最も繰り返して読んできた本は、きっと『星の王子さま』だと思います。
小学生の頃に初めて読んで、中学校の頃には何度も何度も読み返していました。
2005年に多くの新訳が出版されたのは話題になっていましたが、なんとなく読む機会を失いそのままにしていました(変なところでヒネクレモノの私には、世の中の流れに乗っかるのはかっこ悪い!と思っていたのでね。)。2008年になってやっと入手した倉橋由美子さん訳の『星の王子さま』を読みました。
オビに「大人のための『星の王子さま』」とあるように、とても簡潔で読みやすくすこし深刻な訳だと思いました。
子供の頃に読んだ内藤濯さんの訳では感じなかったのですが、王子さまと狐の関係には恋愛感情を想像させるやり取りがあったり、「私」と王子さまの関係もくっきりと描かれていて深い孤独を感じさせられました。
倉橋さんがあとがきで書いているように、「子供が書いたものでもなく、子供のためのものでもなく、四十歳を過ぎた男が書いた、大人のための小説」として訳されたものなんですね。
王子さまの正体や、王子さまの最後については、様々な憶測や意見があるようですが、私にはまだはっきりとした答えを導き出すことができません。
倉橋さんの訳でいちばん心に残ったのは、狐が王子さまに話す「『仲良しになる』ということは、『関係をつくる』ってことさ」というくだりでした。
実直に投げられた言葉たちは、くっきりと物語の本質を描き出しています。
この小説は、子供だったことを忘れかけている大人のための小説なんだと思います。
池澤夏樹さんの訳も評判がいいようですね。この辺りでもうすこし、『星の王子さま』をきちんと読んでみようかな。
小学生の頃に初めて読んで、中学校の頃には何度も何度も読み返していました。
2005年に多くの新訳が出版されたのは話題になっていましたが、なんとなく読む機会を失いそのままにしていました(変なところでヒネクレモノの私には、世の中の流れに乗っかるのはかっこ悪い!と思っていたのでね。)。2008年になってやっと入手した倉橋由美子さん訳の『星の王子さま』を読みました。
オビに「大人のための『星の王子さま』」とあるように、とても簡潔で読みやすくすこし深刻な訳だと思いました。
子供の頃に読んだ内藤濯さんの訳では感じなかったのですが、王子さまと狐の関係には恋愛感情を想像させるやり取りがあったり、「私」と王子さまの関係もくっきりと描かれていて深い孤独を感じさせられました。
倉橋さんがあとがきで書いているように、「子供が書いたものでもなく、子供のためのものでもなく、四十歳を過ぎた男が書いた、大人のための小説」として訳されたものなんですね。
王子さまの正体や、王子さまの最後については、様々な憶測や意見があるようですが、私にはまだはっきりとした答えを導き出すことができません。
倉橋さんの訳でいちばん心に残ったのは、狐が王子さまに話す「『仲良しになる』ということは、『関係をつくる』ってことさ」というくだりでした。
実直に投げられた言葉たちは、くっきりと物語の本質を描き出しています。
この小説は、子供だったことを忘れかけている大人のための小説なんだと思います。
池澤夏樹さんの訳も評判がいいようですね。この辺りでもうすこし、『星の王子さま』をきちんと読んでみようかな。