マンタマンタに告ぐ

映画・政治経済・日常生活などの観察日記。

スクランブルジャックin渋谷82最終話

2008-06-15 21:24:26 | Weblog


アッパー・ニューヨーク湾(夜)
リバティ島。

自由の女神が、右手を高く上げて立っている。

そこへ1つの白く光り輝く彗星が、自由の女神に激突した。

女神の全身が、白い光りに包まれた。島全体が一瞬、白い光りを天高く放射状に放たれた。

光りが放たれ終わると、何事もなく自由の女神は立っている。

女神の顔がある。

自由の女神の目が、大きくカッと見開いた。白く光り輝いた。

今、ニューヨークでも新たな恐怖が起きようとしている。

●渋谷の街

10万人以上の署名活動が、実施された。しかし、翌年になっても、この交差点でイベントが開催されることはなかった。

個人的には、誰もが実施してみたいよいう心意気はある。

しかし渋谷区、東京都、国土交通省、経済産業省、警視庁、渋谷商店街、流通業界、近隣企業などが二の足を踏み、実現には至らなかった。 

 手続き上の問題が多く、責任の所在が明白でないため、開催は見送られてしまうのであった。

発起人(博恵・道代・宏)たちが苦労し、奮闘しても、奇跡が起きることはなかった。それが、現実であった。

そもそも、宏が全然やる気がない。口先だけで、実行力は全くなかった。

まして、警察官だ。立場が悪い。踊りが嫌いで、仕事の嫌いな宏にとって、実行委員会に参加することに無理があった。

●この物語はフィクションです。現実の交差点で、踊らないようにお願いします。逮捕されます。

一部実名を登場していますが、物語の構成・設定上、使用させてもらいました。

いつか誰かが、現実社会で奇跡が起こることを祈ります。

ちなみに作者は、渋谷へ行った回数はごくわずかです。

マンタマンタ
                        完













●渋谷81

2008-06-15 07:16:21 | Weblog
モニタービルA

 宏が、マイクを通じて叫んでいる。

 踊りを止めた、5万人以上の群衆たちが立ち止まっている。

 5万人の観衆たちが、叫んだ。
5万人「踊りたーい」

 渋谷のビル群から、反響音が鳴り響いた。
 宏の顔が、映し出さられている。叫んだ。

宏「奇跡は、神様が作るものではなーい。奇跡とは、一歩踏み出す勇気だ。奇跡とは、誠心誠意、コツコツと努力した者だけが起こせるのだ。奇跡は、自分自身で起こすものだ」

ピエール・道代・マスターがいる。

宏「来年もこの場所で踊りたかったら、実行委員会を立ち上げて、正式な手続きのもとで、合法的に踊りなさーい。誰か、実行委員会になる者はいないかーっ!」 

 博恵が、宏からマイクを奪った。

博恵「あたしが、発起人になりまーす。あたしも、ここで踊りたーい。みんなー、ここで踊りたくないかーっ?」

5万人「踊りたーいっ!」
 宏は、道代からマイクを受け取った。

宏「奇跡を起こすのは、神様ではなーい。お前たち自身だーっ」

 久美子は、納得しうなずいている。

宏と博恵が、お互いに視線を合わせた。微笑んでいる。

宏「合言葉は…」
2人揃って、大声で叫んだ。

宏と博恵「スクランブル…」
5万人「…ジャーックっ!」
 ○    ○

 この騒動は、宏の言葉に反して、朝まで続くのであった。総理大臣、警視総監の判断で、今回だけは許された。

●次回、最終話。