Daily Bubble

映画や歌舞伎、音楽などのアブクを残すアクアの日記。のんびりモードで更新中。

『ちんぷんかん』畠中恵

2008-02-06 20:36:07 | book
「しゃばけ」シリーズ第6弾、『ちんぷんかん』をやっと読みました。
今回も若だんなは虚弱を極めています。火事に遭い三途の川までやって来たり、苦い苦い薬を兄やたちに飲まされたり。

タイトルの「ちんぷんかん」は、若だんなかかりつけ(?)の上野のお寺で起きる妖とお坊さんとの和算勝負が軸になっているけど、算数(ええ、数学じゃありませんとも!)が大嫌いな私にはちんぷんかんぷんでした…。和算や数術が得意な方は楽しめるのかも。

「男ぶり」は若だんなのおとっつぁんとおっかさんの恋を、「今昔」では若だんなの半分だけ血の繋がった兄・松之助の縁談の行方を描き、全体的にすこししんみりした構成になっています。
最後の「はるがいくよ」では松之助が結婚のために長崎屋を離れ、幼なじみの栄吉も修行のために生まれ育った家を離れます。まわりの人たちが変わっていく中で、若だんなは相変わらず病気がちで妖たちに囲まれて過ごしていますが、そこへ不意に訪れた花びらの妖。花びらだから1週間ほどの短い命なんですが、若だんなはその命を大切に受け止めて悩みます。
病弱な若だんなだから自分の死については覚悟していましたが、近しい人の変化や死というものには慣れていないんですね。戸惑い、悩み、それでもいつものとおり過ごしていく。
若だんなはやっぱり病弱で甘い甘い両親や兄やたちに可愛がられて生きていますが、少しずつ少しずつ、変わっていくようです。
そんな若だんなのこれからの成長がまた楽しみです。


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