Daily Bubble

映画や歌舞伎、音楽などのアブクを残すアクアの日記。のんびりモードで更新中。

極貧生活

2005-08-31 21:19:54 | diary
今更言うまでもないことなのだけど、私は大抵貧乏です。
いつの頃からか憶えていないけれど、物心ついてから常に貧乏だった気がする。

学生時代は定期券を忘れて電車賃を払えず、こっそりと柵を乗り越えたことがたびたび。JRさんごめんなさい。
いつもお財布の中身はすかすかで、所持金が1000円未満なんてこともざら。
それでもまぁ、なんとかなってた。

ところが、負け犬街道を爆走中の今でもまだ貧乏ってことはどういう訳だろう?
田舎暮らしをしていると、クルマとカードと携帯さえあればなんとかなってしまう。
家と職場を往復する限りはそれほどお金は必要じゃない。
大体、遊びに寄るような場所がないんだもの。

今日は久々にあせった。
そろそろお財布の中身がなくなる頃かな、とは思ってたけど、こんなに貧乏とは!
お昼休みにお菓子パンを買おうとお財布を開いたところ、

所持金 88円

あれれれれ??
メロンパンどころかドーナツも買えないよ…。
結局、同僚がごちそうしてくれた。
美味しかったよ。ありがとう、Iさん。

帰りに銀行に寄ればいいだろう、今日は88円でもなんとかなるさ、と思っていたところ…。

複十字シール運動の募金箱が

結核予防会の方、ごめんなさい。
88円しか募金できませんでした。。。

そして、私のお財布は空っぽに

後輩からも、「小学生みてぇ」とバカにされる私…。
そうだよね、今どきの小学生以下だよね。バカにされたって仕方ないよ。

仕事帰り、無事に諭吉とご対面。でも、この諭吉たちもすぐに消えてしまうんだろうなぁ。。
どこかに、やりくり上手でお金持ちの男の子転がってないかなぁ。
人恋しくなる秋、フトコロも淋しい私は、真剣に探してしまうよ

那須土産-夏の終わり-

2005-08-28 23:59:59 | trip
8月最後の日曜日。台風も去って、那須高原は秋の気配。
今年の夏もあっという間だったなぁ、と感傷に浸りつつ早足でお散歩。

那須I.C.渋滞を予想して、西那須野I.C.で高速を降り那須をめざしてふらふらと。
とりあえず、ランチを取ろうとジョイア・ミーア塩原関谷店へ。
那須へ行ったことがある人なら知らない人はいないくらい有名なイタリアンレストラン。
皇太子様ご夫妻もいらっしゃったことがあるようですね。
塩原店は初めて入りましたが、本店同様混みあっていました。
11時をすこし回ったくらいだったのに、もう列が出来ていました。
それほどお腹は空いていなかったので、ラザニアとサラダを取り友人とシェア
ラザニアのミートソースの、自分では手が届かないところを思い切り掻いてくれるような絶妙の味わいに、「美味しい~、お腹いっぱい~」と言いながら完食。
ローストビーフのサラダも美味しゅうございました。

お腹も満たして、次の目的地は那須ステンドグラス美術館
ここには3つの礼拝堂があり、それぞれにイギリスやドイツの教会などで使われていたステンドグラスを展示しています。
また、演奏会もよく行われているらしく、折り良くファゴットのコンサートに出会いました。
礼拝堂に響くファゴットの音色はとても素敵で気分もほんわか。
そして、セント・ガブリエル礼拝堂では、実際の挙式に遭遇。
今、まさにヴァージン・ロードを歩こうとするカップルの一部始終を目撃。
緊張する新郎と新婦、慌ただしくやって来てヴェールを踏むお客さん、など普段はなかなかお目にかかれない貴重な瞬間に、思わずにやにや。
パイプオルガンの演奏も聴くことができて、お得な気分。
ちなみに、HPのクーポンを持っていくと入場料が100円引きになり、貝殻のハートをもらえます。
ハートには、七夕のたんざくのように願い事を書いてツリーに吊るせるので、行かれる方はチェックしてみては。
私も、密かなお願い事をしてみました。
↓美術館2階からエントランスをパチリ。


那須へ来たからには、やっぱり温泉♪
「鹿の湯」もいいけれど、ちょっと雰囲気のある旅館の温泉で汗を流そう!と山水閣へ。
ところが、ナビを積んでいない私のクルマは山道で迷子に。
とあるホテルのパーキングのおじさんに教えてもらい、着いたのがここ。

打ち水してある石畳を行くと、ワレモコウのお出迎え。
微妙に色合いの違うのれんの向こう側には、居心地の良さそうな雰囲気のあるロビー。
ドキドキしながら日帰り入浴について尋ねると、お客さんがたくさんいらっしゃるようでNG。。
んーーー、残念
はい、予約しなかった私がいけないんだわ。
昼食とのセット入浴もできるようなので、次回はぜひ!と固く意を決し山水閣を後に。

結局、温泉は大型リゾートホテルでさくっと済ませて、本日のメイン。
カフェ ショーゾーへ。
できれば、夏と冬に一度ずつは訪れたいカフェ。
コーヒーを一杯いただくだけで、どこか知らない場所へ旅に出たような感覚を与えてくれるところなんです。
カフェブームのせいなのか、オンシーズンのせいなのか、入り口にはお客さんが溢れ、列ができていました。
こうなると、ちょっと引いてしまうのよねぇ。
コーヒーを飲むためだけに、並ぶのはなんかイヤだ。
ゆっくりと落ち着いた気分で夏の終わりを楽しみたいだけなのに、並んで待つなんて。。
まぁ、仕方が無いからノートに名前を記入して順番を待つことに。
間もなく名前を呼ばれて、二人がけのテーブルへ。
赤と緑の椅子が可愛い。
いつもスフレケーキばかりを注文してしまうので、今回はチーズケーキにしてみる。
うん、美味しい。
口当たりのいいケーキと、コアントローかな?お酒の効いたクリームが美味しくてすぐにお腹に納まってしまう。
コーヒーは、森のブレンドG2。
コーヒーだけだとすっきりと強い目のお味なんだけど、ケーキと一緒に飲むとするすると入っていく。

すこし残念なのは、メジャーになりすぎてお客さんの幅が広がったことかな。
私もそのお客の一人なんだけど、もうちょっと余所行きの場所であって欲しい気がするの。
携帯でメールしたり通話するっていうのは、どうなのか。
私は携帯の電子音が大嫌いなので特にそう感じるのかもしれないけれど、あの音って自然の美しさをぶち壊す音じゃない?
そう思うと、本体さえも憎く思えてくるのよねぇ。

↓カメラ・携帯は禁止、って書いてあったけれど、こっそり…。さて、なんでしょう?

答えは、トイレの内側のドア。「用の美」という言葉を思い起こさせる味わい深いドアノブ。

並行-植生的

2005-08-26 21:45:30 | flower
いつの間にかgooブログにも追加されたカテゴリの記事数。
カテゴリを作ったものの、内容が無いものもちらほら。
というわけで、少数カテゴリを強化していこうと思います。

6月ころのお花のテーマは並行配置によって植生感を表現する構成。
花材はこちら。
・トルコキキョウ
・ラークスパー
・スプレーカーネーション
・利休草
・マトリカリヤ
・イタリアンパセリ
・ミント
・アルケミラモーリス

もっと、透明なリズム感を出したかったけど、お花入れすぎよね。。

チャングムに夢中

2005-08-25 20:30:55 | diary
もともと、あまりテレビを見る方じゃないけれど、最近はほとんどテレビを付けない。
野球もサッカーも興味が薄れているし、バラエティはかったるい、報道番組でくだらない政治家の顔を見たくもない。
そんな私の唯一のお楽しみが、木曜10時。「女系家族」でも「電車男」でもなく「宮廷女官 チャングムの誓い」です

「冬ソナ」などの韓流ドラマにはまるで乗らなかったくせに、「チャングム」だけは外せない
「冬ソナ」も見ようとしたのよ。。
でも、たまたま付けた回で「海辺でヨン様とジウ姫がエアバレーをする」というなんとも寒いシーンを展開してくれてて、観続けることができなかった…。

「チャングム」も観るきっかけは、7月の一挙放送。
平日8時から2話ずつ放送していたのをたまたま目にしたのですが、引き込まれた。
まだ幼いチャングムがやグミョンが大人顔負けの料理評をさらさらと述べ、宮廷のどろどろとした人間関係に巻き込まれていく様がどことなく「おしん」を思い起こされ、たちまちにハマッたのでした。
そういえば、「おしん」の再放送時は欠かさず観ていたっけ…。

ストーリーは割りと単純に、宮中にはびこる悪・チェ一族と対峙するチャングム、ミン・ジョンホたちのぐるんぐるんと渦巻く戦い、って感じなんだけどこれが目を離せない面白さ!
チェ女官長、グミョン側には宮中の実力者、オ・ギョモ様、チャングムの同期で常に邪魔ばかりするヨンノ、医務官のユンス、医女のヨリが着いているのだけれど、オ・ギョモ様やヨリの裏切りによりチェ一族に逆風が!
このチェ女官長のぎらぎらした悪役顔がすっごい好き。
とても華やかで綺麗な人なんだけど、人をコバカにした鼻笑いとか、良くないことを閃いたときのたくらみ顔、窮地に陥りつつも威厳を失わない気の強さとか、見所満載よ
グミョンのクールな悪さとか、ミン・ジョンホをめぐるチャングムへの憎しみの深さとか、それはそれで楽しいんだけどやはりチェ女官長様には及ばない。

先週の予告によると、ようやく追い込んだチェ一族が正義の子・チャングムによって釈放されてしまいそうだし、逆にチャングムが囚われの身に??
次から次へと押し寄せる波を正攻法で乗り越えるチャングム!!
ミン・ジョンホ様との関係は?
あぁ、楽しみ~~

そういえば、十月大歌舞伎昼の部の『加賀見山旧錦絵』は、お江戸多賀藩の奥女中の確執を描いた作品ですね。
ところ変わっても女の争いは変わらない?
チケットどうしようかしら…

ツラツラと。

2005-08-23 22:53:31 | diary
思ったこと。
・やっぱり私は「組織」が嫌い。
・夏から秋へ移る季節っていちばん好きなのかも。
・スタンスって言葉を日常で使うことは、絶対に避けたい。
・カンパリは果たして健康的なお酒なのか、薬臭いのか。
・大勢の中で孤独を感じるのは、とてもとても辛い。
・正しいことも、正しくないことも、どちらも大した意味はないのかもしれない。
・まるで本を読む気がしない、夏なのに。
・回りくどい事が嫌いなのに、大事なことにはなかなか近づけない。
・夏はなぜカレーが食べたくなるんだろう。
・きっと、秋の月を見ながら「この季節が最高よね」とか思うんだろうな。
・なんで赤メダカはなつくのに、黒メダカはいつまでも警戒心が強いんだろう。
・秋になったら何を聴けばいいのか、まるで思いつかない。どうしよう。

画像は、昨日のバースデーパーティーのケーキ。
ローソク立てすぎよ。
二人の友人のお誕生日に

gooの調子が悪いのか、私のPCが悪いのか、最近ブログの編集に手間取るばかり。
面倒なので、今日は何も考えずに箇条書き。
どうせ、これも消えてしまうのかもしれないし。

台風が来たら、秋もそろそろと近づくのかな。

サヨナラCOLOR ~映画のためのうたと音楽~

2005-08-22 23:57:43 | music
とうとう買ってしまいましたサヨナラCOLOR ~映画のためのうたと音楽~
映画を観るまで我慢しようと思っていたのに、2週も続けて振られてしまい我慢できなくなりました。
さすがに立ち見は辛いかな、と諦めたのですがどうしても観たい。
CDを聴いたら、ますます映画が観たくなってしまった。
近々、お休み取るか…。

さてさてCDは、「映画に使われなかった曲、映画ではインストだった曲に歌詞を付けて歌った曲が収録されてたり~」ってことで、普通に映画のサントラって訳でもなさそうです。
1曲目からスチャダラパーのゆる~いMCってのもかなりツボだったけど、全体を流れるクラムボン郁子ちゃんの透明なピアノとか、ナタリーワイズBIKKEの切なくなるような声とか、永積さんの声がかっこいいことは言うまでもないんだけど、すべてが竹中さん仕様のゆるダサかっこいいスタイルで貫かれてます。
そして、そして「サヨナラCOLOR」。
忌野清志郎さんをフィーチャーしたこのラストナンバーが、竹中さんのツボ中のツボなのかな(以前、このブログでキヨシローさんと永積さんのデュエットの様子(テレビね!)を書いたことがあった。暇だったら探してみてくださいませ。)。
サウンドプロデュースは高野さん
はい、どうしようもなく酔っ払ったときの私のカラオケナンバーは「虹の都」です。スミマセン。
あぁ、映画が観たい。映画が観たい。

そういえば、1回目に映画に振られたときに見かけたタワレコの広告がHITだった
竹中直人さん、ハナレグミ永積さん、ドランクドラゴン塚地さんらの「ズ・まんじゅしゃげーズ」。「ズ」って!「まんじゅしゃげ」って!!
制作現場の様子もかなり笑わせてくれたので、ぜひご覧ください(→コチラ


ケーテ・コルヴィッツ展

2005-08-21 23:52:56 | art
間に合いました、ケーテ・コルヴィッツ展。
茨城県つくば美術館での最終日は、たくさんの人が無言でコルヴィッツの作品に見入っていました。

もう、ただただ引き込まれるばかりです。
死への恐怖と悲しみは、その背景にある戦争や政治を憎しみ、より一層激しい生への欲望を現しています。

ケーテは、1867年から1945年にドイツに生き、第一次世界大戦で息子・ペーターを、第二次世界大戦では孫のペーターを亡くしています。
しかし、息子の死より以前から『織工の蜂起』や『農民戦争』といった銅版画等による連作で貧困にあえぐ人々や戦争で失われる人々の姿をリアルに描いています。
それらは、戦争の愚かさを如実に表現していて、鳥肌が立つ。
目をそむけたくなる悲惨な状況に、正面から取り組んだケーテの精神が、たくさんの版画や素描から伝わります。

その一方で、死から子を守ろうとする母の姿、死にゆく子を抱く母の姿には深い愛と強さがあります。
子を守ろうと両腕をひろげ、子の頭を包むてのひらは、人間の美しさが凝縮されているように感じました。
その温かさは、力強く凄まじいまでの迫力がある版画や素描より、彫刻によく現れています。
また、幼い子のとぼけた表情や、赤ちゃんのデッサンはとても自然で愛らしく、ケーテの母親としての日常を垣間見せてくれて微笑ましい。

ナチスの台頭により自由な表現活動は出来なくなりますが、それでも晩年まで描くことを諦めなかったケーテの強さと、最後までケーテを突き動かした戦争・飢餓の悲惨さを改めて考えさせてくれた展覧会でした。

ケーテ・コルヴィッツ展

つくばでの会期は終了しましたが、新潟、姫路などを回り、来春には東京で展示があるようですので、ぜひご覧になってください。

八月納涼歌舞伎 第三部

2005-08-20 23:59:59 | kabuki
もう随分時が経ちますが、雑誌「和樂」の歌舞伎特集で、アラーキーが撮った勘三郎さんの「法界坊」を紹介していて、そのインパクトが大変大きかったことを憶えています。
だって、トップレスのストリッパーたちと手をつないでにラインダンスしてるのよ!
通天閣をバックに見得を切ったり、にやけた薄ら笑いでちょうちん横丁を自転車で走ったり。
残念なことに、そのときは「ふーん、素敵に斬新な世界があるもんだ」と思ったきりで、実際に歌舞伎を観るに至ったのはもう少しあとのこと。
そんな訳で、今月歌舞伎座で「法界坊」がかかると聞いたときはとても嬉しかったのです。

「隅田川続俤 串田戯場 法界坊」
やってくれます、勘三郎さん。
舞台を、客席を走り回り、憎らしいのに目が離せない、なんとも愛嬌のある悪党ぶりを存分に見せつけてくれます。

序幕いちばんの笑いどころ(?)は、お座敷で要助とお組が痴話喧嘩をする隙に理魚の一軸をすり替える場面。
大真面目な要助&お組と小ずるくて卑しい法界坊の対比が可笑しくて、いつの間にかお芝居に引き込まれていました。
法界坊に変わって座敷に入ってくる勘十郎(勘太郎さん)がまたどうしようもないバカ殿様っぷりで可笑しい。
法界坊が思い切りきつく縛った一軸の箱が解けなくて、無理やりに軸を取り出すところなんて、可愛くさえあった。
「為末!為末!」と言って跳びながら去っていく後ろ姿とか、すっごい可愛い。
そして、法界坊に匹敵するくらいの衝撃だったのが、お組に迫る亀蔵さんの番頭正八!!
もう、気持ち悪すぎ!!!
「キモカワ」じゃなくて「キモヤバ」なんですけどぉ。
キモすぎてキモすぎて可笑しい。
こんな法界坊や勘十郎、正八に口説かれる扇雀さんのお組は、要助を追いかける以外はひたすら普通に演じていて、大店のお嬢様っぷりが似合っていました。
福助さんの手代要助も、白塗りが素敵な二枚目っぷりだったけれど、ところどころ台詞が聞こえなかったのは残念。。

二幕目は、法界坊の悪党っぷりが際立ちます。
権左衛門(弥十郎さん)と野分姫(七之助くん)を殺した後の甚三郎(橋之助さん)との立廻りは、可笑しさの中にも美しさがあり、堪能。
そして、野分姫の霊と合体した法界坊の霊による宙乗りは…。
泣。なんと、本日のお席は一階二等席。まるで見えません

そして三幕。
「しのぶ売り」の姿で船着場へやって来る福助さんと扇雀さんのお姿にうっとり。
福助さんのお顔はどことなく梅玉さんに似て、貴公子っぷりが上がったよう。
そして、女船頭おさくの勘太郎くん。バカ殿様から一転して粋なお姿。
このおさくが強くてかっこよかった
勘三郎さんの双面が三幕目の面白さ、なんだろうけど、勘太郎くんのおさくの美しさに目が行き、印象薄…。

この日は、カーテンコールがありました。
七之助くんは居ませんでしたが、人形役の役者さんもお人形のまま手を振ってくれた。
最後に、深々とお辞儀をしていた勘太郎くんが印象的。
勘太郎くんの株がグッと上がった納涼歌舞伎でした

四国土産-金丸座-

2005-08-18 21:11:58 | kabuki
四国旅行の目的の一つ、「金丸座」について書いておきます。
歌舞伎ファンの憧れの劇場のひとつが、金丸座なんじゃないかと思います。
ファン歴の浅い私にとって、もちろん初めて足を踏み入れる劇場です。

無事こんぴら詣でをして宿へ向かう途中の陽も落ち始めた頃、金丸座へ到着。
ところが、非常に残念なことに、
 工事中でした

外観は少々淋しいけれど、入場できたので入場料500円を払って中へ。
薄暗い劇場の中へ入ると、閉館間際にもかかわらずスタッフのおじさんが「お時間があれば、ご案内させてください」とお出迎え。
今年4月の「こんぴら大歌舞伎」のノベルティ(?)うちわを手渡してくれ、木戸、花道、舞台、席と丁寧に説明してくれます。

劇場内は、思った以上に小さい!
これで740人も収容できるの?ってくらいの狭さです。
どの席でも、役者さんの動きや息遣いが感じられるんじゃないかしら。
そして、この劇場は電気が来ていないそうです!!
そう、江戸の雰囲気がビシバシと伝わってきます。
平成15年の改修工事で、「かけすじ」と「ブドウ棚」を復元したため、さらにお江戸へ近づいたというお話。
詳しくは、コチラで。
ちなみに、かけすじ復元による初・宙乗りは魁春さんだったそうです。

花道や舞台、桟敷席などで遊んだ後、楽屋へ回ってみました。

 
大部屋と女形部屋です。
この他に、番頭さん、囃子方さん、床山さんなどのお部屋がありました。
これらのお部屋、お江戸サイズなのでどこも天井が低い。
さらに女形部屋と大部屋(だったかな?)は二階にあり、そこへ掛けられた階段はとても急で狭いので、上演時の楽屋はドタバタと大変でしょうね。

さらに、奈落へ進むと、
 
廻り舞台とスッポンです。
使用の際は、どちらも人力で動かすそうです。
廻り舞台は4人、スッポンはなんと6人がかりで動かすとのこと。
これらの人足は、地元の商工会などの方がボランティアで協力するそうです。
それにしてもとても狭いスッポン、怪我のないよう、お客さんに感動を与えるために細心の注意を払っての仕事は、チームワークと信頼が重要でしょう。

開館時間は5時までですが、5時を過ぎてもなお入場者を歓迎するスタッフの方の熱意には頭が下がりました。
金丸座を、琴平町を誇りに思う気持ちがそうさせているんでしょう。
そして、金丸座を見事に復活させた役者さんたちと地元の方の熱い思いがずっと生き続けているんだ、と一旅行者は思いました。
来年はぜひ、外観工事も終わっておめかしした金丸座の木戸をくぐり、座布団の上でうちわを扇ぎたいものです。
さぁて、どの役者さんが来るんでしょう?

四国土産-丸亀市猪熊弦一郎現代美術館-

2005-08-16 22:53:28 | art
四国旅行からは大分経ってしまったけれど、記憶のあるうちに書いときます。

高松を見て、こんぴらさんへ向かう途中。
丸亀城を見学しようとしたら、朝から激しい雷雨。
丸亀市にあるうちわの港ミュージアムで雨宿りしましたが、なおも降り続く雨。
場所を丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)に移し、雨宿り。

MIMOCAのお話の前に、うちわの港ミュージアムについて少し。
丸亀市は全国的に有名なうちわの産地らしく、様々なうちわの展示や実演コーナーがありました。
その中に、泣く子も黙る楳図かずお先生直筆のうちわが!
四国の観光名所等を題材にしたうちわが88枚(かな?多分)程あり、マニアにはたまらないコーナーとなっていました。私はマニアじゃないんで、「あ、まことちゃんだ。生”ぐわしっ”だ」と普通に喜んでましたが…。
その楳図先生コーナーのお隣には、「有名人によるうちわ」のコーナーも。
菊五郎さんや芝雀さん、我當さんらのサインうちわも並んでいました。

さてさて、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
丸亀駅前に突如として現れたミュージアムは、高松市に生まれ、旧丸亀中学校に学んだ猪熊弦一郎の作品を多く収蔵しています。
私が訪れたときは、「窓と星座」「宇宙都市休日」「街・緑№1」などの大きな作品や、猪熊氏のコレクション(ガラス瓶や陶器や鉄製のオモチャなど。とてもカワイイ)が展示されていました。
この猪熊氏の素晴らしさを五感で感じさせてくれるのが、谷口吉生氏設計によるこの美術館。
建築や都市計画をテーマとした作品の多い猪熊氏の大きな作品に負けない、モダンでありながらも居心地のよい美術館です。

そして、折りよく開催していた企画展ニューヨーク近代美術館[MoMA]巡回建築展 谷口吉生のミュージアムを観ることができました。
MIMOCAはもちろん、土門拳美術館、香川県立東山魁夷せとうち美術館など日本各地の美術館の詳細な建築模型や設計図、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の設計段階からのコンセプトや資料が詳細に展示されています。
どの建築物も機能的でありながら美しく設計されていますが、それぞれの美術館の持つ役割にとても忠実であることに素人の私でも驚かされます。
美術館ではありませんが、広島市環境局中工場の機能性・メッセージ性には度肝をぬかれました。
ごみ処理場なんですよ、これ!
谷口吉生さんに建築を依頼する広島市もビックリですが、それに対してこんなに素晴らしいごみ処理場を作る谷口さんにもビックリ!!
これからの環境行政のあり方を期待させる建築ですね。

企画展は9月25日(日)まで開催しているようです。
四国のみなさん、四国へ旅行するみなさん、ぜひぜひ素敵な空間を体験してみてください