愛のつるし一回転飛行機

けん玉姉のけん玉普及活動日記。
2008年秋、転移性乳がん患者となる。
病気のこと、日々の生活なども。

タイムパラドックスと仕事パラドックス

2011年03月09日 | 思い出

 私は、これまでこのおかしな夢の世界で自分のやったことをもう一度最後に、チェックしようと思いました。いつも何か、漫画でも、だいたいのシナリオを作ったら、全体像を見直して、構成に問題がないかどうか、確認することにしていたのですが、私は、この妙な時空の流れのあり方も、同じように見ていきたいと思ったのです。この時空間でやったこと自体、自分の作った作品のようなものだという気がしていました。


  私は遡って過去へ過去へと見ていきました。そして最初の頃のジタバタしてるとこを見てるうちにまた、悲しくなっていきました。

『あんな事しても無駄なのに・・・』

 必死でみんなを幸せにしようとして何にもならないどころか、却って悪化されて、もがき苦しんでるのを見てるとどうにもならない気分になってそこへ吸い寄せられていく自分を感じていました。『ああ、やってしまう・・・』
 
  私はそこにいる自分がいつまでこれをやるんだとか思いながら嘆いてるのを見て言いました。「ずっとさ・・・」 

それを聞いて私を捕まえようと身構えて必死になってる自分がとても哀れでした・・・


 『これだったんだ・・・』このことの全てを知った私は泣きながら自分を捕まえた自分に言っていました。「ここには俺達しかいないんだよ・・・」

そこにいる自分の苦しみを何とかするのに今の自分が相手をするしか無い状況なのがわかりました。
 
 『タイムパラドックスが起こらないのはこういうことだったのか・・・』私は悟りました。時間とは、感情でできているのだと・・・どうしても心配だ。こうであることは怖い・・・その気持が想像した状況を作っていく。恐怖と心配という最も強い感情に沿う形で・・・どうしてもその感情には逆らえないものとなってしまうからなのです。
 
 現実的にやるんだとか思うことが可能性を消し去ります。過去へ戻った時に全てが変わらないわけではないですが、変えられる部分は枝葉末節に限られる。その感情のエネルギーに抗しがたい状況となるからなのです・・・SF好きな自分はこれをSFファンに言ってやりたいと思いましたが『信じてもらえっこないか』とも思って笑いました。
 
 その時、私は、ずっと過去の自分の方向に何か、飛び出したような大きなエネルギーの渦のようなものがあるのが見えました。『あそこが、前にやつとあったところか・・・調べるべきか? しかし、いってしまうと、あの役をやらされるんじゃないのか?』
 結局、やっぱり自分なのか? 『しかし、そういうように持っていってるやつがいるとも言える筈・・・分からない・・・しかし、どうあれ、やらされたらたまらない・・・そんな危険を犯してまで、知りたくもない。』私は、その時の現時点に戻ることにしました。

 

 

 仕事はまだ、それなりの状況が続いていました。新しく決まった市場部長は、私に宣言しました。「俺は神なんか、信じないからな・・・」

「そうですね。神なんかいませんよ。」予定通りだ。私は思いました。これでいい。

しかし、彼はなにか不安そうにまだいいました。「しかし、なんであいつはあんなに信じた?」

「だから、何か、信じやすい人だったんでしょ・・・」

「でも、お前は・・・」

「だから、あわせてただけですよ・・・大して意味はありません・・・」

「しかし・・・」
 
 『変だな? 』私は思いました。絶対、そういうのを信じない男にした筈なのにけっこう、しつこい。「何を気にしてる?」  『神などいない、そうだな?』私は暗示をかけるような思いで彼を見つめました・・・

彼は身じろぎして、まだ不審そうな顔でしたが、やっと、
「別に・・・ 」と言ってくれて、ついに神のいない話に同意してくれました。

 わたしは、何か、晴れ晴れとした気分になって席に戻りながらそれを見つめていた他証券の人たちに言いました。「皆さん、これで今度こそ本当におわりましたよ。もう、神様騒ぎは今度こそ絶対におしまいですからね。よろしく・・・」

 「まあ・・・自分で終わらせちゃったわよ・・・あの人、」おばさんたちが変ねえという顔で言い合っていましたがもう、ほっておくことにしました。相変わらず、取次店の彼女はイジメを続けていて、それはどうにもなりませんでしたが、逆にそれが私への戒めでした。神がかりなどやったからああなったのだという・・・もう二度とあの世界に戻ってはならないという・・・

 ただ、新任の市場部長となった彼はその後、仕事上のトラブルをごっそり作ってくれました。神モードになってない時の私にとってはなんで、こんなどうにもならんやつが部長になっちまったんだとイライラすることばかりでした。そしてそれが自分がやったことだとは全く覚えていなかったのです。

 

 

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