしら?


おまけ。アッシーになってくれた男の子に。蕾のラナンキュラスとたくさんの葉っぱのプチプチアレンジ。

3月生まれのすべての人に、たくさんじゃなくてもいいから本当のHAPPYが降りますように

三月の憂鬱

2005-03-13 15:18:39 | diary
春は別れと出会いの季節ですね。
年を経るごとに別れも出会いもなおざりになってしまう。
心の揺れも経年劣化していくのかなぁ。

数年前の三月はさまざまな別れが重なる、もっとも悲惨な三月だった。
でも、そのときの別れの悲しさよりもその悲しさを忘れていくことの方がずっとずっと悲しくて、不幸だと思う。

当時、私はこれまででもっともハードな月を送っており、毎晩0時を回っても帰宅できなかった。
土日も無く働いたのに企画していた事業はきれいに潰れ、残業代も支払われず、ただでさえ少ない体重は40㎏を割り、目は落ち窪み肌は荒れ、最悪な日々だった。
気分転換に温泉へ旅行しても、友人たちからは「無理して来なくてもいいんだよ」と言われるくらいヘトヘトだった。
日頃、のほほんとした生活を送っている身に、たまの激務は相当応える。

ひとつめの別れは、飼い猫だった。
実家には、ミュウミュウという名前の猫がいて、はじめて飼う猫ということもあり私は溺愛していた。
ミュウミュウは朝からスズメやセミを獲ってきては家族にプレゼントするという野性味溢れるキジトラちゃんで、そのくせ甘えん坊でわがままな典型的な雌猫だった。
前述したような状況で、私はアパートと職場との往復をするだけで精一杯だったので、ミュウミュウと遊ぶ時間なんか作れなかった。
「ミュウミュウが帰ってこない」という連絡を受けて、お昼休みにミュウミュウを探しに実家へ帰ったけれど、好物のチクワで呼んでも帰っては来なかった。
行方不明の状態が3日間ほど続いたある日、「ミュウミュウが死んでいた」という電話を受けた。
家の前の道路でクルマに跳ねられたミュウミュウを見つけた近所の人が、庭先に埋めてくれていたため発見が遅れてしまったのだ。
悲しくて悲しくて、でも休むこともできなくて、私は一人きりの部屋で泣いた。
家の前の道路はしばらくの間、通ることができなかった。クルマを運転することも嫌で、運転は臆病になった。

ふたつめの別れは、友人だった。
くるりの『ばらの花』が私たちのテーマソングで、そういう友人だった。
映画も音楽もお酒の趣味も似ていて、話す言葉は少なかったけれど、仲良しだった。
居なくなることも、それが彼にとって新たな世界への旅立ちであることもよく分かっていたのに、それでも直接「さようなら」を言うことはできなかった。
私は安心な毛布に包まれ、旅に出ることもできずに気の抜けたソーダ水を飲むだけだった。
忙しさにかこつけ、会うことも、送別会に行くこともできず、別れた。
多くの人に見送られ旅立ってゆく彼を、多くの人の中の一人としてしか見送ることのできない私は、とてもとても間抜けだった。
そのときの涙は、悲しみではなくて悔しさと後悔に溢れ、その後もことあるごとに涙を流した。

みっつめの別れは、今はまだ書けない。

男女平等なんて

2005-03-11 00:18:04 | diary
「男女共同参画社会県民意識調査」というアンケートが届いた。
今年の3月はいつもの倍以上の忙しさで封も切っていなかったけど、今日は早めに帰宅できたのでやっつけることにする。
質問は、男女の地位の平等に関する意識について、とか、男女の生き方や家庭生活などに関する考え、役割分担などについて、といったよくある行政の設問。
私は、男女平等という言葉やフェミニズムな人たちはどうも苦手で、できるだけ係わり合いにならないようにしてきた。
このアンケートも適当に回答すればいいや、とだらだらと書いていった。

でも、就業関係についての質問に答えているうちについつい真面目に考えてしまった。
今日、職場で後輩(女性)から聞いた話を思い出してしまったんだ。
私の職場は地方の小さな町役場だけど、市町村合併の大波に飲まれ、まもなく合併して市となる。
対等合併とは言うものの、実質は完全な吸収合併だ。
私の属する課は合併によって分解し、スタッフは散り散りになっていく。
後輩は建築が専門で、現在も資格取得のために勉強に励んでいて、彼女は本庁の建築関係部署に配属になることだろうと誰もが思っていた。
しかし、実質的な支配力のある市の土木部長だか建築課長だかは「土木部(もしくは建築課)に女なんかいらない」と言っているらしい。
そんな話は珍しいことじゃないし、アホなオヤジは死んでも治らないと思っている私は、「中身のない恐竜みたいなオヤジはそのうちに滅びるから、相手にすることないよ」と慰めにもならない言葉をかけたけれど、彼女にとって事態は深刻らしく暗い顔のまま帰っていった。

そうなんだよね、組織の中で生きている以上はどんなにイヤなオヤジでも上司は上司だし、無視して働くことは不可能だ。
そう思ったら、ついつい頭に血がのぼり自由意見欄に思わず書き込んでしまった。

「人間を男・女というワクでくくってモノを考えている限り、「男女平等」は永遠に来ないと思っていました。生活の基本となるのは「個人の確立」で、社会がもっと成熟すれば男女とか年齢とかのワクも無くなって暮らしやすい日本になると考えていましたが、結局は100年経っても今のままのお子様な日本でしかありえないのではないかと最近は諦めています。
なぜ男女平等な社会が正しい社会なのか、どんなメリットがあるのか、今ある男社会を壊そうと本気で考えているのなら、社会的・経済的立場で優位にあるオヤジたちに損益計算書でも作って説得することがいちばん手っ取り早いのではないでしょうか?
もっとも、年度末に短期間でのアンケートを実施すること事態、事業に取り組む姿勢が無いってコトなんでしょうが。」


書き終えて、なんてダッサイことをしてしまったんだろうとすこし後悔したけれど、まぁいいやと封筒に入れて気づいた。
封筒、バーコードがついてる。
油性マーカーで消してみたものの、うっすら残っている。
投函するのを止めようかとも思ったけれど、税金でまかなわれている調査だし後輩の暗い顔を思い出したら、出さないといけない気もする。
税金を使ってこんないやがらせをするなんて、茨城県のばか~